2027年3月期第1四半期決算説明
セレンディップHD、売上高は前期比1.7倍で過去最高を更新 日建産業の連結化により下期に業績予想修正を予定
新セグメント|高成長・高収益領域への投資比率を拡大

竹内在氏:みなさま、こんにちは。セレンディップ・ホールディングス代表取締役社長兼CEOの竹内です。この決算説明を始めるにあたり、変更点についてお話ししたいと思います。
まずは、セグメントの変更点についてです。ソリューション事業とモノづくり事業において、大きくポートフォリオを変更しています。
1つ目は投資比率です。ソリューション事業については、高成長・高収益な領域へ重点を置き、これまで30パーセントだった投資比率を35パーセントに引き上げる方針です。一方、モノづくり事業では、これまで投資比率が70パーセントだったものを65パーセントに引き下げることで、大きな戦略転換を進めています。これが中期経営計画上の大きなポイントといえます。
ソリューション事業に関しては、試作やデザインを起点とし、ITソリューション、さらにスマート工場などの領域も含め、我々の新しい収益成長の柱としていきたいと考えています。
一方、モノづくり事業は安定収益の領域であり、当社のビジネスの基盤です。これまでは自動車部品メーカーが中心でしたが、新たに建設機械領域に参入し、医療機器などの新しい分野にもチャレンジしていきたいと考えています。
新セグメント別グループ一会社一覧

そのようなこともあり、当社のセレンディップグループファミリーには、新たな投資先や仲間が続々と増えている状況です。新しい領域に関しては、スライド右下に記載の日建産業株式会社が新たにグループに加わりました。
このM&Aは第1四半期(6月)に発表していますが、第3四半期から連結業績へ取り込まれるかたちとなります。詳細は後ほどお話しします。
【2027年3月期第1四半期】連結業績サマリ

今期第1四半期の業績サマリーについては、スライドに示されているとおり、過去最高を継続して更新しています。特に、昨年度M&Aしたサーテックカリヤの通期の寄与が今年度から初めて反映されるかたちとなります。
売上高は前年同期比1.7倍の158億7,200万円となりました。前期は93億4,500万円で、69.8パーセントの増加となっています。
上場時には1年間で達成していた売上高が、第1四半期で達成できるようになったことは、当社にとっても大きな変化点です。これが、サーテックカリヤがグループに加わった最大の効果といえます。
営業利益も過去最高の5億3,000万円を記録しました。ただし、売上高の向上に反比例しているようにも見える進捗状況については、後ほど詳しくご説明します。絶対値という意味では過去最高となりました。
経常利益も同様に、6億2,500万円で着地しました。調整後EBITDAも11億5,100万円となっており、これが現在の実態です。
また、M&Aの実行件数は1件で、先ほどお話しした会社が新たに1社加わったことになります。
セグメント売上高の状況および連結売上高増減分析

セグメント別の売上高についてです。今回、株価が大きく変動し、かなり下落したことで投資家のみなさまには大変ご心配とご迷惑をおかけしているかと思います。今期の実績がみなさまの失望につながったことを真摯に受け止め、信頼回復に努めていきたいと考えています。
売上高増減分析については、スライド右側をご覧ください。かなり凹凸がありますが、ご安心いただきたい点として、当社の主力ビジネスであるモノづくり事業は堅調に推移しています。
スライド左側の個別企業の数字をご覧いただければ、その状況がおわかりになるかと思います。中東情勢やトランプ関税、中国メーカーの台頭など、外部環境の先行きが不透明な状況においても、ユニクレア、三井屋工業、エクセル・グループのいずれも大きく成長・拡大しています。
このようなことから、当社の主力事業が大きく進展していることを、ぜひご安心いただければと思います。
一方で、当社の業績に大きな影響を与え、期待に応えられない結果となったのが、ソリューション事業です。
先ほど冒頭でもお話ししましたとおり、今後伸ばしていきたいと考えている重要な事業が、第1四半期で大きくつまずいてしまったことについては、みなさまにご心配とご迷惑をおかけし、申し訳なく思っています。
ただし、決して悲観的な話ばかりではありません。このソリューション事業はもともとボラティリティが比較的激しい事業です。一方、モノづくり事業は安定している特徴を持っています。そのような中で、ソリューション事業の悪い側面が過度に際立ってしまった部分があるのではないかと考えています。
その中でも特に、左側の表にある天竜精機とアクストリアの数値がやや低調に見えている点は、大きな反省として受け止めています。この部分を安定させていきたいと考えています。
セグメント利益の状況および連結営業利益増減分析

特に悪く出てしまったのは利益部分です。セグメント別に見たモノづくり事業に関しては、売上高と同様に大きく成長しています。
一方で、ソリューション事業に関しては、残念ながら大きくマイナスの結果となり、経営者として大きく反省しているところです。ここをいかにリカバリーし、再成長に向けて舵を切れるかが重要だと考えています。
特に、売上高と同様に大きく凹んでしまったのが天竜精機とアクストリアの2社です。
レディーバードに関しては、第1四半期以降、大きく切り返していけると確信しており、天竜精機についても、大きく戻せると確信しています。一方で、アクストリアに関しては、大きく影を落としたというのが事実です。
こちらについては、後ほど詳しく解説します。
ユニクレアについてご説明します。従前お話ししていたように、ユニクレアは佐藤工業とイワヰという2社が合併して設立された会社です。佐藤工業はもともと業績が安定しており、かなり前に当社グループに参加した企業で、経営は長らく安定して推移しています。
一方で、イワヰに関しては再生途上の企業として買収し、その再生を進めている最中でした。昨年までは業績面で苦戦していましたが、今期になり本来の業績を取り戻しつつあり、ユニクレアとして大きく成長を遂げる結果となっています。
原価改善や、外注業務を内製化することで、大きな増益および業績向上に寄与しています。
また、エクセル・グループについては、先ほどお話ししたように売上高が大きく伸長している一方、利益が悪化して見える1つの原因として、チェコの撤退費用があります。チェコ拠点については不採算であったことから撤退を決定しており、これは買収時点で確定していた事項ですが、現在粛々と進めています。
そのような中で、一過性のコストが発生しました。撤退コストやそれに伴う不良が発生したことが減益の要因です。ただし、第2四半期以降には波及効果がないことが確実であるため、ご安心ください。一時的な減益がここに生じたということです。
安定したモノづくり事業に対して、不安定なソリューション事業の側面が過度に表れた結果、このような状況が生じています。
ソリューション事業|1Q業績の背景

ソリューション事業が大きく落ち込んでいる原因について解説します。最も大きな要因となったのは、アクストリアに関連する大型案件の遅延です。
当社にとって数億円規模のERP導入案件が遅延した結果、業績に影響を及ぼしました。この遅延により、6,700万円分が下振れの要因となりました。
特に外注費の増加についてです。当初受注時に想定していた外注費が、人件費の高騰に伴う部分とプロジェクトの遅れが重なり、高まった結果、大きなマイナスにつながってしまったことが大きなポイントです。
今後の見通しとしては、現在、この状況の挽回を図っており、遅延しているプロジェクトを正常化することで回復を目指しています。
また、もう1つ大きなプラスのトピックとして、アクセンチュアから「Quick シリーズ」を事業譲渡したことが挙げられます。こちらはプレスで発表済みですが、今後の売上・利益成長への寄与を期待しています。
先ほどご説明したマイナスに加え、さらに数千万円のマイナスが発生している要因についてですが、これは「Quick シリーズ」の立ち上げに向けた先行投資によるものです。
当社では事業譲渡を受けましたが、この事業はある日突然開始できるものではありません。事業を開始するにあたり、体制を整え、従業員やエンジニアの教育など、事業立ち上げに必要な費用が先行して発生しています。
そのため、本来は成長のための先行投資にあたる部分と、赤字案件が重なった結果、必要以上に悪く見えるかたちとなっています。本来であれば、このプロジェクトが正常化していれば先行投資のみで済んでいたものの、現在はそれ以上のコストがかかってしまっているのが実情です。
したがって、このプロジェクトの遅延を正常化するとともに、「Quick シリーズ」が今後売上として計上され、利益貢献も含めたかたちで効果を発揮することで、利益の正常化を図り、第3四半期以降の回復を目指すという前提で考えています。
次にアペックスについてです。アペックスは試作を行う会社ですが、四半期単位では一定のぶれ幅が見られます。これはお客さまの研究開発費の変動に起因する部分が大きいのですが、受注パイプラインの拡大が進んでいます。
そのため、受注済み案件も含めて、下半期には回復する見込みがすでに立っています。
天竜精機についても同様です。新規案件に取り組む中で、チャレンジングな案件を進めるほど、大きなマイナスが発生するプロジェクトが生じることがあります。
一方で、将来的にお客さまが大きなリピートを生み出してくれることや、引き合いが拡大していることが挙げられます。また、半導体需要が下半期から回復する見込みであるため、先行的な受注が現在進行しています。
現在の案件が正常に進捗することを前提に、受注や売上高は下期には順調に回復していくと考えています。
レディーバードに関しては、第2四半期、現在の進行期において、大型の受注をいくつかいただいていることもあり、第1四半期のような落ち込みは見られず、順調に進む予定です。
ロボクロスについても同様で、通常は黒字になるプロジェクトですが、一部案件において案件の進行がうまくいかなかったフェーズがあり、マイナスを計上しましたが、これも回復するという前提で見込んでいます。
受注自体は非常に好調であり、第2四半期以降、業績は回復に向かうと考えています。
連結貸借対照表サマリ

連結貸借対照表のサマリーです。数字のとおり、非常に順調に推移しています。
自己資本比率については、当社が保有する株式の時価評価の影響により、やや下がったように見えます。ただし、これは有価証券評価による影響が大きく、本業の収益力に起因するものではありません。
今後は事業収益の改善や利益の蓄積を通じて、自己資本比率の向上に努めていきたいと考えています。
【2027年3月期】通期業績予想

当社の通期業績予想については、着地時点で多少の凸凹が生じる可能性はありますが、予想を変更することなく計画を進めています。
なお、現在公表している通期業績予想には日建産業の業績を織り込んでいません。そのため、下期に日建産業の業績も反映したかたちで修正を行う予定です。
第2四半期には取得に伴う費用が発生しますが、日建産業の業績は第3四半期から連結業績に反映されるため、今期は半期分の業績寄与を見込んでいます。
日建産業は昨年度の実績ベースで非常に業績が良く、安定した会社です。この業績のプラスアルファについて、ぜひご期待いただければと思います。
中期経営計画「セレンディップ・チャレンジ1000」始動

トピックスについて少し触れたいと思います。先ほど、通期の業績予想を変更しない旨をお伝えしました。さらに言うと、日建産業のプラス要因については、下期にプラスの発表を予定していることを前提に考えており、このような観点から、中期経営計画についても変更なく順調に進捗していることをご理解いただければと思います。
したがって、年度計画および中期経営計画ともに変更なく、これをコミットした数字として今後も出し続けていきます。ぜひご期待ください。
非連続成長とオーガニック成長により売上高1,000億円へ

オーガニック成長については、ソリューション事業の影響で、第1四半期は大きく落ち込みました。その余波もあり、上半期は累計で見ても厳しい状況にならざるを得ないと考えています。
一方、第3四半期以降の下半期に関しては、受注残も含めて取り戻しに向けた準備を進めており、これにコミットできる状況だと考えています。この方針に変わりはなく、現在のまま進めていきます。よって、調整後営業利益率7パーセントへの成長ロードマップについても、変更はありません。
財務戦略|M&Aを加速する資金調達プラットフォームを構築

また、資金調達に関しては、M&Aを継続的に実行していくための取り組みとして、2026年6月に株式会社ものづくり事業承継ホールディングス(JMS)を設立し、大規模な資金調達を行いました。
当社はM&Aとオーガニックグロースの2つを組み合わせたビジネスを展開していますが、資金調達面についてご心配の声を多く頂戴していました。「いつ株式調達をするのか」「ダイリューションがいつ起きるのか」と懸念されている方も多くいらっしゃいました。その点について、ご安心いただきたいという意図から発表したのが、こちらの資金調達スキームです。
今までのメザニンファイナンスと呼ばれていた種類株を発行してホールディングスで調達する方法ではなく、当社子会社であるJMSを通じて調達を行うかたちが実現しました。
今後の進捗については、みなさまにリアルタイムでご報告します。まず、立ち上げ時の調達額としては、25億円の調達を達成しました。自己資金の5億円に加え、20億円の資金調達が行われました。
この資金をもとに、銀行借入を含めてどれくらいの買収が可能かについてですが、投資可能額としては、100億円規模の投資が実現できる見込みです。
したがって、今後大型のM&Aを2件から3件程度行ったとしても、この資金余力の範囲内で実施可能と考えています。
また、このJMSは今後のM&A戦略を支えるプラットフォームとして発展させていく考えです。
将来的には50億円から100億円の資金調達を目指しており、100億円規模の調達が実現すれば、レバレッジや銀行からの借入れを含めると、約400億円規模の投資が可能です。
社数で見ると、現在の1社当たりの平均投資金額から考えて、7社から8社、多くても10社程度となります。
このように、当社の中期経営計画は、変更なく進められるという確信があります。また、資金調達面や事業経営面においても、大きな死角なく進められるのは、このような裏付けがあってのことだとご理解いただければと思います。
現在、JMSを基盤とした資金調達に関しては、粛々と進行中ですので、随時みなさまに情報を共有していきたいと考えています。
新領域への参入|JMS初の投資案件日建産業(建設機械領域)

大きなトピックスとしては、みなさまにも周知のとおり、日建産業が当社グループにジョインしたことです。同社は建設機械領域において、大きな顧客基盤を持つ会社です。
スライド中央左寄りに記載の主要取引先をご覧いただいたとおり、ほぼすべての建機・農機メーカーと取引がある会社で、メーカー機能と商社機能を併せ持っています。
もう1つの重要なトピックとして、日建産業は大阪に拠点を置く会社であり、当グループとしては初めての関西進出となります。大阪の大きな拠点としての役割を担うことも含め、業態としての初進出とエリアとしての初進出の2つの意味を持って、日建産業にグループとして加わっていただきました。
日建産業は、業績が非常に好調な会社です。同社は第3四半期から連結化されていきますので、業績の修正も含め、ぜひご期待いただければと思います。
M&Aの遅効性|日建産業の業績取り込みタイミングについて

日建産業の業績取り込みタイミングについてご説明します。M&Aにおいては、発表から業績取り込みに遅効性があるため、第1四半期にM&Aを発表した場合でも、すぐに連結への寄与効果が表れるわけではありません。
今回のM&Aについても、第1四半期に発表していますが、その後は関連コストが先行して発生します。具体的には、仲介手数料、デューデリジェンス費用、さらにはファイナンス組成に伴う手数料など、M&Aに関連するさまざまな費用が発生します。
今回のケースでは、第2四半期に費用が計上され、連結は第3四半期に行われます。
通年ベースで売上および利益に貢献するのは来年度からであり、本案件については半期分だけ連結されることになります。
日建産業の昨年度の実績は、スライドの数字のとおりです。
株主還元|自己株取得を実施

株主還元策として、自己株式の取得を本日発表しました。これについては、当社が考える適正な水準というものが常に設定されており、一定期間その水準を下回った際に、この自社株買いを実行するという内部ルールを定めています。今回、そのルールに基づき実行することとなりました。
なお、株価の高い・安いという判断は市場で決まるものであり、当社が決めるものではありません。ただし、当社としての基準において高い・安いを判断し、それに基づいて機動的に自社株買いを進める方針です。
もう1点ご安心いただきたいのは、当社のM&Aのパイプラインが非常に潤沢であることです。みなさまに従前からお伝えしてきたとおり、潤沢な状況が続いており、先ほどお話ししたソリューション事業についても回復のめどが立っています。
加えて、M&Aのパイプラインが順調であることも含め、業績については下半期に一気に回復させる計画で進めています。ご心配・ご迷惑をおかけしていることは十分承知していますが、一方でご安心いただきたいと考えています。
以上で私からの説明を終えます。

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