通期決算|サマリー

安田 昌史氏(以下、安田):安田です。本日はどうぞよろしくお願いします。

まず私から、業績を中心とした結論と要約から海外戦略までについて、熊谷から仮想通貨事業、2018年度の見通しについてご説明します。

通期の業績は、売上が1542億円、営業利益が176.4億円、経常利益が173.1億円、最終利益が80.3億円となりました。

いずれも最高業績とはなりましたが、営業利益、経常利益については1Qの金融事業の遅れが響き、業績予想にはおよびませんでした。一方、最終利益は80億円。こちらは達成しました。

通期決算|営業利益増減(対前年)

続いて、セグメントごとの年度の営業利益の増減要因です。 セグメントごとに見ますと、インフラは大変好調に推移したものの、金融は前年が活況だったこともあり、減益幅が大きかったことが要因で、年度では6億円の増益に留まりました。

第4四半期決算(10-12月)|営業利益増減(対前年)

一方、4Qの状況です。 こちらは4Qの営業利益の前年比較となります。インフラが最高業績を更新したことに加え、仮想通貨交換事業のGMOコイン社の黒字化もあり、56.5億円と四半期最高業績を更新しております。

通期決算(1-12月)|各セグメントの状況(対前年)

続いて、各セグメントごとの年度のサマリーです。 インフラは30パーセント近い増益と極めて順調に推移しております。決済を中心に各商材が成長しております。

一方、金融です。対前年では15パーセントの減益です。1Qの出遅れをFX事業での収益率の改善。仮想通貨交換事業拡大で巻き返しましたが、年度では活況だった前年を割り込んでおります。

次に、ネット広告・メディアでは、25パーセントの減益となっております。新旧商材の端境期が続いております。新しいアドテク商材は育っているものの、メディア事業におきます既存商材の弱含み、さらにアドネットワーク広告のレギュレーション変更の影響で増益に転じられておりません。

続いて、モバイルエンターテイメント事業です。こちらは減収減益。組織再編も完了し、スリムな体制で事業に集中していきます。

通期決算|業績推移

続いては業績の5ヵ年の推移を示しております。 金融はマーケットが活況でありました2015年2016年に比べて、2017年は厳しいマーケット環境となったものの、インフラの力強い成長が牽引し、全体では最高業績となりました。

各セグメントの状況は、この後ご説明いたします。当社グループの基盤でありますインフラ事業の力強さをあらためて感じた1年でした。

四半期業績推移

続いて、決算の概要です。

こちらは四半期業績。売上と営業利益の推移です。 四半期営業利益は56.5億円と大幅に過去最高業績を更新し、対前年19.1パーセントの増収。40.1パーセントの増益となりました。

セグメント別四半期売上推移

売上高のセグメント別の構成です。 四半期売上が400億円を超えました。やはりインフラが全体を牽引しております。

セグメント別四半期利益推移

続いて営業利益です。 先ほどお話した通り、最高益を更新しております。インフラの最高益更新、金融のGMOコインの黒字化、そしてインキュベーション事業の投資案件のExitが主な要因となっております。

PLサマリー

続いてPLのサマリーです。 (スライドを指しながら)こちらはご覧の通りです。

BSサマリー

続いてBSのサマリーです。 マイニング事業への参入にともない動きがありましたので、次のキャッシュフロー計算書の説明で、合わせてご説明します。

CFサマリー

キャッシュフローの状況です。 マイニング事業への参入により投資が進行しております。営業キャッシュフローは54.8億円プラスとなっておりますが、こちらにはマイニング事業の支出でマイナス7億円が含まれております。

一方で、投資キャッシュフローのうち、マイニング事業が77億円を占めており、2017年度におきますマイニング事業の投資支出はトータルで85億円という状況となっております。

今後もマイニング事業では大きな支出投資が想定されますが、こちらも適宜ご報告したいと思っております。

上場グループ会社 時価総額・持分相当額

続いて、グループの概況です。

当社グループ上場各社の時価総額と持分相当額はご覧の通りとなっております。

事業領域

(スライドを指しながら)こちらは当社の4つの事業領域を俯瞰した図です。

売上比率で領域の大きさを表現しております。インフラ、メディア、金融でざっくりと5対3対2というイメージです。

インフラの契約件数、FX・証券の口座数など顧客基盤が拡大しております。今期はこちらに新たに仮想通貨事業が加わります。後ほどご説明をいたします。

グループの強み(技術力)

続いて、当社のグループの強みの源泉であるパートナー数、エンジニア比率の推移です。

12月末のグループのパートナー数は5,316名、うち、44.2パーセントがエンジニア、クリエイターという、いわゆる作る人です。作る人の比率を50パーセント超にするという目標に向け、じわじわと上がってきている状況です。

事業構成

続いて、セグメント別の状況です。

こちらはインフラ事業の構成です。 引き続き、すべての領域でNo. 1となっております。

通期業績推移

続いて、インフラ事業の過去5年間の通期業績の推移です。

売上は決済、そしてアクセス事業が牽引しており、プラス29.5パーセントとなっております。

利益面では「minne」などへの投資の増分でありながらも、決済・セキュリティといった粗利の高い商材が伸びたことから、プラス28.7パーセントの最高益となっております。

四半期業績推移

続いては四半期業績の推移です。

オレンジ色の部分は「Z.com」「.shop」「minne」などの戦略投資を表現しております。この4QはminneのテレビCMがありましたが、好調に推移し、最高益を更新いたしました。

セグメント別四半期売上推移

続いて、セグメントごとの売上推移です。

(スライドを指しながら)ご覧の通り、着実に積み上げられております。

契約件数

続いて、インフラのご契約件数です。

(スライドを指しながら)ご覧の通り、892万件となりました。

「.shop」|契約件数と更新率

続いては「.shop」のご説明です。

「.shop」はサービス開始から約15ヵ月で契約件数が50万件を突破いたしました。新しく生まれましたgTLD約1,200種類のドメインのうち、登録ランキング数が10位となり、着実に件数を伸ばしております。

また昨年9月に更新が始まりました。3ヵ月間の更新率は実績で66.2パーセントとなり、順調な滑り出しをみせております。

通期業績推移

インターネット金融事業です。

こちらは金融の過去5ヵ年の通期業績の推移です。2015年16年に比べ、2017年はFX市場は落ち着きのあった1年だと思います。その影響が利益面でも出ております。

四半期業績推移

続いて、四半期業績の推移です。

1Qには収益率が一時的に低下いたしましたが、その後ビッグデータ解析への取り組みにより、ご覧の通り、収益的には改善傾向にあります。

また2Qより事業を開始しました仮想通貨交換事業の「GMOコイン」は4Qに黒字化しております。

仮想通貨市場は、市場の成長とともに大きな成長が見込める分野です。価格変動により、まだ収益にばらつきがあるものの、FXでのノウハウを活かして、新たな事業の柱に育てていきたいと思っております。

FX事業|KPI(取引高・マーケットシェア)推移

続いて、FX取引高の推移です。

6年連続で年間世界ナンバーワンとなったものの、取引高としては先ほどの要因により、やや減少いたしました。

仮想通貨交換事業|KPI(口座数・取引高)推移

GMOコイン社で展開しております仮想通貨交換事業の状況です。

5月末にスタートした仮想通貨交換事業は、ご覧のとおり口座数・取引高が急拡大しており、足下ではビットコイン以外のアルトコインの取り扱い拡充を進めております。

仮想通貨交換事業|安全性

仮想通貨交換事業のセキュリティ対策について、ご説明いたします。

当社グループは、お客さまの資産の大半をコールドウォレットで管理をしております。また、当社の資産とお客さまの資産の分別管理を行うことにより、お客さまの資産の保全を図っております。

また、セキュリティ対策も、いわゆる仮想通貨にアクセスするための秘密鍵を複数分散管理する手法であるマルチシグの対応を行っております。仮想通貨の分野も、インターネット金融事業者として10年以上の実績を活かして、安全性の高い仕組みをご提供していきたいと考えております。

金融・決済領域|アライアンス状況

続いては、金融・決済領域でのアライアンスの状況です。

各領域で、引き続き順調に進捗をしております。

通期業績推移

インターネット広告・メディア事業です。

こちらは、広告・メディア事業の過去5年間の通期業績の推移です。売上が対前年0.2パーセント減、営業利益は24.5パーセント減となっております。

自社のアドテク商材は伸びてきているものの、まだまだ規模が小さく、ネットメディアにおけますアドネットワーク広告のレギュレーション変更による収益の減少、その他の既存商材の落ち込みをカバーできませんでした。

四半期業績推移

続きまして、四半期業績の推移です。

足下の状況としては、先ほどご説明したとおりです。引き続き、自社商材の強化に取り組んでまいります。

セグメント別四半期売上推移

続いて、セグメントごとの四半期売上の推移です。

自社のアドテク商材「AkaNe」を中心に育ってきておりますが、広告代理の分野で事業再編などの内部施策に取り組んでいたこともあり、前年並みの水準となっております。

通期決算サマリ(対前年)

続きまして、モバイルエンターテイメント・その他の事業です。

モバイルエンターテイメント事業では、昨年12月に組織再編を実施し、ゲーム事業を行っているグループ会社を統合して、GMOインターネット本体で事業を進める体制に変更しております。さらなるコストの最適化を進めるとともに、開発に集中できる体制を整えることを目的といたしております。

また、インキュベーション事業では、昨年IPOした上場株式の売却などがありました。

海外展開|海外拠点

続いて、海外の状況です。

当社グループは世界20ヶ国58拠点に展開をいたしております。海外のパートナー数は1,272名となりました。

海外展開|海外売上推移

続いて、海外売上高です。

海外売上は、Z.comブランドで展開しているインフラ事業が、徐々に立ち上がってきました。今後さらにマイニング事業などの、加えて海外売上比率が着実に上がってきます。これにより、中期の目標としております海外売上比率50パーセントを目指したいと考えております。

駆け足となりますが、私のパートはご説明は以上となります。どうもありがとうございました。

マーケット環境(1)

熊谷正寿氏(以下、熊谷):熊谷です。本日はお時間ありがとうございます。それでは、さっそく説明をスタートします。

まず、仮想通貨のマーケット環境について、簡単にご説明申し上げます。

(スライドを指しながら)業界で標準的な「blockchain.info」さまというWebサイトから引っぱってきておりますが、左側が、仮想通貨を預けるウォレットの世界のユーザー数です。

ブロックチェーンのウォレットですから、ビットコインはじめオルトコインもすべて含んだユーザー数です。現在2,300万人前後になっており、1日10万人が全世界で増えているという状況です。

右側がビットコインの時価総額です。ピーク3,230億ドルまでまいりましたけれども、現在は12.6兆円(1,152億ドル)らいまで下落しております。これは、(ビットコインの)価格が急激に変動していることからです。

マーケット環境(2)

(スライドを指しながら)左側のグラフは、いわゆるマイニングをしている業者さんです。世界のマイナーのビットコインの1日あたりの総収入の金額です。

マイナーはマイニングを成功すると、現段階では12.5ビットコインが手数料として収入となります。約10分に1回マイニングを行っていると、1日144回になります。

12.5ビットコインかける144回かけるその日の時価がマイナーの収入になるわけです。現段階では、ピークは1日60億円ぐらいでしたが、現在は18億円前後で推移をしているということです。要は、現段階では、世界中のマイナーがブロックチェーンに記録をする競争をして、この18億円をみんなでシェアしているのがこの業界です。

(スライドを指しながら)マーケットの総ハッシュパワーが右側ですが、これはマイニングするマシンのハッシュレートが、今全世界でどのくらい動いているのかを表したものです。先ほどのウォレットはブロックチェーン全体のウォレット数ですが、こちらはビットコインだけのハッシュレートです。それぞれのコインに、このようなハッシュレートがあります。

ビットコインは、その収益性の高さからマイナーに好まれており、現在は2万4,000ペタハッシュという大きな計算容量を持っております。昨年11月の決算のときに、私2018年、今年は年末に2万を超えるだろうというお話をしておりましたが、年末から急増しており、すでに足下で2万4,000ペタハッシュまで増えているということです。

これをご覧のとおり、この仮想通貨の業界と言いますのは、勝つために一番重要なのはスピードであると考えています。さらにこのマイニング、仮想通貨の中ではとくにこのマイニングという業界は、ハッシュパワーが上がると自らのシェアが下がるので、再投資を、利益をきちんと出して、その利益の中から再投資できる業者さんだけが残っていくわけです。

したがって、早く垂直型の立ち上げをしてシェアを確保して、再投資できる十分な利益を出すことが、まず勝利の第一歩ということになっております。私どもが一番重視しているのは何よりもスピードであるというのが、今の考え方です。

仮想通貨マイニング事業|振り返り

次のページをご覧ください。

昨年の9月の7日に記者発表会をして、日本企業としては初めてマイニングに大規模に参入するという話をしました。日本の上場企業としては初めてです。

ただのマイナーとして参入するわけではありません。ゴールドラッシュのときに一番成功したのは金を掘っている人のみならず、ジーパンやスコップを売っている方でした。まさにリーバイスがゴールドラッシュのときの勝者です。私どもは、金も掘るけど、リーバイスの立ち位置も取るというのを発表したのが、9月の7日です。

そのときには、投資総額100億円というお話をして、上半期で500PH/s目標であるというお話をしました。その後、前回の第3四半期の決算進捗報告会のとき、11月6日ですが、下半期に目標値を3倍にしたというご報告しました。そして、今年の1月から8月までで、380億円投資しますというお話をしました。

改めて現在の社内目標を今日ご報告いたしますと、2018年末までに、今年の12月末までに3,000PH/sを新たな目標値にいています。先ほど申し上げたとおり業界のスピードが早いので、どんどん再投資をしてそのハッシュパワーを上げていかなければいけないということで、3,000PH/sというのをみなさまに改めてご報告します。

一方、投資額は「お前たちこの1,500の倍の600、760億円投資するのか」とご心配された向きもあろうかと思いますが、そんなことはなく投資額は一緒です。なぜこういうことになるかと言いますと、先ほどリリースを出していただきましたクラウドマイニングというサービスを大規模にスタートするからです。

クラウドマイニングと言っても、(設備を)買ってきてクラウドマイニング提供するというパターンもあるのですが、私どもは半導体メーカーですので、ボードを作って、私どものボードでそれをお客さまに提供します。つまり、言い方を変えますと、原価で物を作って、それをレンタルサーバーのようにします。

あるいはクレジットカードのペイメントのサービスのように、お客さまにレンタル料をお支払いいただいてて、生まれた利益の中から手数料をいただくという(ビジネス)モデルに途中から変更することによって、投資額が変わらないということを成し得ています。あるいは投資額が変わらないというよりも、スタートした途端に、そのときからもう回収が始まるというかたちです。後ほど、もうちょっと詳しくご説明します。

このマイニングに関わる業績は時価によってぶれますので、ハッシュレートでご説明申し上げます。全体の中のシェアで、1日の収入は先ほど申し上げたとおり、12.5ビットコイン×144回の何パーセントをお前は持っているんだということで、みなさまも計算することができます。ハッシュパワー中心に今後もご説明します。

自社マイニング|ハッシュレートの実績と見通し①

次のページをお願いします。

(スライドを指しながら)これが今、(2018年)2月です。赤が実績です。北欧2ヶ国にデータセンターを開設し、そこで既存のマシンを使ってマイニングを、(2017年)12月10日過ぎからスタートしています。現在74PH/sのハッシュパワーを持っています。現在、先ほどご覧いただいた2万4,000というのは、ビットコインです。

私ども今ビットコインも掘っていますけれども、まだパワーが小さいビットコインキャッシュも掘っています。ビットコインキャッシュはだいたい今2,000PH/sくらいです。おそらくあと1、2ヶ月たつと、ネットの中にある円グラフ、ハッシュパワーのシェアの中に私どもの社名が出てくるようになると思います。

(2018年)6、7月くらいまでは既存の商材を調達して、北欧のデータセンターでマイニングを行います。この辺から急速に角度が変わっていることを、みなさんお気づきだと思います。なぜこのように角度が変わるのかと言いますと、現在私どもが開発している半導体のボードの7nmは、今、半導体の中では最も最先端プロセスのチップです。

その最も世界で早い商用化のボードになる予定です。急速に角度が変わっていますが、それは私どもが自ら作って投入を始めるタイミングだからです。

みなさん、お金があったらマイニングのマシン買えると思っていると思うのですが、マイニングのマシンは枯渇していて、今はお金があっても買えません。

一番有名なのはジハン・ウーさん率いるビットメインの「Antminer」というのが、マーケットシェアで一番高いです。去年の秋の定価は15万円でした。Amazonで調達すると、50万円で売っています。15万円のものが50万円で売られているわけです。そのくらい物がないのです。ビットメインさんでは絶えず売り切れで、本当に特定の、前々からのお客さんとか、そういう方にしか販売をしないというかたちになっています。

今、マイニングのマシンは、本当にみなさまはほとんど手に入れることができないのです。私どもは調達のルートを確保していますので、それでも増やすことができますが、マーケットから全力で買ったとしても、この程度しか増やすことができません。(スライドを指しながら)ここから角度が変わるのは、自ら作っているからです。

さて、自ら作って実績を確認した後、このラインは何かと言いますと、ここから先はクラウドマイニングということで、世の中のマイニングをされたい方は、ものすごくたくさんいます。定量的に申し上げますと、昨年私どもが11月前後に発表をしてから、問い合わせが累積で800件くらい来ています。

「何億円投資したい」「何十億円のファンドですけど一緒にできないか」「何十メガワットのデータセンターがあるんでここに来てくれないか」もうさまざまな投資が世界中から800件来ています。いまだに毎日二桁(の問い合わせ)が来ています。これは、一番問い合わせが少ないのが日本で、日本語のメールほとんど来ないです。

英語か、わけのわからない言語のメールが毎日のように、山のように来ているのが、今の現状です。それはなぜかと言うと、先ほど申し上げたとおり、マイニングのマシンというのは手に入らないんですよ。だから私どもが開発して売り出すという話をしたら、世界中から問い合わせが来ています。だから私は今からご説明するクラウドマイニングで、既に成功の感触をつかんでいます。

私どもはPH/sで言うと、月刊450PH/sくらいの生産についてはもう手配済みです。毎月450PH/s分を増やすことができます。それを投資家、マシンをレンタルしたい方を募ってその方々にレンタルをして、私どもは手数料収入に切り替わっていくというのが、このクラウドマイニングです。

自社マイニング|ハッシュレートの実績と見通し②

続きを、ご説明します。

自社マイニングは(2017年)12月にスタートいたしましたけれど、実績値の売上高です。私どもが掘ったコインに対して、当時のレートをかけています。12月は約9,000万円、1月は1億1,000万円、今月見通しが今の下落しているビットコインの金額で2億3,000万円くらいというのが、今の売上の見通しです。

ご覧のとおり、これはご参考ですけれども、次回の決算のときにご覧になられると思いますけれども、順調に売上も上昇しています。ちなみに会計処理は今後、企業会計基準委員会が昨年12月に「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い(案)」というのを出しています。これが春に決定するということです。

この春に決定してから、そのルールに沿って売上の計上したいと思っています。企業会計基準委員会のWebサイトを詳しくはご確認いただければ思います。

自社マイニング|次世代マイニングセンター①

以前リリースを出しましたが、私どもが実際に北欧で運営を開始している、マイニングのセンターです。

自社マイニング|次世代マイニングセンター②

次のページをご覧ください。(スライドを指しながら)これは実際に既製品を使ってマイニングをしている図です。

クラウドマイニングは、これを一定規模感で全部レンタルします。前金でレンタルいたします。2年契約で2年分前金でお支払いいただいきます。

あとは毎日生まれている収益から、電気代や、金をずっと掘ってますからリスクがありますので警備代、もちろんエンジニアさんが必要ですので人件費などの運営の手数料を頂戴するというビジネスモデルです。

設備投資は資金がかかりますので、前金でいただくというのがポイントでして、これはキャッシュフローに非常にプラスになるという話です。

半導体チップの開発状況①

次お願いします。(スライドを指しながら)これも先日リリースを出しましたが、実際に我々が開発している半導体チップです。あとは電源関連の部品です。実際に開発が成功したものです。

これは『12ナノメートルFFC』です。前ですと7ナノメートルを今実際に開発して製造いたしております。(2018年)4月に納品される予定ですが、7ナノメートルの成功確率を上げるために、マイルストーンとして開発したのがこの『12ナノメートルFFC』です。

半導体チップの開発状況②

特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめたいわゆる半導体の総称を「ASIC」といいます。マイニングのASICとしては、世界最先端の12ナノメートルのマイニング半導体として開発に成功し、下期にかけて投入予定の7ナノメートルのマイニングボードの実現に向けた重要なマイルストーンです。

仮想通貨マイニング事業|開発スケジュール

開発スケジュールをみなさまにご報告いたしますと、先ほど申し上げたとおり12月から既製品を活用したマイニングを開始しています。この4月(2018年)に納品されますので、納品されてからボードにするまでに2、3週間かかります。ボードにしてそれを飛行機で北欧まで持って行って、データセンターに設置するのが4月です。

7ナノメートルは6月ぐらいから稼働する予定で、1ヶ月間の稼働を確認したのちにクラウドマイニングですべて販売をしていくというかたちです。

クラウドマイニング|概要①

先ほどから申し上げているクラウドマイニングについて、少し詳しくご説明します。

Z.comというのはわたくしども国内ではGMOになっていますが、海外はZ.com by GMOというかたちでブランディングをしております。その「Z.com Cloud Mining」という名称で提供いたします。

(2018年)3月1日から申込受付開始、提供は8月を目指しています。

クラウドマイニング|概要②

設備ですが、当社が提供予定の7ナノメートルの次世代型チップを搭載したマイニング設備の一部を貸出し、当社で設備管理を行います。

7ナノメートルの何がすごいのかといいますと、また上がってこないとわからないのですが、現在マーケットで主流になっているマイニングマシーンの電気代の半分から3分の1なので、マイナーさんの収益性が高いのです。

もう1ついいますと、マイニングには損益分岐点があるのですが、それはビットコインの価格によるわけです。価格が下落していった場合に、コストが高いエリアとか、コストが高いマシーンを使っていると、先に電源を落とさないといけないんです。みんなデイリーで売上を管理しているから、自分が黒字か赤字かすぐわかるわけです。

電気代は、例えばわたくしどもがやっております北欧は、日本の4分の1以下です。国によってはもっと安いところもあって、日本の10分の1の国もあるけれども、日本だと時間帯や契約の形態にもよるんですけれども、キロワットアワー当たり20円ぐらいなんですが、例えば北欧だと5円ぐらいです。

一部のアジアの地域であったりロシアなど、世界中から電気買ってくれという営業がくるんですが、石化燃料なんです。

石炭がんがんたいて、大気汚染して、エコじゃないんですよ。だからそれはあまりやりたくないと思っておりまして、金を掘るのに大気汚染と引き換えにするのは企業としてそれはどうなんだという考え方がありますから、わたくしはやっぱり再生可能エネルギーに限り、かつ安いエリアでやるべきだと思っており、それで北欧を選んでいます。

7ナノメートルは何がいいかと申しますと、電力消費量が半分から3分の1なんです。ということは電源を切る順番が一番最後になるということです。これがすごいポイントでして、電源切る順番が最後になれば、シェアが上がります。まわりが電源を落としていけば、自分たちの収入が増えるわけです。

もっともコストの低い状態でマイニングすることが、なによりもこの勝負に勝つためのポイントです。だから、電源(にかかる料金が)低い場所でやれば収益性がいいんだなんて考えは浅はかで、そんなことはなくて、ビジネスの基本と一緒です。

やっぱり最高のプロダクトをつくって、それでお客さまに喜んでいただいて、一番いいエリアでエコに提供してというやり方をすることで、下落局面で最後まで生き残れるし、結果としてまわりの方が電源を切っていくので、リターンも大きくなるということがいえると思います。

わたくしは半導体の勉強を0から行って、半導体のエンジニアの方と話ができるように、ここ数ヶ月間半導体の勉強をして、今度、台湾などの半導体の工場を見に行こうと思っているんですけれども、いいプロダクトを開発することが一番大事だと思っています。

9月に発表した時は、GMOが上場企業で初めてマイニングするんだといってリリースが流れて、ご評価いただいた部分はありますが、マイニングしているだけではないんです。ボードも開発しているということが、ぜんぜん意味が違うということです。

クラウドマイニング|概要③

(クラウドマイニングの)詳細はこのようになっております。まず、先ほど申し上げたとおり2年間のレンタル料を一括前払いにしていただきたいと考えており、1契約は500万ドルです。ひと月8契約までお受けしたいと考えております。

金額を大きいと思われたのか、この程度と思われたのか、みなさまの感覚がわかりませんけれども、実はクラウドマイニングは、今世の中にあるのは数万円とか数十万円から申し込めるものもあるんです。国内ではあまりないんですけれども、海外ではそういう業者さんがあります。

ところが、先ほど申し上げたとおり、マイニングはもはや軍拡競争のように再投資産業になってしまっています。わたくしも実は3社ほどクラウドマイニングの会社さんに自分でお金を入れて毎日受け取っているんですけれども、きちんと税務申告しますから大丈夫ですよ。

(会場笑)

受け取ってるんですが、1ヶ月単位で見るとやっぱり収入がものすごい減っていっているんです。あれだけハッシュレートが伸びたら、自分の収入は減ります。だから、小さな単位のかたちでやっていると、生き残りができないんです。

今や、仮想通貨はこのくらいの単位でご投資できる方を最低の口数にしないと、ウィンウィンの関係を築けないと思っております。問い合わせのニーズの多さからも、このぐらいの金額からご投資できる方たちとご一緒にビジネスをしていこうと考えています。

全世界で一応説明会を開催する予定です。もちろんWebだけの申し込みも受け付けているのですが、全世界で申し込みを受け付ける予定で、詳細についてはWebサイトで3月1日以降開示します。

世界9都市を考えています。ロス、ニューヨーク、ロンドン、フランクフルト、シンガポール、ドバイ、東京……。なんか抜けたな。一番みなさまがよくご存知の都市名です。投資家さんが多いところですね(笑)。IRにみんな行くところです。そういう場所で説明会をしたいと思っております。

以上、クラウドマイニングのご説明でした。

仮想通貨事業|まとめ

わたくしどもは仮想通貨事業において、世界でNo.1を目指すということを、今年、社内で目標として掲げております。

仮想通貨に関わる会社は、3つに分けることができます。仮想通貨の業界はこの3つしかないんです。

1つはマイニング、2番目はエクスチェンジに関わる会社、3番目はペイメントに関わる会社です。シンプルに仮想通貨に関わる会社はこの3つしかない。

さてみなさん、仮想通貨が金なのか通貨なのか、これは歴史が証明します。歴史のみぞ知るで、まだどちらかわかりません。しかし、金であることはほぼ間違いないと個人的に確信しています。あるいは金よりも便利な資産になるものが仮想通貨だと考えています。

通貨になるかどうかはまだわかしません。ビットコインがなるのか、ビットコインキャッシュがなるのか、あるいはほかの仮想通貨がなるのか、国が発行する仮想通貨がなるのか、あるいはビットコインの上で動くライトニングネットワークが通貨のように使われるのか、これはまだわからないです。ここは歴史のみぞ証明します。

金であることは間違いないとGMOインターネットグループは確信しており、金だとするとマイニングとエクスチェンジはビジネスになるんです。だからマイニングとエクスチェンジに丸を付けています。

通貨かどうかはまだわからないから、ここにあまり投資するとあとで痛い目にあう可能性があると思っており、ペイメントは三角にしております。いずれここも本格投資をしますけれども、少し様子を見ているというのが今のステータスです。

だからこの2ヶ所では大規模に展開していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。少なからずこの2ヶ所では世界No.1を目指していきたいと思っています。

仮想通貨に関しては以上です。

セグメントの変更について

次、2018年度の見通しについてみなさまにご説明いたします。

ご覧のとおり、今回は仮想通貨事業に全力投球するにあたり、一部セグメントの変更します。モバイルエンターテイメント事業はその他へ、新規で仮想通貨事業を新設いたします。

仮想通貨セグメントのサブセグメントとして、当社GMOインターネットが提供する仮想通貨マイニング事業と、GMOコインの仮想通貨交換事業、マイニングとエクスチェンジの2種類にサブセグメントとして開示を、この第1四半期からします。

業績予想について

もう1つみなさまに新たなご報告です。

これらの状況を踏まえ、本年度から業績予想については、為替や株式、仮想通貨など市場環境の影響を受ける複数の事業について、現段階では合理的な見通しが困難であることから、今期から大変恐縮ですが、業績予想は非開示とします。

一方、投資家のみなさまに予想をしていただきやすいように、3月から仮想通貨マイニング事業の事業KPIを月次にてご報告します。

GMOフィナンシャルホールディングスに関してはKPIを月々開示しておりますので、両方でわたくしどもの金融と仮想通貨事業の予想をしていただけたらと思います。

インフラは比較的トレンドがそう大きく変わるものではありませんので、ここ数年間の実績をご覧いただくと数字が簡単に読めると思います。加えて金融と仮想通貨事業を乗せていただくということで、ご予想いただければと思います。

みなさまとは継続的にコミュニケーションを図ってまいりますので、ご安心いただきたいと思います。

株主還元|方針

株主還元の基本方針は、もちろん変更はありません。

総還元性向50パーセントという基本方針に基づき、四半期配当をしております。毎四半期の最終利益の33パーセント以上の配当と、残りの17パーセントを自己株式の取得、その後取得した自己株は必ず償却してまいります。

株主還元|実績・見通し

配当です。

業績予想を非開示とすることから、当然のことながら配当予想も現時点では非開示とします。しかしながら、前ページでご覧いただいたルールに基づき、毎四半期発表いたしますのでご安心ください。

自己株取得は、設定したルールのとおり、残りの13.6億円を自己株式の取得の枠としております。この枠内で週明けの2月13日から12月28日までの期間に、自己株の取得を行い、その後償却します。

仮想通貨領域で 世界No.1を目指す

わたくしどもグループの22年間にわたるインターネット業界の経験値、実績、英知、インフラ・金融のテクノロジーの運用ノウハウ、そして自社で開発・提供する半導体チップを最大限活用して、この仮想通貨領域におきまして、世界No.1を目指してまいります。

ご清聴ありがとうございました。