2017年3月期決算説明会
江幡哲也氏(以下、江幡):代表取締役の江幡です。本日はお忙しい中、当社の「平成29年3月期決算説明会」にお越しいただきまして、ありがとうございます。
それでは決算の説明を始めさせていただきます。本日のアジェンダですが、まず最初に、通期の決算ハイライトをご紹介いたします。
2番目に、ハイライトの背景である事業のトピックをご説明いたします。
その後、今後の成長戦略とそれに対する打ち手をご説明して、最後に今期の業績見通しについて補足させていただきます。
本資料の前提となる連結対象企業構成
ご説明に入る前に、当社は連結で決算をご報告申し上げていますので、決算の前提となる連結の企業群の構成をご紹介したいと思います。
株式会社オールアバウト以外に連結の子会社として5社ありまして、こちらに書いている会社群で連結子会社を構成しています。
オールアバウトグループのセグメント
今日出てくる、2つのセグメントについてご紹介いたします。1つ目は、マーケティングソリューションセグメントです。こちらは主に、法人のみなさまから収益を成り立たせている事業群です。
こちらには、株式会社オールアバウトが展開している総合情報サイト「All About」をはじめ広告ビジネス等が入っています。
もう1つのセグメントは、コンシューマサービスセグメントです。こちらは主に、生活者、個人のみなさまから収益をいただくことを柱とした事業群です。
代表的なところで、トライアルマーケティングとEコマースをやっている「サンプル百貨店」を有する、株式会社オールアバウトライフマーケティングがあります。こういった企業群の構成になります。以上2つのセグメントで、決算説明を申し上げたいと思います。
連結売上高の推移(年度)
まず全体のトピックです。おかげさまで順調に収益を拡大し続けています。6期連続の増収です。
毎期20〜30パーセント台の増収を続けておりまして、この図で始まっている平成24年頃から今の戦略を実行に移しています。
組織の形態もできるだけ事業領域ごとに細分化し、それぞれスピード感を持って、各領域に特化して、連結経営でやっていく体制に変えています。それが功を奏して、順調に売上が増大しています。
この先も大きな収益をあげていけるように、また我々が掲げているビジョンを達成していけるように、やはり規模にこだわりたいと思っていますので、まずはその事業基盤を2020年度に向けて作っていくことを今のフェーズの事業戦略の骨子にしています。現在の主要な指標は売上ということで、事業基盤の規模を拡大していこうというのがこれまでの5年間です。
そういう意味では、ようやく売上100億円を超えてきたということで、想定通りに推移してきていると思います。
その間、できるだけ先行投資を行っていこうということで、あまり利益にはこだわらずにやってきていますが、昨期にも、そろそろ利益も一段上げだす時期と申し上げましたところ、当該期において、経常利益は5億円を超えました。
ひと言でいえば「思ったとおりにいっている」という決算内容だと思います。
平成29年3月期の決算ハイライト
それでは、具体的な数字のハイライトについてご紹介したいと思います。 売上高は通期で103億7,200万円。対前年比33.8パーセント増で着地しています。
営業利益は5億5,600万円。対前年比636.2パーセント増ということで、先ほどの背景で「(利益を)一段上げます」という期のはじまりになったかなと思います。経常利益につきましても、ほぼ同等の額です。
当期純利益は何社かのれんの減損損失を計上していまして、こういったところを含めてプラス2億3,200万円という数字になっています。
このあともご紹介いたしますが、売上では大きく2つの事業が軸になって動いています。
1つ目、とくに売上という面では「サンプル百貨店」という事業が伸び続けています。こちらはとにかく会員を伸ばす時期であるということで、テレビCMの投入等でしっかり投資をしていくと申し上げましたが、それが功を奏しています。
それにより今期はまた売上が伸びたということで、会員数の堅調な増加、取扱商品の拡充等々により大幅に増収を図れました。
また、インターネットメディア事業「All About」の広告ビジネスにおきましても、当該期は動画広告などの始まりも受けて、アドテクノロジーに応じて自動的に入ってくるネットワーク型の広告単価が高単価に推移していまして、売上が順調に伸びています。
利益面で申しますと「サンプル百貨店」の増収が当然粗利を押し上げているというところもありますが、より利益率の高いメディア事業の「All About」の利益貢献が大きく、このような利益の結果になっています。
昨年の発表時、「一段利益を上げます」と申し上げたことが、少し前倒しになって昨期に立ち上がった決算でした。
連結売上高の推移(四半期)
こちらは四半期ごとの推移です。堅調に伸びてきていることが見てとっていただけると思います。
季節要因として、メディア事業は期末がどうしても伸びるということ。コンシューマサービスの中心であるEコマース事業は、弊社の場合は、飲料の売上などで夏場が伸びるということがあります。
また、Eコマースでいうと、11月、12月も少し上がっているということで、そのあたりがミックスされて、全体でこのような伸びになってきていると思います。
連結営業損益の推移(四半期)
利益の推移です。ちょうど2015年度1Qの終わり頃から「サンプル百貨店」の会員増のためのテレビCMを思い切って投入いたしました。 これが昨期の上期頃まで続きまして、ほぼ0になっているわけではないのですが、集中的な投下をいったん終えています。これにより、下期はこのようなかたちで利益が立ち上がってきたという形です。
ここでは当然、増収面の利益の押し上げとTVCM投入コストの一段落による利益改善。この2つが重なってきています。今、巡航速度としてはこのような感じです。
ただ、この先まだまだ大きな基盤にしていく必要がありますし、2020年以降のいろんな経済状況を勘案すると、そこまでに基盤をもっと強化する必要があります。
またもう1本くらい新しいコアになる事業を作らなくてはいけないと思っていますので、引き続き必要な投資は続けていこうと思っています。
配当について
配当についてです。その前の期の倍ということで、1株当たり3円で発表させていただいています。
私どもは安定配当という考えではなく、フレキシブルに各期の状況に応じて決めさせていただいています。水準として昨期にこのような決算になりましたので、この額を出させていただきました。
配当性向は20パーセント程度を基準にしていますが、それに準ずるかたちで決めさせていただいたということです。
事業ハイライト マーケティングソリューションセグメント
続きまして、決算ハイライトの裏側にある事業のトピックのご説明をしたいと思います。まずはじめに、マーケティングソリューションセグメントのご紹介をしたいと思います。 ここにいくつかロゴが書いてあります。
All Aboutが開設当初よりこだわり続けるもの
総合情報サイト「All About」の開設当初よりこだわっているポイントがあります。あえてここで申し上げるのは、昨年12月に「インターネットのメディアはちょっと信用ならないのではないか?」というような、大きな事件がいくつかありました。
我々としては、インターネット全体がそのように見られるのは非常に困るということで、古くから今のインターネットの状況を予測して、信頼できる情報をちゃんとお届けするということを、ずっとコアに持ち続けています。改めてそこにこだわっているということを、社員もふくめて、肝に銘じておりまして、今日の発表の中にスライドを1枚入れさせていただいています。
約16年にわたり、規模が拡大してもそのポイントをちゃんと支え続けられるビジネスモデルを作っています。まず、こういった「信頼性」にこだわり続けているということを申し上げてから発表したいと思います。
マーケティングソリューションの売上・営業損益推移(四半期)
マーケティングソリューションセグメントの売上・営業利益の推移です。
売上高が32億2,100万円になっています。営業利益につきましても、広告の単価が上がったこと等々により、かなり大きなレベルになってきています。両指標において好調だったかなと思います。
マーケティングソリューションの営業費用の明細推移(四半期)
費用の明細で少し補足をいたします。セグメント利益のコストの分配のところで、当該期は1つ変えているところがあります。
その前の期と比べて固定費の分配が当該セグメントに対して少なくなるということで、影響額で1億7,500万程度と出ていますけれども、それを入れましても、先ほどのように利益体質になるような構造に近づいているのではないかなと思います。
ご覧いただいてわかるとおり、売上の伸びに応じて、固定費があまり増えていないことがポイントです。
マーケティングソリューションのハイライト
先ほど申し上げたメディアの「信頼性」に対してですが、広告主のみなさまの目が厳しくなってきており、当然「信頼できるメディアに広告を出していかなければいけない」ということになります。
まだ半年ぐらいしか経っておらず、業界全体の流れができあがりつつある状態ですが、方向性としてはそういうことになっているのかなと思います。
そういった流れを受けて、我々のメディアに対して、とくに大手ナショナルクライアント様の広告が好調になったということで、高単価につながったという部分もあると思います。
ちょうど昨期はインターネット上における動画の広告が、今までTVCM等に流れていた大手ナショナルクライアント様の動画広告の予算が、少しネットにシフトしていっているということが始まった期であります。
例えば、自動車メーカーさんであったり、化粧品メーカーさんであったりといくつかありますが、そういったところを受けまして、単価ベースで昨年同期比179パーセントという平均単価になっています。
昨年度も前期に対して200パーセント程度上がっているということもありますので、こういった単価の高いメディアとそうでないところが分別されてきています。
我々はその中でも単価の高いポジションを目指してやっているわけですが、そういったことが現れてきているのかなと思います。
業界ではPMP(プライベートマーケットプレイス)ということで、テクノロジーにおいても、ちゃんと信頼できる場に広告が出ることがコントロールされるようなネットワークがあります。そういったところへちゃんと組み込まれて、活用いただけてることがトピックスの1つです。
2つ目、分散メディアプラットフォームの「citrus」でございます。「citrus」について説明する前に、弊社が持っている、世界で唯一Facebook社が公認している「Facebook navi」というサイトがあります。
こちらが国内最大級、約450万人のFacebookファンを抱えていますので、この450万人の方に投稿ができます。
この強力な投稿の仕組みに、いろんなコンテンツを持っていらっしゃる20のメディアがご参入いただき、アライアンスネットワークを形成しています。
そこにおいてさらに動画コンテンツを強化していく流れがありまして、動画の視聴回数がどんどん増え続けて、とくに下期に応じて増えてきています。そのようなことも1つポジティブな流れかと思います。
この「citrus」につきましては、後ほど申し上げますが、先日発表させていただいた、日本テレビ放送網との提携によって動画コンテンツがより増えることになりますので、そちらとのマッチアップで強化できると思っています。
3番目、外国人向けの日本情報サイト「All About Japan」です。こちらは日本通の外国人のみなさまが日本を紹介する記事を作り、自分のファンに広めていくという構造です。
こういった構造で重視している指標は、SNSでどれくらいのフォロワーがついて、拡散するようになっているのかというところです。
海外での公式Facebookページのフォロワーが増えていまして、英語圏中心から始まって、タイ語、繁体字……これは台湾や香港です。そういったところでかなり増加傾向でして、トータルでも100万人くらいのFacebookユーザーにどんどん広げていってもらっている良い基盤になってきていると思います。
これをどのようなビジネスにしているかというと、今は国、行政、各省庁、あとは地方行政が「日本を海外にPRしたい」というニーズに応えています。
事業ハイライト コンシューマサービスセグメント
続きまして、コンシューマサービスに移りたいと思います。
こちらのセグメントのトピックとしてはやはり「サンプル百貨店」の伸びが非常に大きいので、こちらが中心になってまいります。
コンシューマサービスの売上・営業損益推移(四半期)
数字面で申し上げます。左側(売上高グラフを)を見ていただくとわかりますが、収益の勢いがまた増してきています。
その理由が、右側(営業利益グラフ)とちょうど連動するんですが、一昨年から昨年の上期にかけてサービスの認知向上と会員数増を目的に実施してきたTVCMの投入のほか、のちほど詳細をお伝えする決済を提供するプラットフォームとの連携や、商品数の拡大にあります。
コンシューマサービスの営業費用の明細推移(四半期)
費用の明細をご覧いただくと、このようなかたちです。売上の増加に応じて、変動費が増えています。こちらは商品の一部仕入れの費用と、「サンプル百貨店」においては配送費が変動費として掛かりますので、配送費が当然増えたということであります。
ご覧いただきたいのは、売上がこれだけ伸びているんですが、固定費がほぼ変わらないということです。
一般的にECは薄利でございますが、我々はトライアルマーケティングという位置付けで、企業様のマーケティング目的で、お試し買いを安くしていただくという機能を有しているサイトですが、そういった独特のやり方がこういった収益を出している構造をつくってきています。規模が大きくなればなるほど当然利益が出てくるというかたちかと思っています。
コンシューマサービスのハイライト
続いてコンシューマサービスのトピックスです。「サンプル百貨店」は会員を増やしていくということがすごく重要なのですが、それに寄与するかたちで、各決済をご提供いただくプラットフォームがインターネットにいっぱいありまして、とくにケータイキャリアのみなさまがそれに当たります。
中でも当該期はNTTドコモ様の「dケータイ払いプラス」という決済プラットフォームです。ドコモ様もプラットフォームをオープン化するということで取り組み出されて、強化されています。
こちらは6,000万人くらい会員がいらっしゃるんですが、ここに「サンプル百貨店」の認知や利用促進をかなり大きく図っておりまして、ここでの売上の伸びや動きが大きいところです。
ファッション分野のリアルイベントですが、もともと「サンプル百貨店」ではリアルサンプリングプロモーション(RSP)というものを実施しています。
年に4回、都内の大きなホテルで、約1,000人ぐらいの会員を抽選でご招待して、飲料や食品メーカーの商品を開発されたご担当の方が、直接生活者のみなさまに開発の意図とかそういったものをプレゼンテーションし、その場で生活者のみなさまが市民記者になって、スマホで撮ってどんどんネットに上げていくような、こんなイベントをやっています。
これを長らくやっているのですが、昨年度は新たに、ファッションに特化した「リアルファッションフェスタ」というものを始めました。
これも、生活者・企業両方から支持をいただいていますので、ファッション分野の強化とともにやっていこうと思っています。ファッションについては後ほどもう1点をご紹介したいと思います。
また、オールアバウトライフワークスですが、ウォルト・ディズニーさんとのライセンス。
教室でのこういった教材の展開が出版物と相まって今期始まってまいりますので、今期ここが伸びればいいと思っています。約全国125ヶ所、カルチャーセンターを中心とした連携も多いんですが、これだけ出されてるということで非常に楽しみです。
またこの「生涯学習」と言っている領域について、やはりシニアの方が、長く生き生きと自分の好きなことをやって収益が得られる構造が拡大していますし、健康に対しても寄与できるのではないかと思います。
生きがいを持ってずっとやっていくということでございますので、弊社のビジョンにも非常にマッチしていますから、よりいろんな打ち手で強化をしていきたいと思っています。以上、両セグメントのトピックをご紹介いたしました。
オールアバウトグループのビジョン
それでは成長戦略ということで、少し今後のことをご紹介したいと思います。また今後に対して具体的に行っている打ち手をご紹介したいと思います。
まずはビジョンです。「個人を豊かに、社会を元気に」というビジョンを抱えているグループですので、我々が個人のチカラが活躍できるいろんな場を作って、そのサービスの先でいろんな世の中の不合理・不条理を直していくイノベーションを図っていくことがビジョンです。
成長戦略における事業領域
大きく8つの領域で基盤を作っていこうということを2020年に向けて掲げています。
日本テレビ放送網との資本業務提携に関するお知らせ
まず近々の成長戦略に視する動きです。ご報告のとおり、昨年度の3月30日に日本テレビ放送網との資本業務提携を発表させていただきました。
こちらはオールアバウトの既存株主から1部日本テレビに譲渡いただき、現在25パーセントの株を日本テレビに持っていただくという資本の移動と合わせて業務提携を行っています。
オールアバウトグループの狙い
業務提携は、大きく2つの方向性を発表させていただいています。
1つはテレビとインターネットのかけ合わせで、ネットというのは主にソーシャルメディア、Facebookです。先ほどご紹介した「citrus」「Facebook navi」になるのですが、我々はFacebookを中心に450万人近くのファンを持っています。
こういったところとテレビ局がお持ちのコンテンツの融合、また双方でユーザーを獲得する施策もたくさんありますので、双方のマーケティングの活動支援をしていこうということが1つです。
もう1つは、TV+Eコマースです。日本テレビは、テレビだけではなくて、例えば地方のいろいろなネットワーク局を組みまして、地域でいろいろなイベントをやっています。こういったイベントやテレビでのご紹介も含めて、これをEコマース化できればいいなと考えています。
我々が持っている、「サンプル百貨店」の運営ノウハウ、会員基盤、いろんなものの融合を目指しています。テレビ局の力と我々の力で、コマースの分野を共有していこうと。この2つの柱を挙げています。
メディアビジネス領域における日本テレビとの業務提携内容
こういった打ち手をもって、さらに具体的な話になります。昨日決算の開示とともに、日本テレビ関係で2本リリースを出させていただいています。
まず1つ目、先ほどの大きな提携の骨子の具体策の一環として出させていただいていますけれども、まずはインターネットのメディアビジネスの領域において、具体的に進めていくために、先ほどの「citrus」と「Facebook navi」を運営している子会社のオールアバウトナビにも資本参加をしていただくことを発表させていただきました。
具体的には一部株の譲渡、弊社からの譲渡と増資というかたちになりまして、両社でこの会社を運営していこうということです。
両社それぞれ約46パーセントの持ち分になりまして、のこり7パーセントくらいを電通さんが持っていらっしゃいますけれども、そういったフォーメーションで、先ほどのテレビとソーシャルメディアのマッチアップを進めることにしています。
具体的には6月1日付で実行する予定にしているので、昨日はそれを決議しました、という開示になっていますから、また6月の時点でいろいろなお話ができるかと思います。
新たなマーケティング支援サービス
引き続き、セグメント別に戦略を発表しますが、インターネットの技術の発表なので、日本テレビとは関係ない話でございますが、今後の成長戦略の一つとしてこれもプレスリリースを出させていただいたものです。
インターネットのアドテクノロジーにおいては、いろんなサイトに、そこに来た人のニーズに合わせて広告を出していくというものは、自動化がどんどん進んでいますので、いわゆる旧来の営業マンが広告主様にお伺いして、広告を取ってくることはほとんどなくなってきています。
一方で、各企業様のマーケティング全体に対して課題を発見し、インターネットのテクノロジーをきちんと使い、マーケティング全体を進化させていくような動きが分化をしており、弊社でいうと、広告のセールス部隊がお世話をする範囲になってきています。
このような流れの中で、後者の部分。我々のセールスが実際に各企業様の広告だけでなく、マーケティング全般の支援という領域まで広げていく動きが支持をいただき出しています。少し難しくわかり辛いですが、そのような背景の分野です。
インターネット界隈ではマーケティングオートメーションという言葉が流行っています。
これは広告主である企業様が、いろんな広告活動で得た見込み客であるとか、資料請求をしていただいた顧客、もしくはすでにお客様になっていらっしゃる顧客のニーズの変化を、さまざまなテクノロジーを使ってキャッチアップをして、良いタイミングで、「今度はこういう商品はいかがでしょうか?」と自動的にプッシュしていくことを支援するツールです。
図にありますのは、顧客の商品の購買行動を左から、商品を知っていただき、調べて検討していただいて、資料請求、そして成約・購買に至って、その後顧客として関係が続くと。
このようなプロセスのなかで、従来インタ-ネットの広告は、左側の上流だけをお世話しておりましたが、そこはほぼ自動化できるようになってきたので、右側のいろんなツールを活かして、企業様に深く入り込んでご提案すると。
オールアバウトの場合は約3,400万人のいろいろな分野の利用者接点、これも全部データがわかります。
そういった顧客のデータに対してコンテンツをどんどん充てていくことで、「こういうコンテンツに反応があった」「こういうコンテンツだとニーズがあるんだ」というところから次のアクションを類推していくような、コンテンツを提供できる力がございますので、マーケティングオートメーションツールとコンテンツを組み合わせた支援が始まっています。
サンプル百貨店での掲載商品数拡大への取り組み
今度は、コンシューマサービスの主な取り組みです。「サンプル百貨店」のことになりますが、従来からご説明している「サンプル百貨店」の収益がどう伸びていくのかという方程式は、「商品数×会員数」です。
会員数については、先ほどから申しあげているような打ち手をやってきていますが、ここでは商品数のところで少しご紹介したいと思います。
例えば、飲み物を扱うだけでなく、食べ物や薬、さらにはお酒を扱って、どんどん商品の分野を広げるということが当然あります。
それとは別に、我々が商品をすべて倉庫でお預かりして、すべて自社で発送するということを今までずっとやってきているのですが、それですと多品種小ロットに対応しきれないということがございます。
多品種小ロットにどう対応するかというときに、我々は社内で「直送モデル」と呼んでいますが、出展者様自身が我々のユーザーに直送で、お試しいただく商品を発送するというものがあります。
このようなプラットフォームを提供していくことによって、より多品種小ロットにできる機能を増やせるということをやってまいりたいと思っています。
EC領域における日本テレビとの業務提携内容
また、こちらは日本テレビとの話で、Eコマースの領域で具体的なことになりますが、先ほど申し上げたようなことをやっていく器といたしまして、昨日、新たにジョイントベンチャーを立ち上げることを開示させていただきました。
実行は8月1日を予定していますので、そこに向けて準備に入っていくということになります。
合弁会社の社名はオールアバウトライフマーケティングと日本テレビの名前を組み合わせた「日テレ・ライフマーケティング」です。まずは日本テレビの地方局をふくめた、いろんなリアルイベントでのユーザー接点をECでやっていくという部分に「サンプル百貨店」の運営ノウハウをご提供することで、今年の10月を目処に立ち上げていきます。
全国津々浦々で、コマース化できるものが大きいと思いますので、非常に楽しみです。今後、この動きによって「サンプル百貨店」の会員も増やせるのではないかと思っています。
ミューズコーの子会社化について
もう1つ、先ほど「ファッション」と申し上げましたが、昨日ファッションコマースサイトを運営するミューズコーを子会社化するということを決定しています。
こちら、オールアバウトライフマーケティングがグループにおけるEコマースを担う中核会社ですので、オールアバウトライフマーケティングを通して子会社にするというかたちです。
会員数約100万人を有しまして、累計掲載ブランド数2,000。主にラグジュアリーブランド系、トレンドアイテムのアウトレットセールを展開しています。こちらの全株式を買収することが決まっています。
ファッションは、リアルな小売業がECになっていくというEC化率がだいたい10~11パーセント。市場規模が1兆5,200億円あるわけです。
こちらを子会社化するというかたちでファッション分野を強化していくことを決定した次第です。
年間の売上が、今15~16億円の会社でして、期の途中からですが加わります。そんなかたちで、より進化ができるように進めてまいりたいと思います。
現在の事業ステージと将来イメージ
最後に今期の業績見通しです。
これまでの5年は事業基盤の拡大を進め、売上にこだわってまいりました。また当該期は利益水準を一段上げおおむね考えたとおりの成長をしてまいりました。
2020年に向け、さらなる事業基盤の強化を図っていく必要があると考えておりますので、引き続き投資を行いつつ、売上の拡大を第一とし、利益水準もさらに一段あげてまいります。
【業績予想】平成30年3月期 業績予想/配当予想
そんななかで、今期の予測ですが、2020年の事業基盤構築に向け、今期も継続的に投資を実行します。
既存のビジネス領域に関しましては、先ほどのオールアバウトのメディアの信頼性というずっと取り組んできたことが、非常に時代感として花開いています。その流れに乗って拡大できるように、更なるコンテンツの拡大を図ってまいりたいと思っておりまして、ここに投資します。
「サンプル百貨店」においても、先ほど申し上げた「直送モデル」。これはシステム面での開発投資が必要になりますので、強化をしてまいりたいと思っています。
新規では、日本テレビとの連携によるメディアビジネスの基盤の拡大や、EC領域での協業拡大。ファッションEC分野に本格的に参入します。
あとはグローバル領域のほか、今後発表させていただくことになるであろうウェルネス領域へのチャレンジも続けていきたいと思います。
売上につきましては、通期だけでご説明をしていますが130億円ということで、さらにまた25パーセントくらいの成長をいたします。
営業利益については、先ほど申し上げたように、投資の部分を勘案して、今期出した利益水準くらいのところを一旦おいて発表させていただいています。
今期につきましても、その先のさらなる事業拡大に向けて2つの目線で進行していただければと思っている次第ですので、引き続き変わらぬご支援を頂戴できれば幸いです。駆け足ではございますが、当該年度の決算の発表をさせていただきました。