第2四半期決算概要

成田賢氏:まず、第2四半期決算概要でございます。結論から申しますと、外部環境内が大幅に変化しております。その対応に努めてまいりましたけれど、その過程における、踊り場的状況と見ているところでございます。

弊社の第2四半期決算は、一言で言いますと減収増益でございました。ただ、2016年度の決算期の統一にともなう海外連結子会社の決算期間変更の影響を除きますと、第2四半期の業績は前期とほぼ同水準でございます。

この、2016年度の決算期統一にともなう海外連結子会社の決算期間変更につきましては、後ほど図を使って説明したいと思います。

セグメント別に見ます。まず、調査・コンサルティング事業のところでいきますと、戦略事業分野は拡大することができました。しかし、昨年も説明したのですけれど、震災特需終焉の減収分を補うにはいかなかったということでございます。その結果、売上は維持しつつ、減益となりました。

それから、国内計測機器事業につきましては、震災特需が終焉したことにともないまして、試験・計測機器の需要が著しく減少しております。そのために国内(計測機器事業)としては、減収減益となりました。

海外計測機器事業につきましては、ドル高ユーロ安が継続してきたものの、原油価格が落ち着いておりました。また、新製品の販売が大変好調であったことから、増収増益となりました。

外部環境の変化が、今大きく起こっております。戦略事業分野の展開と新商品の市場投入。それから一部リストラ等を含めて、その成果が現れはじめているのではないかなと見ており、2017年上期は次のステップに向けた踊り場と認識しているところでございます。

第2四半期決算:連結損益

第2四半期の連結損益の状況でございます。(資料の)真ん中あたりに、2017年第2四半期の累計を示しております。左側は2016年の累計と、第1四半期・第2四半期の結果でございます。そして右側は前年同期比ということで、2017年と2016年の比較をしております。

まず、受注高でございます。257億900万円ということで、前年同期比85.6パーセントになりました。これは昨年、単体で30億円以上の大型案件があったものの、今期はないということで、その分大きく減っております。

それから、売上高です。売上高につきましては、222億5,500万円ということで、前年同期比93.2パーセントになっております。

売上原価は0.6ポイント下げることができました。その結果、営業利益は5億7,300万円ということで、前年同期比355.9パーセント。前年同期の1億6,100万円より、大きく営業利益を伸ばすことができました。

親会社株主に帰属する当四半期利益につきましては、前期比158.5パーセントの5億6,600万円となりました。前期(2016年)より、大きく伸ばすことができました。

数字の変化につきましては、連結決算期の統一にともなう動きの中で、このような大きな変化になったという状況です。

決算期統一に伴う決算期間の変更

2017年12月期で、決算期が単体国内連結子会社・海外連結子会社で一緒になりました。2016年12月期は、国内グループは単体と同じ決算期間だったのですけれど、海外は2015年10月から2016年12月期までで、15ヶ月の決算でした。

後で比較した場合に、除くものというのは、ここのところ(海外グループの2015年10月から12月の3ヶ月分)でございます。2012年12月期の部分の決算と、前期の第2四半期の状況と2017年12月期が、ほぼ同様の状況となっております。

連結子会社の決算期統一の影響

いちばん右側に、先ほどの決算期を6ヶ月と見たときの状況までの結果を示しております。2016年の(第2四半期の)結果と、2017年の第2四半期の結果をここで比較します。

受注高は前年同期比で比較して、91.7パーセントになります。売上高はほぼ同じ、100.3パーセントとなります。

営業利益はほぼ同じ、前期比100.7パーセントになっております。

2008年-2016年の連結業績推移

このようなことから、2016年1月から6月までと、2017年1月から6月までを比較しますと、ほぼ同じような状況で続いたということが言えるかと思います。

図にお示しましたのが、こちらの資料でございます。売上高が黄緑色、営業利益が橙色の棒グラフです。

2017年上期は、第2四半期が終わった段階でこのような棒グラフとなっております。売上高が223億円、利益が5億7,000万円となっております。

前年の売上高が、通期で513億円。その前(2015年)は売上高が492億円でございますが、営業利益は21億円9,000万円から15億8,000万円と下がってきております。

上の方に赤色(の折れ線グラフ)で示したのが、原油価格の推移でございます。青色のグラフが、ユーロとドルとの為替を示しております。それでいきますと、2014年から2015年のあいだに原油価格が大きく下落して、ドル高も急激に進んだという結果があります。

この結果が、弊社海外グループが非常に伸びなかった要因につながっております。大きく利益を減らし、なおかつ売上もあまり伸びなかったという結果になったということです。

調査・コンサルティング事業:売上維持・減益

続きまして、事業セグメントの状況について説明いたします。外部環境変化にどのように対応したか。変化に対応したサービス構築・市場開拓はどうだったのだろうかという観点で、説明したいと思います。

まず調査・コンサルティング事業です。先ほども説明しましたが、売上維持で減益でございました。調査・コンサルティング事業ではモニタリング・情報技術を組み合わせたことによる、ソリューションサービスを拡大してまいりました。

分野としては、社会インフラ整備の従来分野、環境、防災、維持管理、資源・エネルギーの分野に注力してまいりました。

事業を取り巻く環境としましては、国内市場は震災特需が終わり、大型業務が著しく減少しました。それから、公共投資予算は低予算化と言いますか、あまり大きな伸びがない状況の中でした。ただ、その予算内容は非常に多様化しております。

また、建設事業の中で、ICT化が大きく叫ばれているところでございます。温暖化にともなう豪雨災害は非常に増えており、また維持管理も拡大しているところでございます。

このような中で、地質リスクの顕在化ということで、たとえば横浜市でのマンション傾斜問題や、九州の博多駅での陥没事故等。国民が非常に、地盤に注視するような事故が起こってまいりました。そして、そこで出てきたニーズが地盤の可視化。三次元化による地盤の可視化という要請でございます。

グローバル市場としては、ユーロ安・ドル高が継続しており、原油価格が安定化して低価格となっております。新興国のインフラ需要も拡大しております。地球温暖化対策の取り組み強化も行っておりまして、とくに再生エネルギーとしての洋上風力が日本国内も含め、ヨーロッパで大変大きく拡大しているところでございます。

このような中で、取り組みとしましては、戦略事業分野のサービス強化。防災、環境、維持管理、情報サービス、エネルギー、地質リスク等に対して、取り組んでまいりました。

今年は情報技術企画室を設置し、AIなどのICTを活用した商品化・研究開発の強化・加速に取り組んでおります。また同時に、従来の仕事のやり方を情報技術によっていかに効率化するかということにも、取り組んでいるところでございます。

高精度海底三次元探査技術の市場への周知活動を強化しておりまして、これが大変大きな反響を受けているという状況でございます。

調査・コンサルティング事業の状況を、売上高として資料の真ん中の図に示しております。2016年から2017年上期の比較でいきますと、(172億円で)ほとんどイーブン。(資料の右の図の)営業利益が、若干下がっているという状態になります。

調査・コンサルティング事業:事例・トピックス

(調査・コンサルティング)事業の事例・トピックスです。資源・エネルギー分野としては、新市場として再生エネルギー分野の開拓に、今世界的なかたちで取り組んでいるところでございます。

とくに、風力発電のプロジェクト支援サービスの拡大につきましては、いわゆる洋上風力に対する基礎調査。それから不発弾探査に、今グループ全体として世界的に、ヨーロッパ・日本で業務を進めているところでございます。

また、地熱発電プロジェクト支援サービスを開始しております。地域合意マネジメント、地熱ポテンシャル調査に取り組んでいる状況です。うまい状況でこのプロジェクトが回れば、積極的に参画しようとして、いくつか取り組んでいるところでございます。

また、先ほど説明した海底での三次元探査につきましては、当社グループの技術であるP-Cableというケーブルを使った海底探査を行っています。これに対して欧州物理探査学会で、大変高い評価を得ることができました。これからの売上拡大に期待しているところでございます。

しかし、この技術は精度が高く、その分費用もかかることから、まずは石油があるところ、ガスの可能性があるところを概略探査で見つけたあとに、この高精度探査を実施したいという流れが市場でできてまいりました。

今石油価格が低迷している関係で、世界の探査がだいたい止まっている状況でございます。これが動き出せば、次の展開としてこういう技術を使うことができるかと考えているところでございます。

それから、精度が大変高いものですから、今後営業的にこの海底地盤調査を使っていきたいと考えて、注力しているところでございます。

あと、情報サービス分野につきましては、AIを活用した各種解析・診断サービスの高精度化、効率化に取り組んでいるところでございます。

また、建設業のICT化が進む中で、BIM(Building Information Modeling)、それからCIM(Construction Information Modeling)。こういうかたちで、今取り組んでおり、これに不可欠なのが、地盤の三次元表示技術でございます。

この表示技術の商品化・標準化。それから、陸上部の三次元探査技術の開発ですね。これに今着手しているところでございます。ちなみに三次元探査の表示技術につきましては、業界団体でコンソーシアムを作っておりまして、標準化に取り組んでいるところでございます。

計測機器事業(国内):減収・減益

計測機器(事業)の国内につきましては、減収減益でございます。機器メーカーとして今、探査・計測機器の製造販売、それからシステムサービスの提供も進めているところでございます。

分野としては、防災、環境、維持管理、地質調査、科学技術研究、その他OA機器販売など、こういう分野で今取り組んでいるところです。

外部環境としては、国内は先ほどと同じでございます。地質リスクの顕在化も起こってまいりまして、いかに機械でもってモニタするかというニーズがあるところでございます。

ただ、国内計測機器の場合、計測機器を使ってどういうことをするのかに関して、技術者の変化の中で技術伝承ができていない状況になってきております。我々がその機器を使ったかたちでのソリューションを提供していかないと、機械も売れないという状況に変化してまいりました。

そういう中で、こういう外部環境の変化を反映した商品開発強化に、今取り組んでいるところです。モニタリング機器のロボット化、それから民間市場向けシステム開発を進めているところです。

モニタリング機器のロボット化と合わせて、ボーリング機械のロボット化についても今取り組んでおりまして、試作機がようやく完成したところでございます。

自然災害に対する調査・コンサルティング事業部門との連携強化を図りながら、モニタリング機器の供給を進めているところです。この取り組みについて、成功例としては、今年あった九州北部の豪雨災害。そこでも役立てられたといったところでございます。

売上高につきましては、(資料の真ん中にあるとおり)昨年に比べてやや下がっております。利益につきましては、(資料の右にあるとおり)残念ながら2017年度上期は赤字という状況でございます。しかし、(資料の左にあるとおり)受注は昨年に比べて順調であるということと、受注残が増えているという状況になっております。

計測機器事業(国内):事例・トピックス

計測機器事業のトピックスです。維持管理分野で、路面化空洞探査を進めているところでございます。実はこの機械自体もニーズがありまして、上期で1台販売したところでございます。今後さらに、この機械の販売も出てくるのではないかなと期待しているところでございます。

現在、この維持管理分野の道路空洞探査サービスにつきましては、業界団体のコンソーシアムを作り、その中で今展開しているところでございます。また、海外の中国・韓国等で、これに対するニーズも出てきており、東南アジアの展開も今期待しているところでございます。

また、環境・防災分野でございます。地震リスクマネジメント分野で、民間市場向け製品・ソリューションサービスを構築したところでございます。これは、地震計(ハード)と診断サービス(ソフト)を組み合わせて、一般住宅向けのシステムを売っていこうと、今取り組んでいるところです。だいたいこのシステムのかたちができてまいりまして、営業に力を入れております。

計測機器事業(海外):増収・増益(赤字縮小)

続きまして、海外の計測機器事業でございます。第1四半期は増収増益でございました。いわゆるセンシング技術ですね。これにより、高精度な探査装置・計測機器に加えて、ソリューションサービスの提供を拡大しております。

従来は研究機関や、資源・石油開発分野に売っていたのですけれど、これに加えて防災・環境、維持管理の分野で、今事業を進めているところでございます。

外部環境としては、グローバル市場は原油価格が安定化してきたということで、産油国がいろいろなかたちで防災・環境、維持管理の事業が再開される状況が起こってきております。

また、資源価格が(回復の兆しをみせており)とくに中国の、2019年からの電気自動車の販売。この影響がありまして、今電気関連の資源が活発化してきているという状況でございます。

それから、ユーロ安ドル高継続。これにより、地球温暖化対策の取り組みも今強化されております。今、市場に対しては、選択と集中による製品・研究開発の絞り込みと、新製品の積極的な市場投入を進めているところでございます。

社会ニーズを把握した新商品による新たな分野・市場の開拓。とくに維持管理、洋上風力発電、BCPなどに取り組んでいるところでございます。後でご説明しますけれど、維持管理の分野でいきますと、日本や北米(で販売好調な)ストラクチャースキャンと言う、建物等のコンクリートに入っている鉄筋関係ですね。

それから洋上風力発電は、海底の地盤探査、それから不発弾探査ですね。BCPの場合は、いわゆる地震時の安全をどのように図るかというところで、取り組んでおります。

(資料の左をご覧ください。)2015年を底として今2016年、2017年と、受注高は全体として上がる傾向にあります。

また売上高(資料の真ん中)も、2015年を底として2016年、2017年と上がる傾向になってきております。

ただ、営業利益(資料の右)は、やはり市場環境が非常に今、競争が激化しておりまして、その結果2016年は大変大きな赤字になりました。しかし2017年の第2四半期は、1.2億円の赤字まで縮小できております。

計測機器事業(海外):事例・トピックス

計測機器事業の海外のトピックスです。維持管理分野をターゲットとしたGSSI社、これはアメリカの子会社ですけれど、ここのレーダ探査機器。これが今、大変売上が好調になってきております。

とくに鉄筋コンクリート探査用機械、ストラクチャースキャンの販売が北米、日本を中心に大変好調でございます。

それから、地下埋設管探査用装置の販売も好調でございます。資料に載せているのが、地下埋設管用のレーダ探査装置でございます。小型化し、低価格でなおかつ高性能というかたちで販売することができました。

この結果、競合他社よりも大変売れ行きがよくなりまして、GSSI社の6月の月間受注額は、過去最高を記録しております。

それから、地震防災分野でございます。地震計の世界トップメーカーでありますキネメトリクス社という海外子会社が、今までの地震計の製造販売に加えて、ソリューションサービスを積極的に展開しております。

このソリューションサービスというのが、OASIS+(オアシスプラス)という、今販売しているものでございます。地震発生時の高層ビル避難誘導サービスを、中東・ドバイで今展開しております。

高層ビルの中に地震計を設置して、そこに入っているテナントの職員一人ひとりにスマホ網を使って防災状況を提供する、というサービスでございます。

これに加えて、地震計販売プラスモニタリングサービスの展開を広く行っております。日本には今、緊急地震速報体制ができておりますけれど、アメリカ西海岸地区の地震緊急速報プロジェクトにも参画して、地震計設置とその情報発信をしているところでございます。

戦略事業分野の業績(売上)推移

戦略事業分野の業績推移を、まとめてここに示しました。(調査コンサルティング事業分野の)地球環境事業分野は、2011年から非常に力を入れて進めており、順調に伸びてきているところでございます。

それからエネルギー事業分野も、順調に拡大しております。

また(計測機器事業分野では)先ほど説明したGSSI社は、(グラフをご覧のとおり)2009年、このような売上状況でしたが、2016年には倍増しており、2017年はさらに伸びる傾向を示しております。

持続的な成長に向けた取り組み

続きまして、持続的な成長に向けた弊社グループの取り組みです。開発投資として、選択と集中で研究開発テーマを絞って集中的に実施しております。これは、グループ全体で今取り組んでいるのですが、地盤の可視化技術、三次元表示ソフト、陸上部三次元探査技術。これに集中的に取り組んでおります。

とくに陸上部三次元探査技術の開発については、探査機器の開発と、探査技術の開発。これを同時に進めているところでございます。海外グループ企業では、もうすでにこの三次元探査技術の機器を開発しておりまして、それを使った探査技術を、実際に研究開発しているところでございます。

それから、外部への委託ということで、寄附講座を今、名古屋大学と北海道大学で行っております。名古屋大学で行っている寄附講座は、大規模災害の経済効果ということに対する研究を行っております。

今5年経ちましたけれど、その成果は大変大きく出てきておりまして、被害想定だけではなく、経済被害効果も見られるようになってまいりました。

また、北海道大学との寄附講座では、バイオエネルギー事業の展開について、今研究しているところでございます。それから、ソリューションサービス開発に必要な機器や試験装置。これを積極的に設備しているところでございます。

それから、働き方改革に取り組んでおります。就業環境整備としては、労働集約型ビジネスタイプからAI等のICTを活用した働き方に転換しようということで、進めております。各種制度の整備、すべての階層の意識改革などに取り組んでいるところでございます。

我々の働き方改革は、従来型の公共事業追随型の事業だけでは、とても働き方の改革はできないだろうと考えております。自ら事業を行うかたちに取り組んでいかなければこれは難しいだろうと、今取り組んでいるところです。

ワークライフバランスの向上、長時間労働削減、多様な職種と多様な勤務体系。これについても今、取り組んでいるところです。現在在宅勤務ならびにスーパーフレックスにつきまして、試行しているところでございます。

それから、人材の確保・育成につきましては、多様な分野の人材確保に取り組もうと考えております。従来の理学の地質分野や工学の土木分野という限定(した分野)の採用から発想を変えていこうということで、多様な人材を今集めているところでございます。

また、社内にも人材育成システム・プログラムを作っておりまして、これをさらに強化して、社内人材の育成に取り組んでいこうとしております。

次年度以降に向けた課題

次年度以降に向けた課題としては、事業セグメントの見直しに取り組んでいこうと考えております。

調査コンサルティング事業等、計測機器事業というセグメントに分けておりますが、調査コンサルティング事業も、これからは計測機器事業と組み合わせてソリューションを提供していかないと売れない。計測機器も、調査コンサルティングと組み合わせたソリューション化をしなければ、こちらも売れなくなってきています。

つまり、事業セグメントとサービス内容の不整合が生じてきたということでございます。このような事業環境の変化を背景に、事業セグメントの見直しをしようと考えております。これにつきましては年内に検討して、またご報告したいと考えているところでございます。

生産性向上についても、これから取り組もうという考えでございます。とくに、高付加価値化・ビジネススタイルの転換・資産効率の改善。これに取り組んでいこうと考えております。

ソリューションサービスの拡大による、高付加価値化を推進しようと捉えております。ハード+ソフトの組み合わせ、One-Stopサービス、地盤情報ビジネスとの連携。こういう拡大ですね。

それから、研究開発の推進と外部機関との積極的な連携によるサービスの高度化に取り組もうとしております。社員に留学をさせながら、海外の大学との連携にも積極的に、今取り組んでいるところでございます。

それから、ビジネススタイルの転換です。サービスへのICT活用と業務効率の改善。それからサービスのパッケージ化・オプションの組み合わせで、事業をやっていくというかたちで、今考えているところでございます。

資産効率の改善につきましては、開発投資を積極的に活用するということと、事業貢献の少ない資産の処分・圧縮を積極的に進めようということになっています。

平成29年(2017年)12月期連結業績予想

下期の見通しと通期業績の予想です。平成29年(2017年)12月期連結業績予想としましては、平成29年の連結業績予想は、期初の予想を維持しますということが、結論でございます。

その理由はどういうことかと言いますと、調査コンサルティング事業は大型業務を補う売上高は見込めない可能性がありますが、大型業務は原価率が大変悪かったものですから、この高原価の大型業務が今年はない。それゆえ原価率が改善されるだろうということで、利益の拡大を見込んでいるということです。

ただ、調査コンサルティング事業の中での懸念材料は、海洋探査事業における石油探査市場の回復、これがまだ不透明だという点でございます。

それから、計測機器事業での国内につきましては、前年を上回る繰越し受注残がありますので、下期の売上回復が見込めると見ております。

計測機器事業の海外は、先ほど言いましたように、資源市場(中国市場)が回復の兆しになっております。

この回復の兆しというのは、全体に海外グループの計測機器事業を7月あたりから非常に押し上げるかたちで進んでおります。それと、新製品の販売拡大が見込めるのではないかと見ております。

そういうことで現状では、期初の業績予想を維持したいと考えております。

四半期営業利益の推移

四半期ずつの営業利益の推移はこのようになっております。2017年第1四半期(緑色)が10億円の黒字、第2四半期(黄緑色)は3.9億円の赤字になっております。第3四半期と第4四半期この利益がありまして、予想どおり26億円をなんとか達成したいと思っているところでございます。ちなみに、昨年は資料のとおりでございました。

配当政策:利益還元

次は、配当政策とコーポレートガバナンスについてです。配当政策につきましては、連結配当性向30~50パーセントをめどとした、安定的配当を目指すかたちでやっているところでございます。

2017年度の配当予想は、1株当たり中間配当14.0円、記念配当10.0円、期末配当14.0円、年間配当38.0円で予想するところです。

記念配当10円を入れた配当性向は、64.3パーセントです。ただし、この10円を除いたかたちでいいますと、47.7パーセントとなっております。

コーポレートガバナンスの強化

コーポレートガバナンスの強化につきましては、任意の指名・報酬委員会を設置いたしました。委員長は代表取締役社長で、委員は社外取締役2名、オブザーバーとして社外監査役2名という体制になります。

委員3名+オブザーバー2名、うち社外役員は4名になります。いわゆる指名・報酬について検討する諮問委員会としております。

社外役員が増えてきたことによりまして、社外役員に社内情報を積極的に提供しようということで、取締役会の報告事項を充実させております。

グループ会社経営トップの経営報告会を、社外取締役を含めた中で行っております。

担当執行役員による事業分野報告会を、取締役会の中で、さらには取締役会とは別途で取締役会メンバーに対し行っているところです。

それから、通報制度の強化を図っております。コンプライアンスの徹底ということで、社内通報窓口を当社のコンプライアンス室、社外通報窓口を日比谷総合法律事務所の社内に設置しております。

以上、駆け足で説明してまいりましたけれど、第2四半期決算説明の概要をこれで終わりたいと思います。