2027年3月期第1四半期決算説明会
True Data、1Q増収増益 主力サービスの新規導入・積み上げ加速でストック型売上を底上げ
Agenda

米倉裕之氏(以下、米倉):株式会社True Data代表取締役社長の米倉です。本日は、当社の2027年3月期第1四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日は、カンパニーハイライトをご説明した後、2027年3月期第1四半期の決算概況および通期計画の進捗状況についてご説明します。限られた時間ですので要点を絞ってご説明し、その後、質疑応答の時間を設けます。よろしくお願いします。
決算ハイライト

エグゼクティブ・サマリーです。今回の第1四半期決算について、まず3点お伝えします。
1点目は、前年同期比で売上高が19.4パーセント増、営業利益が13.0パーセント増と、増収増益でスタートしたことです。特に、ストック型売上高は前年同期比26.4パーセント増と継続的な収益基盤が着実に拡大しています。
2点目は、AIを活用した新しい意思決定支援サービスが具体的な事業として動き始めたことです。価格シミュレーションやリテールメディアなど、当社の扱う購買データとAIを掛け合わせた新たなサービス展開を進めています。
3点目は、これらのサービスをパターン化し、横展開を進めるための協業ネットワークの構築と、将来の非連続成長に向けたM&Aの取り組みが進んでいることです。今回の第1四半期は単に増収増益を果たしただけでなく、中期経営計画で掲げた事業構造への転換が具体的なサービスと数字の両面で進み始めた四半期だったと考えています。
基本情報

まず、当社がどのような会社で、これから何を目指しているのかを簡単にご説明します。
提供価値

私たちはこれまでマーケティングSaaSの企業として成長を遂げてきました。しかし、生成AIの台頭により市場環境は大きく変化しました。
これからのAIの時代において、AIの能力を引き出すために決定的に重要になるのは、AIが学習・推論できる状態に整えられた高品質なデータです。当社は、長年にわたりこのデータを蓄積・精製してきただけでなく、そこから意思決定に活用できるインサイトを生み出すところまでを強みとしています。
当社は全国6,500万人規模、年間10兆円に及ぶ購買データを日々精製・管理するデータプラットフォームを運営しています。これは一朝一夕には構築できない、日本でも非常に希少性の高いデータ資産です。
当社は、単なるツールの提供を超え、データ資産とAIインサイトを掛け合わせることにより、企業の意思決定そのものを支える意思決定基盤(OS)になることを目指しています。
事業概要

当社の事業概要と収益構造についてです。当社のサービスの多くは年間契約であり、2026年3月期の売上高のうち、継続的な収入であるストック型売上高が81.4パーセントを占めています。この収益の安定性と予測可能性の高さが、当社の強固な経営基盤となっています。
ストック型売上高の区分については、投資家のみなさまに中期経営計画の進捗をより正確かつ明確にお伝えするため、前回より顧客属性別の開示区分へと刷新しました。
ストック型売上高は、「メーカー向け」「リテール向け」「リテールメディアその他」の3つで構成されています。リテールメディアその他は、広告事業者との連携案件や、その他のサービス提供を含む区分です。一方で、個別の初期開発や単発のレポート提供などはスポット型売上高として区分しています。
事業系統図

当社のバリューチェーンおよびエコシステムを示した事業系統図です。当社は、データ保有者である小売業に当社のデータプラットフォームを採用していただき、データを一元的に精製・管理しています。
データ利用者である小売業、消費財メーカー、政府、自治体などにさまざまなソリューションを提供し、サービス利用料をいただく構造です。テクノロジー面では、Googleやニールセンといった世界トップクラスのパートナー企業と連携し、最先端のテックシステムをスピーディに取り込む体制を構築しています。
競争優位性(1/2)

ここで、投資家のみなさまに最も強調したい当社の競争優位性についてお話しします。当社は、国内の小売4業態の年間販売額約2割強、10兆円規模の小売業にデータプラットフォームを導入していただいています。
ただし、当社の本当の強みであるモート(参入障壁)はデータの量だけにとどまりません。異なる小売企業で日々発生する年間20億枚のレシートデータや商品名の表記揺れなどを正しく統合・名寄せし、常にAIで分析可能な状態に磨き上げる泥臭いノウハウにあります。
15年以上にわたり構築してきた、この厳格なデータ生成プロセスこそが、資金力を投じるだけでは短期間で構築することが難しい、当社独自の競争優位性です。
競争優位性(2/2)

競争優位性の2つ目は、POSデータとID-POSデータの違いについてです。従来のマーケティングで活用されてきたPOSデータでは、「何が、いつ、いくらで売れたか」という商品視点の動向しか把握できませんでした。
一方、当社の強みであるID-POSデータでは、「人(=ID)」をベースとした分析が可能です。「同一人物が、いつ、どのブランドからどのブランドにスイッチしたのか」「リピート率はどのくらいか」といったミクロな消費者行動を時系列でひもとくことができる点が、小売業や消費財メーカーなどの顧客企業における精緻な意思決定を支える強力な根拠となっています。
市場環境認識

市場環境認識についてです。広義のデータマーケティング市場では、大手調査会社などが競合となりますが、当社は商品軸と人軸(ID)を掛け合わせてペルソナ単位で購買を深掘りできる点に独自の強みがあります。ID-POSデータ分析において、当社はトップシェアのポジションを確立しています。
一方、広告およびビジネスアナリティクス領域では、広告代理店やデータ分析企業を競合ではなく協業パートナーとして位置づけています。当社の購買データ基盤とパートナーの顧客基盤やマーケティング力を掛け合わせ、協業をベースとしたエコシステムを形成していきます。
協業ネットワーク

当社の協業ネットワークには、「パターンを作る」「パターンを横展開する」という2つの役割があります。世界トップのテクノロジーパートナーと開発したAIソリューションを、伊藤忠商事、アルフレッサ ヘルスケア、あらたといった強固な取引基盤を持つパートナーのネットワークに乗せて、市場に横展開します。
ここで1点お伝えします。中期経営計画において、当社は売上総利益率の低下を初期フェーズで見込んでいますが、これは明確な戦略的意図を持ったものです。パートナー経由の販売は、レベニューシェアにより一時的に粗利率を押し下げますが、まずは市場を「面」で押さえる、すなわち当社のデータプラットフォームやソリューションが利用される顧客接点を最短で広げることを優先しています。
面を押さえた顧客に対して、後ほどご説明する高粗利なAIオプションをクロスセルすることで、結果的にLTV(顧客生涯価値)と利益総額を最大化するという2段階の成長ストーリーを描いています。
中期経営計画

当社は2029年3月期に、売上高30億円超、営業利益3億円から4億円を目指しています。10億円超のM&A投資枠も設定していますが、これは計画には織り込んでおらず、あくまでオーガニックでの達成を目指しています。
中期行動計画

今後の3年間を、AIによる意思決定支援を中核に据える発展的な構造転換期と位置づけています。現在、当社の従業員は約100名ですが、中期行動計画初年度である今期は、バーチャル社内カンパニー制の導入など、少人数でも高い生産性と成長のレバレッジを発揮できる組織体制へのアップデートに必要な投資を確実に実行していきます。
四半期業績 | サマリー

ここから第1四半期決算についてお話します。まずは決算概況です。売上高は前年同期比19.4パーセント増の4億8,900万円、営業利益は前年同期比13.0パーセント増の1,200万円となりました。
四半期業績 | サービス別売上高・KPI

期初計画時点では、中期経営計画初年度の先行投資等により、第1四半期は営業赤字を見込んでいました。しかし、伊藤忠商事と協業する「FOODATA」など、メーカー向けのストック型契約が想定以上に積み上がったことや、一部費用の発生時期がずれ込んだことにより、黒字となり増益で着地しました。
ストック型売上高全体も前年同期比26.4パーセント増となり、収益基盤が着実に拡大しています。
四半期業績 | 営業利益・営業費用

営業利益は1,200万円となりました。売上高の増加に加え、一部費用の発生時期が下期にずれたことも寄与しています。費用については通期計画に対して概ね想定どおりの進捗であり、販管費も適切にコントロールできています。
主なIRニュース一覧

スライドに、主なIRに関するトピックスの一覧を掲載しています。
TOPIC① | 米国SASの予測システムを活用した価格シミュレーションサービスを開始

ここからトピックスについてご説明します。1つ目は、米国SAS社のシステムを活用した価格シミュレーションサービスです。現在、インフレの常態化により、メーカーは原材料価格の高騰による値上げの必要性と、値上げに伴う顧客離れや棚落ちリスクという深刻なジレンマに直面しています。
本サービスはこの課題に対し、当社の大規模ID-POSデータと高精度AIを掛け合わせて、どの商品を何パーセント値上げすれば粗利が最大化するか、あるいは競合に顧客が流出してしまうかを高精度にシミュレーションします。
将来的には、SaaS型のダッシュボードツールとしてのプラットフォーム化を推進していきます。これは、当社が購買データを単なる閲覧用のデータから、価格決定という具体的な経営判断に活用するデータへと進化させる取り組みです。
TOPIC② | フリークアウトのDSP「Red」に広告用購買セグメントデータを連携

トピックスの2つ目は、株式会社フリークアウトが提供するDSP(広告配信プラットフォーム)「Red」への当社広告用購買セグメントデータの連携開始についてです。サードパーティクッキー(Cookie)規制に縛られない購買データという質の高いファーストパーティデータを活用したターゲティングの需要が高まっています。
月間8,500億インプレッションを超える広大な広告在庫を持つフリークアウトのDSPに購買セグメントデータを連携させることで、高精度な広告配信に加え、実店舗における「購買リフト効果」の検証が可能となります。
これにより同社のクライアントのLTV向上を支援するとともに、リテールメディア領域における当社のデータフィー収益の拡大とOSポジションの確立を推進していきます。購買データを広告配信だけでなく、実際の購買結果までつなげる取り組みであり、当社が目指す意思決定支援の1つのかたちです。
TOPIC③ | 新店売上予測AIサービス「SalesSensor」の追加導入が決定

ここからは、足元の事業進捗についてご説明します。まず、ツルハホールディングスにおいて「SalesSensor(セールスセンサー)」の導入が決定しました。ドラッグストア業界では、業界内の競合店舗に加え、食品スーパーマーケットやディスカウントストアとの競争が激化しており、新規出店時の売上予測がますます難しくなっています。
そのような状況の中で、特定の担当者の知見・経験への依存や業務負担が課題となっています。「SalesSensor」は、小売業が保有する店舗の売上実績データや店舗設備情報に加え、新店候補物件周辺の商圏、人流、競合店など外部データをAIが分析することにより、地域特性を加味した売上予測を自動化する小売業向けのDXソリューションです。
本件はドラッグストア大手の「ウエルシア薬局」に続く大型受注となりました。ウエルシア薬局の店舗開発業務における活用実績とAIによる高精度な売上予測が評価され、ツルハホールディングスでの受注につながりました。
「購買データ×AIインサイト」により、データを分析するだけではなく「どこに出店するか」という意思決定支援を実現するソリューションの1つとして、今後も「SalesSensor」を展開していきたいと考えています。
TOPIC④ | NELの「Trade Lift Ads」に広告用購買セグメントデータを連携

当社の広告用購買セグメントデータを、NELの新サービス「Trade Lift Ads(トレード リフト アズ)」へ連携することが決定しました。従来の販促・広告施策では、ターゲット設計、クリエイティブの制作、購買検証が個別に設計・運用されるケースが多く、どの訴求やクリエイティブが購買や来店に寄与しているのかを把握しづらいという課題がありました。
今回の連携により、SNS広告配信の成果を可視化するだけでなく、市場データによる消費者の購買傾向や販促知見を基に、どの訴求・表現・クリエイティブが実際の購買や来店に寄与しやすいのかを検証することが可能となります。
リテールメディア領域において新たな協業パートナーとのエコシステムを形成するとともに、SNSの広告クリエイティブで購買データを活用する先進的な取り組みに挑戦し、さらなるポジションの確立を目指します。広告クリエイティブから実際の購買までをデータでつなぐことで、マーケティングにおける意思決定支援の領域をさらに広げています。
TOPIC⑤ | 投資事業(M&A,CVC投資)が着実に進捗

投資事業の進捗です。現在までに、AIやディープテック領域に強みを持つファンド等へ3件の出資を実行し、当社の「意思決定OS」を強化するためのスタートアップ企業群とのパイプライン構築が完了しつつあります。
なお、当社の財務基盤については、26年6月末時点でネットキャッシュが8億5,200万円、自己資本比率が76.8パーセントと、健全な財務状態を維持しています。
投資家のみなさまには、中期経営計画で掲げた10億円超のM&A投資枠の使途について関心を寄せていただいていることと思います。これまで行ってきたCVCなどを通じたマイノリティ出資は、あくまで将来に向けたパイプライン構築のフェーズでした。現在は、当社の成長戦略に明確に合致する企業を対象に、M&Aの探索および検討を進めています。
重要なのは、投資枠を使い切ることではありません。当社の意思決定OSを非連続的に進化させ、企業価値を高める案件かどうかを最も重視しています。
当社がM&Aで狙うターゲット領域は明確です。当社の最大の強みであるID-POSを活用した定量的な購買データに対し、消費者の意識や感情に迫る定性的なリサーチデータ、店舗内のショッパーの行動データ、POS関連の周辺技術を有する企業が対象となります。
このような領域を当社の強みと掛け合わせることで、当社の意思決定OSを非連続に進化させることができると考え、シナジーが見込める案件を積極的に検討しています。M&Aにはご縁の要素もありますが、当社の戦略に合致し、財務規律を満たし、企業価値を高められる案件については、機動的に資金を投下できるよう準備を整えています。
2027年3月期計画 | サマリー(2026年5月15日開示から変更なし)

最後に、通期計画と進捗状況です。通期計画は、売上高22億円、営業利益8,000万円から変更はありません。各段階利益が前期比で減益計画になっているのは、将来の飛躍に向けたシステム強化や人的資本への必要経費、戦略投資を今期に集中投下するためです。
2027年3月期計画 | 進捗状況

各指標における今期計画値に対する進捗率は25パーセントを下回っていますが、当社はストック収益が期を追うごとに積み上がることに加え、スポット収益が下期に集中するビジネスモデルです。そのため、収益構造を踏まえると、現時点では通期計画に対して概ね想定どおり順調に進捗しています。
第2四半期以降も、AI関連ソリューションの強化をはじめとする事業成長への先行投資を着実に実行し、中長期での圧倒的な売上成長と収益力向上につなげていきます。
私からの説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
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