FY2018 Q3(2017年10月~12月) ハイライト

堀哲朗氏(以下、堀):それでは私から第3四半期の連結決算の概要をご説明申し上げます。

まず昨年の10月から12月は、第3四半期に関しては、業績は下期の計画に沿って順調に進捗しております。データセンタ需要の高まりを背景に、SPEは引き続きメモリ向けの投資が牽引しております。

フラットパネルディスプレイも、G10.5世代への投資が始まり、順調に進捗してると言えます。

2番目としては、後ほどセグメント別の利益に出ますけども、FPDのセグメント利益率が19.0パーセントになりました。

ですから、お出ししている中期目標でフラットパネルディスプレイの目標利益率が20パーセントですが、それが射程に入ってきたと言えるかと思います。

3番目としてはFS、フィールドソリューション事業が幅広い世代で装置稼働率が上がり、拡大が続いています。

損益状況1

四半期ごとの損益状況です。 ありますように、第3四半期の売上高は2,577億円。売上総利益が41.1パーセント。営業利益率が22.5パーセントで、第2四半期と比べると第3四半期の売上高はご覧の通り8パーセントほど下がっております。

別にこれは、ある意味では予定どおりのことで、我々としては危惧することではまったくありません。

売上総利益、営業利益率は、第2四半期と比べて下がっておりますが、これは売上が減少したことであり、我々としては特別問題視はしておりません。

損益状況2

四半期ごとの損益状況です。 これも引き続き、第3四半期売上が下がって、売上総利益が41.1パーセント。営業利益率は22.5パーセントになっています。

セグメント情報

セグメント情報です。 ご覧になりますように、第3四半期のフラットパネルの利益率が19.0パーセント。その前が15.4パーセントとなっており、今期も、とくに下期はフラットパネルの利益率が改善してきていると言えるかと思います。

SPE部門 地域別売上高

地域別の売上高です。あくまで前四半期との比較では、韓国向けの売上高がちょっと一服している状況であります。ただオレンジの帯は傾向として見ていただければ、増加傾向であることは変わりません。

あとは部分的に減っている地域もありますが、台湾などは若干の増加があります。ここはある意味では、四半期の中の端境期とご理解いただければいいかと思います。歴史的に奇数の四半期のときは、だいたい売上高が凸凹する傾向が弊社ではあります。

SPE部門 新規装置 アプリケーション別売上構成比

アプリケーション別の売上構成比です。

前四半期との比較で売上高が下がったと言えます。引き続きいちばん最も大きい売上は、不揮発性メモリ・NAND関係のものが41パーセントを占めます。

引き続き大きいのはメモリで、不揮発性メモリとDRAMが高いシェアを持っていると訂正しました。

フィールドソリューション売上高

フィールドソリューションの売上です。 これも冒頭のハイライトで申し上げましたように、凸凹というか交互ですが、ご覧の通り売上高の増加傾向が見て取れるかと思います。

貸借対照表

貸借対照表のデータです。 左側、資産の部は、まず現金同等物は3,012億円となっております。これは配当の影響で現金が減っています。

たな卸資産・売上債権の回転日数

たな卸資産が2,834億円から3,328億円に増えておりますけども、これも前回も申し上げましたように、弊社のたな卸資産のだいたい3分の1が設置基準によるお客さまサイドでのフックアップというか、接続待ちの装置で、特段リスクのあるものとは考えてはおりません。

(スライドを指しながら)それから右側、純資産と負債がこのようになっており、有利子負債もなく自己資金比率も64パーセントぐらいを維持しております。

たな卸資産と売上債権の回転日数です。 第3四半期は、まずはたな卸資産の回転日数が増えております。これは売上の減少と先ほど申し上げましたように、お客さまの元でのフックアップを待っている装置が増えた。

よって在庫が増えたことで、117日ほどで、前四半期よりは増えております。ただこれも我々としては、とくに心配してはおりません。

売上債権の回転日数は、今回は54日で、現金の売上債権の回収は順調かと思っております。

キャッシュ・フロー

最後にキャッシュ・フローです。 これもいちばん右側にありますように、オレンジの縦の線。これは配当金額。半期の配当金額で457億円となっております。

ですから、だいたい1年前と比べますとまだ配当と自社株買いをFR16の第3四半期にやりましたけども、この半期はそれよりも大きい金額を株主還元したということです。

フリー・キャッシュ・フローは、第3四半期はプラスの151億円です。

簡単ではありますけど、私からは以上の説明とします。ありがとうございました。

半導体前工程製造装置(WFE)市場の展望

河合利樹氏(以下、河合):あらためまして、みなさんこんにちは。河合です。私から事業環境および今期の業績予想に触れます。

まず大きなところで、半導体前工程製造装置の需要の展望です。

ミッドターム、ロングタームの視点では、ご存知の通りIoTにともなって、ビッグデータという概念が生まれて、ARとかVRなどの新しいアプリケーションが登場して、そこにAI、2020年以降では5Gということになっております。

市場全体がそうなっている中で、電子商取引やFintech等のビジネスができあがり、また今後バイオ・医療・交通システム・自動運転というかたちで、新しいビジネスモデル、新しいライフスタイルができあがってきています。

従来の半導体の用途、パソコンだとかモバイル、スマートフォンだとか、そういった機器から社会全体の需要に切り替わってきている状況です。

その半導体においても、需要の観点と、これだけ多くのデータをさばくという観点で、高速のデバイスも必要ですし高信頼性も重要です。

さらには低消費電力、レーシング技術があって、需要と技術革新両方が求められています。

高性能デバイスのためには、やはり微細化の継続的な追求、3D構造等の構造変化、扱う材料、新しいメモリー等々あり、技術革新が二重三重に求められていきます。

今後、半導体および半導体製造装置は需要と技術革新2つの観点から成長が見込まれると考えております。

その結果、一段上の成長フェーズと申し上げておりました。今年以降、いよいよ50ビリオンを超える成長フェーズに入っていってると考えております。

事業環境(2018年1月時点での見方)

今年の事業環境に触れます。

まず半導体前工程製造装置。WFEの増強は、データ先端向けのメモリー需要が強く、前年比10パーセント程度の成長を見込んでおります。

昨年10月には同等以上と申し上げておりました。いろいろな精査。それからお客さまとの対話をベースに前年比に対して、10パーセントぐらいの成長は見込めると考えております。

FPD製造装置TFTアレイ工程の設備投資も、モバイル用途の中小型パネル向けの設備投資の継続と65インチ・75インチといった大画面の需要の観点で、10.5世代向けの投資拡大が期待できます。昨年30パーセントほど、FPD製造装置TFTアレイ工程は成長したわけです。今年はさらに20パーセントくらい成長すると見ています。

CY2018 アプリケーション別のWFE市場と事業機会

次に、Calendar Yearの今年のアプリケーション別のWFE市場と事業機会に触れます。

まずNANDは前年比5パーセント程度の市場成長を予測しています。設備投資は、最先端の9X層世代の投資が5割を占めています。(スライドを指しながら)右に3D NANDの生産設備というグラフがあります。CY2018年の末には月産120万枚程度まで拡大していくと見ています。

牽引役はデータセンタ向けのSSDの需要です。エッチング工程でのポテンシャルは以前よりも伸びてきていました。加えて成膜関係、それから洗浄装置関係、高速テストシステムなど、すべてで着実にポジションを高めており、これらのものが来期に寄与していくだろうと考えています。DRAMは30パーセント以上、一番伸びるエリアだと見ています。設備投資は1X/1Ynm向けの分が8割を占めています。

モバイルの平均搭載量が前年比25パーセントで増加することや、サーバ向けも30パーセント増加することが、DRAM30パーセント以上の増加に寄与していると考えています。昨今モバイルフォンの生産量等に対するアナウンスが出ていますが、その分はもう見込めています。それを織り込んで30パーセント以上の成長が期待できると見ています。

その中の事業機会は、とくに昨年以来DRAMにおけるエッチングのシェアが増えました。こちらも今年の成長機会の一つとして考えています。あとロジック/ファウンドリは昨年と同水準と見ています。設備投資は10nm以細の分が6割を占めると。この中には7nmや5nmのパイロットの分も含めています。

牽引役としては、デバイスの高性能化・省エネ化の需要があると考えています。事業機会は微細化、それからパターニング系のところで、当社の場合にはいくつかのプロダクトラインナップを用意しています。インテグレーション技術を含め、あらゆる観点での事業機会につながっていくだろうと見ています。

NANDフラッシュ向け設備投資の牽引役

そこでNANDについてです。左側の分がNANDのビット成長率、棒グラフで表しています。

NANDのビット成長は、CY2018は、約45パーセントくらいで見ています。緑のポーション、SSDのビット成長は、2021年まで50.9パーセントぐらいで伸びていくだろうと見ています。よって、NANDの成長を支えるメインになっていくのがSSD、続いてモバイルがCAGR32パーセントぐらい、2017年から2021年で伸びていくと見ています。

さきほど、サーバのぶんで伸びていくと申し上げました。要するに、サーバの容量です。2017年が300EBだったものが、CY2021では1ZBに増えていく中で、サーバでの搭載比率はSSD9パーセントで、とくに成長ポテンシャルがあると見ています。

FY2018 SPE事業の進捗

FY2018のSPEの事業の進捗のサマリーです。

市場拡大とシェア向上により、メモリ向けの通期の売上が前期に対して2倍になる見込みであるということ。それからFS事業の収益拡大は、9ヶ月累積で売上1,810億円、前年同期比で22パーセントの増加です。中古、それからアップグレード、それからCIP、それからサービスコントラクト、パーツです。すべての観点で増えています。

それから戦略製品の売上拡大も順調に、戦略どおりに進んでいます。エッチングはもとより、ALD装置、それから洗浄工程等について順調に推移しています。あとエッチングです。昨年のエッチング市場はついに10ビリオンダラー を突破しました。生産増強等、あらゆる対処が必要です。発表しています物流棟は今月より稼働を開始しています。

それから新開発棟も9月竣工予定で、予定変更はありません。あと既存の建屋の中に新しい生産ラインを設け、10月までにそれを整えて生産キャパシティを2倍に増強する計画です。

FY2018 FPD事業の進捗

FPDの事業の進捗です。

こちらは前回のスライドと変更ありません。第3四半期の利益率19パーセントに向上し、通期では15パーセント程度になる予定です。いよいよ中期計画で目指している20パーセントに対して、要するに手応えを感じている状況です。

FY2018 業績予想(2017/10/31発表から変更なし)

2018年の業績予想です。こちらも10月31日発表から変更ありませんので、ここでは詳細を割愛いたします。

FY2018 SPE部門 新規装置売上予想

その中におけるSPE部門の新規装置の売上の状況です。

第3四半期までが実績で第4四半期がこの1月から3月の予想になります。紫色の3D NANDが牽引役ですが、ブルーのDRAMが急速に伸びている状況です。FY2018、2018年通じてメモリがだいたい6割強という状況です。

あと詳細です。DRAM、非常に需給タイトな状況になっています。3D NANDはいよいよ第4四半期から9X向けの納入が開始されました。ロジック/ファウンドリは、10/7nm世代で対応しており、来期に向けては5nm世代もここに入ってくる状況です。

FY2018 研究開発費・設備投資計画(2017/10/31発表から変更なし)

2018年の研究開発費・設備投資計画です。こちらも10月31日から変更はありませんので詳細のご説明は割愛いたしますが、引き続き、拡大する市場に対して事業機会の最大化を測るべく、必要なものに対して積極的な先行投資をしていきます。

FY2018 配当予想(2017/10/31発表から変更なし)

2018年の配当予想も、見込みを変更していません。よって10月31日の内容から変更はありません。1株あたりの配当金は通期で605円。前期比70パーセント以上の増配を予定しています。4期連続で過去最高の配当を更新する計画になっています。今後も利益の成長を通じて、株主さまに高い還元を目指していきたいと考えています。

FY2019に向けてのキーメッセージ

最後のスライドです。サマリーとして、Calendar Year2018年はWFE市場プラス10パーセント。FPDで20パーセントの成長を見込んでいます。その中において、当社はSPE事業・FPD事業ともに市場成長をアウトパフォームする予定です。拡大する装置市場に対して、どんどんどんどん技術が難しくなればなるほど、我々のバリューが高まってくると認識しています。

そのお客さまの期待に対して、きちっと応えていくために積極的な開発投資は継続していこうと考えています。また5nm世代のパイロットが始まっていきます。そこに向けてはプロセスインテグレーション技術が非常に貴重になっています。プロセスインテグレーションセンター設立をしています。こちらにおける開発も積極的に行っていこうと考えています。

そしてIoTのアプリケーションに対応したFS事業の拡大は、従前からご報告しているように、引き続き強化していく計画です。

以上、私のプレゼンテーションです。ありがとうございました。