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株式会社ライズ・コンサルティング・グループ9168

東証グロース

サービス業

個人投資家向けIRセミナー

松岡竜大氏(以下、松岡):みなさま、こんばんは。株式会社ライズ・コンサルティング・グループ代表取締役社長の松岡です。本日は、当社の個人投資家向け説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

当社は2023年9月に東証グロース市場に上場した総合コンサルティングファームです。ふだんは四半期ごとに機関投資家のみなさまに決算説明会を開催していますが、個人投資家のみなさまにも当社のことを深くご理解いただきたいと思い、このような機会を設けさせていただきました。

本日のAGENDA

本日のアジェンダです。1つ目に会社概要・ビジネスモデルについて、2つ目に2027年2月期の重点施策についてお話しします。

3つ目に、多くの方からお問い合わせをいただいている当社のAIに対する考え方をお伝えし、4つ目に2027年2月期の通期業績予想、5つ目に2027年2月期第1四半期の決算概要についてご説明します。

6つ目に昨年発表した中期経営計画の数値目標および成長戦略、株主還元方針についてお話しした後、QAセッションに進む流れとなります。

会社概要

会社概要です。当社は2012年2月に創業しました。総合コンサルティング事業を展開しており、社員数は第1四半期が終了した5月末時点で420名となっています。

連結子会社については、当社の営業を担当するライズ・クロス社と、本年度新設したAI関連の子会社NouScale社を有しています。

沿革

当社の沿革です。2012年の創業以来、会社は順調に成長し、2020年12月にはサンライズキャピタル社との資本提携を行い、株式上場を目指して成長期に入りました。そして、2023年9月に東京証券取引所グロース市場への上場を果たしました。2025年4月にはSHIFT社との資本業務提携を締結し、現在に至ります。

また、2026年3月にはAI事業を担う子会社NouScale社を設立し、事業領域の拡大を進めています。

支援領域・組織の特徴

当社の支援領域・組織の特徴についてです。当社の支援領域は、スライド上部に記載のとおり、上流と言われる戦略の領域からオペレーション、IT企画、組織・制度設計までを行っており、この中にはBPRなども含まれます。SI領域においては、システム開発というよりはプロジェクトマネジメントを中心に支援を行っています。

スライド下段の市場イメージをご覧ください。ご注目いただきたいのは、SAM(Serviceable Available Market)の市場です。これは、大手の国内・外資総合ファームが手掛ける市場であり、当社がアクセス可能なマーケットを指します。こちらの市場規模については、調査機関によって異なりますが、概ね1兆円から1.5兆円程度とされるケースが多く見られます。

なお、市場規模については、人数で示したほうがわかりやすいとの判断から、当社にて推計した年間FTE(Full-Time Equivalent)、すなわち何人分をチャージできるかという指標で示しています。全体としては約8万5,000人分の市場があり、成長率は調査機関による違いはあるものの、約10パーセントとなっています。

SAMの下の領域としてSOM(Serviceable Obtainable Market)を示しています。こちらは先ほど当社の支援領域として申し上げた上流の戦略コンサルティング領域から下流のプロジェクトマネジメントまでの市場を指しています。

この中でも、比較的上流に位置するコンサルティング領域は、当社の「SBU2」という組織が相対している市場となっています。こちらは、大手の国内・外資コンサルティングファームなどを競合相手としており、「コストリーダーシップ」を戦略の軸としています。この戦略については後ほど詳しくご説明しますが、競合他社の7割程度の価格を目安に、プロジェクト内容やお客さまのニーズに応じて価格を設定し、コストリーダーシップを発揮してサービス提供している市場です。

一方で、当社の「SBU1」という組織が相対している比較的下流に近い領域では、当社と類似するビジネスモデルを持つコンサルティング会社を競合相手としており、ここでは「差別化戦略」として競合他社よりも優れた品質を武器にサービスを提供しています。

このように、市場に対応するかたちで、「SBU1」と「SBU2」という2つの組織で戦略を実行している点が、当社の特徴です。

組織体制について

当社の組織体制についてご説明します。2026年2月期までは、当社が提供するサービスの内容やテーマを中心に組織を設計していました。

2027年2月期よりスライド右側の図のように、「SBU1」と「SBU2」というかたちで市場に合わせた組織体制を構築しました。理由としては、それぞれの市場で単価や稼働率が異なることから、それらに合わせた戦い方を実践する必要があると考えたためです。

また、各「SBU」の下に記載しているタレントマネジメント部は、ワンプールの組織となっており、若いメンバーが在籍しています。​

このように、専門性や市場に応じた戦い方をする各「SBU」の組織と、当社のビジネスモデルの根幹であり、稼働率を高める仕組みである「ワンプール」を組み合わせた体制で事業を推進しています。

サービスライン

各「SBU」のサービスラインについてです。「SBU2」内のM&Iというチームがスライドの赤色の点線で囲われている部分を対応しています。金融や製造、インフラの分野に至るまでの業界の上流工程を中心としたテーマに取り組んでいます。

また、紫色の点線で囲われている部分は、「SBU2」内のTMT(テレコム・メディア・テクノロジー)というチームが対応しており、通信関連の産業に特化した支援を行っています。

さらに、青色の点線で囲われている部分は、「SBU2」内のSXというチームが対応しており、デジタルトランスフォーメーションの上流工程の支援を行っています。

緑色で囲われている部分は、主にシステム開発・導入・刷新などのPMOを中心とする領域を指し、「SBU1」が支援を行っています。

このように、領域ごとに組織を分けることによって、お客さまから求められている専門性を高めつつ、「お客さまと一緒に汗をかく」スタイルで、実効性を追求したサービスを提供しています。

クライアントおよびプロジェクト構成

当社のクライアントおよびプロジェクト構成についてご説明します。

スライド左側に記載のとおり、2026年2月期の取引先企業の実績については、約120社のお客さまにサービスを提供しています。金融業や製造業など業界ごとにバランスよく支援を行っています。一方で、官公庁向けの事業では、他のコンサルティングファームと比較してやや遅れをとっているため、現在、強化を図っています。

スライド右側には、それぞれの領域におけるプロジェクトの概要を示しています。ご覧のとおり、さまざまな業界のクライアントに対して多岐にわたる案件を提供していることが、当社の特徴と考えています。

多様な業界の優良企業を中心に構成される顧客基盤

顧客基盤です。スライドには、ロゴ掲載の許可をいただいたお客さまのみ掲載しています。金融分野では、SBI証券社に古くからご愛顧いただいており、長くお付き合いをさせていただいています。

また、製造業分野においても、先般、提携を発表したリコー社をはじめ、多くのお客さまにご愛顧いただいています。

流通・サービスや通信ITの分野に関しても、非常に長くお付き合いをいただいているお客さまが多くいらっしゃいます。特に通信IT・広告分野は、先ほどご説明した「TMT」というチームを設けて支援をしており、当社の事業において大きなボリュームを占めています。

ビジネスモデル

ビジネスモデルについてご説明します。当社の主要KPIは、「人員数」「平均単価」「稼働率」の3つです。基本的には、この3つを掛け合わせることで売上が作られています。

売上構成比は、品質にこだわっていることが背景にあり、自社内製のコンサルタントによる売上が全体の約9割を占めています。残りの約1割は外注売上であり、外注売上比率は他のファームと比較してやや低い水準となっています。

収益モデルについては、スライド右側に記載されているとおりです。主要KPIに基づいて積算される売上に対して、最も大きな割合を占めるのは売上原価です。

売上原価率は50パーセント前後で推移しており、主に人件費が売上原価の多くを占めていますが、これは質の高いプロフェッショナルを雇用し、高い給与水準を確保しているためであるとご理解いただければと思います。

また、販管費については、間接コストの最適化を図ることで、営業利益の拡大を目指しています。

この収益モデルを支える上で重要となるのが、スライド左側に示している主要KPIです。まず、人員数の確保が売上の規模を決定する要因となります。

単価に関しては各市場の競争状況によるため、当社単独での引き上げやコントロールが難しい側面もあります。一方、稼働率については、効率的なメンバーの運用によって向上させることが可能であるため、当社にとって非常に重要です。稼働率を高めることで、より高い利益率を実現できるため、これをビジネスの要諦としています。

競争優位性

当社の競争優位性は、スライドに記載の3点です。

1つ目は、ユニークなコンサルティング手法です。当社では、「Scopeless」「Hands-on Style」「More than Reports」というアプローチを掲げています。

まず、「Scopeless」についてです。一般的なコンサルティング会社は、お客さまと契約や提案を行う際に支援の範囲、いわゆるScopeを設定し、その範囲内で役割を果たします。

一方で、当社はお客さまと伴走する姿勢を掲げているため、法律や社員の健康を守ることを前提としつつ、お客さまの目標達成に必要なことであればScopeを設定せず柔軟に対応していく方針です。

「この作業を行うのであれば、こちらは後にしましょう」といった優先順位の調整を行い、画一的に役割を切り分けることなくプロジェクトを進めていく点が、当社のユニークな手法の1つです。

次に、「Hands-on Style」についてです。コンサルティング会社の中には、週に数回打ち合わせを行い、そこで聞いた課題に対し、対応策を提示するというスタイルをとる会社もあります。一方、当社は「Hands-on」と掲げているように、お客さまの現場に入り、隣に座って共に資料を作成し、一緒に汗をかいて支援することを重視しています。

最後に「More than Reports」についてです。当社は何十枚ものレポートを書くのではなく、お客さまの意思決定を進めるための1枚の比較表の作成など、プロジェクトを実際に前に進めるための要件定義や課題解決を重視しています。

これら3つのアプローチにより、「伴走支援」や「お客さまに寄り添う支援」を実践していることが当社の特徴であり、優位性の1つです。

競争優位性の2つ目は、バリュープライスです。スライドに記載のとおり、当社は厳選採用を重視しています。当社のビジネスは、人数が増えるほどトップラインが拡大します。一方で、厳選せずに採用を進めると、現場でお客さまの満足度が得られず、プロジェクトがうまく進まないという問題が発生します。そのため、当社では品質をしっかり備えたメンバーを採用し、さらに研修を実施することで人材の質を確保しています。

このように、高品質なサービスをお客さまにとって適切な価格で提供できることが当社の優位性であり、価値のある部分だと考えています。

競争優位性の3つ目は、高稼働率を実現する仕組みです。先ほどの当社のビジネスモデルのご説明の中で、粗利率を高めるための施策として、高稼働率を挙げました。当社では、ワンプール制という組織体制を採用しており、案件の状況に応じてメンバーを柔軟にアサインできる仕組みを構築しています。

また、ワンプール制において高稼働率を実現するためには、各メンバーがさまざまなプロジェクトに対応できる汎用性を持つことが重要です。そのため、単一の領域だけでなく、さまざまな案件に挑戦できる人材を集め、柔軟なアサインを実現しています。

さらに、当社は「Hands-on Style」の考え方のもと、お客さま先で伴走支援を行うことを重視しているため、原則としてコンサルタントは1人1顧客制としています。このような仕組みにより、コンサルタントのアイドルタイムを極小化し、高い稼働率を実現できることが当社の競争優位性の源泉です。

競争優位性❶ ユニークなコンサルティング手法(RISEの特徴)

競争優位性についてさらに具体的にご説明します。スライド右側に記載の「Hands-on Style」「Scopeless」「More than Reports」については、先ほど私が口頭でお話しした内容を示しています。

その対比として、スライド左側は一般的なコンサルティングファームを指しています。彼らは多くの知見を集め、論点を設定して深掘りを進め、多くの資料を作成しますが、一方で、実行まで十分に進まないというお客さまの声があります。

当社はそのような声を踏まえ、基本的に現場に入って支援し、案件を前に進めるスタイルを取っています。スライド右側の図にあるように、案件に100パーセントコミットしてお客さまと伴走するスタイルが、当社が提供している価値であり、お客さまから評価をいただいている点です。

また、当社は、最も知見を有しているパートナー層が現場に行って、お客さまに価値を提供することが重要だと考えているため、パートナー層も現場に出て稼働しています。他社のパートナー層は管理や営業に特化する場合もありますが、当社では知見者を現場に配置し、最も効果的で効率的なコンサルティングを提供することを理念としています。

競争優位性❷ バリュープライス

2つ目のバリュープライスについてご説明します。当社は、スライド左側に記載の「人材の質」を重視しています。厳選した採用を行い、入社後には手厚い研修を実施しています。

具体的には、未経験者や経験の浅いメンバーに対しては、年間で複数回、最大1ヶ月ほどの研修を実施した後に現場に送り出しています。この点については競合他社よりも手厚い内容であると自負しています。

スライド右側に記載の「価格の魅力」に関しては、ブランド料が発生せず、高い稼働率とコスト意識を実現することで、一般的な総合ファームよりも優位性のある状態を作り出しています。主に「SBU2」でこれを実現し、競争優位性を築いていく方針です。

競争優位性❸ 高稼働率を実現する柔軟な組織形態と仕組み

3つ目は、高稼働率を実現する仕組みについてです。

組織図を三角形で示しています。上段部分は2つの専門性の高いマネジメント陣が所属するSBUに分かれており、「SBU1」と「SBU2」の人数はほぼ同数です。

また、下段においては、若手のメンバーを中心にワンプール制の組織に所属している状況です。管理監督のため、少数のマネージャーやシニアマネージャーも配置されています。若手のメンバーについては、アイドル期間を生じさせないことを基本としており、産業・サービス・職種を問わず、さまざまなプロジェクトへアサインしています。

これらの取り組みが、非常に柔軟なアサインを実現し、ひいては高稼働率を担保する仕組みであり、当社の特徴となっています。

中期経営計画の振り返り・27/2期 重点施策

2027年2月期の重点施策についてご説明します。

2026年2月期は、第3四半期終了後に下方修正をしたことで、みなさまにご迷惑をおかけしました。

その背景としては、採用市場における競争環境が激しくなったことなどによる採用の未達、退職者の増加が挙げられます。特にパートナー層を十分に確保できなかったことが影響しています。

当社はこれまでご説明しているとおり、案件は1人で対応するのではなく、チームとして現場に送り出すことを重視しています。品質を重視するために、現場にパートナー層を配置し、それに続く若手を配置する体制をとっています。そのため、上位層であるパートナー層が不足すると、現場でのチーム運営が困難となり、案件組成が滞ることで、稼働率が低下するという結果を招きました。

これらを踏まえた上で、当社では2027年2月期の施策として3つの重点施策を掲げています。

1つ目は、「人員構成の適正化」です。採用については昨年の倍以上の投資を行い、最優先で進めています。加えて、リテンション施策として退職率を下げることに取り組んでいます。

2つ目は、「既存事業の進化」です。先ほど申し上げた「SBU1」「SBU2」について、市場に合わせた適切な組織体制への変更を行い、加えてAI機能子会社の設立もすでに実施しています。

3つ目は、「営業力強化」です。アライアンス強化については、JV(ジョイントベンチャー)などを設立し、当社の人員に依存しない案件開発を進めています。

重点施策① 人員構成の適正化 ~人員構成の状況~

重点施策の1つ目である「人員構成の適正化」について詳しくご説明します。スライド左側には人員構成の推移を記載しています。これまで、パートナー層、マネージャー層、メンバー層の比率として、1対3対6が最も望ましいとお話ししてきました。

2027年2月期は、崩れた人員構成を戻すべく採用を強化しています。第1四半期においては、パートナー層、マネージャー層、メンバー層の構成が基本的に計画どおりに戻ってきており、急激な改善は難しいものの、採用強化によって改善傾向にあることをご報告します。

スライド右上の採用の部分に記載のとおり、採用プロセスの見直しや人員構成バランス状況のモニタリング、さらにエージェントとの関係性強化を進めています。具体的には、エージェントにお支払いするフィーを増額することで、当社への紹介数を拡大させる施策などを実施しています。

その結果、スライド右下の足元の状況に記載のとおり、応募数は順調に増加しています。全体として、3月は前期比約180パーセント、4月と5月はそれぞれ前期比約140パーセント、6月は前期比約160パーセントとなっています。

当社はスライド左側のピラミッドのうち、赤色で囲っている部分(パートナー層からメンバー層のシニアコンサルタントまで)を「採用強化層」と位置付けています。この層の応募数は、3月は前期比約200パーセント、4月は前期比約150パーセント、5月は前期比約160パーセント、6月は前期比約260パーセントと、母集団形成は順調に進んでいます。

人員をしっかり選定した上で、当社の仲間として迎えることが、第1四半期および第2四半期で取り組んでいる内容です。

重点施策② 既存事業の進化 ~市場イメージと競合優位性~

重点施策の2つ目の「既存事業の進化」についてです。「SBU1」「SBU2」の新設については、先ほどお伝えしたとおりです。

重点施策② 既存事業の進化 ~SBU1とSBU2の連携~

なぜ「SBU1」「SBU2」というチームにしたのかという点についてご説明します。

「SBU1」の主戦場は、「Hands-on Style」を活用し、プロジェクトの実行支援を行う領域と位置付けています。一方で、IT関連のプロジェクトは、計画どおりに進まないケースも少なくありません。そのような場合においては、プロジェクトを立て直す必要があるため、計画の再構築や戦略の練り直しが求められます。

そのため、当社はこのような状況が発生した際に、「SBU2」の能力を活用して戦略策定や実行プランニングを見直すことができる体制を整えています。実行するにあたってプランニング能力がないと、計画が「絵に描いた餅」になってしまいます。逆もまた然りで、プロジェクトを推進する能力がないとお客さまに価値を提供することができません。プロジェクト推進と実行プランニングの2つをセットで行うことが重要であると捉え、当社はこの2つの領域を重点領域として定めています。これにより、お客さまにさらなる価値を提供できると考えています。

重点施策② 既存事業の進化 ~AI機能子会社設立~

当社は、本年3月に、AI機能子会社「NouScale」を設立しました。

通常のコンサルティング業務は、エンジニアリング能力を持たずに、業務改善の具体的な内容や助言を提示し、実装については外部のパートナー企業に任せる場合が多いです。しかしながら、みなさまご存じのとおりAIの進化のスピードは非常に速いため、技術やソリューションを調達している間に時機を逸してしまうことが多々あります。

このような状況においては、当社自身がPoC(概念実証)まで対応できる能力を持つことが重要であり、技術面でも一定の知見を持ったメンバーを集める必要があります。

そのための業務を担う会社として設立されたのが、NouScale社です。この会社の代表取締役社長には松下を任命しています。松下は製造業での豊富な経験を持ち、パナソニックの副社長執行役員を務めた経歴があります。現在、事業の立ち上げに全力で取り組んでいるところです。

重点施策③ 営業力強化 ~SHIFT社との業務提携について~

重点施策3つ目の「営業力強化」についてです。まず、SHIFT社との業務提携についてご説明します。昨年の初めに資本業務提携を発表し、施策を進めてきました。

2026年5月には、資本業務提携契約に基づく取り組みをさらに進め、両社の連携を強化することに合意し、現在主に2つの領域で取り組みが進んでいます。

1つ目は、人材領域です。当社の課題である高い退職率に対し、SHIFT社の知見を活用しています。具体的には、スペシャリストに兼務出向してもらい、同社のノウハウを当社に導入して適用できるかどうかを検証しています。また、課題の抽出や、その課題に対する効果的な打ち手について、アイデアをいただきながら議論を進めている段階です。

2つ目は、デリバリー領域です。こちらに関しては、さらに注力や深掘りを図っていきます。アサイン管理において高度化を図るべく、当社の人材についてより詳細な情報共有・情報交換をしています。これらの取り組みを通じてアサインの機会を増やす取り組みを、現在双方で進めています。

営業領域についても引き続き取り組んでおり、実際に大型案件のデリバリーも順調に進んでいる状況です。

重点施策③ 営業力強化 ~リコー社との合弁会社設立について~

次に、リコー社との合弁会社の設立についてご説明します。ご存じのとおり、リコー社はコピー機などで非常に有名な企業であり、日本国内に数万社のクライアントを持っています。

リコー社には、コピー機やファイルサーバーのサービスを通じて培われたお客さまとの接点や、ドキュメントを中心とした資産があります。リコー社はこれらをAI化し、お客さまに役立つソリューションとして提案していこうという取り組みを進めています。

当然ソリューションを構築する際には、スライド右下に記載されている「活用構想」にあるように、具体的にどのように役に立つのか、どのようなメリットがあるかといった要素を経営視点まで引き上げて議論する必要があります。

また、実装の段階では、具体的な業務内容を確認しながら、ソリューションを導入できそうなポイントの見極めや、AIではなく人間が担うべき仕事の特定などにおいて、コンサルティング能力を発揮する必要性があります。そのため、これまでもリコー社から当社へコンサルティング支援のご依頼をいただいていました。

このたび、これまでの関係をさらに一歩進め、規模の拡大を図っていくことを目的として、リコーAIコンサルティング株式会社を設立しました。

当該会社は、リコー社の営業先である数万社を超えるクライアントから寄せられる声をコンサルティングの機会と捉え、顧客に対して提案から実際のサービス提供までを一貫して担っていきます。

リコーAIコンサルティング株式会社は設立間もないため、人的資源がまだ十分ではありません。そのため当社が、コンサルティング支援やコンサルタントの育成などを担います。

当社としては、営業基盤の拡大や営業力強化という観点で、リコー社と連携できることを大きな成長機会と捉え、今後の展開に期待しています。

AIは"Advice"を民主化する

当社のAIに対する考え方についてご説明します。スライド左側にあるように、AIは知性の領域である情報収集や分析・洞察、資料作成などを得意としており、今後これらの領域を担っていくと考えています。

当社でも、コンサルタントはAIを活用し業務の効率化を進めており、日々のオペレーションに活かしています。

スライド右側に記載の「AIが支援するが、人が主体となること」については、大きく4つの領域があると考えています。進むべき方向や何を実現するかを定めること(Mission)、未来を見据えて意思決定を行うこと(Decision)については、AIからの助言のみで最適な結果に至るのは容易ではないと考えています。

そのため、それぞれの立場や組織のロジックを理解した上で合意形成を図ること(Alignment)が重要です。また、計画を実現・実践することについても、現状ではAIに100パーセント任せられる段階ではないと考えており、これらを支援し、実際にやり遂げるプロセス(Execution)については、人間が担うべきだと認識しています。

当社はこの領域に注力しながら、サービスを提供し続けていきます。

Our Will

スライドには「BEYOND ADVICE.」と記載していますが、従前より当社は「最後まで伴走する」ことを理念に掲げています。そのため、AIが導入されても、スライド右側の「Decision」から「Alignment」「Execution」「PRODUCE NEXT」といった成果を出す段階まで、一貫して取り組んでいます。

当社は、お客さまの成果実現までを担う伴走者・パートナーとして価値を提供し、事業を推進しています。

MVVとAI

当社のMissionは「PRODUCE NEXT しあわせな未来を、共に拓く。」です。社会・顧客・社員の未来を、価値として創り出し、実現することが当社の使命です。当社の存在意義は、Missionに従い、価値を生み出すプロセスを最後までやり遂げることです。

また、当社が提供する価値は、単に調査や資料作成にとどまらず、具体的に「アドバイザリー」としてお客さまの意思決定を支援し、「人的実行力」として人材・チームを提供し、お客さまと一緒に汗をかいて変革を推進することです。

そして「プロデュース力」として、「課題を定義して終わり」「解決方法の候補を出して終わり」といった概念ではなく、実際に最後までやり遂げることが当社の提供価値だと考えています。

スライド右側に記載の「AIテクノロジーを活用する」の部分については、すでにお話ししたとおりです。

PoV

当社の「Point of View」ということで、当社が大切にしているAIに関する考え方についてお話しします。

スライド左側に「社会の変化」と記載がありますが、現在の金融資本主義においては、企業は利益や効率を追求することが求められます。そこでは、どのようなAIツールを用いたとしても、最適化された結果を出すという点では同じであり、出力結果に大きな差が生まれにくくなると考えています。

例えば自動車の場合、AIによる最適化が進めば、最終的には性能や機能が同じような車を提供することになるでしょう。ただし、各社独自の哲学やお客さまの好み、価値観といった要素を反映させなければ、その車は市場で選ばれることは難しいと思います。

そのため、哲学や価値観などの要素を反映させていく必要がありますが、それには「共感」をどれだけ持つかが重要になると考えています。日本の会計基準では、こうした目に見えない価値がのれんのような少し曖昧なかたちで表されることがありますが、このように目に見えない側面を特に重視すべきであると考えています。

したがって、企業は共感を持てるメンバーや仲間を集めて仕事をすることが重要になります。だからこそ、「Execution(変革実行)」「Mission(選択/意思決定)」といった領域は、今後も人に委ねられると思っています。

こうした考え方を踏まえ、当社ではAIによる効率化と、人にしか生み出せない価値の両立を目指しています。

スライド右側に記載のあるように、当社は金融資本主義の中で経営効率の最大化を目指し、AI導入による効率化を進めています。「伴走型AI実行支援」の取り組みの一環として、NouScale社を設立しました。

また、当社に対する共感を集め、それを資本に落とし込む仕組みを作りたいと考えています。その仕組みの1つが「共同出資型事業共創」、いわゆるジョイントベンチャーです。この第一歩として、リコー社と合弁会社を設立しました。

先ほどお話ししたように、金融資本主義の中で売上を追求することも重要ですが、リコー社との提携のように、これから来るAI時代に対応した新たな価値を創出していくことも、当社の重要な役割だと考えています。

当社はこのような考えのもと、今後もサービスを提供していきたいと考えています。

2027年2月期 通期業績予想(IFRS)

2027年2月期の通期業績予想についてお話しします。すでにご覧いただいている方も多いと思いますので、ポイントを絞ってご説明します。

2027年2月期の売上収益は、100億円を想定しています。

一方で、営業利益率については、2026年2月期の20.2パーセントから引き下げ、9.5パーセントとなっています。これは、これまでご説明してきた採用活動や、AIを中心とした能力獲得に投資を行う選択をしたためです。

2027年2月期 業績推移イメージ・前提(期初計画)

業績推移イメージ・前提についてご説明します。

2027年2月期第1四半期の営業利益率は、2026年2月期第4四半期と比較して低下しています。これは、季節要因に加え、採用などへの投資を行ったためです。毎年この時期は、新卒社員の入社などの影響で、利益率が下がる傾向にあります。

また、第2四半期から第3四半期にかけては採用活動のピークとなるため、これらの時期に採用活動に資金を投じていきます。その成果を第4四半期および2028年2月期で刈り取っていくというストーリーを描き、現在取り組んでいるところです。

したがって、まだ完全に人員構成が崩れた影響は解消していませんが、第4四半期には人員構成が適正化し、2028年2月期のスタートに向けた体制を整えるイメージで、2027年2月期の期初計画を策定しています。

業績予想における考え方・前提(KPI)

業績予想におけるKPIについてです。スライド左側に記載の在籍コンサルタント人員数は、期末において386名を予定しています。

稼働率は92パーセント、平均単価は261万円を見込んでおり、2026年2月期の状態に近づくかたちです。落ち込んだ状態から回復するイメージを持っていただければと思います。

2027年2月期 1Q 決算ハイライト

2027年2月期第1四半期の決算ハイライトです。

人員構成のバランス崩れは、2026年2月期下期にかけて発生したため、前年同期である第1四半期時点では発生していませんでした。そのため、前年同期比では減収となっています。また、採用などへの投資を行ったため、減益となりました。

ただし、スライド右側に記載されているとおり、第1四半期末の稼働対象コンサルタント人員数は着実に増加しており、稼働率も想定の範囲内に収まっています。平均単価については、若手のコンサルタントのアサインを積極的に行う影響で低下することを見込んでいましたが、一部メンバーが前倒しで単価アップできたことから、計画を上回って推移しています。

2027年2月期 1Q 決算エグゼクティブサマリ

第1四半期の決算エグゼクティブサマリです。売上収益は、前年同期比で減収となりましたが、2026年2月期第4四半期から改善傾向にあり、計画どおりに進捗しています。

利益面では、採用費などの増加により前年同期比では減益となっていますが、計画に対しては上回って進捗しています。

主要KPIについては、課題である「人員構成の適正化」が計画どおり進捗しています。稼働率は86パーセントとなりましたが、平均単価は計画を上回ったことから、全体としては、計画どおり進捗しています。

2027年2月期 1Q 主要KPIハイライト

2027年2月期第1四半期の主要KPIハイライトについて、スライドをご覧ください。短期的に見ると期初計画と若干の差異が見えるかもしれませんが、計画どおりに進んでいます。

2027年2月期 1Q 決算概要(IFRS)

第1四半期の決算概要は、スライドに記載のとおりです。

2027年2月期 業績推移イメージ・前提(期初計画)

スライドは業績推移のイメージ図です。ピンク色で囲ってある枠内をご覧ください。2027年2月期第1四半期は、売上収益は計画どおり、営業利益率は計画を上回って進捗しています。

中期経営計画

中期経営計画について簡単にご説明します。

中期経営計画は、2026年2月期から2030年2月期までの5年間を対象としており、売上収益は年平均成長率(CAGR)20パーセントから25パーセント、最終年度の営業利益率は25パーセントから30パーセントを目指して進めています。

中期経営計画の達成に向けて

中期経営計画の達成に向けてについてお話しします。2026年2月期は一部期初計画に対して未達の状況が生じ、中期経営計画の達成という点では若干の遅れが見られました。

しかし、コンサルティングの需要は非常に旺盛であり、早期に人員構成の適正化ができれば達成可能であると想定しています。

そのため、2027年2月期に投資をし、人員構成のバランス崩れの影響を早期に解消できれば、2028年2月期以降は、売上収益は前年同期比20パーセント超の成長を実現し、営業利益率も改善方向に進むと考えています。現時点では、2030年2月期の目標は達成可能な範囲内にあると認識しています。

株主還元

株主還元についてです。先ほどお話ししたように、2027年2月期の利益水準の低下は一時的なものであることを鑑み、また配当に必要な原資も確保していることから、1株当たり21円の配当を維持しています。

自己株式の取得については、すでに開示した分の取得は終了していますが、今後も適時適切に機動的な対応を取っていきたいと考えています。

一時的に株主還元の基本方針を超えている部分もありますが、現状の利益水準が一時的なものであるとの判断から、従前の水準を保ちつつ進めていく方針です。

以上でご説明を終わります。ありがとうございました。

質疑応答:SHIFT社とのシナジー効果について

進藤基浩氏(以下、進藤):「SHIFT社とのシナジー効果についてご説明を

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