1.四半期決算
藤田晋氏(以下、藤田):本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。それでは私から、2018年1-3月期(9月期第2四半期)の四半期のご説明をさせていただきます。
この四半期ですが、連結売上高および既存事業の営業利益が、「AbemaTV」の投資を抜けば、両方とも過去最高を更新しておりまして、全体的に良い決算であったと言える期になったと思います。
メディア事業に関しては、「AbemaTV」に投資をしている時期ではありますが、順調に売上を拡大し、かつ投資も順調に消化している状況です。
広告事業は、3月が決算期というのもあるんですけども、好調と言って良い結果になっております。
ゲーム事業も、しばらく横ばいが続いてたんですけれども、この四半期中に新しいヒットタイトルが出まして、過去最高の売上高を更新しております。
1.四半期決算 [連結売上高]
連結売上高の四半期ごとの推移です。順調に右肩上がりの拡大を続けておりまして、直近の第2四半期は、過去最高を更新した結果になっております。
1.四半期決算 [連結営業利益]
営業利益です。先ほど、「『AbemaTV』を抜けば(既存事業の営業利益は過去最高を更新した)と言いました。(「AbemaTV」を)抜いた場合の営業利益が164億円です。ここに49億円……「AbemaTV」に対する投資を約50億円行って、合計で114億円の営業利益が出た四半期となっております。
1.四半期決算 [販売管理費]
販売管理費です。大きな変動はないんですけれども。ずっと当社を見ていただいている方はわかると思いますが、(2018年)4月に新入社員がたくさん入ってきますので、人件費がだいたい第3四半期に少し増える傾向で、推移しております。宣伝広告費は、安定している状況です。
1.四半期決算 [連結役職員数]
今言いました、連結役職員数です。連続的に第3四半期の最初である(2018年)4月に新入社員が入るので(役職員数が)どんと増えます。そこから辞める人もいますけども、中途採用なども行い、だいたい横ばいからやや増えるぐらいの推移を、ここ最近はずっと繰り返している状況でございます。
1.四半期決算 [損益計算書]
損益計算書で見ると、こちらの通りになっております。後ほどお話ししますけれども、今期はこの四半期に、今考えられる特別損失を十分に出し切ったということもありまして、特別損益を計上しております。
1.四半期決算 [貸借対照表]
バランスシートで見ると、こちらの通りです。この四半期に当たる(2018年)2月19日に転換社債を発行しまして、400億円調達させてもらいました。それによって、現預金が847億円まで増えているんですけれども。こちらは、今M&Aを先を検討して一生懸命探しておりますので、そういった資金に回していく方針でございます。
2.2018年度 業績見通し
今期(2018年度)の業績見通しです。期初にお話ししました通り、引き続き(「AbemaTV」への)投資期ということで、営業利益300億円を目指す期になっております。
2.2018年度 業績見通し [連結業績の進捗率]
今はちょうど第2四半期まで終わって、(2018年度が)半分終わったところで、売上高(の進捗率)が約半分。営業利益・経常利益・当期利益に関しては、超過達成しているペースで進捗しております。
このままいくと、第4四半期が終わる頃には、大幅に達成している可能性は高いんですけども。まだこの第2四半期は、けっこうできすぎなところもありますし、ゲーム事業のボラティリティなども勘案し、業績予想は据え置きとさせていただきました。
2.2018年度 業績見通し [事業別営業利益の進捗率]
各セグメントごとの進捗率です。やっぱり、数字を引っ張っての広告事業がいちばん大きくて、進捗率は57パーセント。ゲーム事業も、55パーセントという傾向にございます。
「年間で200億円投資をする」と言った、「AbemaTV」。200億円投資をするというか、要は「200億円のマイナスを出す」ということなんですが。(年間で)200億円ですから、だいたい1四半期平均では50億円ですが、上半期までに89億円消化したことになっています。
3.インターネット広告事業 [売上高(四半期)]
各セグメントごとに、広告・ゲーム・メディアとご説明させていただきます。
まず広告事業は、今は本当に足元で好調が続いていると言っていい伸び方をしております。この第2四半期はいつも良いんですけれども、それにしても調子が良かったと言えると思います。
3.インターネット広告事業 [営業利益(四半期)]
営業利益ベースでも、第2四半期は65億5,000万円で、過去最高を記録しております。
3.インターネット広告事業 [スマートフォン広告の売上高]
毎回言っていますけど、広告事業の成長を牽引している理由は、スマートフォン広告のところが非常に伸び続けているところでございます。ここが、成長要因と言えます。
3.インターネット広告事業 [動画広告の売上高]
その中でも動画広告に、我々は全社をあげて力を入れていますが、ここも順調に拡大しています。ブランディング広告では、今までインターネット広告をあんまりやっていなかった広告主の出稿も増えて、市場全体が活気づいている状況と言えると思います。
3.インターネット広告事業 [強化分野]
我々は動画事業に関して、広告代理店部門、それ以外にもCyber ZとCyber Bullといった子会社を通じても、広告代理事業を多面的に行っております。また、動画広告制作ですとか、アドテクノロジー・動画制作・(動画撮影)スタジオにいたるまで、ワンストップですべて提供できる体制をすでに持っております。ここが、我々にとしては強みになってきているというところでございます。
3.インターネット広告事業 [2018年度 注力ポイント]
今後の広告事業に関しては、やはり我々はインターネット広告に特化した会社ですので、やノウハウが非常にあると言えると思うんですが。そのノウハウのほとんどが、運用の部分でございます。運用力による広告効果の最大化という強みに、今後も注力していくと。
それと同時に、新規広告主の開拓。動画広告が伸びてきたおかげでもあるんですけども、今までネット広告をやっていなかったようなナショナルクライアントの出稿が、いよいよ本格化してきたと思いますので、そこを強化していく方針でございます。
4.ゲーム事業 [売上高(四半期)]
続きまして、ゲーム事業です。ゲーム事業は、前回の決算説明会の場で「5四半期ぐらい、全体で横ばいが続いている」と(申し上げました)。
もちろん、新しいタイトルが加わったり、既存のタイトルが少し縮小してきたりといった(ことを)相殺して、横ばっていた状態ではあるんですけども。この第2四半期中の(2018年)2月半ばぐらいに出した『プリンセスコネクト! Re:Dive』。こちらが、新しいヒットに加わったと言っていいと思います。これが入ったことで、増収の要因になっています。
4.ゲーム事業 [営業利益(四半期)]
営業利益ベースでも、大幅に増益したということです。
4.ゲーム事業 [2Q新規タイトル]
この『プリンセスコネクト! Re:Dive』というのが(2018年)2月15日に出た新しいタイトルです。こちらが新しい当社の主力タイトルとして加わったと、この場で言っていいものになったと思います。
4.ゲーム事業 [セールスランキング]
『プリンセスコネクト! Re:Dive』が加わったことで、主力タイトルが現時点で8本あるというところが、当社の強みでございます。毎年いくつかのタイトルを出していくことで、全体を成長させていくという方針をとっております。
4.ゲーム事業 [今後の予定]①
(新規タイトルは)今後も出していく予定です。すでに事前登録を開始したものをご紹介させてもらうと、『けものフレンズ』のゲームが近々出ます。
4.ゲーム事業 [今後の予定]②
『ウマ娘 プリティーダービー』です。(2018年)4月から、『AbemaTV』でアニメを放送開始しています。非常におもしろいアニメで、こちらのゲームが、Cygamesから(オリジナルIPで)今後出ます。これは、もう事前登録を開始しております。
4.ゲーム事業 [2018年度 注力ポイント]
ゲーム事業に関しては、継続的に新規タイトルをヒットさせていくという方針をもっていますので、1本1本丁寧に(行っていきます)。ゲーム作りというのは、非常に大きなプロジェクトになっています。投資(額)も大きなものになってきましたけれども、今まで培ったノウハウできっちりと仕上げて、ヒットを継続的に出していこうという方針です。
それとともに(一言で)「ゲーム事業」と言っても、こういったオンラインゲームというのは寿命が非常に長いので、既存タイトルをしっかり運用して強化していくということもやっていきます。
「オリジナルIPか他社IPか」というのは、よくこの業界では議論されるんですけども。我々は、両方ともやっていく方針をとっています。
5.メディア事業 [売上高(四半期)][営業利益(四半期)]
続いて、メディア事業でございます。メディア事業に関しては、かつて売上を支えていた事業の中には、減少しているものもあるんですけれども。「AbemaTV」が新たに売上に加わっていること、あとマッチングアプリ(「タップル誕生」)が好調なことによって、増収基調に入っております。
5.メディア事業
これから、「AbemaTV」についてご説明させていただきます。
ダウンロード数は(開局2周年で)2,900万ダウンロードを突破していて、きれいにグラフが伸びてますけれども。最初のころは、かなり宣伝費を使ってダウンロードを伸ばしていたんです。今は、ほとんど「AbemaTV」自体の宣伝はやっていないんですけども。
こういった事業だと、新しい番組が始まるニュースや、その番組の出演者のファンだとか、ライブが行われるとか。そういったいろんなきっかけを通じて、ダウンロードが伸び続けているというようなサイクルに入っております。
5.メディア事業 [AbemaTV]①
マンスリーアクティブユーザー(MAU)が、今は1,100万人を超えた段階に入っておりまして、ウィークリーアクティブユーザー(WAU)で言うと、5、600万人という感じだと思いますけれども。
中長期トレンドで見ると、だいたい地固めをしながら、地層が積み重なるように伸ばしていくと。逆に言うと、こういったもので1発大きなコンテンツが出ると、跳ね上がりそうな気がするかもしれないんですけれども。
そういった方法ではなくて、しっかりといい番組を作り、サービスを改善し伸ばしていくという方針を、これからもとっていくという中での直近(の結果の数値)だと思います。
5.メディア事業 [AbemaTV]②
今回(の資料には)総視聴時間のグラフを入れたんですが。総視聴時間はパッとしないかもしれないですが、5,072万時間となっております。
5.メディア事業 [AbemaTV]③
利用者の年齢は、当初想定した通り10代・20代が一番多くて、若年層中心のサービスになっていると。男女比も、恋愛リアリティショーのオリジナル番組をかなりがんばったこともあって、最初に想像していた理想形である男女半々というのが、すでに実現しています。
5.メディア事業 [AbemaTV]④
当初、我々が2018年に入る段階で(申し上げていたことは)今期からは(「AbemaTV」の)売上も伸ばすし、制作費もさらに増やすという方針で、去年と同じ200億円の赤字を出す。つまり、単純に200億円使うんじゃなくて、売上も伸ばして、制作費・コストをもっと増やすと。
今は上半期が終わりましたけれども、その通りになってます。実際の広告の売上は開示しませんが、けっこうな勢いで伸びてきてますし、制作費もかなり増やしております。
5.メディア事業 [AbemaTV]⑤
オリジナルドラマの第3弾を作りました。
(『会社は学校じゃねぇんだよ』の映像が流れる)
藤田:こちらのドラマ(『会社は学校じゃねぇんだよ』)は、先週の土曜日(2018年4月21日)に1話を放送しました。リアル(タイムの数字)でもけっこうよかったんですけど、その後のオンデマンドの数字がものすごく伸びておりまして。ネット上で「めちゃくちゃおもしろい」というバズが非常に広がっている、手ごたえを感じるドラマになりました。
一応、(私が)サイバーエージェントを作った時のストーリーがベースになっていて、この『会社は学校じゃねえんだよ』というブログを書いた、うちの若い子会社(WAVEST)の社長(松村淳平氏)が人物的なモデルで。
あと、最近のスタートアップを作った子たちの(中で)よくあること(をテーマにしているもので)これは、インフルエンサー事業を起業する若者の話なんですけど。このようなドラマになっておりまして、若者版の『半沢直樹』みたいなドラマになってます。まだ見てない方は、第1話は無料で「Abemaビデオ」から見れますので、ぜひご覧ください。
5.メディア事業 [AbemaTV]⑥
あと、恋愛リアリティーショーの『オオカミくんには騙されない』というのが、地上波もぜんぶ入れて、女子高生が一番好きな恋愛番組に選ばれるヒット作になりました。これが出たのをきっかけに、かなり恋愛リアリティーショーを作っているんですが、いずれもけっこうな視聴数を稼いでくれてまして。このクールも、全部で6本の新しい恋愛番組を作っています。
「かなり作りすぎなんじゃないか?」と思う人も多いんですが、若い子たちは、恋愛番組をいくらでも見てくれるんだなというような感じです。
5.メディア事業 [AbemaTV]⑦
これも(前回の)決算説明会の場で言ったんですが、去年は特番でかなりの話題を作ったんですけれども。今期は「レギュラー番組でしっかり視聴習慣を作るんだ」という方針を立ててました。この第2四半期のトピックスで言うと、(2018年)4月に入ってからですけれども、7.2時間、月1で「新しい地図」の3人が行うレギュラー番組(『新しい別の窓』)の第1回がスタートしました。
あと『リアルカイジGP』。最後に生き残った1名に1億円という番組が、まずレギュラーで(の放送を)行って、最後の1人が決まる日に生放送で中継するという番組です。
あと、アニメチャンネルで声優さんの番組を作ったり……といったものがオープンしたり。
朝のニュースって(今までは)やってなかったんですけども、毎朝7時から、『Abema Morning』という番組が、新たにスタートしております。
5.メディア事業 [AbemaTV]⑧
40パーセント出資しているテレビ朝日との連携を、さらに強化していこうという方針で合致しております。(2018年)5月20日から「バラエティーステーション」という枠を作りました。これをテレビ朝日で制作して放送するという提携の試みも、行っていきます。
5.メディア事業 [AbemaTV]⑨
広告商品(の拡販)に関しても、最初はスポットCMから売り始めて(①)タイムのスポンサーを募集したり(②)、15秒ではなく1分・3分・5分などのいろんな長尺のものを作ったり(③)、1社提供で持ち込みの企画を流したり(④)というバリエーションもつけて、今はいろんな試みを、広告主さまと一緒にやっているという段階になっております。
5.メディア事業 [AbemaTV]⑩
「AbemaTV」のマネタイズに関しては、まだ本気で取り組んでいるかと言われると、まだ……。まずは、視聴数を稼ぐほうが大事という段階ですけれども、広告・課金に限らず、ありとあらゆるシナジー広告が生まれるところに着手していこうと考えておりまして。
もちろん、当社グループの広告事業とのシナジーは大きいですし、ゲーム事業やesports、マッチングサービスなどとのシナジーも行いますし、アニメなどのIPに投資をしたり。
M&A……これは、400億円の資金を発行したものの主な使い道ですけれども。メインで考えているのは、「AbemaTV」のマネタイズに寄与するような事業をM&Aしたいという考え方をしております。あと、「買えるAbemaTV社」というショッピングも行ってます。
5.メディア事業 [AbemaTV]⑪
「AbemaTV」の今後の方針ですが、(2018年度の)残りの半年も、もちろん引き続き先行投資をしていくと。そしてこの分野は、とにかくネットを通じて動画を見ていく世の中になるというのは、ほぼ間違いないですから。
その中で、このビジネスモデルをパイオニアとして確立させていけるかどうかというところの勝負だと、私としては思っていますので。これをしっかりやりきるというような方針で、コンテンツを強化して、最終的にはマスメディアを目指すということを考えています。
6.総括①
最後に総括させていただきますと、毎四半期(決算説明の場に)出てきても、言うことは変わらないんですが。
「AbemaTV」を、まずマスメディアに仕上げる。これを、中長期の収益の柱にするような気持ちで取り組んでいます。
広告事業・ゲーム事業双方とも、今は好調な状況に入りましたけれども、広告事業に関しては市場成長……市場も十分成長していますが、それを上回る増収率を確保したい。
ゲーム事業に関しては、(『プリンセスコネクト! Re:Dive』が)1本あたりましたけれども、今後とも新しいタイトルを出していきたいと考えております。
6.総括②
これも毎回出しているグラフですが、メディア事業に投資してそれを収益の柱にしたり、スマートフォン事業に先行投資して(収益の)柱にしたりしてきましたけど、今は動画の時期だと捉えていますので、ここをしっかりとやりきろうと思っております。
以上です。どうもありがとうございました。