2017年3月期 決算説明会

千葉信育氏:みなさま、おはようございます。千葉でございます。今日はお忙しい中、当社の決算説明会にご来場賜りまして、誠にありがとうございます。

まず、国際会計基準、IFRSをこの新しい期から適応させていただくという発表をさせていただきました。

これは本来、2年前に実行できていれば、今日この場で「2年連続黒字です」と強気なことが言えたのですが、残念ながら我々の力不足により、2年間適応が遅れてしまい、前期に関しては日本会計基準という見方で見た時に、赤字で終わってしまいました。

最終利益の方に関しては、2年連続の赤字。営業利益につきましては3期連続赤字ということの結果で終了いたしました。

そういった中、4月の上旬に当社が投資しているタイの上場会社の株式の、いわゆる転換社債のオプション部分の評価が下がったということで、早急に開示しなくてはならないということで、開示をさせていただきました。

その後、そういった開示をしたにも関わらず、当社の去年1年間の事業実態、真実というのをしっかりご理解いただき、融資の更新をしないとか、引き上げるというような金融機関さんは1つもなく、本当に心からありがたいと思っております。

また、そのような発表以降に我々Jトラストグループに追加融資をしていただいた金融機関さんもございまして、本当に私ども一同心から感謝申し上げたいと思っております。

私も銀行員であり、銀行を経営しているわけですが、2期連続・3期連続赤字の事業会社にお金を貸すということについては、非常に銀行的に負担が大きいということは十分理解しています。

そんな中でも、我々の実態を見ていただき、真実を見た上で判断していただいた金融機関さんがたくさんある中で、本当に感動しているということと同時に、こういった素晴らしい日本の金融機関様の考え方・文化を、私もアジアの銀行で活かしていきたいと考えている今日この頃です。

思い起こせば、9年前、Jトラストの前身である一光商事という会社がまさに潰れそうな小さい会社だったわけですが、その時からも地元の金融機関のみなさまには大変お世話になります。

ずっと支えてくださったステークホルダーとしての株主様、それから金融機関のみなさま、こういった方たちがいて、今のJトラストがあるということで、改めて御礼を申し上げた上で前期の決算説明に入らせていただきたいと思っています。

まず前期、1年間やってきたこととして、大きく監査法人に変更がありました。それから、第2クォーター、第3クォーターはたくさんの自社株買いを大量にしました。それから、期末には株主優待を初めて実施させていただきました。

決算のポイント

その他に、こちらに記載の通り3つの手当てをさせていただきました。その結果、通期で57億円の営業損失ということの結果に至りました。

前期Jトラストは大型旅客機ではなく、戦闘機として1年間フライトしてきたということです。大型旅客機というのは少しの揺れで大きく揺れてしまい、急旋回もできなければ、急降下、急上昇もできないわけです。

しかし、我々はそれほどいろんな気流をコントロールしなくてはならないということで、どんな状態でも動きがとれるような戦闘機という構えをもち、東南アジアに進出しています。

そういった意味では、結果から踏まえ、まだまだ東南アジアに進出していくというところの心構えとして、大型旅客機ではなく戦闘機でなくてはならないという覚悟を持って、今期1年を臨んでいきたいと思っています。

次のページです。ここで申し上げたいことは、会計上赤字ではあったものの、事業の実態としては90億円の改善をしたということについて説明したいと思います。

こちらには金融機関に属するみなさまが多数いるため、よくご存じだと思います。お客様から預金を預かる銀行業の持っている、相当引当金のつり具合というのは一般の会社とは違って非常に厳しい状況です。

そういった会計的な、評価的な部分を除くと90億円の実質改善を図れたということが去年の事実、実態です。ご説明します。

決算のポイント 2017年3月期の要因分解

こちらは前々期比、マイナス41億円からスタートし、90億円の事業利益の改善を行いました。そこから4つほど評価制の損失の部分載せさせていただいています。これが前期の赤字であった原因です。

決算のポイント 評価性部分を除いた事業の利益について(概算)

次のページですが、これは前々期、前期の通常の比較です。評価制、つまりキャッシュアウト等を伴わない部分についての会計上の数字を除きますと、前年同期比で約2.8倍の改善を行っているというのが事実、実態です。

決算のポイント セグメント別サマリー

それでは、セグメントごとに簡単にご説明を申し上げたいと思いますが、まず国内金融事業です。通期46億円の営業利益を実現ということで、前期比1.2倍の営業利益を実現することができました。

続きまして、韓国事業です。一部負ののれん下降の処理がありましたが、通期で16億円の営業利益の実現ということです。

それから東南アジア、こちらは前期の説明会に何度も申し上げましたが、手当てを行いました。そういった意味で引当金46億円、一過性のものですが、計上したこと及び、1つ大きな前進であったのは期ズレの解消をすることができました。

やっと決算のスピードが上がり、IFRSを実行するにあたり、ここがネックだったわけですが、大きくその要因が改善されました。

それから、投資事業。転換社債の予約権部分の評価損が出ましたということで、34億円の損失を計上しました。

通期決算概要 四半期毎 営業収益・営業利益の推移

続いて四半期ごとで見ると、四半期ごとではアベレージで212億円の営業収益がコンスタントに出せる実力が出てきました。

通期決算概要 前年同期比

続いて、トータル1年間として見た時に営業収益850億円。もうすぐ1,000億円ですが、こちらについては前期比較で約100億円。プラス96億円の営業収益を伸ばすことができました。

EBITDAは昨年、前々期前期共に、4億円、7億円プラスになっていますが、いわゆる我々はアジアにいろんな国に支援しているにも関わらず、まだ国際会計基準ではないという状況でした。

日本国内における会計基準はやはり赤ではあったものの、国際会計基準、いわゆるEBITDAで見ていただくと、きちんとした黒が出ている会社です、ということを改めて申し上げたいと思います。

通期決算概要 セグメント別営業利益(前年同期比)

続いて、営業利益の部分です。営業利益の部分ですが、国内金融事業は、前期比9億円のプラス。韓国金融事業は、前期比14億円のプラスです。東南アジア金融事業・投資事業は、先ほど述べた原因により、マイナスになっています。

通期決算概要 ネットキャッシュの推移

それからネットキャッシュの部分についても見ておきたいと思います。こちらにつきましても事業を行っていく上で、非常に重要な指標ですが、前々期対比で約プラス60億円、1.1倍に増やすことができました。

こういった観点から、日本国内の会計基準として、赤字だったものの、実態は非常に良くなっているということが、数字でも確認することができると思います。続いて、セグメントごとに、いくつか詳細にご説明します。

国内金融事業 営業収益・営業利益

まず日本国内の金融事業です。営業利益が1.2倍に伸びています。今回特にご説明したいのは、営業利益率の部分です。2017年3月期において、通期を通し、営業利益率40パーセントを上回るというような体質になりました。

どれくらいすごいのかというと、日本の上場会社約3,600社ありますが、ベスト50。ヤフーさんと同じぐらいの営業利益率を出しているということです。非常に国内の事業、一昨年は販管費の圧縮を行い、非常に良いグループ、会社になってきていると考えられます。

国内金融事業 保証事業概況

19ページです。保証会社としての保証残高の推移も記載しています。ポイントは、一部新聞報道等で、アパートローンに対するリスクがここ半年ぐらいで良くなっておりますが、当社が保証している物件に関しては、入居率が97パーセント超えを常に維持している状態です。

国内金融事業 アパートローン保証のリスク回避

次のページですが、日本保証が取り組んでいるポイントとして、対象物件の98パーセントが、東京、名古屋、大阪、福岡のエリアに限定されています。このエリアだけで98パーセントと、非常に流通が行われる地域を選んでいます。

それから、最寄り駅から徒歩10分圏内の物件に絞っているということ。それからリスク回避の為に、きちんとしたハウスメーカーさんを使い、いろんな問題に対して、対処ができるというかたちで、他社さんが行っているものとは少し違い、安全志向でやっているというのが事実です。

国内金融事業 保証事業概況

それから次のページですが、今年2月に金融系の経済新聞で掲載がありましたけが、リバースモーゲージ型のローン保証というのを始めました。

そういったことから今、日本保証の保証残高伸びていますが、将来的にどうなっていくのかを見ると、2020年でだいたい2,600億円程度の保証残高になる、ということが今言われている状況です。

国内金融事業 債権回収事業

続いて債権回収事業の部分ですが、こちらも昨年大幅にアセットを購入することができました。7、306億円の回収残高になり、正規残高を溜めることができ、前々期と比べると約1.6倍です。これは来期以降、ベースラインの収益が上がってくる要素になるのでご紹介します。

韓国金融事業 営業収益・営業利益

続いて韓国事業です。日本会計基準において、16億円の営業利益でした。まだ少し小さいです。ただ見ていただきたいのは、営業収益のところです。254億円から291億円まで、37億円、15パーセント増加しており、着実にセットが伸びてきている効果が、大きく反映しています。

韓国金融事業 韓国4社合計の韓国基準連結営業収益・営業利益

前期でいうと、過去の負ののれんの償却がありますので、実力値としては約400億ウォン。日本円で約40億円が、ベースとしてだせるオペレーションになっています。

韓国金融事業 韓国基準と日本基準の違い

これが次のページ記載の、韓国基準・現地基準でのこう連結での数字でございます。

韓国金融事業 営業利益の減少要因:負ののれん

それから27ページです。前期、前々期と大きなマイナス要因になっていた、負ののれんの償却については、当初95億円あったものが、この2年で残り3億ということで、この表は今回で恐らく最後になると思います。

次回から大きな影響は出ないので、我々の実力というのがきちんと会計基準、IFRSになりますが、開示されていきます。

韓国金融事業 JT親愛貯蓄銀行およびJT貯蓄銀行:その他主要数値

事業ですが、まず収入の部分です。預貸率の改善が平均調達コストの圧縮その他辺、諸々、純金利収入は着実に上がっています。

韓国金融事業 新規貸出金額の推移

それから新規貸付金額は、韓国経済が減速にある中、お客さんを選んだ体制を今年1月から取っており、結果200億円程度の貸付金をしているグループです。

韓国金融事業 貸出資産残高の推移

そういった中アセットの方は、月間で657億ウォン。約60億円、少し鈍化していますが、選びながら取っていく中で、アセット増えていくということです。

韓国金融事業 貸出資産残高および延滞率推移

昨年を振り返ると、前々期からトータルのアセットは1.5倍増えました。すごい進捗率です。2012年に親愛貯蓄銀行をスタートさせた時は、貸付アセット300億円しかなかったのですが、約4年半で10倍まで伸びることができ、非常に良かったと思っています。もちろん選んで貸していますので、不良債権率は非常に安定しています。

韓国金融事業 新たな規制について

ここから韓国の経済の中で起こっている出来事を、いくつかご説明したいと思いますが、新たな規制が発表されています。どんな規制かといいますと、貸出金利が20パーセント以上の高金利債権については、引当金の率を50パーセント増します。つまり低い金利で貸しなさいよ、という規制です。

2点目。相預規制も入りました。個人向けの担保ローン・無担保ローンは、前年末対比で5パーセント程度しか増やしてはいけませんというような規制です。

それから3点目に20パーセント以下の金利が低い債券であっても、引当金の基準をさらに厳しくします、というようなことが、将来の経済を踏まえた形での政策が、正式には3月に発表されていますが、昨年の年末当たりから、口頭でいろいろ指導受けながら、そのへんを対処していくということです。

それから少し残念でしたが、昨年買収した釜山の貯蓄銀行については、中止になりました。こちらも金融当局から、ディスカッション行ってきましたが、1つのグループで3つの貯蓄銀行持ことについては、韓国政府の考え方としては合わないというジャッジが出て、正式に諦めるということになりました。

韓国金融事業 先手を打った戦略 1.債権ポートフォリオ

ただこういうのは、金利や総量規制は、僕ら15年前に日本で味わっています。そういった意味では予測済みです。従って、2年前から中低金利体のアセットをどんどん増やして、こういう事態が起きてもインパクトが出ないという対処をしてきました。

また、DH貯蓄銀行の買収については、残念ですが、以前のソフトバンクさんだと思います。以前、スプリントさんの方からT-モバイルを取得しようとしたとき、アメリカ当局の規制があって、なかなか意向に会わないと断念された経緯があります。

韓国は日本、アメリカから10年20年遅れて進んでいるので、僕たちやったのが早すぎたのかなと思いますが、また将来そういったチャンスというのが出てくるのではないかと思っています。

そういった、ある程度予測していたものですから、昨年1年間においても、中金利、低金利体のアセットを60パーセント増やし、それだけではなく、今まで通りやってきたノンバンクに近いようなアセットについても20パーセント増やすということの対応をとって影響が出ないようにしてきました。

これも15年前に日本のアコムさん、プロミスさんとかも総量規制、金利規制であったときにとられた対応というのを経験してきたから、はやく手を打つことができたということの一例です。

韓国金融事業 先手を打った戦略 2.買取債権の回収

それから2番目ですが、我々グループの得意なサービサー事業の部分です。こういった時代が来るであろうということで作っていたわけですが、すでに4社から債権、不良債権を買い取って試験運用してきましたが、実にIRRで44パーセントを超える利回りを出しているオペレーションになっています。

そういった意味から、銀行が伸びるときは銀行で利益を上げ、銀行が抑えられているときはこのサービサー事業で利益を出していく部分で、我々が当初から想定したかたちでの事業が、韓国でこれからまた行われていくということです。

韓国金融事業 貸出残高 今後の推移

そういった意味で、今期以降どうなるのか、という方向へいくのですが、ご安心ください。平均残高が上がってきているので、収益に関しては増収になっていくということ。

韓国金融事業 3ヶ年の営業利益イメージ

それから先ほど申し上げましたが、ポートフォリオの入れ替え、不良債権ビジネスということが上積みになるということで、利益も伸びていく体制です。

こういった規制がなければもっと利益が出るかたちになるのですが、こちらの図で示している通りです。ご安心していただければと思います。

東南アジア金融事業 期ずれ解消

それから東南アジアの金融事業ですが、冒頭で申し上げた通り、期ずれも解消しました。

東南アジア金融事業 営業収益・営業利益

銀行の利益も、営業収入において前期比1.1倍。期ずれで3ヶ月多いですが、その分を除いたとしても増えているということです。

東南アジア金融事業 月次の純利益

それから昨年手当引当金を通じて手当を行い、今、現地基準において、直近どうなっているかというと、今年の1月、2月、3月ともに現地では、3ヶ月連続で黒字を達成しているというほど、現地のオペレーションよくなってきました。

東南アジア金融事業 Jトラスト銀行:その他主要数値

それから純金利収入は、韓国と一緒です。着実に増加しています。

東南アジア金融事業 Jトラスト銀行:貸出資産残高と不良債権比率

ポートフォリオは、大口の過去からの負の遺産を回収したりして、アセットの部分ぼこぼこしておりますが、不良率につきましては、ある程度一定に落ち着いてきているということが、数字から見てわかると思います。

東南アジア金融事業の取り組み1

そういった中、今後どう取り組んでいくかということ、取り組んできたことについてご説明をします。まず1点目、昨年度はリストラクチャリングを行いました。

正社員1,300名の従業員、役職員を789名にまで3月末で減らしています。さらに店舗において、18店舗廃止し、41店舗に実施させていただきました。大きく言うと、ベースラインコストを下げるということも、1つメスを入れ終わりました。

東南アジア金融事業の取り組み2

続いて、今年からは攻めにも転じたいと思っています。韓国でもそうだったのですが、赤字のうちに、マーケティングコストを一定量捻出し、先に早くお客さんを取ってしまおうという戦略です。

今年5億円をかけて、インドネシアでもTVCM等々、マーケティング活動を行っていきます。今約1,000億円の預金量があるのですが、預金金利7.6パーセントです。でも5億円のマーケティングコストを使って、6.6パーセント。1パーセント下げる予定です。

そうすると、5億円のマーケティングコストを使っても10億円の経費を削減することができるということにつながります。そういった意味で、お客さんを増やしていくと同時に利益水準というのも改善していきたいと思っております。

東南アジアの金融事業の取り組み(GLFI)/POS

それから我々とグループ率で競合しています、GLFIですが、順調にクボタのトラクター販売の融資事業が伸びているという状況です。ここはもっと今年拡大してもらおうという予定です。

東南アジア金融事業 評価性部分を除いた事業の利益について(概算)

そういったことをやっていった結果、インドネシア事業においても、銀行は評価性の引き当てという部分も強く引かなくてはいけないのですが、それを除いた部分でいうと、今期大幅な改善をするということで、実質IFRS上でも約24億円の利益になるということで、非常に大きいです。

前期約85億円程度の、日本基準赤字だったものも、今年24億円のプラスに転じますので、こういった部分も今年大きな目玉になろうかと思います。

投資事業 営業収益・営業利益

それから投資事業。結果は何度も申し上げましたが、転換社債の部分について簡単にご説明したいと思います。

投資事業 GL社転換社債について

5年間で我々引き受けしているのですが、だんだん満期が近づいてくるにつれ、オプションの評価がマイナスになる部分というのがゼロに近づいてきます。

なので、前期大きな変動がありましたが、だんだん埋まってきます。結局5年後にどうなるかというと、もともと我々が買った価格より下ブレになってもマイナスにはなりません。

逆に上ブレの部分については反映されるというようなことになります。なので、本当に会計基準の見方によって、いろんな見方がありますが、現在は貸付金と言えるのではないかと思っています。あまりそこに流されず、我々の事業の実態を見ていただければと思います。

投資事業 投資有価証券について

では実際に持っている株式についても、今現在16億円の含み益があるということでございまして、プラスになっているという状況でございます。

非金融事業 営業収益・営業利益

それからその他の日本事業。非金融事業ですが、これも小さいんですが、マイナス3億円の利益を出して終了ということで前期出して終わることができました。

2018年3月期通期計画 会計基準の変更

それでは18年の計画について私の方からご説明させていただきます。まずIFRS。本当に、当時から約2年間経ってしまいましたが、やっと監査法人も強い監査法人になり、それから我々の社内の経理体制もしっかり整えることができ、スタートすることができる発表をさせていただきました。

2018年3月期通期計画 連結ハイライト

その結果、営業利益では100億円。当期利益で81億円というかたちの数字を公表させていただいています。本当にできるのかと言われますので、根拠をご説明したいと思います。

2018年3月期通期計画 セグメント収益・利益

国内金融事業につきましては、安定的に利益計上。これはみなさん不安なところはないと思います。それから韓国金融事業。こちらも32億円で出させていただいておりますけども、実は負ののれんの影響がなければ、去年この数字は出していた数字なので、確実に大丈夫です。

それから東南アジア金融事業。ここも去年申し上げましたが、直接自分の目で見て、引当金でも積んでもらった結果、今1、2、3と連続黒字できています。そういった意味から改善になります。そういった意味で東南アジア。特に今年は本当に実力を試したいと思っているので、24億円に対して真剣に挑戦していきたいと思っています。

ポイントとして投資事業につきましても、GLの株価が23.5バーツ。かなり謙虚に上がらないという前提で出しています。従って、その前提で100億円になるわけですが、今日アペンディックスでお付けしている資料で今期業績イメージについて、という表をご説明したいと思います。

APPENDIX 今期の業績イメージについて

見ていただくと、いわゆるGLの株を期待せずにだいたい100億円出る感じの状況です。逆にGLさんの株価が38バーツになった場合、創業してから最高益が出るということになります。もっと言うならば、ここで143とありますが、過去の営業利益の推移を見てみたいと思います。

Jトラストグループ、富士サーチがずっと黒字を続けてきて、あと3期連続で営業利益赤字なのですが、3年間で出した赤字というのは、2014年に出したほぼ1年分の営業利益に相当します。

そういった意味から100億で株主さんからの依頼のご指摘があって、かために計画を出しておりますが、気持ちとしては3年分の営業利益を一気に取り返してしまいたい、こういうことに挑戦したい、と心づもりを持っておるという状況です。

APPENDIX ひとこと

それから、先般、投資情報誌に載っていましたし、今日、日経新聞にも載っていましたが、日本の株式がこれから上がっていく要素として、大幅に過剰設備や不良債権を減らしたり、生産性の高い海外の投資を増やしたり、それから研究開発費をきちんと出していく、トヨタさんなんかもそうだと思いますけれども、当社J トラストグループこの3つすべてを3年前から実践してきています。そういったことを、きちんと今年は身にしたい、と思っています。

それから株価というものについては、僕たちがどうこうできるものではなく、市場の判断だと思っていますが、前期の途中に第三者機関の方にJトラストの市場価値とはどのようなものか、評価していただきました。

APPENDIX 月次データ推移 2015.04~2017.03≪速報値≫

こちらに載っているのは結論です。最後のページです。これはサムオブザパーツ方式で評価した結果ですが、あくまで期の途中での話ですが、国内金融事業においては、約1,000億円と、既にJトラストの時価総額を国内金融事業だけで補っているという状況です。

その他諸々、韓国金融事業、東南アジア事業と載っており、これはPBR方式、PR方式といろんな市場の同業他社さんの出ている数字をもとに出した結果が、約1,900億円を超えるというようなことです。

株価に関しては評価された時点のものであって将来のことまで入っておりません。こういった見方もあると、前期に勉強させていただいたわけなのですが、我々、事業をやっている経営陣及び役職陣一同、こういった見方、ご期待にも応えられるように、今期は事業の実績の向上に引き続き、挑戦していきたいと思います。

そういった意味で、今日ご参列頂いているみなさまの他、投資家のみなさま含め、ますますのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ決算説明を終了したいと思います。これからは、当社代表取締役社長の藤澤信義より今後の展開について、説明させていただきたいと思います。

今後の展開

藤澤信義氏:藤澤でございます。本日はお集まりいただきありがとうございます。ちょうど1ヵ月前ぐらいに、業績の下方修正をし、決算短信を出したわけですが、数字だけ見ればクソ決算です。原因についてはその時の動画でも説明しました。

1つの原因として、前期から監査法人が変わりました。監査法人が変わった時というのはかなり保守的に物事をすべてとらえるという傾向にあり、ここまで厳しくなるのか、というのは実感値としてありました。

もちろんその影響があったかないかは別として、インドネシアで多額の貸倒引当金を積み増しましたし、それから3月の中旬に投資有価証券の株価の暴落によって評価損を出しました。

それが直接PLにヒットしたというのがあるのですが、これは会計上の損失であり、実質的なキャッシュアウトは両方とも伴っておらず、個人的にはクソ決算なのですが、そういった意味ではそんなに心配している数字ではないです。

今期、我々が確実にやるという3つの目標、コミットは国際会計基準IFRSへの移行、設立以来最高益の計上、東証1部指定の実現、この3つです。

まず国際会計基準IFRSですが、取り組みだしてから足掛け4年、こんなにIFRSに行くのに時間がかかっている会社はないのではないか、と考えています。

内部の原因、外部の原因、両方いろいろとありますが、相当時間とお金がかかりました。やっと前期から監査法人を優勢監査法人にすることによって、1年間準備を進め、第1四半期、今期からIFRS会計に移行できる、ということで発表させてもらっています。

IFRS会計になると、日本の会計と違いのれんの償却を定期的に償却するということがなくなるので、他社も同じですが、より積極的なM&Aができるようになります。

そうなれば、我々は東南アジアでリテールファイナンスを拡大させていくためのデポジットライセンスを積極的に取りに行き、東南アジアのリテールファイナンスというのを制覇していこう、という目標を持っております。

これは今期から行動に現れると思います。実際、いろんな話があり、カンボジア、ラオス、べトナム、フィリピン、タイ、マレーシア、ミャンマー、スリランカ、インドネシア、いろんなところから、緩い話もありますし、割と堅い話もありますし、デポジットライセンスを持った銀行なり、ファイナンス会社というのを、どんどん運営していこう、ということで精査している最中です。

次に、営業利益で設立以来最高益をだすこと、これも1つの目標なのですが、先ほども千葉があったように、66ページに最高益が137億円とあります。今期の予想は100億にしています。最高益ではないでないか、という話なのですが、この100億というのは営業利益というのは私が1年間何もせずに寝ていても出る数字、と見込んだ数字です。

国内金融事業というのが安定していて、穏やかな成長を続けており、韓国金融事業も多少規制強化で、残高の積み上げベースは落ちるものの、順調に積み上げた今までの残高で利益を生みそう、というのは既に出来上がっています。

インドネシアは、前期の貸倒引当金とリストラで、皆様が一般に思う既存の銀行業はそこだけで黒字化が実現でき、巡航速度になっており、合弁会社であるGLFIを通じて成長してきています。

インドネシアで不良債権事業をやっており、銀行を書く際に別会社で不良債権を移してしまうのですが、大体2年近く買ってきて不良債権の回収の仕方というのも、かなり分かってきました。

不良債権処理について、まず自分のところの銀行の不良債権を買っていき、順調に利益をあげているのですが、あと2つほど、重いと思われる大型案件をしっかり処理できるようになれば、今、インドネシアで不良債権処理をメイン事業にしている会社はないので他の銀行からどんどん不良債権を買っていき、それを処理していくということがブルーオーシャンとしてできると考えています。

ただ、その前に残っている大型案件は4つぐらいあるのですが、そのうち2つ、少し難易度が高いものをしっかり処理できるノウハウを構築した後で、今度、不良債権買おうという話をしています。これは、今期なのか来期なのか、着実に設置をしていく分野だと思っています。

それから、合弁会社の方で、2月に1つの支店でスタートしたマイクロファイナンスについて、今試行期間中ですが、これは試行期間終了後、インドネシア全土に展開する予定です。

また、タイやカンボジアでも伸びている、中古バイクを担保にした小口の商品とか、小口住宅ローンなど、新商品を次々展開して、融資残高が放物線状に拡大させるのが目標です。

これについて、例えばどう増やしていくかというところですが、グループリースがカンボジアでやっている、トゥルーマネーという、アリババが出資してる会社です。アリババとタイの財閥が出資している会社ですが、トゥルーマネーとの業務提携をグループリースはしています。

このように携帯屋さんとか、電子マネーの販売拠点、もしくはコンビニエンスストアとか、そういうところと提携できれば、爆発的に融資残高が増えていくことによって、それを目指していけるということになります。

ちなみに、インドネシアの話ですが、ワールドバンク、世界銀行の発表によると、インドネシアにおいて、マイクロファイナンスを必要としている層は、全国民の約8割。人数にして2億人以上が、マイクロファイナンスを必要としているというデータを発表しています。

このように、非常にポテンシャルの高い市場ですから、いち早くマイクロファイナンスのノウハウを確立した者が、想像よりも遥かに大きく、業容を拡大できると思います。それを目指していきます。

グループリースの件ですが、株価が急落してのですが、具体的に、カンボジアとかミャンマー、カンボジアとミャンマーでホンダのバイクのカブ販売の独占契約を持っています。カンボジア、ラオス、インドネシア、ミャンマー等で、半独占で、クボタの農機具の販売量を飛躍的に拡大させていただきます。

ホンダとかクボタ、それからパナソニックもやっていますが、パナソニック等の日本の大手メーカーが、商社系も含めた数ある日本の大手ファイナンス会社ではなくて、グループリース社に販売を頼るという理由も、そのグループリース社のノウハウを持ってるので、組むのであって、大手メーカーはグループリース社と組むことによって、東南アジアの販売を実際に大きく伸ばしています。

ここは、我々がグループリースを評価する、大手メーカー、ホンダとかクボタも評価してるとこですし、そこを我々も大きく評価し、戦略的パートナーとしています。

合弁会社の、GLFIの拠点は、24箇所になっていますが、この地点は、インドネシアの田舎中に張り巡らせる。そこでリテールファイナンスを展開するというだけでなくて、将来的には、電子マネーなどのモバイル決済だけではなく、クレジットカード事業のような、決済・キャッシング・リボルビング等の、審査機能を利用した、Eコマースの物流拠点・審査拠点に仕上げていく。そういうことを目論んでいます。

そうすると、銀行口座とか持ってない人、クレジットカードを持ってない人に対しても、クレジットカードを持っている人と同様のサービスをお勧めできるようになって、低所得者層向けのEコマースの物流拠点、審査拠点になっていく。こういうことをイメージして、我々はリテールファイナンス事業をインドネシアに広げていく。

しかもそれを、インドネシアだけではなく、東南アジア全体に広げていく。こういうビジネスモデルを描いています。なかなか理解してくれないのですが、誰に言っても大体、いろんな取材でも、理解していただけない。

ではなぜ日本の、例えばEコマースの会社が東南アジアで通用しないんだと。通用するはずがないんです。決済機能持ってないんですからね。あと分割払い、与信機能を持ってないんですから、通用するわけないんです。だから、基本的に行っているところ、全部撤退してます。

そういう機能を持たさないと、Eコマースは東南アジアでは発展しないと思っていて、我々が全部単独でできるかというのは別としても、我々が少なくとも、拠点を持ち、そこで審査機能を持ち、ということをやり始めれば、必ずそれとEコマース市場との形というのができていくのではないかと思っています。

ちょっと話がずれますが、フィンテックについてなんですけど、日本で我々、少しビットコイン取引所というのをやり取りしました。実際、数か月、1年経ったか経ってないかぐらいで、すぐやめました。

これは実際、管轄が金融庁になって、顧客保護体制でやるという指針ができた時に、この取引所で、まともに顧客保護できる会社ってまだないな、うちも無理だなということで、顧客保護におけるリスク管理面において、ビットコイン市場全体が、まだ全幅の信頼を置くようなシステムになってないと判断し、いったん退散しました。

最近フィンテックって日本で、言葉で流行っていますが、例えばシリコンバレーとか、中国、アリババが広州とか、東南アジアにおける国と比較しても、それでも、東南アジアと比較しても、日本のフィンテックというのはかなり遅れている。フィンテック後進国と思っています。

今から日本でフィンテックフィンテックって、事業スタートしてやっても、全然話にならない。とてもじゃないけど、そういう、東南アジアの国さえ、追いつかないと考えています。

なので、フィンテック事業やるとすると、東南アジアで既に始まっているフィンテック事業を買い取ったり、そういうことでフィンテックを展開していくことは考えています。

話を戻すと、国内事業、それから日本事業、韓国事業、東南アジア金融事業では、今期から伸びていきます。東南アジア金融事業は今期から伸びていきます。

投資事業についても、順調に利益が上がるようになっていくと思っています。実際、投資事業においては、やっぱり日々変わっているのですが、例えば、グループリースの株価が暴落した時も、安いところで拾っています。

3月28日、もうかなり落ちた時があって、250万とかですかね。これは広告義務がないので、公に報告はしてないんのですが、安いところを買いにいっています。

そういうことをやりながら、投資事業についても、順調に利益をあげるような努力をしておりますので、営業利益は、最高益を達成するということを目指してやっていきたいと思っています。

それから最後に、東証1部指定ですが、ここについては、主幹事証券会社から、スケジュール等の詳しい話は、一切してはダメだと言われています。言われておりますので、あんまりお話できないですが、現在も具体的に対応を進めてもらっています。

遅れている理由はいくつかあるのですが、海外子会社を持つ大手メーカーの環境問題が最近発生していますが、そういうものにもかなり影響されています。

まず、海外に本当に会社があんのかっていうところから、ちゃんと調べろと。「えっ、そこからか」というところからスタートして、そういう影響も多分に出ているのではないかと思っています。そういう意味で、我々も海外に事業会社多いので、少し時間がかかっているようです。今期中には達成したいというふうに考えています。

総括ですが、業績の回復、それからIFRSへの移行など、少し後ずれしたんですが、1つ1つ、実現に向かっているのも事実です。

今期は、冒頭に説明した3つの目標を必ず実現します。最高益に届くかどうかわかりませんが、頑張って実現します。3年間足踏みしましたので、今期から、我々Jトラストは、会社として、持続的に発展できる体制になったのではないかと思っており、持続的に大きく発展していきます。

以上で、私からの説明は終了します。ご静聴ありがとうございました。