連結対象会社
藤井正幸氏:まず連結対象会社の異動でございます。第2四半期の連結子会社数は70社、持分法適用会社数は23社ということで、連結小会社は数の上では変わっておりませんけれども、1社増の1社減。持分法の適用子会社は2社減でございます。具体的な社名は右の摘要欄に記載しております。いずれも第1四半期からの増減で、連結損益にとくに大きな影響はございません。
環境要因
環境要因の比較でございます。為替レートはご案内のとおり、この第2四半期は対前期では期中平均円安で推移しております。資材価格につきましても、ナフサ、ベンゼン、それから豪州炭も前年同期比で上昇して推移いたしました。
主要項目
主要項目をまとめたものでございます。(2017年)10月26日に業績予想の修正発表をいたしましたけれども、そちらの内容ととくに大きな変更はございません。
この第2四半期は、対前年同期比較で増収増益を確保したということでございます。売上高は3,271億円、前年同期比460億円の増収。営業利益は226億円、前年同期比111億円の増益。経常利益は237億円、前年同期比134億円の増益。親会社株主に帰属する四半期純利益は157億円、前年同期比86億円の増益ということでございます。
売上高(セグメント別)
売上高のセグメント別の内訳でございます。先ほど申し上げたように、売上高は前年同期比で460億円ほど増収、各事業セグメントとも前年同期比で増収となっております。
化学は前年同期比283億円の増収。内訳としましては、ナイロン・ラクタムチェーンで100億円の増収、合成ゴムも103億円の増収、電池材料・ファインで28億円の増収、それからポリイミド・機能品で34億円の増収ということです。
医薬は6億円の増収でございます。こちらは自社医薬品・受託医薬品含めて出荷の増加分ということです。
建設資材は62億円の増収でございます。セメント・生コンは57億円の増収ですけれど、数量増加・セメントの内需等、前年同期比でプラスで推移してきましたので、そのような数量要因が大きいところでございます。
機械は90億円の増収ですけれども、こちらは成形機3機ともに売上が増えております。
今年の1月から、三菱重工株式会社さんから射出成形機事業を譲渡いただきましたけれども、こちらが新規の連結に入ってきている影響が入っております。
それから、エネルギー・環境では63億円の増収。大きいのは石炭の59億円。石炭価格のアップ、数量増加といった影響です。
トータルでは、460億円の増収ということでございます。
営業利益(セグメント別)
営業利益のセグメント別の内訳でございます。トータルでは111億円の増益ということでございますけれども、大きいのは化学の128億円の増益です。
差異の要因でございますけれども、ナイロン・ラクタムチェーンで55億円の増益。こちらのナイロンにつきましては、昨年度の第4四半期等、原料のカプロラクタムの価格が急騰いたしまして、価格転嫁が追いつかずに取り損ねたということで、今期はそちらの取り返し分も含めて増益となりました。
ラクタムは対前年同期に比べますと、スプレッドそのものが拡大しておりますので、こちらでの増益。工業薬品につきましても、今年度、日本のアンモニアの定修がございませんので、そちらのプラス分が含まれております。
合成ゴムでは50億円の増益でございます。こちらも先ほどのナイロンと同じように、前期の終わりに原料ブタジエンの価格が高騰いたしまして、その高騰した原料価格分の製品への転嫁が今期行われたということ。それと合わせて、ブタジエン価格が今期に入って大きく下がったことで、スプレッドが拡大した影響でございます。
ポリイミド・機能品では22億円の増益でございます。ポリイミド・機能品全般的に数量増による増益が図れているといったところでございます。
医薬は5億円の増益でございます。出荷の増に伴うもの、それからコストダウンが進んできているといったところです。
建設資材では15億円減益となっております。セメント・⽣コンはマイナス16億円。ほとんどの影響はこちらで出ております。主にはセメントでございますけれども、石炭価格高騰の影響。それからセメントの輸出の採算も、前期に比べて少し悪化しているといった影響でございます。
機械では5億円の増益でございます。
エネルギー・環境では10億円の減益ということで、電力で12億円の減益になっておりますけれども、今年度はIPPの2年に1度の定修の年でございますので、こういったところの影響。それから石炭価格が上がっている影響や余剰電力の売電価格が前年に比べると下がっている。そういった価格要因等も含めての減益でございます。
これらをトータルして、前年同期比111億円の増益を確保したということでございます。
営業利益分析(セグメント別)
営業利益の差異を価格・数量・固定費等に分解した表でございます。営業利益差異トータルでは、111億円の増益でございましたけれども、内訳として価格差の50億円、数量差の53億円が大きいところでございます。
価格差の50億円をセグメント別で見ると、大きいのは化学の81億円です。これらの中では、合成ゴムのスプレッドとラクタムのスプレッド部分が主なものでございます。
一方、建設資材とエネルギー・環境でマイナスの価格差が出ておりますけれども、これらはやはり、石炭の価格上昇の影響が大きいというところでございます。
数量差の53億円のうちでは、やはりこちらも化学で27億円の増益という要因になっておりますけれども、内訳の中では電池材料やポリイミド・機能品等の数量増によるプラスが出ております。
それから固定費差トータルでもあまり大きな影響ではございませんけれども、部門別に見ると、化学では21億円のプラス。こちらはアンモニアの工場の定収がなかったことによる固定費差等々、機械ではマイナス22億円と出ております。
営業外損益
営業外損益のご説明です。この第2四半期トータルでは、営業外損益は11億円のプラスになっております。逆に前年同期がマイナス11億円ということで、対前期では23億円ほど営業外損益が改善したことになります。
内訳はこちらにお示ししているとおりですけれども、為替差損益が大きく改善しています。前期は期中円高の方向でしたけれども、今期は期中円安推移といったところで、営業外の為替差損益がプラスで改善しています。その結果、経常利益のところで135億円の増益につながっているということです。
特別損益
特別損益でございます。今期の第2四半期は、特別損益がマイナス4億円ということで、とくにまとまった特別利益・特別損失は発生しておりません。こちらは昨年度も同様でしたので、特別損益のところでとくに大きな差は出ておりません。
営業利益〜四半期純利益
こちらは今の営業外損益・特別損益等、営業利益のところから改めて整理をしたといったところで、最終的に親会社株主に帰属する四半期純利益157億円にいきついているということでございます。
貸借対照表
貸借対照表でございます。総資産は7,223億円ということで、前期3月末に比べて129億円ほど増加しております。この内、約半分が為替の換算の影響でございます。前期末とそれほど大きくは資産状況が変わっていないと理解しております。
負債もほぼ前期末レベルということで、純資産は3,218億円、前期に比べて114億円ほど増加しております。
自己資本のところで140億円増加しておりまして、四半期純利益で157億円プラス、配当の支払いで63億円マイナス、それから今期は自己株の買い付けをいたしましたので、株式公開に使用したものを除いたところで、22億円ほどマイナスがございます。
一方で、株式市場が株高に推移しており、為替も円安ということで、有価証券の評価差額でプラスが出たり、為替換算調整勘定でプラスが出たりといったところが含まれております。
キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フローの計算書でございます。
営業活動によるCFは、この第2四半期310億円でございました。一方、投資活動によるCFマイナスの164億円。差し引き、フリー・キャッシュ・フローとしましては、145億円のフリー・キャッシュ・フローを創出ということでございます。
これを財務活動によるCF(キャッシュ・フロー)ということで、配当の支払、自己株式の取得、それから有利子負債の増減等に充当したということで、最終的に第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、370億円ということでございます。以上が第2四半期の決算の概要でございます。
連結対象会社 2017年度通期連結業績予想
続いて、通期の連結業績予想についてご説明をいたします。
上期の(連結対象会社の)変動に加えて、持分法適用会社のところで、中国電解液の合弁会社の1社増を計画しております。
こちらは今月競争法の認可が各国分すべて取れましたので、年内に合弁会社を設立し、来年(2018年)1月から新しい合弁会社をスタートするというスケジュールで、進めているところでございます。また、連結の損益の上では大きな影響はございません。
環境要因 2017年度通期連結業績予想
続いて、環境要因でございます。下期の為替レートの想定は110円。当初の想定をそのまま据え置いているかたちでございます。
ナフサ、ベンゼン、豪州炭の状況等をふまえて、下期の見直しを行ったというところでございますけれども、いずれにしても通期でも原燃料価格・資材価格は、対前年で上振れて推移しているという状況でございます。
主要項目 2017年度通期連結業績予想
続いて、主要項目でございます。10月26日に修正発表をした業績予想からとくに変更はございません。
売上高は6,850億円、対前年度685億円の増収。営業利益は450億円、対前年度101億円の増益。経常利益は同じく450億円、対前年度117億円の増益。親会社株主に帰属する当期純利益は290億円、対前年度49億円の増益ということで、増収増益を計画しているということでございます。
総資産は7,200億円ということで、それほど大きくは増加しておりませんけれども、基本的には自己資本のところで下期の純利益分を第2四半期末に加える程度といったところで、とくに大きく変動する要素はないと見ております。
配当につきまして、こちらは当初の発表で株式の併合をいたしておりますので、それを考慮して今期60円ということでございます。下期が半分ございますけれども、現時点では当初の計画60円を据え置いたという状況でございます。
売上高(セグメント別)2017年度通期連結業績予想
続いて、売上高のセグメント別の内訳でございます。(スライド)一番下のトータルでは、対前期685億円の増収ということでございます。
内訳はこちらに示しているとおり、化学では367億円。それぞれの傾向としましては、この第2四半期と同じような傾向でございますけれども、ナイロン・ラクタムチェーンでは83億円。とくにナイロンは非常に需要が旺盛ですので、拡販要因も含めて83億円の増収を見込んでいます。
合成ゴムでは111億円の増収。上期でかなり増収が出ておりますけれども、下期はある程度落ち着くことを見越しております。
電池材料・ファインでは64億円の増収。こちらも電池材料の数量増。それからファインケミカルの価格の是正等を含めてということです。
ポリイミド・機能品では37億円の増収。ほぼ上期分の増収分が通期でも残っているという状況でございます。
医薬につきましては、通期では9億円の減収ということで、こちらは直下のタイミング等によるところです。
建設資材では78億円の増収。引き続きセメント・生コン等の数量増の影響等を織り込んでおります。
機械は184億円。こちらも成形機・産業機ともに売上増といったところ、成形機事業の買収した連結子会社への売上分が加わってくるといったところが入っております。
エネルギー・環境は、上期と同じように、石炭の価格上昇分、数量の増加分を含めて103億円の増収を見込んでおります。
営業利益(セグメント別)2017年度通期連結業績予想
営業利益のセグメント別でございます。トータルでは101億円の増益を見込んでおりますけれども、一番大きいのはやはり、化学で139億円の増益を見込んでいることでございます。
ナイロン・ラクタムチェーンで35億円。ラクタムにつきましては、上期はスプレッドのところで、前期を上回ってということでございますけれども、下期につきましては昨年度、下期のラクタムスプレッドがかなり高いレベルでございましたので、スプレッドは、下期は前年ほどではないと見ております。
そういう意味では通期を通して、ある程度ラクタムの対前年ではほぼ同等レベルの損益になるかと思っておりますけれども、ナイロンのプラス分が通期を通して残ってくると見ております。
合成ゴムでは61億円の増益。このポリブタジエンの高騰した価格の製品への転嫁が上期には行われましたけれど、下期ではスプレッドはある程度落ち着いてくると見込んでおります。
電池材料・ファインで17億円の増益。電池材料、車載向けに数量が下期にも大きく拡大すると見ておりますけれども、ファインケミカルも価格・数量ともに前年から上回ると見ております。
ポリイミド・機能品で21億円の増益。ポリイミドは上期に増益がかなり出ましたけれども、下期はある程度落ち着くと見込んでおります。
その他、全般的な各半分、グループ会社を含めての増益分ということで21億円の図益を見込んでおります。
医薬は4億円ほど減益となりますけれども、出荷のタイミングの部分、それからロイヤリティが前年に比べると減少するということで、そのような影響が入っております。
建設資材で32億円の減益ということで、セメント・生コンでマイナス36億円。こちらも上期と同様、石炭の価格の上昇の影響。それからセメントの輸出の採算が前年と比べると、やはり少し悪化しているといった影響がございます。
機械では14億円の増益。こちらも売上増にともなう増益を見込んでおります。
エネルギー・環境は8億円の減益を見込んでおりますけれども、電力の関係で7億円程度。IPPの停止の影響、こちらは上期に発生しておりますけれども、この部分が一部残ってくるという見通しをもっております。
このような内訳で、トータルでは101億円の増益を見込んでおります。
営業利益〜当期純利益 2017年度通期連結業績予想
営業利益はご説明したとおり、対前年で101億円の増益、450億円を見込んでおりますけれども、営業外損益につきましては、通期でみるとイーブン程度と見ておりますので、前期に比べると16億円ほどの改善を見込んでおります。
そうしたところで、経常利益が450億円。特別損益につきましては、今期はマイナス35億円を見込んでおりますけれども、前年に比べると31億円ほど悪化したというかたちになります。
ただ、前期はM&Aにともなう負ののれんの発生等の特殊要因があったということ、それからその他の特別損失等、例年と比べると前期は少なかったという影響がございます。
今期はとくに大きなものはないと想定しているわけではございませんけれども、通常レベルの35億円のマイナスを想定して、最終的に税金、被支配株主利益を調整して、今のところは親会社株主に帰属する当期純利益290億円、49億円の増益を見通しております。
以上が通期の業績予想の概要でございます。