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冨士ダイス株式会社6167

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※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

EXECUTIVE SUMMARY

春田善和氏(以下、春田):本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。ただ今ご紹介にあずかりました冨士ダイス株式会社、代表取締役社長の春田善和です。

まずは、決算の概要をご説明いたします。

2026年3月期通期業績は売上高は予想にわずかに届きませんでしたが、前期比では増加、営業利益は前期、業績予想ともに上回りました。

しかし、当社を取り巻く経営環境は、大きく変化しております。昨年2月に中国が超硬合金の主な材料であるタングステンを含む重要鉱物の輸出規制に関する公告を発表して以来、タングステンの需給や価格に大きな影響が出ております。

そのため、2027年3月期業績予想につきましては、売上高はタングステンの価格高騰のための価格改定により前期を大幅に上回る見込みですが、営業利益は、原材料費高騰の影響および価格改定による販売数量の減少を見込み、前期を下回ると予想しています。

TOPICS

このような厳しい環境の変化への対応として、ダイジェット工業株式会社と業務提携の検討を開始いたしました。

当社は以前よりタングステンとコバルトの使用量を削減した合金の開発を手掛け、昨年10月にタングステンとコバルトの使用量を90%削減した新合金【サステロイ STN30】を販売開始しました。ダイジェット工業様も、タングステンとコバルトを使用しない合金【サーメタル】を開発、販売していますが、それぞれターゲットが異なるため、両者のネットワークを活用した販売拡大に向けた検討を進めております。

互いの強みとリソースを最大限に活用することで、地政学的リスクの低減と収益拡大を図り、お互いの企業価値向上を目指します。

AGENDA

ここからは、2026年3月期業績概要、「中期経営計画2026」進捗と2027年3月期の重点施策の取り組み、2027年3月期業績見通し、資本コストや株価を意識した経営の実現、を中心に説明させていただきます。

2026年3月期 連結業績総括

それではまず、2026年3月期の業績概要からご説明いたします。

2026年3月期の連結売上高は174億4,600万円、連結営業利益は8億2,200万円と、売上高は、超硬素材の販売等が好調に推移した結果、業績予想に対してわずかに未達となったものの、前期比で増加。営業利益は、売上高の増加、効率化の施策による外注加工費の削減および電力燃料費の減少により、前期比で増加となりました。

詳細につきましては、業務本部副本部長の我妻より説明いたします。

2026年3月期 連結業績サマリー

我妻真一氏:2026年3月期連結業績サマリーについてご説明いたします。表の一番左の列が2025年3月期の実績、2列目が2026年3月期実績、4行目が業績予想となっています。

売上高と営業利益については前頁で概要説明がありましたので、経常利益と純利益についてご説明します。

経常利益は8億8,300万円、純利益は5億7,300万円となりました。営業利益が前期比68.5%増となったのに対し、増加率はやや低くなっています。これは、前期に補助金収入7,400万円があった影響によるものです。

2026年3月期 連結営業利益 増減要因(前期比)

次に営業利益の増減要因について滝グラフでご説明します。一番左の緑色4億8,800万円が2025年3月期の営業利益で、一番右側の8億2,200万円が2026年3月期の営業利益で、3億3,400万円の増益となっております。青色が増益要因、オレンジ色が減益要因です。

まず、売上高の増加によるプラスが8億5,100万円と、最も大きな増益要因となっています。一方で、原材料費は4億5,500万円のマイナスとなっており、これは原材料価格の高騰によるものです。外注加工費は3,600万円の減少となり、小幅ながら増益要因となっています。

また、その他変動費は1億8,300万円と大きな数字となっていますが、複数の費目が含まれており、「電力燃料費の減少」をその代表例として記載しております。

人件費は1億7,200万円の増加で、主に賃上げによるものであり、人員数自体は前年よりわずかに減少しています。設備関係費については、減価償却費および修繕費の減少により、増益要因となっています。

以上の結果、営業利益は8億2,200万円と、3億3,400万円の増益となりました。

2026年3月期 連結営業利益 増減要因(予想比)

次に、決算短信で開示した予想値との比較についてご説明いたします。

営業利益は、予想の6億円に対し、実績は8億2,200万円となり、2億2,200万円の増益となりました。

内訳ですが、売上高は2億2,400万円のマイナス要因となっています。また、原材料費も9,000万円のマイナスとなっており、当初の想定以上に原材料価格の高騰が影響しています。

表の下の【2026年3月期利益予想の前提条件】をご覧ください。弊社の主原料であるタングステンカーバイドの素原料となるAPTの相場を375ドル/10kg、為替を145円/米ドルとして損益予想を算出しましたが、実績は、2025年度平均でAPTは854ドル/10kg、為替は150円/米ドルとなり、原材料費が増加する結果となりました。

因みに直近でのAPTは3,000ドルまで上昇してきています。

外注加工費1億600万円は生産効率改善の効果、人件費2億3,300万円は計画人員より下回った結果、増益要因となりました。

その他固定費は1億3,900万円と大きな増益要因となっていますが、いろいろな費目の合算で旅費交通費の減少を主な要因として記載しています。

以上の結果、営業利益は8億2,200万円となり、予想を2億2,200万円上回りました。

2026年3月期 財務の状況 連結貸借対照表 増減分析

次に貸借対照表ですが、前期比較の数字は記載の通りです。増減要因の主なものとして、表のうえに2つ記載しています。

まず流動資産に関するものですが、有価証券の10億円減少は定期預金に預け替えしたもので、特に影響はありません。

原材料及び貯蔵品の増加が5億4,600万円と大きくなっていますが、原材料については重量は減少したものの単価上昇が増加の要因となっています。貯蔵品には主にリサイクル用スクラップを計上しています。内容は新規事業による他社(主に顧客)からの買取と社内で発生したスクラップで、前期に比べ量、単価ともに増加しています。

固定資産については記載の通りです。因みに2026年3月期の設備投資額はグループ全体で8億2,900万円、前期が5億3,100万円で3億円弱増加しております。

2026年3月期 キャッシュ・フロー計算書

キャッシュフローについては表の通りで、増減要因は記載の通りです。

営業CFとフリーCFが前期比で減少していますが、棚卸資産の増加が主な要因となっています。そこに記載はありませんが、2025年3月末の現預金残高は73億6,100万円、2026年3月末残高は67億1,700万円となり、6億4,400万円減少しています。

2026年3月期 株主還元・配当

配当につきましては、2027年3月期までの中期経営計画期間中は、配当の基準を従来の配当性向から株主資本配当率(DOE)に変更し、DOEの目標値を4%目途としております。2026年3月期の配当は、財政状態等を勘案し、期初の予定どおり1株当たり40円を予定しております。

また、昨年8月から12月に自己株式の取得をいたしました。自己株式の取得株数は約35万株、購入金額は約3億円です。自己株式の取得に市場が反応し株価が上昇し、PBRは今年3月末時点では目標の1倍を達成しています。

続いて、「中期経営計画2026」進捗と2027年3月期の重点施策の取り組み」について春田からご説明いたします。

中期経営計画2026(2025年3月期-2027年3月期):重要施策

春田:2025年3月期からスタートした中期経営計画2026では、「変化に対応できる企業体質への転換」を中期方針とし、国内事業は成長の基盤、成長を牽引するのは海外事業、将来の成長基盤は新事業という方向性を定めています。

そして、緑で示した5つの項目を成長戦略として取り組んでおります。成長戦略の重点施策の進捗と取り組みについて、説明いたします。

重要施策の進捗と2027年3月期の取り組み ①経営基盤の強化

1つ目の重要施策は経営基盤の強化です。

2026年3月期の取り組みですが、昨年6月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行し、ガバナンスを強化しました。昨年7月には、100年企業を目指すために、当社の強みを改めて考え、企業理念を見直し、新たなビジョンを策定いたしました。

現在、新しいビジョン「人と素材と技術の力で『感動体験』を。」を浸透すべく、研修を進めております。また、業務効率化を推進するために、今年3月にワークフローシステムを導入し運用を開始しました。

2027年3月期は、経営体制の一層の強化・充実を図るため、代表取締役2名体制へ移行することといたしました。6月の定時株主総会での承認をもちまして、私、春田は代表権のある会長に、現在常務の津田が社長兼海外事業本部長に就任予定です。

私が、経営戦略の策定および対外交渉・監督を担い、社長の津田は執行責任者として年度計画・事業戦略の策定と実行を担当し、それぞれの役割と責任を明確にしつつ、両名が一体となって経営を推進し、経営判断の質とスピードを高めることで、経営環境の変化に柔軟に対応していきたいと考えております。

重要施策の進捗と2027年3月期の取り組み ②生産性向上・業務効率化

2つ目の重要施策は、生産性向上・業務効率化です。

スライドに記載の通り、各工場で2026年3月期に予定していた1億6,000万円の自動化案件をすべて導入しました。特に熊本製造所の冶金工程の成形加工機に産業用ロボットを追加導入した案件では、夜間稼働が可能になったことで、リードタイムの短縮に繋がっています。

また岡山製造所に導入した自動床洗浄ロボットにより、清掃時間を大幅に削減できました。これにより本来の作業時間を増やすことが可能となり、2月からは他工場への横展開を進め、順調に稼働しています。

これら、前期に導入した案件は、今期の上半期中にはフル稼働させる予定です。これにより、さらなる省力化・省人化を推進してまいります。

また今期は、すでに郡山製造所で稼働している導入事例を岡山製造所に横展開するなど、冶金工程のさらなる自動化を推進する予定です。

当社は設計から製造、発送までを一貫して手がけており、お客様のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる点が強みですが、多品種少量生産であるため、一気に自動化を進めるのが難しいという課題も抱えています。それでも現場では、「人が行う作業」と「機械化できる作業」を切り分け、ロボット等に置き換えられる部分は置き換えていくという自動化への意識が広がってきています。

今後も、設備の「技術」と人の「技能」をうまく組み合わせながら、自動化による省人化を進めていきたいと考えています。

重要施策の進捗と2027年3月期の取り組み ③海外事業の飛躍

3つ目の重要施策は「海外事業の飛躍」です。

2026年3月期の海外売上比率は22.7%と昨年度よりも3.2ポイントアップしています。

各エリア別の進捗と取り組みについてですが、インドは、昨年7月に休眠中の現地法人の事業再開プロジェクトを立ち上げました。展示会に出展するなど、市場調査と拡販活動を進め、今年4月1日より現地のエージェントと契約し、デリーとベンガルールを中心に営業を開始いたしました。まずはスモールスタートではありますが、徐々に軌道に乗せていきたいと考えています。

中国は、2024年に東莞に開設した営業拠点を足掛かりに、展示会に出展するなど、知名度向上の取り組みを行うとともに、光学機器関連の新規顧客の獲得に成功し、販売を拡大しました。今期は高付加価値製品の販売に注力してまいります。

北米は、今の政権下での様子を見ながら、出張ベースで市場調査を進めています。

アセアンは、タイは輸送関連が芳しくなく、マレーシアは半導体関連が低調という状況ですが、インドネシアは欧米系や現地法人向けに電池関連を拡販しています。今期は、タイは輸送関連以外の他業種への拡販のために生産設備の増強を図り、インドネシアは販売エリアの拡大、マレーシアは輸送機器関連を中心に開拓を進め、アセアンでの他業種・日系企業以外への拡販を推進してまいります。

重要施策の進捗と2027年3月期の取り組み ④脱炭素・循環型社会への貢献

4つ目の重要施策は脱炭素・循環型社会への貢献です。

こちらは、当社開発テーマの一部を示したガントチャートとなります。縦軸に開発テーマ、横軸に進捗状況、現在の販売計画を示しております。

開発スケジュールは、ほぼ、期初の予定どおり進捗しております。開発状況につきまして、主要な製品をピックアップしてご説明いたします。

重要施策の進捗と2027年3月期の取り組み ④脱炭素・循環型社会への貢献~次世代エネルギー

まずは、次世代エネルギー分野に向けた製品開発です。こちらは当社が開発した、水を電気分解して水素をつくる装置用の触媒電極、PMEです。

昨年、2025年“超”モノづくり部品大賞「生活・社会課題ソリューション関連部品賞」を受賞しました。写真中央と右側には開発チームが写っており、女性メンバーもチームの一員として活躍しています。

コア技術の「粉末冶金技術」を応用して開発したもので、従来の電極に対し、消費電力を1割~2割削減できる可能性があり、カーボンニュートラルの実現に貢献することが期待されています。

現在、装置メーカー複数社でのテストが進行しており、2028年3月期の製品化を目指しています。超硬耐摩耗工具専業だった当社にとって、新たな分野への第一歩となる製品です。

重要施策の進捗と2027年3月期の取り組み ④脱炭素・循環型社会への貢献~省資源

こちらは昨年10月に販売を開始した新合金【サステロイ STN30】です。鋼程度の比重で、超硬合金と同等・鋼の4倍の耐摩耗性を実現し、タングステン・コバルトの使用量を9割削減した新合金として、注目を集めています。

【サステロイ STN30】は、軽量でありながら、超硬合金と同等の耐摩耗性を実現しています。販売開始当初は、こうした特長を活かし、耐摩耗性が求められる一方で重量のある超硬合金の使用は難しい分野(回転工具や混錬工具など)での利用を見込んでおりましたが、中国によるレアメタルの輸出規制でタングステンの供給が不安定である現状において、【サステロイ STN30】が超硬合金の代替材料となりえる可能性が出てまいりました。そこをチャンスととらえ、ラインナップの拡充を進めております。

冒頭お話ししたダイジェット工業様との業務提携を進めることで、業界内で超硬合金の代替材料として位置づけを確立し、販売拡大を図りたいと考えています。

重要施策の進捗と2027年3月期の取り組み ⑤新規事業の確立

5つ目の重要施策は新規事業の確立です。

超硬耐摩耗工具・金型のリサイクル事業は、昨年10月よりモデル地域を定め、スクラップの試験的な回収を開始しましたが、中国のレアメタルの輸出規制の影響によるタングステンの価格高騰や世界的な供給不足の対策として、対象地域を全国に拡大し、本格的に回収活動を行っています。スクラップを原料として再利用するスキームの確立を進めており、原料調達リスクの低減を図っています。

2027年3月期の取り組みは、さらにリサイクル事業の取り組みを進め、当社が使用する材料の10%程度をリサイクル原料で賄いたいと考えています。

このほかにも新規事業の早期実現に向けたM&Aや業務提携の実施を検討しており、いくつかの案件が進行中ですが、お知らせできる段階になりましたら、発表させていただきます。

当社を取り巻く経営環境への対応

続いて、2027年3月期業績予想についてご説明します。

冒頭でもご説明しましたが、当社を取り巻く経営環境は、超硬合金の主原料となるタングステンの世界的供給不足や価格の変動、中東情勢の緊迫化など不確実性が高まっています。

当社は銅タングステン合金の受注を一時的に見合わせていますが、メインの超硬合金製工具・金型は現時点では、ほぼ計画通り生産・出荷を実施しています。

今後も、経営環境の変化に対応するため、引き続き、材料利用の効率化やリサイクル、代替材料の研究、調達先の複線化および価格改定を着実かつ迅速に推進してまいります。

2027年3月期 業績見通し

2027年3月期は「中期経営計画2026」最終年度となりますが、経営環境の変化を踏まえて計画値を変更いたしました。タングステンの中間原料APTの価格は今年1月から3月にかけて急激に高騰し、今年4月時点で10キロ当たり2900ドル台後半と中国の輸出規制前の300ドルの10倍と大幅に上昇しています。

そのため、売上高は、原材料費高騰の価格転嫁のための価格改定により、前期比で増加を見込んでおりますが、営業利益は、原材料費高騰の影響および価格改定による販売数量の減少を見込み、前期比で減少すると予想し、前期比14.9%減の7億円を見込んでおります。

2027年3月期の業績見通しは、先ほどもご説明したとおり、タングステン価格の変動や価格転嫁の影響など、不確定要素が大きいため、変動する可能性がございます。変動が生じた際は、適時開示基準に則り、適時適切に開示いたします。

主要産業分類別状況(単体ベース、売上高)2027年3月期 業績見通し - 1

続きまして、単体ベースにおける主要産業別の売上動向についてご説明いたします。なお、タングステン価格の変動や価格転嫁の影響など不確定要素が大きいため、2027年3月期の産業分類別の売上目標は非公表とさせていただきます。

2027年3月期は、全体として、販売数量は前期より減少を見込みますが、原料価格の高騰を受けた価格転嫁により、売上は増加する見込みです。2027年3月期の業績見通しにつきましては、定性的なコメントを記載しております。

産業分類別に詳細をご説明します。まず輸送用機械ですが、2026年3月期は、モーターコア用金型の販売が好調に推移しましたが、一部顧客の海外向けが現地調達化されたことおよび、前期比の反動減により目標未達となりました。2027年3月期は、新型モデル投入などの開発案件に加え、ハイブリッド車の量産拡大により、前期並みを見込んでおります。

次に鉄鋼関連ですが、2026年3月期は、海外向け熱間圧延ロールが前期の反動減で低調に推移し、その他も低調だったため目標未達となりました。2027年3月期は、国内向けは前期並みまたはやや減少、海外向け熱間圧延ロールの受注増を見込んでおります。

続いて非鉄金属・金属製品ですが、2026年3月期は、エアコン生産の増加により溝付きプラグは通期ベースで好調でした。製缶工具は、特定顧客における増設ライン向け補充、開発品の量産展開で好調を維持しました。2027年3月期は、エアコン関連工具・金型および缶器ともに前期並みまたはやや減少と見込んでおります。

主要産業分類別状況(単体ベース、売上高)2027年3月期 業績見通し - 2

生産・業務用機械については、2026年3月期は、半導体製造装置向けが、顧客の在庫過多状態で大幅減となりました。光学関連は開発案件が進展しましたが数量減となりました。高圧関係は、特定顧客の金型寿命の短命化により需要増となりました。2027年3月期は、半導体製造装置向けは引き続き低調、光学関連は既存材種の置き換えや新製品への適用により増加を見込んでいます。高圧関係は、前期に引き続き堅調に推移する見込みです。

つづいて電機・電子部品ですが、2026年3月期は、電池は車載向けの減少分を蓄電池やデータセンター向けなどが補い売上増、磁石は新規型の発注により売上増となりました。半導体封止材向けはパワー系等のボリュームゾーンが低調で回復が遅れましたが、全体としては目標を上回りました。2027年3月期は、電池は車載向け、データセンター向けともに需要増を見込んでおります。封止材は下期以降の回復に期待しています。

最後に金型・工具向け素材につきましては、2026年3月期は、EV関連向けは開発案件や競合の受注制限により受注は急回復しましたが、売上増には至りませんでした。一方、海外向けの超硬素材販売が通期ベースで好調で、目標を大きく上回りました。2027年3月期は、原料調達に遅れが生じている銅タングステンの受注見送りが続くなど、タングステンの需給状況や価格改定などの動向により、影響を受ける可能性が高く、見通しの把握が困難な状況です。

2027年3月期 株主還元・配当

2027年3月期の配当につきましては、株主資本配当率(DOE)4%、1株当たり40円を計画しております。

資本コストや株価を意識した経営の実現

次に、資本コストや株価を意識した経営の実現についてご説明します。

当社の現状の株主資本コストは4.5%~5.0%程度と見ております。2026年3月期のROEは、売上高の増加や効率化施策による利益増により、前期に比べて改善したものの、原材料価格の高騰などによる損益構造の悪化などにより、依然として資本コストを下回っている状況です。

PBRは、積極的なIR活動や自己株式の取得を含む株主還元の強化などに務めた結果、株価水準が向上し、今年3月末時点で1倍以上を達成しました。

ただし、原材料価格の高騰の影響などにより、2027年3月期の計画値を変更しており、収益性の改善が最重要課題であると認識しています。

今後の取り組みについて

今後の取り組みにつきましては、先ほどご説明しました「中期経営計画2026」の重要施策を確実に実行することで「変化に対応できる企業体質への転換」を果たし、収益性や成長力を向上させたいと考えております。

ROE向上につきましては、生産性向上・業務効率化を推進するとともに、中国における高付加価値製品の販売への注力やアセアンにおける他業種への拡販、インド現地法人の事業活動の再開により、海外売上の拡大を図ります。また、価格戦略の見直しにより利益率の向上を目指します。リサイクル事業の拡大や調達先の複線化等による原材料の安定的な調達、省タングステン・コバルト合金に関する業務提携の推進などにより、経営環境の変化への対応を図ってまいります。

配当につきましては本中計期間は拡充を維持し、自己株式取得により株主資本効率を向上させたいと考えています。

PERの向上につきましては、IR施策の強化や、成長分野に向けた製品の開発・市場投入、M&Aを含め新領域への進出による成長力の強化に引き続き取り組んでまいります。

以上で私からの説明を終了させていただきます。

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