2018年1月期通期決算説明会
相木孝仁氏:みなさま、こんにちは。鎌倉新書の相木でございます。本日はお足元の悪い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
私からおおよそ45分ぐらいをかけまして、前期の決算の概要と、今期・来期の計画について、お話をさせていただきたいと思います。
その後、会長の清水(祐孝氏)より、10分~15分程度で総括をさせていただいたのちに、Q&Aに移りたいと思います。よろしくお願いいたします。
(お話ししたいことが)2つありまして、通常は決算概要をご説明しているのみでしたが、今回は新しい年度(2019年1月期)にあたって、今期・来期の計画もご説明したいと思っております。よろしくお願いします。
2018年1月期 ハイライト
まず、決算の概要です。こちらがサマリーになります。
売上高が17億900万円、前年同期比で28.3パーセント増。営業利益は4億500万円、前年同期比で23.7パーセント増となっております。営業利益率も23.7パーセントとなっており、これはたまたま(営業利益と)同じ数字になりましたが、間違いではございません。(お示ししているとおり)23.7パーセントの営業利益率になっております。
こちら(の要因として)ご参考までの情報ですが、これまでなかなか採用ができなかったような優秀な人材が、前期にどんどん採用できるようになってきております。
そのため、人材紹介会社さんに先にお支払いするエージェントフィーが、けっこうかさんでおります。それが前々期並みだったとすると、営業利益は前年同期比で32.7パーセント増、営業利益率は(前年同期比で)25.4パーセント増で、それがなかりせば、非常に高い数字になっていたと補足させていただきます。
トピックスが5つございます。
1つ目が、繰り返しになりますが、優秀な人材を(積極的に)採用できて、採用活動費が大きく増えております。
2つ目が、葬祭事業が前期の下期から新体制に変わりまして、そこから成長トレンドが大きく変わっております。第3四半期は前年同期比で34パーセント増、第4四半期は前年同期比で48パーセント増で、成長のカーブが少し上向いたと思います。
3つ目が、仏壇事業です。ほかの2事業に比べると、若干成長率が低かったのですが、ここもテコ入れをしました。第4四半期から昨対成長率が上昇しまして、第4四半期は前年同期比で32パーセント増になっております。
残りの2つは、定性的なお話になります。4つ目が、35期・36期、すなわち今期と来期に向けた、既存・新規事業の成長戦略を構築し直して、それをしっかり実行・達成する体制が整ったことです。
5つ目が、(当社の)歴史的にそれほど注力できていなかった開発エンジニアリング体制を強化しまして、活動を開始しているということが、大きなハイライトになります。
2018年1月期 決算概要
数字をもう少しブレイクダウンして、お話ししていきたいと思います。
繰り返しになりますが、売上高が17億900万円、営業利益が4億500万円、経常利益が3億6,000万円、当期純利益が2億5,400万円、営業利益率が23.7パーセントになります。
営業外費用が増加しているのは、ご承知の通り、東証一部への移行に伴う費用と公募費用が3,200万円発生しております。経常利益は大きく伸びていないように見えておりますが、先ほどお話しした(優秀な人材の積極的な)採用による一時費用や、市場変更による一時的なコストがなかりせばと考えれば、営業利益・経常利益も、前年同期比で30パーセントを超える成長を遂げております。
そのような意味で、鎌倉新書が持っている本来のポテンシャルからすれば、まだまだこれからだと思っております。ただ、「今期の決算がどうだったのか?」ということを問われれば、売上も利益も順調に成長していると、自己評価しております。
売上の内訳
続きまして、(売上高の)17億円のブレイクダウンをさせてください。
こちらの表は、売上のブレイクダウンをWebサービスと、書籍他に分けたものになります。
先ほど(売上高の)全体の成長率が(前年同期比で)28.3パーセント増とご説明しましたが、Webサービスのところを見ていただきますと、今期は33パーセントの成長を遂げることができております。
「書籍事業が大事ではない」というわけではありませんが、あくまで成長のベースとなってくるものはWebサービスです。Webサービスが33パーセントの成長で、昨年度の成長率が27パーセントですから、成長率そのものが加速しているとご理解いただければと思います。
売上の内訳 四半期推移
そこで、売上を四半期ごとにブレイクダウンしたものが、こちらのスライドになります。
先ほど見ていただいた、年度比較の数値と比べてみます。Webサービスについて、第4四半期を昨年度と比較すると、41パーセント増の成長を遂げています。直近(の四半期)で見たほうが、成長率がさらに上がっていると言えるかなと思っております。
WEBサービスの内訳
続きまして、Webサービスの内訳です。先ほど見ていただいた書籍等を除いて、Webだけのところを事業ごとに分解してみたものが、こちらのスライドになります。
ご覧の通り、仏壇でプラス20パーセント、葬祭でプラス32パーセント、お墓でプラス35パーセントと、高い成長を遂げております。
とくにお墓と葬祭は、昨年の高い成長率よりもさらに上がっておりますことを、お伝えしたいと思います。
ここ(2017年1月期の横の赤い文字)で文字が小さくなっていますが、「去年の仏壇の成長率が26パーセントに対して、今回は20パーセントで、成長率が鈍化しているのではないか?」と、お気づきになった方がいらっしゃると思います。
売上の内訳 四半期推移
年度で見ると(仏壇の成長率は)20パーセントとなっておりますが、こちらのスライドが、主要3事業を四半期ごとにブレイクダウンした数字になります。こちらで、第4四半期の昨年と成長率の比較を見ていただきたいと思います。
仏壇における成長率は、先ほどの年度で見ると昨年度の(成長率が)20パーセントと申し上げましたが、(こちらのスライドで)第4四半期だけを切り出して見ていただくと、(対前年同四半期比で)仏壇でプラス32パーセントの成長を遂げております。そのため仏壇事業も、直近の成長率は復調してきていて、もう一段高い成長率になってきたと言えると思います。
次に、葬祭のプラス48パーセントという成長率ですが、これも過去に比べると非常に高いかたちになっています。
今回と去年を比較しますと、第3四半期に関しては成長率が34パーセントなのですが、それが(対前年同四半期比では)48パーセントになっているということで、これも(仏壇事業と同様に)成長率が加速していると言えると思います。
ただ、葬祭の場合は、少し売上調整のファクターが入っております。通常は葬儀社様からご報告が入って、売上のカウントを調整し直すのですが、今回は四半期調整のところが、少し上振れしたかたちになっております。
我々でカウントしている実質の成長率で見ますと、おおよそ40パーセントぐらいの成長ではないかと見ておりますので、今期もそのぐらいの成長率ではないかと思っております。
(スライドのグラフの)緑色のお墓も(対前年同四半期比で)39パーセントです。今回と前期の第3四半期を比較しますと、成長率が30パーセントですが、こちらも第4四半期と比べると成長率が加速しており、(前年同四半期比で)プラス39パーセントの成長を遂げています。
なぜかと言いますと、お墓はご存じの通り、だいたいリードタイムが2~3ヶ月ほど、購買決定までに時間がかかります。第3四半期の間に資料請求や見学者数を徹底的に増やしまして、そこの刈り取りがが第4四半期にできたということで、売上として大きく跳ねたかたちを実現できております。
先行指標としての資料請求数・見学者数を増やしていくことが、2~3ヶ月先の売上として上がってくるという構造になっております。
LE事業1部(お墓事業)の状況
少しブレイクダウンして、お墓事業のトレンドです。
四半期ごとに、お墓の紹介数・単価・成約率をグラフにしております。ご覧の通り第4四半期は、季節的なものがありまして、毎年資料請求・紹介者数の数が減ります。
しかし、2016年や2017年の第4四半期と比較していただくと、(2018年は)着実に紹介数が増えているということが、見ていただけると思います。
これを実現するために、CPA(顧客獲得単価)の低減や、HTML・メールの配信を増やしたりSEO対策をしたりなど、さまざまな小さな改善を繰り返して、この数字を作っている状況でございます。
LE事業2部(葬祭事業)の状況
続いて、葬祭事業です。葬祭も順調に拡大しております。緑の棒グラフの、紹介数のところが順調に右肩上がりで拡大しておりまして、対前年四半期比でプラス34パーセントです。2017年の約2,000件の紹介数から、今回は2,693件の紹介数ということで、大きく伸ばすことができております。
こちらにプラスして着目いただきたいことが、紹介数を大きく増やす中で、成約率は下がっていないということです。これには、さまざまな施策がございます。例えば、(「いい葬儀」が顧客満足度調査で)No.1の評価をいただいたので、そのキャンペーンを行いました。また、口コミを増やすことで、お客様からの信頼性を高める活動をしました。その他にもさまざまな活動をしており、この数字を作ることができております。
LE事業3部(仏壇事業)の状況
続いて、仏壇事業のブレイクダウンです。紹介数は、プラス11パーセントの伸びに留まっております。ただ売上で見ますと、先ほどご説明したとおり、第4四半期はプラス32パーセントのYoYを実現しております。
これはなぜかと言うと、第2四半期・第3四半期では、仏壇の斡旋売上で若干苦戦をしておりました。これも、第4四半期に体制を組み直すことで施策を大きく変えまして、斡旋売上が回復基調で、非常に伸びたところでございます。
また、オレンジの折れ線グラフ(成約率)が、若干下がる傾向のように見えております。これは、(2017年)12月後半から(2018年)1月、つまり第4四半期の後半に、紹介数がけっこう増えました。仏壇の場合、リードタイムがおおよそ2ヶ月……四十九日までに買うことが一般的ですので、そのリードタイムの中で、成約として回収しきれない・刈り取れないことがございました。
これが第1四半期にずれることがあり、この折れ線グラフの成約率が若干下がっているように見えますが、私どもの中で見ている指標では、ここはまったく問題ないという状況でございます。
主な費用の内訳
続きまして、費用の内訳でございます。こちらは、人件費が大きく膨らんでおります。これは、エージェントフィーを含む人件費が増加しているためです。
ただ、考え方によっては、本来であれば今年や来年に採るべき人材が、すでに前期のうちに採れているということです。エージェントフィーを含む人件費が前期にかかっているという意味では、私どもの中では非常にプラスと捉えております。
加えて、(当社の)中堅以上のキーとなる人材・リーダー層人材については、おおよそ採用ができたと思っております。これからは、より社員紹介や直接採用……あまりエージェントさんに高いフィーをお支払いして(採用活動をする)ということではなくて、リファラル採用を積極的に進めていきたいと考えております。
すでに、4割近い方たちがリファラル採用で入るかたちにシフトしてきておりますので、今後はここ(採用費)が大きく負担になることはないと、お考えください。
費用の推移
社員数は堅調に増えておりまして、正社員数は77名です。パートさん・アルバイトさん・派遣さんその他を含めると、トータルでは99名ですが、正社員で言えば77名の陣容となっております。
これは、以前私がいた楽天もそうですが、GDOやM3などのさまざまな優良企業から、優秀な方がどんどんジョインしてくれていますので、非常に良い傾向だと思っております。
さらに、とくにエンジニア周りですけれども、優秀な方・成果を出す方については、能力やコミットメントに応じて、正社員に移っていただくことを勧めています。人員数としては増えており、企業の競争力は上がっていると認識しております。
貸借対照表
続きまして、バランスシートのお話に移らせてください。今回、東証一部に指定替えしていただいたことに併せて、公募増資を行いました。そのため現預金が、ご覧のとおり、前期に比べると大きく伸びまして、18億6,200万円となっております。
また、純資産も大きく増えておりまして、22億2,900万円となっております。(資料の)一番下の行の自己資本比率は89.9パーセントと、健全なかたちを維持できております。
配当開始について
さて、最後に、配当を開始するというお話をさせてください。
前期の2017年7月21日に東証一部に市場変更したこともございまして、「今後の成長への投資」と「株主様への還元」をバランスさせていきたいと考えております。1株当たりの配当予想を、これまでは未定としておりましたが、今回は6円に変更させていただいております。
ここについて、少し補足をさせていただきます。鎌倉新書という会社は、まだまだこれからの会社です。私どもが株主様から期待されていることは、とにかくスケーラブルなビジネスです。もっともっと成長することを期待されていると、理解しております。
そのため、得られたキャッシュフローについては、基本的には再投資に回して、成長角度を高めることにシフトしていきたいと思っております。ただ同時に、株主様に長期で保有していただきたいということもございます。配当性向では21パーセントぐらいということで、決して高い数字ではないのですが、安定的に株主様へ還元していきたいと考えております。
さらに、大口の機関投資家様ももちろんですが、今後は個人投資家様にもどんどん投資していただいて、長く持っていただきたいと思っております。個人の株主様が、私どものお客様になるかたちを作っていきたいと考えております。
今後の配当について、はっきりとしたことはまだ申し上げられませんが、安定的な配当をお出しできるようになりたいと思いますし、その他株主優待等、株主様へのベネフィットも、しっかり拡充させていきたいと考えているところでございます。
ここまでが、決算の概要でございます。
今期・来期計画
次に、今期・来期の計画についてお話をさせてください。
基本的に、これまで通期予想は出しておりましたが、(今期・来期の)2期分の予想は出しておりませんでした。今回は少し中期的なレンジでお示ししたいということで、2年分数字の目標・見通しを出させていただいております。
2018年1月期の(売上高の)17億円と(営業利益の)4億円が、先ほどご説明した数字です。
今期の2019年1月期計画としては、売上高で22億円、営業利益で5億2,000万円、営業利益率で23.6パーセントを達成したいと考えております。2020年1月期においては、売上高で27億円、営業利益で7億円の目標を立てております。
今はさまざまな新規事業を着手しようとしているところですが、基本は既存ビジネスで、今行っている改善を継続・加速していくという前提で、ミニマムで達成できる目標として設定しております。そのため、少なくともこのぐらいは達成できるだろうという認識でおります。
また、これは社内的な話でございますが、2017年6月に大勢の社員に対して、有償ストックオプションを発行しております。これも開示されている情報ですが、行使条件が「営業利益6.5億円」となっております。
2020年1月期には、それを上回る7億円の利益を達成したいということです。この行使条件も全社員に伝わっておりますので、全社が一丸となって会社を発展させる・会社で収益を出す。それによって、自分たちもしっかりリターンを得るんだということで、会社の成長と個人の成長が、しっかりとアラインできた状態を作れていると、ご理解いただければと思います。
売上の内訳 [2019年1月期・2020年1月期計画]
続きまして、Webとそれ以外(書籍他)の売上のブレイクダウンです。これまでどおり、基本はWebで、成長をドライブしていきたいと考えております。今期(2019年1月期)はWebの売上で20億円、来期(2020年1月期)が25億円を考えております。
目指す姿
今回、中期の戦略を見直すにあたって、社内経営陣で議論したことがございました。「我々が、どのようなサービスを目指すべきか?」ということです。
我々はこれまで、高齢者のみなさま方とそのご家族が必要とする供養サービスを、比較して探せる、Web・電話のサービスを提供しています。(今後は)これを、もう一段深めようということです。
ちょっと長いのですが、(資料を)読み上げます。
「高齢者とその家族が必要としていることを誰よりも深く理解し、彼らが『やりたいこと』『やるべきと感じていること』そして『困っていること』に、耳を傾け、寄り添い、一緒に解決するサービス」。
このようになっていこうじゃないかと、社内で議論しております。
鎌倉新書が歩んでいく道筋
これには、2つの意味合いがあると思っています。
1つ目は、(当社は)ある種の情報サイト・比較サイトです。Cのお客様をBの事業者様におつなぎするのが、我々のサイトです。
そこにとどまらずに、お客様のことを深く理解して、一緒に解決できる。「お墓に関してどのように困っているのか」「葬儀に関してどのように困っているのか」に耳を傾けて、一緒に解決できるような会社になっていこうということです。
2つ目は、(当社が)やりたいこと・やるべきと感じていることは、必ずしも供養だけではございません。
「供養」というのはお墓・葬儀・仏壇事業で、まだまだ伸ばせると思っていますが、これを伸ばしつつ、高齢者のみなさま方が困っていることについて(事業を)広げてやっていくということです。「供養以外もやっていくぞ」という宣言です。
(鎌倉新書が歩んでいく)ステップで考えますと、現在は(資料の)左下にいます。我々は、供養斡旋のビジネスをしています。もちろん、一部では広告も販売していますが。(供養を)ご紹介して成約したときに、お金を頂戴するというモデルです。
今期と来期は、我々の事業の幅と深さを広げたいと思っています。「お客様をより深く知りましょう」「サービスの幅を広げましょう」ということを、やっていきます。これには、少し時間がかかるかもしれません。
私どもが描いている将来像・ビジョンは、「日本で最も、高齢者の方々のお困りごと・やりたいことを知っている会社になろう」「圧倒的な会員基盤と情報量を持つ会社になろう」です。
高齢者の市場には、なかなか新しいサービスができていませんが、このマーケットにどんどん革新的なサービスを作っていこうじゃないかということが、我々のビジョンになります。
成長のアクション方針
「具体的にどうやるの?」ということですが、我々は(成長のアクション方針を)この4つのステップで考えています。順番に、ブレイクダウンしてご説明させてください。
まず1つ目が、1のところです。「主力3事業」……これは、お墓・葬祭・仏壇の3つです。主力3事業において、お客様(エンドユーザー様)向けには、お客様の利便性向上と不安解消をしていきます。
そして、サービスパートナー様……すなわち葬儀社様・仏壇店様・石材店様の、不得意分野を強化するということです。Web系・マーケティング・営業など、我々が得意としているところをより極めていくことにより、より高い成長率・収益性・市場シェアを実現していこうと考えています。
2つ目が、お客様を知る、理解する、課題解決するためのケイパビリティを徹底的に強化していこうということです。これも後ほどご説明しますが、すでに掛け声だけではなくて、具体的なアクションを取り始めています。
ここでお客様のことを誰よりも深く理解することができたならば、3つ目の、高齢者様(とそのご家族)が必要とするものをすべて提供するための、エコシステムを創ることができると思っています。
これは、(当社が)自力で作るものもありますし、出資やM&Aをすることがあるかもしれません。将来像としては、高齢者の方々・そのご家族の方々が必要とするものは我々の中で提供できるような、サービス・プラットフォーム・エコシステムを創りたいということです。
4つ目が、社会の課題に挑戦することで、尊敬される企業になりましょうということです。我々はもちろん営利企業ですから、成長第一・利益第一でやっています。ただ同時に、やはりシニアマーケット、あるいは生きる・死ぬという分野において、なかなか社会が解決できていない問題がございます。そのようなところにも、果敢にチャレンジしていきたいと考えています。
既存事業について
1つ目の既存事業のところを、ブレイクダウンしてご説明します。このようなかたちで進めていきたいと思っています。
まず、「いいお墓」をはじめとするお墓事業においては、すでにインターネットにおいては、圧倒的No.1戦略です。
今新しく打ち始めている施策としては、先ほどご説明したSEO対策など、いろいろなものがございます。既存の打ち手をさらに加速するとともに、まずは今期中に、新しい形態のお墓サービス(を作りたいと考えております)。こちらの詳細は、まだ申し上げることはできませんが、数ヶ月から半年のうちに、新しいかたちのお墓サービスを作りたいと思っています。
また、認知度向上についても強化したいと思っています。「サービスが間違いなくいい」「物件数も日本一である」ということを、もう少しお客様に理解していただきたいと思いますので、マスのプロモーションに挑戦してみたいなと思っています。
もちろん、莫大なお金を使って、やる意味のないような広告を打つつもりは、まったくございません。費用対効果を考えながら、マスにどのように訴えかけていくかということを、考えたいと思っています。
(資料中央の)「いい葬儀」においても、改善活動がかなり進んでいます。すでに前期の後半のうちに、お客様満足度No.1を獲得しましたし、レビュー数も1万件を超えています。これは、日本最大のレビュー数になっています。
今進めていることが、提携している斎場数をNo.1にすることです。これも、早いタイミングで実現できるという状況でございます。サイトについても、(2018年)3月~6月くらいにかけて、何度かに分けてリニューアルをしていきます。ここで、集客やコンバージョンが、大きく改善するだろうと狙っています。
(資料右側の)「いい仏壇」においてご説明します。実は、リアルの仏壇マーケット自体は、かなり厳しい状況でございます。ただ、逆に申しますと、(マーケットが)厳しくなってきているがゆえに、仏壇店様が販売チャネル・獲得チャネル・集客チャネルを選別する時代になってきています。
そのような中で、他の媒体に広告を出すよりも、インターネット上で獲得・成約ベースで出品ができて獲得ができる「いい仏壇」の効果が、見直されています。
この状況下で、今のビジネスモデルをさらに進化させたい……(例えば)クーポンをもっと使いやすくしたり、仏壇店様のご紹介だけではなくて、もっと商品軸で仏壇を比較できるようなサービスにしたりすることを考えています。
(資料の)下のところに「事業のベースライン」とありますが、横串機能を強化したいということです。
実はこれまで、お墓と葬儀と仏壇は縦に分かれてビジネスを展開していました。今回は、数ヶ月前から、小林(史生)執行役員という人間がいまして、彼が3事業を今統括するかたちになっています。彼のもとで、(事業を)ばらばらでやるのではなく、それぞれの事業でうまくいっているものを横展開するということを、今は積極的にやっています。
また、クライアント(毎での数値管理に関しては)、仏壇店様・葬儀社様・石材店様の1社1社を、成約率・クーポン発行数などを細かくマネジメントしていくことで、フォローを徹底していくということです。これは、営業としては当然やらなければいけないことですが、3事業をまたいで、クライアント様のマネジメントをしていくということです。
他には、成功事例の横展開や、お客様センター機能の集約です。縦に分かれていたものを、(それぞれの)事業の独立性はしっかりと残しながら、共通して横串でやった方がいいものは一気通貫でやっていくかたちを、今は取りつつあります。
このような方針によって、既存事業を安定的に、これまで以上の成長率で伸ばせるようにしたいと考えています。
WEBサービスの内訳[2019年1月期計画]
(Webサービスの内訳を)数字で置き換えますと、このようになります。
これはYoYの売上の成長率ですが、仏壇でプラス15パーセント、葬祭でプラス39パーセント、お墓でプラス32パーセントと考えています。このあと、個別にご説明します。
LE事業1部(お墓事業) [2019年1月期計画]
まず、お墓事業におきましては、サイトのUI/UXの改善やコールセンターの強化を進めることで、昨対比プラス32パーセントの成長を実現したいと思っています。
LE事業2部(葬祭事業) [2019年1月期計画]
続いて、葬祭事業におきましては、昨年度以上に紹介数(緑の棒グラフ)をもっと伸ばすということと、足元の単価が改善していることもありまして、単価の読みを少し上振れさせています。9パーセントほど、単価が増えるだろうと見込んでいます。
これはなにかと言いますと、より熱心に動いてくださる、お客様の満足度が高い葬儀社様とより密に協業していくことや、宗教者手配などのさまざまなアドオンサービスを提供することによって、単価をもう少し上げられるだろうと考えています。
昨今、「葬儀(のマーケット)が小さくなってくる」と言われていますが、我々のビジネスモデルは、いわゆるお食事など、葬儀社様が外注しているコストはチャージしていません。そのため、実は葬儀が小さくなっても、我々がいただく手数料は大きく下がらない仕組みになっています。
そのため、世の中的には「葬儀が小さくなっていく」と言われていますが、我々のビジネスの単価は、逆に上がっていくのではないかと見ています。
LE事業3部(仏壇事業) [2019年1月期計画]
続いて、仏壇事業です。仏壇は、これも(お墓事業と同様に)UI/UX改善や広告の活用を行っており、足元でも順調に推移しています。第4四半期も順調に推移していますが、このプランを立てたのは少し前ですので、少し(計画としては)固めに見えるかもしれません。紹介数でプラス13パーセント、売上でプラス15パーセントの成長ということです。
足元の第4四半期のYoYの成長率からすると、ちょっと控えめかなという気もしますが、これは必達の最低ラインだと思っています。現実的には、もう少し上を狙えるのではないのかなと思っています。
成長を支える事業基盤
3事業をそれぞれ伸ばしていくということが、我々の基本戦略でございますが、それを支えるインフラも必要になってきます。
(成長を支える事業基盤は)3つあります。
1つ目は、開発力・テクノロジーです。エンジニアチームを増強することで、開発のボリューム・スピードを上げます。また、サイトリニューアルも行えます。
そして、実はこれが大事なのですけれども、テレビでお墓や葬儀を取り上げられることが増えてきています。そのようなときに、我々のサイトにかなり通常の20~30倍のアクセスがあります。我々(のサイト)は、これに耐えられるようなシステムにしていかなければいけないので、フロントまわりのWebの強化だけではなくて、バックエンド、サーバーサイドのデータベースの強化・刷新も、今進めているところでございます。
2つ目は、ブランドエクイティです。昨年からメディアリレーションとパブリシティの強化を推進しており、実際に昨年後半から、メディアでの取り上げが増えてきております。
今期は、厳選してマス・マーケティングにトライをして、なんとか「お墓といえば『いいお墓』」「葬儀といえば『いい葬儀』」「仏壇といえば『いい仏壇』」というように、お客様が純粋想起するようなところまで、持っていきたいなと思っております。
3つ目は、お客様を理解するためのケイパビリティです。今期は経営基盤に着手してまいります。また、コールセンター(による顧客接点の)強化をします。あとは、コンサルティングファームからも何名か招聘しておりますので、コンサルにも負けない、市場・顧客分析力・理解力を高めていき、これを事業につなげていきたいと考えております。
ここまでが、(成長を支える事業基盤の)1つ目の話です。
成長のアクション方針2
ここからは、(成長のアクション方針の)2つ目です。「お客様を知りましょう」ということで、4つのアクションをしてまいります。
1つ目は、「Story事業」……これは、「お別れ会事業」です。お別れ会事業は、葬儀ではありません。葬儀が終わったあとに、「(故人を)偲び足りない」ということで、宗教的な儀式というよりは、お世話になった(故人の)方にお別れをする会の事業を、実験的に行っております。
一昨年(2016年)は始めたばかりでしたので、年間で800万円ほどの小さな売上でしたが、前期(2017年)は、その5倍ぐらい(の売上)に拡大しております。ですので、前期は年間で5,000万円ぐらいの売上を、このお別れ会事業で作ることができております。
このお別れ会事業は、スポーツ選手などの著名人などは行っておりますが、一般の方々に広めていきたいと思っております。この裾野を広げていくために、このStory事業というお別れ会サービスを、カスタマイズしたいと考えております。
品質の高いところは維持しながら、その一方で、裾野を広げて(サービスを)わかりやすくしていくために、(会費を)5,000円や7,000円などの低額でもできるお別れ会サービスを、拡充していきたいと思っております。
これは(サービスを)施行する意味で、我々がお客様と触れ合う唯一のサービスですので、きちっと育てていきたいと考えております。
2つ目は、「お客様とのタッチポイント(声、顔、心)を増やしましょう」ということです。先ほど申し上げましたように、事業ごとにばらばらに分かれていたコールセンター機能を一つに集約しまして、CS部を立ち上げております。これを、しっかりと結果につなげていきたいと考えております。
3つ目は、「お客様情報をナレッジに変えていきましょう」ということで、データ基盤を作っているところです。すでにTableauを導入しまして、今期はCRMやマーケティングオートメーションなど、より深くお客様を理解していくための仕組みを、導入していくつもりです。
最後の4つ目は、「ライフエンディング市場の専門家を育てる」ということです。これは、自主調査リリースを増やしたり、月刊『仏事』をリニューアルしたりして、より深い分析ができるような媒体に、今進化しているところでございます。
エコシステムの構築
(成長のアクション方針の)3番目の、エコシステムを作っていくというところです。
現在私どもがサービスを提供しているのは、この(資料の)右上のオレンジの部分の「供養関連サービス」です。葬儀・仏壇・お墓、お別れ会などのあたりです。(現在は)年間で、134万人がお亡くなりになっています。これが2040年に向けて、約170万人に増えていくというマーケットでございます。
葬儀を行う方が130万人、お仏壇を購入される方がおよそ45万~50万人、約30万人の方がお墓を購買されているので、ここはここで伸ばしていくのですが、我々が目指すところは、もう少し広いところです。
もちろんセレクティブ・慎重にやりますけれども、マーケットととしては65歳以上の3,500万人、人口に占める比率としては27.7パーセントです。ここを狙っていきたいと思っております。
なぜならば、実際に私たちに(サービスを)注文してくださっているのは、お亡くなりになる直前・直後のご当人ではなくて、息子さんや娘さん世代が多いんですね。40代~60代の方が注文してくださっているので、そこを広げていきたいと考えております。
ですので、(資料の左上の)「アクティブシニア向けサービス」で言いますと、旅行・PC教室・ペット関連サービスで拾っていきたい。また、金融分野についても広げていきたいと考えております。
この下の「要支援・要介護者向けサービス」「要看護者向けサービス」では、だいたい640万人ぐらいの方々が、要支援・要介護というところにおられるということです。ここでは、(要支援・要介護者向けサービスの)保険外介護・介護付き旅行・家事支援、(要看護者向けサービスの)生前お別れ会・見守り・保険外看護など、さまざまなビジネスチャンスがございます。
我々がやりたいことは、我々の既存ビジネスで集客をしつつ、こちらの新しい領域でサービスを立ち上げていくことです。(既存ビジネスと新規ビジネスの)それぞれで集客を行ってばらばらに管理するのではなく、中心に会員組織を作り、ここをコミュニティプラットフォームにしていきたいという構想を持っています。
すなわち、ここに属しておられる65歳以上の方々が必要とするものは、なんでも手に入るということ(エコシステム)を、実現していきたいと考えております。これを自力・出資・M&Aでやることもありますので、さまざまなパターンで考えていきたいと思います。
こう申し上げると、「いったい(事業を)どこまで広げるつもりなんだ?」と思われるかもしれませんけれども。もちろん我々は、高収益・高成長のビジネスモデルでありますから、なんでもかんでも手を出すつもりは、まったくございません。
基本は、インターネットの強みを活かせるサービスを選びたいと思っておりますし、極力、在庫・アセット・人員をものすごく抱えるようなビジネスにいきなり着手することは、おそらくないと考えております。比較的、先行投資した分の回収が早くて、早めに利益が出せるサービスを選んでやっていきたいと思います。
60~70歳のお客様になると、完全にインターネットのみに閉じたサービスで囲い込んでいくことは、現実的にはまだ難しいと思っております。そのため、場合によっては、リアルで顧客接点を持つようなサービスをやっていきたいと考えております。
これ以上はまだ詳しく申し上げられないものは、たくさんあるのですけれども、このような世界観を作っていきたいと考えております。
成長のアクション方針3
今日、実際に紹介したいビジネスが2件ありまして、その2件のサービスを始めます。
(スライドの)左側がペットシッターのビジネスです。これは株式会社CARE PETSに、マイノリティ出資をいたしました。実は、ペットシッタービジネスはシニアビジネスでして、この会社のユーザーの半分は65歳以上です。
一人でお住まいになる高齢者の方々が、どんどん増えています。そうすると、ペットを手放せない。ただ、身体が少し不自由になられて、散歩や病院に連れていけないということで、ペットシッターのニーズが高まっています。
これをチェーン化して、拡大しようと考えているのが、このCARE PETSさんです。ここに出資をさせていただくとともに、私どもも顧客を深く理解したいと思いましたので、100パーセント子会社を別に作りました。世田谷・杉並・練馬において、FCとしてこのサービスを展開していくことを始めました。これが1つ目です。
2つ目は、パソコン教室です。これは本日(2018年3月8日)の取締役会で承認決議をさせていただきました。株式会社日本アイティ技能普及協会さんは、全国で163のパソコン教室を運営している会社です。こちらの会社と合弁会社、ジョイントベンチャーを設立いたしました。
そのうえで、私どもが決めたブランド、ここ(スライド)に書いてあるように「みんなのパソコン倶楽部」というものを作りまして、パソコン教室を運営していきたいと。パソコン教室と言いましても、本質は、パソコンのスキルを売るサービスではありません。実は、日本アイティ技能普及協会さんが行っていらっしゃるサービスは、シニアのコミュニティサービスです。
パソコンを勉強したいのではなくて、「パソコンを使って、写真のあるものを作りたい」「グラフィックを作りたい」「アプリを使えるようになりたい」。そのようなシニアの方々のコミュニティを集めて、お茶を飲みながら勉強していくような学校なんです。
非常にユニークなビジネスモデルを持っていらっしゃる会社で、この会社と組んで、その会社のノウハウを勉強させていただきながら、ビジネスを展開していきたいと考えています。
これらを通じて、先ほど(30ページで)お話しした、「アクティブシニア向けサービス」「要支援・要介護者向けサービス」にエコシステムを広げていきたいと考えております。全部のサービスが揃って、データベースができるまでには少し時間がかかりますが、あまりリスクを取らないかたちで、1つずつビジネスをつくっていきたいと考えています。
成長のアクション方針4
最後に、成長のアクションの4番目として、社会の課題に挑戦したいということですが、これは今、会長の清水(祐孝氏)を中心に進めています。
シニアの方々に向けた終活セミナーなど、社会貢献団体の比較情報がなかなか世の中になく、「どの団体・NPOがいいのかわからない」ということで、この「社会貢献団体ガイドブック」もつくりました。
そのようなかたちで、なかなか自治体が解決できないような社会問題についても、我々は積極的に挑戦していきたいと考えております。これはボランティアで行うわけではないので、きっちり長く続けていくために、赤字ビジネスにはしないかたちで、進めていきたいと思っています。
このような成長性・収益性や、社会貢献・社会性を両立するような会社になっていきたいと考えています。
最後に2つだけ、ご説明させてください。
今回、(決算資料の)表紙を変えています。ここに込めた意味を、少しだけ補足させていただきたいです。
「人」です。我々は、本気で「人」を一番大事にしている会社です。私も入社して1年になりますが、ものすごくカルチャーがいい会社……人のことを考える、思いやりのある社員が集まっている会社です。
企業理念
今回、企業理念ということで、きっちり我々の想いを文章にしていますし、よい人が集まり、よい人が育ち、その人たちが辞めない組織をつくっていきたいと考えております。「人」がすべての成長・競争力の源泉であると、会長の清水も私も信じておりますので、人にフィーチャーした表紙にしているということが1つ目です。
最後に2つ目として申し上げたいことは、(私が入社してから)1年が経ちました。ちょうど1年前に鎌倉新書に参画することを決意しまして、(2017年)4月1日からジョインしていますが、やはり、このマーケットは非常にポテンシャルが大きいです。
「お亡くなりになる方が増えていく」「高齢者のマーケットに斬新なサービスがない」「参入企業もそれほど多くはない」「会社の中を見れば、まだまだ改善しなければいけないことがたくさん残っている」。
そして、集まってくれているメンバーたち……元々いたメンバーもそうですし、最近ジョインしてくれているメンバーもそうですが、非常に能力・モチベーションが高い。マネージメント陣も、経験豊富です。
このように考えると、私が1年前に入社するときに、少なくとも鎌倉新書という会社は、売上も利益も、時価総額もお客様の満足も、最低でも10倍になるだろうと考えていました。
もちろん、株価がすべてではありません。私が参画することを決めたときには、時価総額は100億円くらいでしたが、直近では200億円くらいで推移しています。これは約束というわけでもないですけれども、アンビションとしては、少なくとも(時価総額を)10倍にできるということを、経営陣・社員一同、本気で信じています。
これは売上でも利益でも、株価でも、まだまだポテンシャルが大きいだろうなと感じていますので、これから成長率が鈍化したり上がったりを繰り返しながら成長していくと思いますが、できるだけタイムリーに、この戦略の進展をみなさま方に共有しながら、みなさまのご指摘も真摯に受け止めて、成長していきたいと考えています。
以上、私からの決算の概要のご説明と、今期・来期の方針のご説明とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
講評
清水祐孝氏:ただいま相木から、前期の決算の概要、それから今期・来期の計画について説明させていただきました。
ちょうど半年前、相木が社長に就任しました。(彼が)入社したのは(2017年の)4月ですので、約1年になります。
手前味噌ですけれども、(彼は)非常にアグレッシブに、しつこくしつこく数字を追いかけていて、今日もみなさまの前で、きっちりとコメントをしていました。このような姿勢から「素晴らしい経営者だな」と、私も横で見ていて、いつも関心しています。
そのようなことで、事業でなにをやるかということも大事ですけれど、人・人・人。「人」を得ることだと考えて、事業をやってまいりました。
そのような中で、前期の決算で言いますと、成績や売上は上回ったものの、若干営業利益率が足りなかった部分がございます。しかしながら、自己評価しては、内容は悪くないのではないかと思っています。
それは、とりもなおさず、予定よりも人を(前倒して)採りすぎた結果、(営業利益率が)予定よりも少なかったということでございます。
例えば、13ページをご覧ください。主な費用のところで(ご説明しますと)、広告宣伝費を10パーセント程度にベンチマークしていこうということでしたが、これは(想定通り)10パーセント程度にきれいに収まっています。
広告宣伝費は、今期(広告を)出せば、今期あるいは来期の頭ごろの収益にヒットするものです。
(一方で)人件費は、中長期的な成長にヒットするものだと思っておりますので、(当社にとって)良い人がいて(どうしても必要だということで)多少採用しすぎて(費用として)マイナスになるということは、中長期的に考えれば、小さなことだろうと思っています。
トップとして、実現するというか、みなさまと約束をしなければならないことは、今期だけの収益を極大化することではありません。今期の収益も大事ですけれども、例えばトータルの10年間など、総合(中長期的な収益)をいかに極大化するかということではないかと思っています。
そこに対して、最も重要な構成要素は「人」だと思っております。そのような面で考えますと、前期の決算は満足できるレベルなのではないかなと、自己評価をしております。
それから、先ほど相木からも説明がありましたが、今期から配当を開始させていただこうと思います。
少し(相木からも)説明もありましたが、配当を出さずにもっと再投資をしていき、事業を加速化させていくという考え方もございます。
ただ私どもは、主に「高齢者の方々に向けたサービスをしていこう」という会社でございます。
日本の金融資産の多くは、高齢者の方に集まっているわけです。我々のユーザーになっていただき、我々の株主にもなっていただきたいという、強い思いがございます。
そのような個人投資家の方々に長く応援していただこうと考えたときに、もちろん(事業が)成長していくということも大事ですけれども、やはりそのような(個人投資家の)方々の期待の1つは、配当でございます。
そこで、多くはありませんが、安定的な配当を出していくことも、我々の大事な役割・重要な戦略であると考えています。
そのような背景から、今期から配当を出していくつもりです。これは、株主総会にて決議していただく予定でございます。
私からの補足的としては、このようなところでございます。
最後に(お話ししたいことは)、社会貢献のお話も(相木から)少し出ました。これから我が国においては、シニアの方を中心に、世の中に貢献していきたいという方が増えていくだろうと考えております。
我々も、終活に関するセミナーなどをやる中で、そのような想いをひしひしと感じております。「これからの社会のために、(自分が)作った資産を役立ててもらいたい」という人が増えてくることを、感じております。
そのような方々に、ただ単純にどこかに「(お金を)寄付して」ということではなく、その人の思いが叶えられるようなNPO法人や、公益財団・公益社団・法人などの団体をご紹介させていただくことも、我々が取り組むべき大きな役割なのではないかという考えの元で、(参考になる)ハンドブックなどを作っています。
(現時点では)まだ収益化に至っておりませんが、そのような事業からも、収益を上げていきたいと考えております。
なにより、そのような活動をやっていくことが、働くメンバーの誇りにもつながると思っておりますし、これからの企業において、そのようなこと(誇り)を追求していくことは、重要なのではないかと考えている次第です。
ほとんどの項目を(相木に)説明してもらいましたので、(私からは)補足的なところだけになります。
これからも優秀な人が集まる会社、そして、そのような人や会社の風土・環境の中で、がんばっていこうと思ってもらえるように、整備し続けたいと思っております。また、それによって、会社は成長していくのではないかと考えております。
私からは、以上でございます。ありがとうございました。