2026年12月期第2四半期決算説明
マーキュリアHD、運用資産残高5,000億円規模へ バイアウト3号・航空機3号ファンドの組成で投資家層拡大を目指す
アップデートサマリー

豊島俊弘氏(以下、豊島):マーキュリアホールディングス代表取締役CEOの豊島です。本日はお忙しい中、第2四半期の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。それでは、資料のご説明を始めたいと思います。
概括的な内容となりますが、まずはアップデートです。アップデートのポイントとして、マクロ環境への対応、重点ファンド・新規事業、そして組織体制として何を行っているのか、この3点について説明します。
マクロ環境については、米中対立などを含め、日本も巻き込まれるかたちとなっており、地政学上のリスクは継続しています。
当社グループは、2005年から日中関係のクロスボーダーやASEANとの関係など、アジアを中心としたクロスボーダービジネスに取り組んでいました。このため、地政学上のリスクをしっかりと見極めながら対応していく必要があると考えています。
一方で、中国を中心とした取り組みから、台湾やシンガポール、ASEANなどの中堅国を対象に、さらに日本との関係を強化したいという動きも見られます。そのため、地政学上のリスクが存在する一方で、新たなチャンスも生まれるといえます。
これらの分野におけるビジネスのリンクを維持するためにも、オルタナティブに求められる役割は引き続き重要であると考えています。
また、インフレなどが懸念される中で地政学的な問題もありますが、一方で物への投資はインフレ時のヘッジになり得るため、当社では航空機などを活用して対応しています。
当社グループの新規事業ではさまざまな取り組みを行っていますが、現時点の決算においては、現在運用中のファンドの動向が重要と考えています。
その意味では、既存ファンド「バイアウト1号ファンド」がすでに成功報酬ステージに入っていることを何度もお伝えしてきたとおりです。また、「バイアウト1号ファンド」にはあと3件の案件が残っています。
一度成功報酬ステージに入ると、売却額の20パーセントが成功報酬となります。そのため、この3件のエグジット(投資回収)は今年、来年、再来年にかけて、収益の重要な要素になると考えています。
ただし、タイミングに関しては相手方の状況や価格条件によるため、それぞれ最大化を目指して対応していく方針です。「バイアウト2号ファンド」については現在順調に運用が進んでおり、「縁ファンド」も順調に動いているため、事業投資分野のファンドは概ね順調で推移しています。
このような状況を踏まえ、事業投資分野において「バイアウト3号ファンド」の募集準備を本格化させているところです。
資産投資分野についてお話しします。香港に上場している「Spring REIT」について、賃貸の実需を示すオキュパンシーレート(稼働率)は非常に順調に推移しています。しかし、マクロ環境の影響によりユニット価格が下落している状況です。
一方、北京のオフィスビルでは、外資系を中心とする国際的な優良テナントが業務縮小に伴い中国での床面積を減らしたことで賃料が下落しています。
しかし、中国国内の発展中のさまざまなハイテク分野では、国際的な問題もある中で北京での事業活動を強化しなければならないとされており、稼働率は常に90パーセントを超える水準を維持しています。
ただし、賃料の下落とともに、昨年のリファイナンスによる調達金利の上昇があり、それらがユニット価格に影響を与えています。
それでも、稼働率が安定しているため、実需のある資産であることには問題がありません。また、「Spring REIT」に関しては、恵州のショッピングセンターが常に95パーセント以上の稼働率を維持しており、大変順調です。
新規ファンドについて、資産投資分野における新規ファンドでは、現在航空機に重点を置いています。この「航空機3号ファンド」については、過去の1号、2号がクローズドエンドファンドであったのに対し、今年4月からオープンエンドファンドとして立ち上げを開始し、現在順調に募集活動を進めているところです。
組織体制について申し上げると、昨年末、プライム市場の上場維持基準である流通株式時価総額100億円に対し、数千万円不足する状況がありました。今年12月にもプライム市場の基準が設けられる予定であるため、この100億円基準を確実に維持し、達成できるよう取り組んでいかなければならないと考えています。
また、市場との対話を強化する観点から、マーキュリアの各ファンド事業における利益の出方や会計上の利益が、10年程度の運用期間の後半に集中するという特性があるため、現在の種まきや事業運営が将来の収益にどのように結びつくのかが見えにくいというご意見をいただいていました。
そのため、自己勘定の公正価値に対する当社の見解については、2025年12月期の参考開示情報としてこれまでも提示しており、この体制についても現在強化を進めているところです。
また、会社としては、新ファンドの立ち上げを行っており、LP投資家の信頼を得ることも含めてガバナンスを強化しています。特に、ファンド管理や公正価値に関わる体制を強化することで、より幅広い投資家から信頼をいただけるような体制を心がけています。
「市場の壁」を超えたリスクマネーの資金循環の創出

スライドは、外部の講演会などで私が時々使用している資料になります。世の中のマーケットを広い意味で捉えた場合、3つの市場に分類することができます。
1つ目は「マネーマーケット(貨幣市場)」で、これは銀行を中心に資金決済が行われる市場です。
2つ目は「資本市場」があり、こちらは株券や債券といった有価証券が流通し、証券会社、いわゆるインベストメントバンクによって決済が行われる市場を指します。
3つ目は「実物市場」として定義されたものではありませんが、実業や実体のある資産、不動産やインフラなどが含まれ、これらがリアルなビジネスとして世の中に存在しています。
資本市場について、日本において資本市場と言った場合、過去には金融資本市場と捉えられることが多かったように思います。
金融資本市場というと、かつての証券取引法で扱われていた第一項有価証券、すなわち店頭市場や上場市場で日々時価がありトレードが可能な証券を中心としたものを指していました。
しかし、証券取引法が金融商品取引法に変わり、組合投資がみなし有価証券として含まれるようになりました。この組合投資の裏側にあるのは、実市場に存在するさまざまな要素や非公開の企業、実業といったものです。
これらを金融商品として機関投資家の間で売買可能なかたちにし、公正価値を評価してトレーダブルな金融商品に仕立てることで、資本市場、特に金融資本市場を従来の上場や店頭有価証券に加え、オルタナティブを含むかたちで拡大させることが、当社グループの役割です。
さらに、資産運用立国や資産倍増計画を考えるなかで、実市場から長期的に投資対象となり得る商品をどのように創出するかが、当社グループのミッションとなっています。これは、資産所得拡大という政府の目標においても非常に重要と考えられ、当社グループの果たす役割が大きいと認識しています。
マーキュリアインベストメントグループの概要

グループの概要について、特に大きな変更はありません。それぞれの主要戦略株主さまとも、さまざまなファンドにおいて協業を行い、オルタナティブ市場に対して、より信頼を得られるかたちでの運用を目指しています。
沿革

スライドについても、以前から示している内容に特段の変更はありません。ただ、当社グループが現在チャレンジしているのは「市場の壁」という取り組みです。
このオルタナティブ商品の広がりについては、日本ではまだ運用市場において十分に浸透しておらず、日本国内のオルタナティブ投資の現状として、多くが海外の商品に投資する、あるいは国内の投資対象であっても海外のファンドへの投資が中心となっているのが実情です。
こうした状況において、われわれの身近に存在するさまざまな価値を、より直接的なかたちで日本の機関投資家につなげていきたいと考えています。
事業概要

当社グループがこれまで行ってきたファンドについてご説明します。当社グループの売上収入は、ファンドを組成し、それに投資していただいた投資家から管理報酬や成功報酬をいただく仕組みです。
ファンドの投資対象は常に重要ですが、最終的にはファンドを設立し、投資家に参加していただくことが当社グループの重要な仕事となります。各ストラテジーをご覧いただければわかるように、一度きりで終わらず、「バイアウト1号ファンド」「バイアウト2号ファンド」「バイアウト3号ファンド」といったかたちで広がっています。
今年は「バイアウト3号ファンド」の募集準備を開始し、「航空機3号ファンド」の運用も開始しました。これらの新規ファンドの組成は、時間はかかったものの、1号ファンドと2号ファンドを着実に運営し、投資家の信頼を得た結果であるといえます。
1号ファンド、2号ファンドが投資家に説明可能な運用実績をあげているからこそ、次の3号ファンドの運営が可能になっているのです。
オルタナティブ投資ファンドと投資領域

スライドは先ほどご説明した内容と重複するため、割愛します。
主要経営指標の推移

スライドについても過去から示している内容ですが、最新の決算については別途財務報告を行います。
マーキュリアインベストメントグループの競争優位性

マーキュリアインベストメントグループは、「クロスボーダー」という点を大切にしながらこれまで活動を続けており、グループの従業員に占める外国人の比率も40パーセントを超えています。
地政学的な問題があるからこそ、クロスボーダー、すなわち国境を超えたエクイティソリューションが現在求められています。そのような分野で市場が求める商品をしっかり提案していくことが重要であると考えています。
各事業における主要メンバー紹介

当社の体制をさらに運用面で見える化することが非常に重要だと考えています。スライドの下に記載の「資本市場/株主との対話」は、株主のみなさまからいただいたリソースを示しており、当社はホールディングスとして上場しています。
このリソースを活用することで、戦略ごとに適切にアロケートし、それぞれの戦略において責任者が明確に配置され、適切な運用成果を追求していきます。マーキュリアホールディングスは、それぞれのファンドのプラットフォームとして機能しています。
最終的に得られる利益は、運用市場において投資家やLPのみなさま、顧客から信頼を得て資金を預けていただくことで成り立っています。そして、そこから管理報酬や成功報酬が発生します。
このため、運用成果を投資家にしっかり説明するためには、営業の初谷やファンド管理の荒谷が積極的に関与するほか、運用のオペレーションについては統括セクションを設け、体制の強化を進めています。
事業進捗全般(現在の運用/組成状況)

事業進捗の全般については、先ほど最初にご説明した内容と重複します。個別には事業投資と資産投資について、それぞれ小山と石野が具体的なご説明を行います。
事業投資部門の概要

小山潔人氏(以下、小山):取締役事業投資統括の小山です。本日はお忙しい中、当社グループの2026年12月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私から、事業投資戦略についてご説明します。
事業投資部門の概要についてご説明します。当社グループでは、事業投資をバイアウト投資、ストラクチャード投資、グロース投資の3分野で展開しています。
コアとなるのはバイアウト投資ですが、ストラクチャード投資やグロース投資をそれぞれ独立して運営しながらも、相互に連携して運営する点が当グループの特色です。直近の事例としては、グロース投資分野に「サプライチェーンファンド」という投資ファンドがあります。
後ほどご紹介しますが、この投資先であるMENOUという検査システムを提供する会社が、当社グループのバイアウトファンド傘下の製造業向けにサービスを提供することを協議するなど、投資戦略間のシナジーを目指している点が特徴となっています。
バイアウトファンドの概要

「バイアウトファンド」については後ほど詳しくご説明しますが、基本的には2016年に設立した「バイアウト1号ファンド」に対し、「バイアウト2号ファンド」は、その倍ほどの規模で運営している状況です。
いずれも目標リターンとしてはネットIRRで15パーセント超、ネット投資倍率で2倍超というのを目指しているファンドになります。
バイアウト1号ファンド/ 運用状況

「バイアウト1号ファンド」について、先ほど豊島がご説明したとおり、これまでに合計10件の投資を行い、そのうち6件はエグジットしました。昨年の12月に小島製作所をエグジットした結果を含め、現在6件がエグジット済みとなっています。
いわゆるDPI(Distribution to Paid-In-Capital Ratio、投資家にお預けいただいた資金に対してどれだけ返還できているかの比率)は現在1.66倍となっており、一昨年から成功報酬のステージに移行しています。
残りの案件は、水谷産業、宮武製作所、イーテック物流の3件です。これらをしっかりと売却し、そこから成功報酬や自己勘定投資のリターンを得ていく計画です。今年は、この3件のうち1件をエグジットさせたいと考えています。
バイアウト2号ファンド/ 運用状況

「バイアウト2号ファンド」についてご説明します。2022年4月に運用を開始し、2023年9月にFinalクローズを迎えました。現状、このファンドから8件の投資を行っており、その中でデライトホールディングスという会社を昨年エグジットしています。
また、先々月には9件目となる案件の株式譲渡契約を締結しました。これでかなり投資が進んでおり、残りは1件程度となっています。
また、先ほど豊島からもお話がありましたが、「バイアウト2号ファンド」については、ほぼ投資資金を使い切る状況となっているため、現在「バイアウト3号ファンド」の募集準備を開始しています。
「バイアウト2号ファンド」に関してはエグジットが1件のみですが、各投資先の企業価値は順調に上昇しており、一部苦戦している企業もあるものの、投資簿価を相応に超える水準に達しています。
来年以降もエグジットを逐次行いながら、数年かけて成功報酬ステージに進めていく予定です。
バイアウトファンド投資先紹介/ 旭鉄工グループ

バイアウト投資の投資先から、今回は旭鉄工グループについてご紹介します。こちらは「バイアウト2号ファンド」からの投資先であり、ユニークな点として、2社で構成されていることが挙げられます。
1社は、旭鉄工で、トヨタのTier1として自動車エンジンやトランスミッションなどの鍛造・鋳造部品を製造しています。もう1社は、i Smart Technologiesで、IoTサービスの「iXacs」というサービスを提供している会社です。この2社による、いわゆる両利き経営を目指している点が特徴です。
特に興味深い点として、i Smart Technologiesは現在の木村社長が自ら主導して開発したIoTシステムを活用し、旭鉄工の工場ラインにおける生産性改善を実現した実績を基に、現在は外販事業を展開していることが挙げられます。
当社グループは、投資後に副社長兼COOを派遣したほか、営業体制の強化を支援しています。トヨタとの緊密な関係を維持しつつ、トヨタ以外の取引先も拡大していく方針を掲げています。
また、特に力を注いでいるのはi Smart Technologiesのさらなる成長であり、営業戦略や体制の再構築支援に多くの時間を費やしています。
ストラクチャードエクイティファンド(縁ファンド)の概要

「ストラクチャードエクイティファンド」です。日本政策投資銀行とタイのCharoen Pokphand Groupが運営するファンドで、当社グループが助言を行っています。
ファンドの規模は180億円で、これはバイアウトとは異なり、最大49パーセント程度のマイノリティ投資を行うものです。現在2件に投資しており、そのうち1件はエグジット済みで、まもなく3件目の投資を実行する予定となっています。
BizTechファンド/ 概要・運用状況

ベンチャー企業の成長を支援するグロース投資戦略のファンドの1つで、「BizTechファンド」となります。伊藤忠商事と共同で組成し、不動産・物流分野で革新的なサービスを提供する企業に投資を行っています。
すでに投資期間は終了しており、合計で17社に投資を実施しました。現在はエグジットのステージにあり、各投資先がIPOした時点での市場売却や、それ以前にトレードセールや第三者への売却などを通じてエグジットを目指しています。ハッチ・ワークがIPOしています。
サプライチェーンファンド/ 概要・運用状況

「サプライチェーンファンド」は、当社グループのベンチャー投資戦略における2件目のファンドです。現在運用中で、ファンドサイズは30億円であり、「BizTechファンド」とほぼ同様の規模です。
このファンドは、物流・サプライチェーン領域における課題を解決する革新的な技術やサービスを提供するベンチャー企業に投資することを目的としています。
特色として、投資家のほとんどが機関投資家ではなく事業会社で構成されており、これら事業会社との連携・協業を通じ、投資先のベンチャー企業を事業面で支援することが特徴です。現在、12件に投資を行っています。
ベンチャーファンド投資先企業紹介/ レコテック及びMENOU

スライドは、2件の「サプライチェーンファンド」からの投資先です。
スライド左側に表示されているのはレコテックで、いわゆる資源循環プラットフォームを運営する会社です。上流から下流までトレーサビリティが担保された再資源を調達できるプラットフォームである「Pool」を主に展開しています。
スライド右側はMENOUで、先ほどもご紹介したとおり、外観検査AIソリューションを提供しています。特に、利用企業にとって非常に使い勝手がよく、現場で使い続けられる検査システムを構築している点が特徴です。
管理報酬基準資産は今後増加を見込む

今後の管理方針における基準資産についてです。現在、「バイアウト1号ファンド」でエグジットが進んでいるため、昨年の基準資産は若干減少しました。
しかし、今後「バイアウト3号ファンド」を500億円から600億円規模で組成する予定です。また、ベンチャーやストラクチャードエクイティにおいても新たなファンドを組成していく計画です。
これにより、来期以降に基準資産を倍増させる予定であり、「バイアウト3号ファンド」が組成されれば、1,000億円近い基準資産に達すると見込んでいます。さらに、これを右肩上がりで成長させていく方針です。以上、事業投資戦略に関するご説明となります。
資産投資部門:航空機投資戦略が新フェーズに

石野英也氏(以下、石野):取締役資産投資統括の石野です。私から、資産投資戦略に関する活動についてご報告申し上げます。
今年の上半期においては、長らく準備を進めてきました「航空機3号ファンド」、オープンエンド型が正式に開始しました。これにより、当社グループの航空機投資戦略は新たなフェーズに入ったと考えています。
「航空機1号ファンド」についてです。コロナ禍前に設立されたもので、コロナ禍の影響を受けて苦労する場面もありましたが、その後の市場回復トレンドを活かした運営を実現しました。近々、全資産のエグジットが完了する予定です。
「航空機2号ファンド」について、コロナ禍明けと同時にスタートし、現在も順調に運用を継続しています。当初の想定を超えるリターンを見込んでおり、2028年から2029年頃にエグジットする予定です。
今回の「航空機3号ファンド」は4月に正式にローンチしました。アンカー投資家として日本政策投資銀行を迎え、その後も投資家募集が順調に進んでいます。
約2年から3年間で投資資産規模を1,500億円とすることを目指し、それにより安定した管理報酬や運用成績に応じた成功報酬を確保したいと考えています。これらを通じて、航空機投資における国内運用会社のフロントランナーを目指します。
航空機オープンエンドファンド本格運用開始

先般のプレスリリースでも発表しましたが、「航空機3号ファンド」において初号機となる2機については、アメリカのユナイテッド航空向けボーイング737Max9の2機の取得を完了しています。さらに、その後の機材取得についても順調に準備が進んでいます。
航空機投資の可能性:確かな需要に支えられたインフレ耐性の強い資産

航空機投資に関しては、これまでも繰り返しお伝えしていますが、航空機需要という確かな需要に支えられ、かつインフレ耐性の強い資産であるため、当社グループにおけるコア戦略の1つです。
世界経済の成長とともに、航空機の需要も今後増加すると予想されています。現在の航空機数が今後20年で倍以上に増えると言われています。
その中で、これまで航空会社が自社で保有する割合が多かった航空機についても、今後はリース機の割合がさらに増加すると予測されています。また、世界的にインフレの懸念が拡大する中で、インフレに強い特性を持つ資産への投資が今後ますます注目を集めると考えています。
航空機ファンドの果たす役割が拡大

今後需要が伸びていくと予想される航空機について、これまでは航空会社自身の保有に加え、航空機リース専業会社がリースを提供することで需要を支えてきました。しかし最近では、航空機ファンドによるリースが増加しています。
当社グループとしても、国内運用会社として航空機ファンドを牽引するポジションを目指していきます。
なぜ、航空機投資か

航空機投資についてはこれまでもお伝えしてきましたが、「航空会社の信用力に拠らない、『モノ』への投資」として、需要が安定していることや収益性の高さ、他の投資資産との相関性の低さ、流動性の高さといった点から、魅力的な投資資産であり続けると考えています。
日本の企業、投資家と航空機

先ほども申し上げましたとおり、世界の航空機需要を支えてきたのは航空機リース会社です。スライドに記載されているように、日系資本がかなり多く入っている市場です。
今後、この分野でファンドの活躍がさらに見られるようになると思いますが、その中で当社グループとしても、これを日本の投資家に金融商品として届けたいと考えています。
資産投資部門:他事業の進捗

航空機以外の分野における活動についてご説明します。不動産分野において、「Spring REIT」は先ほど豊島より簡単にご説明がありましたように、北京では賃料の下落を受けていますが、国内の優良企業へのシフトにより高稼働を維持しています。
一方、恵州については引き続き好調であり、資産価値は安定しています。ただし、金利負担の増大に伴い、配当可能利益が減少したことで、ユニット価格が下落しています。タイおよびベトナムでは引き続き順調であり、上半期には新規案件を4件実行しました。
一方、インフラ分野では、太陽光施設の一部エグジットを進めながら、全体的なアップサイドの実現を目指しています。
九州産業強靭化・産業インフラについては、引き続きサプライチェーンの強化を通じて、九州の戦略的意義を高めるためのコンソーシアムの組成に向けた協議を継続しています。
このように、異なる分野でマクロ的な視野や戦略固有の背景を考慮しつつ、「攻める・守る・切り替える」というタイミングを見極めながら、運用に努めていきたいと考えています。以上、資産投資に関する活動報告でした。
これからの事業展開(これまでの実績と今後の取組 / 市場の壁を超える)

豊島:将来戦略について、これまで示してきたものと大きく変わるものではありません。まず、どのような対象をファンドとして組成するのか、これが私たちの事業の柱です。
この事業は現在3,000億円規模の運用資産残高を有していますが、これを5,000億円規模に拡大していきます。その際、対象とするものについては「バイアウト3号ファンド」や「航空機3号ファンド」などを含め、これまでご説明してきたとおりです。
また、今後ファンドに期待される役割として挙げられる新規事業への取り組みについては、いくつかニュースリリースなどでも発表しています。
具体的には、タイ・ベトナムでのコンサル事業があります。タイでは、不動産を中心とする日本企業と現地企業の合弁事業におけるソーシングや管理を行い、これをベトナムへ展開しています。このベトナムでの事業も順調に立ち上がってきています。
九州の産業強靭化については、TSMCの九州進出やデジタル特区の導入などを通じて、特に台湾などとの関係におけるサプライチェーンを日本側の既存産業にしっかりとつなげていくことが目指されています。
この分野では、さまざまなアイデアや役割が求められており、これらに対する話し合いが行われています。
高島屋との「百年のれんプロジェクト」に関しては、後継者不足の問題が取り上げられています。特に、老舗といわれる100年以上の歴史を持つ企業が、相続やさまざまな状況により消えていくことは非常にもったいないことです。
これらの企業が100年後も存続できるかどうかが課題となっています。百貨店にとっては、このようなブランドをしっかりと引き継いでいくことが非常に重要です。その点については、アドバイザリー的な役割で、私どもも一緒に取り組んでいます。
マーキュリアカストスのファミリーオフィス・アドバイザリー事業においても同様です。私どもが上場時に掲げた「世代の壁」と、2016年以降、戦後70年を超えた今、ベビーブーマー世代がみな70歳を超えています。
それから10年が経過し、ベビーブーマーの方々も80歳を超える年代となっています。この世代の方々は、金融資産や会社の株式、経営権などを保有されています。これをどのように若い世代に引き継いでいくかが重要であり、「世代の壁」を超える課題だと私どもは考えています。
その具体化を進める中で、オーナー側の悩みに向き合う必要があります。そのため、マーキュリアカストスでは「カストス(Custos)」を「盾」と位置付け、こうした資産を守っていくという観点で、ファミリーオフィスのアドバイザリーを担当するセクションがあります。
AI分野における全事業戦略の推進について、これは私ども特有の課題ではなく、AIを使いこなすことが全産業に共通して求められる点です。特に情報産業においては非常に重要な要素であり、私どももこれらへの対応を進めているところです。
SMTBが国内の総合型インフラファンドを開始していますが、このプロジェクトには構想段階から話し合いを重ね、少額ながら資本参加するとともに、投資運用面でも協力しています。
資本コストの重要性が高まる中、エンゲージメントやアクティビズムといった動きによる市場からの圧力が経営陣に強まっています。しかし、ビジネスの本質はやはり売上と利益にあります。
ただし、この売上と利益を実現するためには、大規模なインフラストラクチャーや不動産を保有する必要がある業態も数多く存在しています。
これらの業態が安定的にサービスに集中するためには、業務に必要なインフラを安定的かつ長期的に保持してくれるパートナーが必要です。
この観点から、国内における総合型インフラファンドは非常に重要な役割を担っています。また、第2号ファンドは規模が大幅に拡大しています。このような取り組みは、日本国内だけでなく海外においても進行していると考えています。
これらの新規事業は、まだファンド化されていないため、トラックレコードや経験を持つプロフェッショナルが1人、2人と関わり、さまざまな企画や利害関係者との議論を行っています。ただし、現時点では損益に直ちに大きな影響を与えるものではありません。
しかし、ここで議論されている内容は、今後エクイティの役割が求められる分野です。そのため、戦略的に私たちはしっかりとコミュニケーションを行ってきました。このような取り組みは、オプション価値があると考えています。
これらのオプション価値を、実際のファンドという商品として拡大していくためには、投資家の信頼を得ることが重要です。管理体制の強化については、すでにガバナンスを強化する取り組みを進めていることはご説明したとおりです。
その先にあるのは、長期的にこのオルタナティブ投資をより広く民主化し、さまざまな人が参加できるようにすることです。これは「貯蓄から投資へ」「資産所得倍増プラン」の内容とも密接に関係しています。
NISAやiDeCoといったかたちで投資信託に参加することはあります。ただ、オルタナティブ商品に関しては、一部ではトークンなどが存在しますが、個人がオルタナティブ商品に投資する仕組みは、いまだ十分に整備されていません。
また、大学や年金基金についても、オルタナティブ投資を運用の中でどのように増やしていくかが課題として議論されているところです。
さらに、「バイアウトファンド」についてのご説明で触れましたが、日本国内にはさまざまな価値のある企業が存在し、それらに対する海外投資家の注目度も以前にも増して高まっています。
海外の巨大ファンドが活動しているのは周知の事実ですが、中堅・中小企業を対象にした投資に関しては、国内のファンドが特色を持つ領域です。その中で、マーキュリアは中堅・中小企業に特化したファンドとして、一定の実績を持つ「One of them」として海外投資家に認識されつつあります。
こうした海外投資家をLP投資家として積極的に迎え入れられるよう、体制の充実を図ることが重要だと考えています。
これらの目標は、四半期や半年といった短期間で変わるようなものではありません。当社は掲げた目標を着実に実現することに力を注いでいます。
スピードの向上が求められる部分もありますが、「バイアウトファンド」は3号まで進み、航空機関連事業も以前から計画していたものがスタートしました。今後も、掲げた目標を実現するために着実に取り組んでいきたいと考えています。
マーキュリアの海外事業展開(1/2)

海外事業展開についてです。スライドは以前の資料を使用していますが、特に補足する点はありません。現在、中国やASEANで事業を展開しており、タイの事業をベトナムに展開することで、順調に案件を積み上げています。
これはタイに強い、あるいはベトナムに強いということではなく、日本企業が海外でジョイントベンチャーを行う際に、その管理をプライベートエクイティの形式でしっかりと行うというビジネスモデルが受け入れられてきた結果と考えています。
このような考え方を基に、今後インドにおいても同様の取り組みが可能かどうかについて問い合わせを受けており、現在研究を進めています。
マーキュリアの海外事業展開(2/2)

スライドも海外事業の展開です。
タイ/ベトナムコンサルティング事業(1/2)

スライドについても先ほどご説明しました。
タイ/ベトナムコンサルティング事業(2/2)

これまでベトナムでは1件の案件でしたが、今年に入ってからさらに追加で3件ほどの案件が増えており、順調に拡大しています。
決算ハイライト~2026年は反動減、今期は後継ファンド組成を推進

滝川祐介氏:執行役員経営管理統括の滝川です。本日はお忙しい中、お時間をいただき、ありがとうございます。
本日、私がお話しするテーマは決算ハイライトです。第2四半期の業績について、管理報酬は概ね計画どおりに推移しました。一方で、保有資産の評価損失2億8,000万円の影響により、営業総利益は16億8,000万円、経常利益は1億1,000万円となりました。
年度予算について、前期は成功報酬ステージにある「バイアウト1号ファンド」からの成功報酬が大きく寄与し、過去最高益を達成しました。一方、今期はその反動減を見込んでいますが、これは主に成功報酬の計上タイミングによるものです。
また、将来の成長に向けた取り組みを着実に進めています。事業投資では「バイアウト3号ファンド」の組成、資産投資では「航空機3号ファンド」の募集・運用を進めており、管理報酬基盤の拡大を目指しています。詳細は、次のページ以降でご説明します。
2026年第2四半期決算/年度予算(1/2)

2026年第2四半期決算と年度予算についてご説明します。管理報酬はおおむね計画どおりに推移しており、「ストラクチャードエクイティファンド」における自己投資利益も計上しています。一方で、評価損失2億8,000万円が利益を押し下げる要因となりました。
当社グループの業績はファンドの投資先のエグジットのタイミングに影響を受けるため、利益計上の時期に一定の変動があります。下期においては、バイアウトファンド投資先のエグジットや戦略投資の売却を進め、通期業績予想の達成を目指していきます。
2026年第2四半期決算/年度予算(2/2)

決算の主な内訳です。管理報酬は安定収益であり、現在は「バイアウトファンド」と「Spring REIT」を中心に安定的に推移しています。
一方、成功報酬と自己投資収益は変動収益となっており、投資先のエグジットタイミングにより利益計上の時期が変わるため、年度ごとの変動があります。
前期は過去最高益を達成しましたが、今期は反動減となります。しかし、後継ファンドの組成と新規企画の収益化を進めることで、次の成長につなげていきます。
損益構造(1/2)

損益構造についてです。当社グループの事業は、ファンド運用事業と自己投資事業の2つで構成されています。収益は、安定収益である管理報酬と、変動収益である成功報酬、自己投資収益から成り立っています。
固定費は人件費、外部委託費、地代家賃などが中心を占めています。そのため、全体としては安定収益である管理報酬で固定費を賄い、成功報酬と自己投資でアップサイドを図る構造を目指しています。
損益構造(2/2)

スライドに示されているのは、一般的なファンドのライフサイクルです。ファンド期間はおおよそ10年にわたります。管理報酬については、ファンド期間の前半に多く発生しますが、ファンド期間の後半になると投資先のエグジットに伴い減少します。
一方で、自己投資収益は投資先のエグジットが進むファンド期間中盤以降に発生します。また、成功報酬はファンド全体の運用成果に基づいて計算されるため、ファンド期間後半に発生することが多く、そのため年度ごとの変動幅も大きくなる傾向があります。
このようなファンドライフサイクルの特性から、単年度損益は重要ですが、同様に、中長期的な損益推移も重要な指標であると考えています。
長期損益推移(1/2)~営業総利益~

スライドは、長期の損益推移についてです。2013年から2025年までの営業総利益の推移を示しています。年平均成長率は10パーセントを超え、利益金額は約5倍に増加しました。2025年には、過去最高益を更新する67億4,000万円で着地しました。
長期損益推移(2/2)~収益区分別営業総利益~

収益区分別の内訳です。スライドの一番下に示されている青い部分が管理報酬に該当しますが、2013年と比較して大きく成長し、現在は30億円規模の安定的な収益基盤となっています。
今後は「バイアウト3号ファンド」と「航空機3号ファンド」の新規組成を通じてさらなる拡大を目指します。
一番上のグレーの成功報酬について、2017年から2022年にかけては創業初期および金融危機後に組成したファンドから、合計65億円の成功報酬を獲得しました。2024年からは「バイアウト1号ファンド」が成功報酬ステージに到達し、合計29億円の成功報酬を獲得しています。
今後は引き続き成功報酬ステージにある「バイアウト1号ファンド」の投資先のエグジットごとに成功報酬を見込んでおり、さらに「バイアウト1号ファンド」を含む運用ファンドに対して自己投資も行っています。
これらの成功報酬と自己投資利益を管理報酬に上乗せすることで、営業総利益全体の水準を底上げすることを目指しています。
資産・負債の構成

財務と株主還元についてです。バランスシートを見ると、自己資本176億円に対し、借入金は11億円となっており、引き続き健全な財務基盤を維持しています。
配当の状況

配当は、安定配当を基本方針とし、5年平均当期純利益に対して配当性向30パーセント程度を目安として、今期は1株あたり22円の配当を見込んでいます。
プライム市場の上場維持基準の適合状況

プライム市場の上場維持基準についてです。現在、流通株式時価総額が基準を下回る状況ですが、これまでお話しした事業を着実に進めるとともに、IRやPR活動を実施することで、2026年基準での上場維持基準の充足を目指します。
今後の取組みと目標(1/3)~年間安定収益と投下資本~

今後の取り組みと目標についてお話しします。年度予算は反動減となるものの、中長期的な成長を目指す中で、各事業分野における目標について少しご説明します。
スライドは、各事業が決算および財務に与える影響です。年間安定収益では「バイアウト」事業と「Spring REIT」事業が80パーセント強を占める一方で、投下資本では「バイアウト」事業と「Spring REIT」事業が60パーセント弱を占めています。
また、将来を見据えた企画事業に対しても20パーセント程度の資本を投下しています。
今後の取組みと目標(2/3)~事業ポートフォリオ~

スライドは事業ポートフォリオです。事業投資分野では成功報酬によるアップサイドを重視し、「バイアウト1号ファンド」と「バイアウト2号ファンド」を合わせた650億円規模のバイアウトファンドが中心です。
資産投資分野では、管理報酬による規模拡大を重視しています。2,300億円規模の「Spring REIT」が中心ですが、直近では航空機ファンドに力を入れています。
今後の取組みと目標(3/3)~今後の目標~

各事業分野における今後の目標です。事業投資分野では、既存ファンドの安定運用、具体的には投資倍率2.5倍を目標とした運用によって、「バイアウト1号ファンド」における成功報酬の最大化と、「バイアウト2号ファンド」における成功報酬ステージへの到達を目指します。
新しいファンドについては、「バイアウト3号ファンド」の組成、具体的にはファンド総額500億円規模での組成を通じて管理報酬基盤の拡大を目指します。
また、資産投資分野では、市場価格と鑑定評価の間で大きな乖離が生じている「Spring REIT」について、鑑定評価価値の実現を目指します。
「航空機3号ファンド」は規模拡大と投資家層の拡大を目的としてオープンエンド型ファンドとして組成しており、ファンド総額500億円から750億円規模での出資受入を通じて管理報酬基盤の拡大を目指します。
以上のように、既存ファンドでは投資成果の最大化を目指し、新規ファンドの組成により安定収益基盤の拡大を図る、この二本柱で中長期的な企業価値の向上に努めていきます。以上が、決算ハイライトとなります。
質疑応答:トークン化と外国人向けの展開につ
新着ログ
「証券、商品先物取引業」のログ





