連結決算ハイライト

瀬戸健氏(以下、瀬戸):みなさま、おはようございます。本日50分ほどお時間いただいておりますので、まずは連結の決算ハイライトからご説明差し上げたいと思います。

一番が4期連続増収増益と、大幅成長を実現ということになっております。

二番目のハイライトとしましては全セグメントの黒字化達成です。アパレル関連事業、エンターテイメント事業の黒字化を実現しております。

三番目に、M&A業務の加速と財務の健全性を両立させ、実現したということになっています。

連結損益計算書

振り返りまして、連結の損益決算書ですね。

前年の第3クオーターまでの9ヶ月の実績が386億の売上に対しまして、今第3クオーターの売上が657億と、前年に対し1.7倍。営業利益に関しましては29億から80億ということで2.7倍。

そして税引き後の利益に関しましては16億から51億ということで3.2倍と大幅な増収増益を達成しております。

連結売上収益・営業利益

売上に関しましても、連結の第3クオーターまでの累計につきましては、386億から657億ということで1.7倍を記録しております。

営業利益に関しましては、29億から80億ということでこちらも2.7倍という大幅な増益を4期連続で達成しております。

売上収益(セグメント別)

セグメント別の売上はこちらの表になっております。

営業利益(セグメント別)

営業利益に関しましても全セグメントで黒字化を達成しております。

営業利益の状況(主な事業・グループ企業別)

こちらは各社セグメントの営業利益です。

なかなかわかりづらい部分もあったと思いますので、各社の営業利益の内訳というかたちで出ております。上場企業に関しては明確に開示し、その他の会社に関しましては、ある程度シンプルにご説明差し上げております。

RIZAPに関しましては、前年の第3クオーターまで黒字でしたが、そちらにつきましても大幅な増益を達成しております。MARUKO社に関しましては、まだ再建途中でございますので前年度同等の赤字を計上しております。

KENKOU CORPORATIONも前期黒字でしたが、さらなる増益を果たしております。こちらはご覧いただいたとおりになるのですが、だいたいの会社が、黒字からさらに増益と。

I.D.E.Aに関しましても第3クオーターまで5,700万の黒字でしたが、今期に関しましては1億1,600万ということでこちらも増益を達成しております。

PASSPORTも黒字ですけれども、1億7,100万から3,500万ということで、今踏ん張りどころというかたちですね。

あと、夢展望に関しましては、前期まで非常に苦しかったのですけれど、第3クオーターまで6,700万の赤字でございましたが、今期に関しましては4,500万の黒字に大幅に転換しております。

営業利益の内訳

次のページお願いします。今期営業利益が、どのようなかたちで計上されてるかをご説明差し上げたいと思います。

第3クオーターまでの営業利益は29億円でございました。それが今期に関しましては80億円ということで、前期から大幅な増益を果たしております。

その中の内訳としましては、今期は純資産を下回るM&Aを実現しておりまして、その結果40億程、負ののれんとして計上されております。

ただし、負ののれんが計上されると同時に赤字の会社をグループ化しておりますので、それだけではなくて、負ののれんに加え、マイナスの赤字も一緒についてきております。

それが第3クオーターまでで、さらに先行投資もありますのでここのグラフに出ております16億円のマイナスも一緒にセットで出ております。

ですので、負ののれんはございますが、それと同時にマイナスの計上と再生途中ということ。そして、先行投資ということで16億円。

これは通期でみますと、20億円以上はそういった赤字も含めて出てくると思うんですが、そちらがプラスもあるけどマイナスもあるということで、こちらを黒転できるかどうかが、我々の来期の勝負というか、しっかり結果でおみせしたいと思います。

その中で、来期は我々としては、負ののれんとを今のところ計算には入れておりません。ただし、来期に関しましては、その負ののれんを入れずとも、今期の着地、営業利益を大幅に上回る実績をしっかりと実現する、ということをお知らせしておきたいと思います。

連結貸借対照表

我々、このようなかたちでM&A含めて積極的に投資をしております。

通常であれば、このように積極的な投資をしますと、B/Sが傷んで財務の健全性が損なわれるということになってまいりますが、我々、純資産を下回るかたちでグループ化したり、むしろ自己資本比率は高まっているということで、財務の健全性もしっかりと担保しているということでございます。

営業キャッシュフローについて

その中で、営業のキャッシュフローは、38億円ということで、第3Qまではマイナスになっております。

こちらのほうもしっかりと説明しておくべきだと思いましたので、示しております。

棚卸資産は戦略的に積み上げております。期末に関しまして、いろんなキャンペーンを今進行しております。

法人の所得税が第3Qにかたまりましたので、そのようなかたちでマイナスになってると。ただし、第4Qまでには解消していく見込みとなっております。

2016年度 業績見通し

こちらの進捗につきましてもご覧のとおりで順調に推移しております。

増収率ランキング

こちらは日経新聞で発表されていたものになります。

第3Qまで9ヶ月間の売上の成長率ということで、我々は約1.7倍ということで、全上場企業の300億円以上売上がある会社の合計値だったと思うんですが、そちらのほうに関しまして第2位となっております。

おそらく通期に関しましては我々が間違いなく1位になるだろうということで。これは、9ヶ月間の合計でございますが、あと3ヶ月、しっかりと売上の成長も利益の成長もしっかりと出してまいります。

そちらに対しては、年間を通して300億円以上の上場企業の中で1位ということを実績として出していきたいと考えております。

「人は変われる。」を証明する

こちらは、我々の経営理念になります。

我々が行っている商品・サービスはすべて「人は変われる」を証明するために存在しております。そちらにつきましても、これからご説明差し上げたいと思います。

事業領域

これがみなさんご存知のとおり、マズローの5段階欲求ということで、何度かお聞きいただいた方もいらっしゃると思いますが。

下の生理的欲求というところから始まりまして、戦後の日本であったりとか発展途上国等に関しましては、やはり今日生きていくということが非常に重要な時代がございましたので、幸せという尺度はいろんな見方があると思うんですけど。

1つの観点として、戦後であれば、今日食べられるだけで幸せであったりとか、今日生きるということに対して追求をしていくということで、非常にシンプル。大変な時代ではあったと思うんですが、食べられるだけで幸せとか、そういった幸せの追求の仕方が一番下からあったと思うんですね。

ですが、それがだんだん時代とともに、食べられるのは当たり前という時代になってきて、今度は違う幸せ・欲求を満たそうとしてきますので、現代に生きている我々としては、「その先の幸せっていったい何だろう?」ということで、幸せを探す。

自分が生きている意味であったりとか、今まで戦後であれば、周りからどう見られているであったりとか、自分の存在とか、考える暇がなかったと思います。考える余裕もなかった時代が、今は食べてその先を生きていくことが出てきて、その先の時代になってまいりまして。

自分がどう見られてるかとかを考える余裕が出てきて、その分、幸せの追求だったり、そういったものを考えることが1つの観点からみると大変な時代になってるんではないかな、と思います。

そういう中で、物の目的っていうのはどんどん変わってきていると思います。例えば、アパレル1つ取ってみても、身を隠すもの、寒さを凌ぐものという存在の目的から、手段は同じとしても、目的が自分の存在を示すもの、自分の価値を高めてくれるもの、自分に自信を与えてくれるものに変わってきてると思うんですね。

バッグ1つ取ってみても、物を持ち運ぶという機能から自分の存在を高めてくれるものであったり、時計自体も、携帯電話あれば時間わかりますけど、時計を身に着けるっていうことは自分の存在を高めてくれるものに、目的自体が変わってるんじゃないかなと思っています。

手段として、目に見えるものの存在は同じかもしれませんけど、目的が変わってると。そういったものを目に見える手段だけではなくて、企業はその商品に、お客さまが本当に求めてるものというものを追求しないといけないんではないかなと考えております。

そういった中で我々が考えることは、生活必需品とかそういったものではなくて、我々が自分の存在を高めてくれる自己実現につながるもの、自己投資につながるもの。

50万円、100万円の大きな投資というものがいろいろありますけど、我々の商品・サービスを使っていただければ、自分にもっと自信が持てて、毎日がもっと楽しくなって、幸せを感じられる。そういった商品・サービスを追求していきたいと思っております。

我々は物の手段と目的にはこだわって、明確に考えているのがあります。

もともと豆乳クッキーダイエットという商品を発売して、その後に美顔器のフェイシャルマシーンで肌をツルツルにしてくれる会社にグループに入ってもらったんですけど、その時に「なんでクッキーの会社が美顔器の会社を買収するんですか?」ということをすごく言われまして。

それは手段の物のかたちだけでみるとクッキーと美顔器なわけですよね。ですけど、別にお客さまは豆乳クッキーダイエットを買いたくて買ったんじゃなくて、お客さまはそのクッキーを使って、食べて痩せたいとか、きれいになりたいということが本来の目的だと思うんですね。

美顔器も美顔器という観点でみると美顔器なんですけど、お客さまは美顔器を目的化してるんじゃなくて、手段として美顔器が存在していて、それを使ってきれいになりたいとか、自信を持ちたいと。

やはり、その先にある本来の目的というものに、企業は焦点を当てなくてはいけないわけであって、その商品に本当の意味で何を求めているのか。

例えば、RIZAPでいくと、お客さまはトレーニングをしに来てるわけではないんですね。痩せたいとか、健康的になりたいとか、その先にあるものなんですよね。

ゴルフでも、ゴルフの練習をしに来てるわけでもないし、トレーニングをしに来てるわけでもないし、ゴルフのスコアを上げたいわけですね。英会話でも、英語の練習をしに来てるわけではなくて、英語をしゃべられるようになりたいわけですね。

企業はその手段と目的が意外と混在してしまっていて、その手段が商品に目がいってしまうので、いろいろ目的を間違ってしまうことがあると思います。

ですので、我々が豆乳クッキーダイエットを販売している時に、いろんなM&Aで仲介いただいている方から案件を持ってきていただいたのは、お豆腐屋さんとか、大豆畑とか、そういう会社と「契約しませんか?」と。

そういった話はすごくあったんですけど、それは手段の1つであって、我々は別に「大豆を広めよう」の会ではなかったということで。

我々がやりたかったことは、お客さまを輝かせて、お客さまが自信を持てて、そして、お客さまが本当に毎日楽しく笑顔で生きられるような商品・サービスを提供したかった。実行・実現につながるものをしたかったということで。

それが我々の追求するものでございましたので、これからもいろんなかたちで新規事業、そして、M&A等も進めてまいりますが、すべてそちらの自己実現・自己投資につながるものに焦点を当ててまいりたいと考えております。

この自己実現は、終わりがないことではございますが、それがあることによって、毎日毎日もたらされる幸福感であったり、そういったものはもう格段の違いがあると思っておりますので、そちらを追求していきたいと考えております。

RIZAPグループのターゲット市場

というところで、その延長線上としてございますが、我々はその手段としてヘルスケア・美容の市場をスタートしております。

ただ、その先に自己投資産業ということで、こちらの市場は物の必需品であったり、そういったものは食べられれば、お腹いっぱいになったらそれ以上は必要ないですから。

機能とか、生きていくとかに関しては、「5畳、6畳あれば足りる」と言われるように、生きていくというものに対しての供給と需要は、限界があると思うんですね。

ただし、その先にある自己実現につながるもの、自己投資につながるもの、自分が輝くということ、そういったものに関しての限界というもの、需要の限界というものはないと思ってます。

欲求であったり、欲望はいろんな意味で無限のものがございますので、我々としてはそういったものを追求していきたいと考えております。

ですので、現にお客さまがRIZAPをおやりになった後に、今まで自分に関心がなかった方がどんどん自分に関心が出てきて「ウォーキングを習いたい」とか、「プレゼンテーションを習いたい」とか、「ゴルフをもっとできるようになりたい」とか、服に関心が出てきたりとか、いろんなかたちで自分に目がいかなかった方たちが、自分にどんどん目がいくということがございまして。

そういった意味で、我々としては自己実現というこの市場に対してアプローチしていきたいと考えております。

中期経営計画「COMMIT2020」

3年前に「COMMIT2020」というかたちで出させてもらいました。

(売上高が)390億円、営業利益が21億円の時に出させてもらいましたが、(売上高が)1,000億円ということで、中間地点を挙げた時にけっこう「無理くり作ってるんじゃないんですか?」ぐらいのことを言われたこともありますけど、そんなことはまったくなくて。我々、できない数字は出しませんので。

しっかり(売上高)1,000億円の営業利益100億円ということを今期は達成して、2020年は3,000億円の350億円はもちろん、この数字に出しているとおりに実現してまいります。

「COMMIT2020」達成に向けた4つのアクション

次に、既存のセグメントの成長ということで、2020年の「COMMIT2020」の達成に向けた4つのアクションをご説明差し上げたいと思います。

RIZAP事業の売上推移

こちらはRIZAP関連事業の売上の推移になります。

毎年RIZAPは10月から12月に来店をいただいてから売上になるんですね。RIZAPは、別に契約いただいて売上計上してるわけではもちろんなくて、来店いただくごとに売上計上なんですね。だから、2ヶ月間で16回通っていただきますけど、16分割して来店いただくたびに計上いただきます。

その時にどんなことが起こるかというと、みなさんも想像したらおわかりかもしれませんが、お正月はさむとか、クリスマスとか、いろんなものをはさむと、そんな時にダイエット誰もしたくないので、通っていただけないんですね。12月は普通閑散とするんですね。

「始めるんであれば1月以降」という方が非常に多い中で、黒い棒線が我々の第3Qの売上になりますが、毎年、これ落ち込んでおりましたが、こちらは落ち込む時期にもかかわらず、第3Qにおいてではなくて、我々の、RIZAPの事業が立ち上がって以来で過去最高の売上を達成いたしました。

このようなかたちで、第3Qに達成できたことは、ある意味、非常に大きいと考えております。

RIZAP会員数

その後に、このようなかたちで累計の会員数は7万人を達成しているということになります。

出店状況

また、今現在、お待ちいただいている方も約1,000名以上に昇っておりまして、新規で出店をすればもう即当月に埋まってしまうような状況でございます。

全国にCMも流れておりますので、店舗を出せば埋まるような状態が引き続き続いているということでございます。こちらは当初発表しているとおり、しっかりとしたかたちで店舗の開発が進んでおります。

新規店舗

このようなかたちで、新規の開発が続々とスタートしております。

再契約率・残存率の推移

その中で、広告をいろんなかたちでご覧いただくことが多いと思うんですが、別に広告をどんどん打ちたいわけで打っているわけではなくて、広告を打つことによってお客さまに見てもらって、そして、ご来店いただくということになるんですが。

極端な話、お客さまがずっとRIZAPをご利用いただければ、広告を打たなくても売上は下がらないわけですね。プラスで新規のお客さまが増えてくればプラスオンになるということで。

我々としては、やはりお客さまが2ヶ月間だけではなくて、今いろんな意味で健康の管理のサービスであったり、お客さまが一度作り上げた体型を無理なく維持いただく、生活習慣も改善いただく、そういったサービスを今現在強化しております。

その結果、1年後の残存率っていうのは、2015年4月に比べて今現在1.6倍になっております。再契約率も1.3倍になっております。

ライフサポートプログラム消化ゲスト数の推移

その中で、「ライフサポートプログラム」がございます。

生活習慣の改善は、2ヶ月間だけでは限界がございます。毎日食事の写真を1日3回撮っていただいて、2ヶ月間で180回送っていただき、その度にトレーナーから指摘が入りますので、そういった意味では非常にフィードバックとしても意識としては高まるんですけど。

例えば、小さい頃に親から「ごはんは1つも残すな」とか「ごはんは残すもんじゃない」と指導されてる方もたくさんいらっしゃると思うんですね。そういう方が社会に出て、会食があったりとか、コース料理が出たりして、1つも残さない生活を毎日繰り返していると、どう考えても肥満にしかならないということで(笑)。

今の現代の食生活と過去の習慣は、やはりミスマッチが生じていると。その習慣は、少なくとも親から育てられた10年、20年は、我々にしみついているものですので、このしみついているものを取るっていうのは、2ヶ月間プラスもうちょっとほしい。

ということで、今、1万9,800円で生活習慣全体を見直すプログラムをスタートしており、生活習慣病は改善しないと治らないということで。ただ、インターネット上にいろんなものが情報としてはありますが、いっこうに減らないと。

生活習慣病になる方が減らないということに、我々が考えることとしては、それは別に情報提供では限界があって、やはり一緒になって生活習慣を変えてくれる存在が必要だと。

わかっていることと、できることは違うということで、そういったサービスはないと我々は現在考えております。そこで登場したのが「ライフサポートプログラム」になります。

こちらのプログラムは去年からスタートしておりまして、そちらについてどんどん、どんどん契約いただく方が増えているということでございます。それを使っていただいている方は、1年前に比べて7.3倍になったということでございます。

紹介入会者比率の推移

RIZAPとかにしましても、やはりお客さまの満足度、引き続き向上いただけるようにがんばっておりまして、その結果、広告を使わずともお客さまがお客さまを紹介いただくという流れが着実に進行しております。

1年前の4月に、24%も過去の数値からみるとかなり上がってるんですけど、今現在は10人中4人が、お客さまがお客さまを紹介いただいているということで大幅に伸びているということでございます。

家族紹介キャンペーン

これは家族の紹介に特化したということになるんですけど、キャンペーンを顧客との関係を強化するというかたちで行っております。

販売の定期販売比率

商品・サービス、物販に関しまして、我々すべて過去から、サプリメントであったり、プロテインであったり、フードであったり、そういったものもは自社開発をして自分たちで販売してきているという強みがございます。

一般的なスポーツチームであったら仕入からスタートして販売していくので、一般的な粗利率は3割とかでかなり厳しいと思うんですけど、我々は自社開発しておりますので半分以上の粗利がしっかりと取れまして。

こちらの商品の売上は、順番待ちのお客さまが出てても、トレーナーのお客さまのトレーニング数、お客さまの持てる人数が限界に達しても、物販っていうのは限界がございません。

一度おやめになった方もこの定期購入していただくことによって、継続的にこの商品は続けていただくということで。

この定期購入を選択いただいた方の使っていただける単価と、定期購入を選択いただいてない方の単価は、倍違います。それに着目しまして、通販で培ったお客さまのリピートを促進しており、前年に比べ倍の数字を達成しているということでございます。

こういったものも含め売上もさらに向上していくということで、RIZAPは人生の中のただのポイントではなくて、人生すべてにおいて使っていただける商品・サービスにしたいと考えております。