2017年3月期決算説明 Ⅰ.連結決算の概要
桂山晢夫氏:それでは、私から決算関係の説明をさせていただきたいと思います。
まず、29年3月期の2016年度決算ですが、売上収益は7,539億円で前年より1パーセント減でした。
並びに調整後営業利益は前年より21パーセント増益の283億円です。一方、営業利益は前年から31パーセント減の236億円になります。
続きまして、税引前当期利益につきましては3パーセント減の239億円。親会社株主に帰属する当期利益につきましては、9パーセント減の80億円になりました。
当期間の為替レートですが、それぞれ9パーセント以上の円高という状態でした。ならびに1株当たりの配当金につきましては年間で12円です。
本日の取締役会では8円が5月の取締役会に上程することで内諾をいただきましたので、中間の4円をあわせて12円配当とさせていただきたいと思います。配当性向は31.8パーセントぐらいになると思います。
続きまして、前年との差については以下で申しますので、1月の見通しとの差について若干触れさせていただきます。
売上については7.7パーセント。539億円持ち上がった7,539億円になりますが、この539億円のうちに為替で175億円持ち上がっております。したがって純増分が364億円と当社ではみております。
調整後営業利益につきましては、0.7パーセントが増加した283億円ということで、3億円ですが、この中身は、ダンプトラックの需要構造再編については、ずっとやってきたのですが、それに伴ってまた評価損が26ほどこの中で出てきたということになります。
一方営業利益は、前年との差は当然ながら需要再編等の利益差。これは、ユニキャリアの部分の昨年はあった236億円が、当年なくなったということが一番の減益要因ですが、さらに当年度の中で44億円ほどの重構造改革機構はこの中に入っている。
すなわち、先ほどの評価損も入れて70億円ほどの構造改革損を出しました。
一方税引前当期利益につきましては、150億円が239億円で59.1パーセント超過してしまったわけです。
これは、為替差損がすべて為替差益に置き換わってしまったことで、私ども厳しい為替の見通しをみておりましたが、その中で益に転がってしまった結果が一番の大きな要因ですから、税後につきましては60.4パーセントで見通しより大幅に増加してしまったんですが。金額では30億円です。
これにつきましても、やはり税前がよかったことと、並びに税金費用が、税効果が第4クォーターで取り込めて、ある程度表面税率も40.5パーセントまで落ちてきたと。
前年が58パーセントですから、この辺りが改善されてきたという内容でした。
連結地域別売上収益
続いて、連結の地域別の売上収益です。全体をみていただきますと、インドが20パーセント増の86億円。これはこの中に為替だけで63億円持っていかれてますから相当にがんばったと。
それから中国につきましても33パーセント増の715億円で、ここでも為替で87億円差が前年等との対比では影響を受けておりますので、相当の増収になっていることになります。
トータルでは44億円減ですが、為替だけで549億円持ってかれまして物量で595億円分を取り戻したという内容での7,539億円の成り立ちです。
マイニング/部品・サービス 売上収益推移
マイニングです。マイニングにつきましては、前年より5パーセント増の1,208億円で、依然本体は5パーセント減の417億円で、苦戦を続けております。
一方で、マイニングの部品サービスにつきましては若干動きが出てきてよくなってきたことと、並びにCPRやいろんなツールを使ってお客さまとのコミュニケーションを深めてきたことによっての成果が出てきて、11パーセント増で仕上がりました。
この見通しについては第3クォーターのときに発表させていただいた見通しをクリアしていると思いますし、第4クォーターでもその部分は本体・部品サービス共に善戦はしたと思っております。
一方部品サービスそのものについてです。こちらは残念ながら4パーセント減の1,682億円になりました。
為替で134億円ほどの逆風を持っていますが、それでもコンストラクションの16パーセント減につきましては為替の部分を入れても前年まで届いてないとのことで、やはりこちらは東南アジア等の苦戦が大きく影響しております。
マイニングは先ほど申し上げたとおりです。ただこのとおりコンストラクションもだいぶ、対前年での減少幅が改善してきております。この辺りはいいサインではないかと思っております。
連結損益変動要因
損益変動要因です。234億円から283億円の調整後営業利益の差を申し上げます。
ここでのストーリーですが、物量・構成差。ここにつきましては物量で185億円ぐらいのプラス要因となります。ただ構成差他で228億円の減で、この中には在庫に含まれる未実現利益の排除分。
これが対前年での比較間でいくと159億円持ってかれたというものがこの中には入っておりますし、先ほど申しましたダンプの事業再編に伴う評価損26億円もこの中に入っているというご理解でけっこうと思っております。
売価は単体並びにアメリカを中心にがんばったと。為替はご存知のとおり逆風が吹いたと。それから資材費については国内で上げてインド・中国は物価高でやはり落ち、ネガティブですが、全体ではプラスの46億円と。
間接費につきましてはご覧のとおりです。ここにはKCMの子会社化で55億円。前半での影響は出ているとおりですが、さらにGPパーツを第4クォーターで連結したことで20億円増えたことで75億円のネガティブがありますが、90億円ぐらいは年間でやりきったと思っております。
構造改革の差は225億円。これは変わりません。
調整後営業利益は49億円持ち上がったんですが、構造改革費用のところで144億円です。ここのカラクリは短信をみていただくとよくお分かりになると思いますが、再編利益の差だけで、マイナス201億円あります。
それに減損と構造改革差を足し引きしていただくとマイナス144億円となると思います。
ここで見通しより25億円ほど節減になってしまっているのですが、ここの部分がほぼ物量構成差の、先ほどから申しましているダンプの評価損のところへいってしまったと。
これは事業を変えることで会計上、当初は損で折りこんでおり、営業外での損金とその他営業費用でみておりましたが、やはり売上原価に反映させるべきという最終的な判断で、こちらへ持ってったということになります。
ほぼそういうことのカラクリだとご理解いただきたいと思います。その他の収支について持ち上がった部分はM&Aでの費用です。
要約連結損益計算書
これに基づきここまでご説明いたしましたが、金融費についてはご覧のとおりです。今回プラスに転じているのは為替差益です。
それからここの税金費用については、表面税率でいけば40.5パーセント程度で、前期からだいぶ改善できたことになります。この辺りがトピックスになります。
要約連結 四半期別売上収益・営業利益(率)
四半期利益です。第4四半期の売上は2,469億円、並びに調整後営業利益が173億円となりました。調整後営業利益率でいえば7パーセントというところまでかえってきております。
このまま(グラフに)目を移していただくと100億円以上の売上利益を出したのは2015年の第2クォーター以来で1年半ぶりと思っておりますし、ベンチマークになるのは2014年第4クォーターとみていただいてもけっこうと思ってます。
要約連結財政状態計算書
連結の財政状態計算書BSです。まず、ここに注記させていただきましたが、これも短信には書き込んいですが、H-E Parts社とBradken社、この両社の資産を持ってきますと803億円ほど増えます。
ただ、一方で日立住友重機械建機クレーン株式会社が抜けたことによって196億円がBSの資産から抜けますので、ネットで862億円の資産増加の計算にはなりますが、それでも730億円の増加の9,996億円でおさまったとのことで自助努力は効いていると。
とくに在庫については、棚卸資産みていただきますと、マイナス162億円になっております。
年度末でBradken社の連結をしましたので、売上がゼロで在庫だけ150億円持ってきてます。
この部分を換算しますと、在庫の部分については棚卸資産の手持ち日数112日ですが、ここを還元しますと105、6日ぐらいまではいけたのかというかたちで、在庫は非常に【ウェルコントロールになってると思ってきております。
手持ち日数も資産が12日減したということが、借方のトピックスです。
貸方においては、親会社所有持ち分比率については、資産圧縮もあって40パーセント、D/Eレシオについては0.46と。
ネットD/Eレシオについては0.46ですが、この308億円の有利子負債の増加の中には407億円ほどBradken社ならびにH-E Parts社の借入金が増えておりますので、これを除けばネットD/Eレシオも、これだけは0.4をきった0.36ぐらいまでいけたんじゃないかと思っております。
連結キャッシュ・フロー
フリーキャッシュ・フローです。フリーキャッシュ・フローについては、営業キャッシュ・フローは前年より269億円減じた880億円でした。
また、投資キャッシュ・フローは746億円という指数になりました。このうち560億円がM&Aに絡む資質です。この2社(Bradken社ならびにH-E Parts社)の買収によるものです。
134億円だけかろうじてフリーキャッシュ・フローは残りましたということになります。
Ⅱ.連結業績予想
連結の業績予想です。ここについては、油圧ショベルの重要要素については、後で副社長の落合から詳しくご説明しますが、着地は、171,000台を見込んでおります。
私どもは159,000台の3パーセント増でみておりましたが、世界中は2016年度は10パーセント増だったことになります。
とくに中国、あるいはインド、インドネシア、このようなところが高かったことになります。来年の2017年度は、2パーセントアップの175,000台で組み立てております。
重要な連結子会社の異動状況
これは重要な連結子会社の異動状況です。まずはH-E Parts社とBradken社で896億円の売上の持ち上げ要因と。
一方で日立住友重機械建機クレーン株式会社が持ち分化になったことで418億円の減少要因と。これは昨年度の実績ですが、こういうような組立で470億円から500億円ぐらいの増収要因とみていただいてけっこうと思います。
要約連結損益計算書(予想)
それに基づく来年の予想ですが、この(表の)とおり、売上が7パーセントの8,100億円と。
ならびに調整後営業利益が63パーセント増益の460億円。5.7パーセントを見込んでおります。
また営業利益440億円、税引前当期利益370億円、親会社帰属の当期利益につきましては、180億円ということで親会社帰属については124パーセント増と見込んでおります。
当期間の為替につきましては、米ドル105円、ユーロを110円、中国元を15円という見通しを立てております。
それから、調整後営業利益にきく為替間濃度を1円当たりドルが1円動いたら11億円、ユーロが1円動いたら6億円、中国元が0.1円動いたら2億円というかたちで為替感応度も開示しておりますのでご参考ください。
連結地域別売上収益(予想)
連結の地域別の売上収益です。ここにありますとおり、オセアニアと北米はBradken社とH-E Parts社の主たる営業地域ですが、ここでやはり1,000億円を超えてくる売上のレベルになってくるのが大きな変化です。
一方インドならびにアフリカ、こういうところも2桁の増収を今のところ見込んでいるという組立になります。また海外の売上比率というのも久しぶりに76パーセントという高率になってまいります。為替については2.6パーセントほど、ネガティブ要因とみております。
マイニング/部品・サービス 売上収益推移(予想)
マイニングの状況です。今度は年度開示だけですので、年度だけで申し訳ないのですが開示させていただきますが、1,277億円で6パーセント増をみてます。
ただ、本体につきましては、私共が得意(としている)大型の150トン以上のダンプ、これの売上の需要がやはりまだ返ってこないということです。小型化していることで前年より4パーセントぐらい落ちるのかという見通しです。
ただ、一方で部品サービスについては、さらに11パーセント伸ばしていく計画です。また、部品サービスそのものもコンストラクションの部分でなんとか減少に歯止めをかけての増という見通しを立てております。
部品・サービス及びソリューションビジネス 売上収益推移(予想)
部品・サービス及びソリューションビジネスになります。
先ほどのH- E Parts社、Bradken社につきましては、今度はセグメントを分けさせていただきました。ソリューションビジネスセグメントで分けさせていただいて短信のなかにも書き込んでおりますので後でご参考ください。
これの部分の896億円を先ほどご案内のとおり入れますと、全体で33パーセントを占める2,674億円を来年度は見込むとことになります。
連結損益変動要因(予想)
連結損益変動要因です。ここで来年度は177億円、調整後営業利益が増えるわけですが、その主なドライバーは物量・構成差になります。
ここに書きましたソリューションビジネスの増305億円、それからクレーンの非連結化113億円。ここで利益を失いますが、一方で建設機械事業が伸びるということで、ネットで物流で300億円、それと構成差で228億円です。
構成差の中に入り込む部分は230億円ぐらいです。この中に入り込む部分としてみているのは、例えば在庫の未出現が61億円ぐらい改善できるとことだとか、担保事業の利益率のアップということも含めた製品構成差で97億円。
残りが工場の操業のアップでみております。こんな建て付けです。
売価はインドあるいは欧州、こういうところでの新型並びに物価高は上げていくということで、世界各国で上げていくことを丹念にやっていきたいと思っております。
また、資材費については、やはりインドあるいは中国の逆風がありますが、なんとかスクエアにして組み立てております。
間接費が増える部分は、これは下(*2の注意書き)をみていただきますとこのとおり、H- E Parts社ならびにBradken社で200億円以上増えます。
それからさらに研究開発費、これが76億円ほど意識的に増やします。これはICTあるいはHSこの辺りの開発にさらに追加を入れます。8,100億円に対して来年度の研究開発費率は3.3パーセント程度を見込んでおります。
このようなかたちで為替ヘッジを使わさせていただきますが、増益というかたちです。以上です。
<参考資料> マイニング売上収益内訳
今回付録としてマイニングの地域別売上については付録の中に入れさせていただきました。
<参考資料> 連結設備投資、減価償却費、研究開発費の実績及び見通し
また、さらに今私が申し上げた研究開発費を含めて投資・減価償却費の見通しと、実績と見通しも付録の中にいれさせていただいていますので、ご参考いただければと思っています。以上です。