ハイライト①主要経営指標

上原弘久氏:本年4月より副社長執行役員としてIRを担当しております。

はじめに本日のハイライトとして2点ご説明します。1点目は中期経営計画で掲げた主要経営指標が順調に進捗していること、2点目は中計の株主還元方針に基づき株主還元を確実にしたことについてご説明します。

ハイライト②新契約価値・EV

新契約価値およびEV(エンべディッド・バリュー)の推移について説明します。新契約価値は顧客ニーズの多様化に応じた保障性商品の販売強化などによる好調な契約業績などを背景とし、低金利環境の中、着実に積みあがっています。

またEVについても新契約価値の積み上げや国内金利の上昇などにより中計目標値の達成に向け堅調に推移しています。

ハイライト③実質利益

実質利益の進捗について説明します。実質利益は前期実績833億円および期初に見込んでいた890億円を上回る917億円となりました。以上の通り国内生保事業をコアとする中計戦略の着実な遂行により3つの主要経営指標、新契約価値、EV、実質利益は、いずれも順調に進捗しています。

ハイライト④株主還元

株主還元について2点ご説明します。1点目として、すでに第3四半期決算にて公表した2017年3月期の一株当たり配当金2.5円増配に加え、2018年3月期年間配当予想についても2.5円増配の35円に引き上げます。

2点目として、2017年3月期の自己株式の取得について5月から7月に170億円を上限に実施します。

今後も安定的な現金配当と機能的な自己株式の取得により実質利益の40パーセント以上を還元するという中計の還元方針に基づき、株主還元の拡充に向けた取り組みを行っていきます。

連結主要収支

2017年3月期決算の詳細について説明します。連結主要収支はグラフの通りです。各主要共おおむね当初業績予算を上回る堅調な実績となりました。

連結損益計算書(要約)

経常収益は主に一時払い商品の販売停止抑制による保険料等収入の減少や利息および配当金等収入の減少により、前期比501億円減少の1兆9,757億円となりました。

経常利益は主に金融派生商品費用の増加により前期比142億円減少の1,572億円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は主に税降下の影響などで法人税等合計が減少したことにより前期比26億円増加の751億円となりました。

なお価格変動準備金の法定基準以上の区切りでは大同生命80億円、太陽生命150億円を計画通り実施しました。次ページにて基礎利益および順ざやについてご説明します。

基礎利益・順ざや

3社合算の基礎利益は1,599億円となり前期比68億円増加しました。これは大同生命および太陽生命が前期並み、T&Dフィナンシャル生命が準備金戻し税額の増加により前期から63億円増加したことによります。

なお3社合算の順ざや額は前期より103億円減少し、298億円となりました。これは主に前年度好調であった大同生命のプライベート育英金の分配金が減少したこと、および円高により太陽生命の外国証券の利息配当金収入が減少したことによります。

基礎利益の増減要因

大同生命と太陽生命の基礎利益の前期から増減しました要因は以上のとおりです。大同生命、太陽生命ともに利息および配当金等収入の減少が主な減少要因となる一方、退職給付引当金食い入れ額の減少などが増加要因となり前期並みとなりました。

連結賃借対照表(要約)

12ページでは要約連結貸借対照表を記載していますので、後ほどご確認ください。

MCEV計算結果[速報値]

このページではEVについて説明します。本数値は第三者の検証完了前の速報値となっています。

グループ全体のEVであるグループMCEVは、新契約の獲得や保険前提の改善、国内金利の上昇などにより前期末から3,968億円増加し2兆2,905億円となりました。

新契約価値は中計の販売戦略・商品戦略の推進により前期から631億円増加し1,195億円となりました。

RoEVは21.5パーセント、コアRoEVは6.9パーセントとなっています。なお詳細は17ページに記載しています。終局金利を適用して試算したグループMCEVは約2兆4,100億円、新契約価値は約1,429億円となりました。

EV変動要因(速報)

(参考)MCEV(≒サープラス)の内訳

14ページにはEVの変動要因、15ページにはMCEVの内訳について記載しています。

MCEV計算結果とあわせてご確認ください。なおMCEVの第三者意見書およびセンシティビティなどを含む確定版については5月18日に開示する予定です。

ESRの状況

ESRは前期末比13ポイント増加し175パーセントとなりました。リスク量の増加は主に国内金利の上昇などにより資産運用リスク量が増加したことによります。

経済価値ベースの純資産であるサープラスは、主に新契約の獲得や保険前提の改善、国内金利の上昇により増加しました。

(参考)終局金利を適用した試算値

健全性指標

なお金利を適用したESRとソルベンシーマージン比率および実質純資産については以上をご覧ください。

中計のマーケティング戦略 大同生命

このページ以降では、中核生保3社の中期経営計画におけるマーケティング戦略の進捗について各社の主要経営指標である契約業績およびEVの状況をご説明させていただきます。このページでは大同生命の中期経営計画におけるマーケティング戦略を記載しています。

主要経営指標 大同生命 〜保有契約高〜

大同生命の主要経営指標である保有契約高について説明します。大同生命の保有契約高は主翼商品である個人定期保険及び就業不能保証商品の好調な販売などにより、前期末から1兆7,862億円増加し、過去最高の40兆9,922億円となりました。

(参考)契約業績 大同生命

大同生命の契約業績は表のとおりです。新契約高はトータルな補償の提案活動を推進したことより個人定期保険および就業不能保証商品が牽引し、前期から18.7パーセント増加の5兆1,211億円となりました。

就業不能保証商品および介護保証商品の新契約高に占める割合は20パーセントと着実に上昇しています。

解約施行率は6.44パーセントと引き続き低水準を維持しています。保有契約高は前期末から4.6パーセント増加し、40兆9,922億円となりました。

就業不能保証商品および介護保証商品の保有契約高に占める割合は8パーセントとなっています。契約業績全体については、これまでの死亡保障に加え中計で掲げた就業不能保証分野および経営者個人・個人事業主市場の開拓がいずれにおいても順調に進展していると評価しています。

(参考)契約業績 大同生命〜EV〜

大同生命のMCEVおよび新契約価値についてご説明します。MCEVは新契約の獲得、国内基準の上昇および保険前提の改善などにより前期末から3,394億円増加し1兆4174億円となりました。

新契約価値は契約業績が好調であったことなどから前期より396億円増加し、743億円となりました。

中計マーケティング戦略 太陽生命

続いて太陽生命についてご説明します。中期経営計画における太陽生命のマーケティング戦略は記載のとおりです。

主要経営指標 太陽生命 〜保証性新契約年換算保険料〜

24ページには太陽生命の重視する契約業績指標である保証性新契約年換算保険料の推移について記載しています。詳細につきましては、25ページでご説明します。

(参考)契約業績 太陽生命

太陽生命の契約業績は表のとおりです。太陽生命ではEVの増大に直結する契約業績指標として主に貯蓄性商品を除く、保証部分の新契約年換算保険料である保証性新契約年換算保険料を重視しています。

この保証性新契約年換算保険料は前期から10.1パーセント増加の170億円となりました。このうち第3分野の新契約年換算保険料は16.7パーセント増加するなど順調な進捗となっています。

主に選択緩和型商品の販売が引き続き好調であることによります。特に2016年3月に発売した業界初の「ひまわり認知症治療保険」などの販売が好調で販売件数が3月に累計17万件を超えました。

なお主翼の営業職員チャネルについて、3月末の営業職員数が8,902名と前期末から271名増加しています。

契約業績の進展および営業職員チャネルの強化は中計で掲げたシニアマーケットでのトップブランドの構築に向けた太陽生命の販売戦略が、功を奏している結果であると評価しています。

主要経営指標 太陽生命〜EV〜

太陽生命のMCEVおよび新契約価値についてご説明します。太陽生命のMCEVは新契約の獲得などにより、前期末から517億円増加し7,775億円となりました。

新契約価値は第3分野商品の販売好調などにより前期から261億円増加し442億円となりました。

中計のマーケティング戦略 T&Dフィナンシャル生命

続きましてT&Dフィナンシャル生命についてご説明します。中期経営計画におけるT&Dフィナンシャル生命のマーケティング戦略は記載のとおりです。

主要経営指標 T&Dフィナンシャル生命〜新契約高〜

28ページでは、T&Dフィナンシャル生命の主要経営指標である契約高の推移を記載しています。詳細につきましては、29ページでご説明します。

(参考)契約業績 T&Dフィナンシャル生命

T&Dフィナンシャル生命の契約業績は表のとおりです。新契約高は前期比7億円減少し2,354億円となりました。

これは主に円建て一時払い出資保険の販売停止により、一時払い商品の新契約高が前期比で869億円減少したことによります。

一方、注力している平準払い商品の新契約高は昨年8月に加入年齢の上限引き上げや、年金月額の引き下げ等の商品改定を実施した収入保障保険の好調な販売などにより、前期から倍増の1,699億円と計画を上回る進捗となっています。

中計で掲げる乗合代理店市場でのプレゼンス拡大に向け引き続き取り組を強化してまいります。

主要経営指標 T&Dフィナンシャル生命〜EV〜

T&Dフィナンシャル生命のMCEVおよび新契約価値についてご説明します。T&Dフィナンシャル生命のMCEVは、前期末から39億円増加し974億円となりました。

新契約価値は前期から25億円減少し9億円となりました。これは生涯プレミアムジャパン3の販売停止の影響および、平準払いの予定利率型終身保険の上期のマイナスによるものです。

一方で前4半期比では「生涯プレミアムワールド3」の新契約価値の増加などによりマイナスからプラスに転じております。

資産運用状況 大同生命

大同生命および太陽生命の資産運用状況についてご説明します。大同生命については引き続き、円系資産中心のポートフォリオを継続しましてリスクバッファの範囲内で株式や外国証券などのリスク性資産に投資しています。

国債を上回る利回りの確保が可能な地方債、財投機関債、社債を中心に超長期国債の投資を行いました。外国債券は国債を上回る収益を獲得が期待できる外国社債を中心に投資しました。

なお実質的な株式エクスポージャー、外貨エクスポージャーは市場見通しに基づき増加させました。

資産運用状況 太陽生命

太陽生命の資産運用状況についてご説明します。太陽生命も同様に公社債貸付金といった、円資産中心のポートフォリオを継続し、リスクバッファの範囲内で株式や外国証券などのリスク性資産に投資しています。

ADMの観点から公社債は超長期国債を中心に投資しました。外国債は米国債中心に地方債、国際機関債および社債などに投資しました。なお実質的な株式エクスポージャー、外貨エクスポージャーは前期末よりも削減しました。

一般勘定資産の差損益

一般勘定資産の差損益について記載しています。3社合算の一般勘定資産の差損益は株価は上昇したものの、内外金利上昇の影響などにより前期末から4,023億円減少し1兆1,630億円となりました。

株主還元

このページでは株主関連について冒頭のハイライトで、ご説明した内容をまとめています。

2018年3月期 通期業績予想

T&Dホールディングスの業績予想について記載しています。利息および配当金投資収入の減少などを見込むことなどから、経常利益は2017年3月比4.6パーセント減少し、当期現利益は2017年3月期と同水準を見込んでいます。

実質利益は価格変動準備金の超過繰入額の減少により、13.9パーセント減少の、790億円程度を見込んでいます。

(参考)2018年3月期 通期業績見通し 生保3社

生保3社の通期見通しについて記載しています。

中計2年目となる2018年3月期も引き続き中計戦略に基づき、コアである国内生保事業において、これまでに築いた強固な事業基盤をベースに着実に成長していくとともに成長領域拡大に向けた取り組みをさらに推し進め、安定的・持続的な企業価値向上の実現につなげてまいりたいと思います。