2026年3月期決算説明
東京産業、減収増益で着地、一過性要因を除けば売上は横ばい 環境・エネルギー分野の新設・更新需要に対応
2026年3月期決算説明
浅田泰生氏:本日は、東京産業株式会社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。本年4月1日付で蒲原の後をうけ社長執行役員に就任した浅田です。4月からの新体制のもと、持続的な成長の実現と経営基盤の強化に向けた取り組みを推進していきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
それでは、これより説明を始めたいと存じます。
CONTENTS

本日は、2026年3月期決算の実績をご説明した後、2027年3月期計画、中期経営計画の進捗をご紹介します。
決算概要 連結業績

始めに2026年3月期決算の実績をご説明します。
まず、損益の状況です。2026年3月期は、前期末に建設を請け負っていたメガソーラーの引き渡しを終え、本来の実力が問われる年度でした。将来的な電力需要増加の見通しや地政学リスクの高まり等、わが国の資源・エネルギーを取り巻く環境が大きく変化する中、この1年環境・エネルギー分野を中心に取引先の設備新設・更新需要へ積極的に対応したほか、リスク管理体制の整備を進め、強固な経営基盤の構築に取り組んできました。
その結果、連結売上高は632億円と前期比74億円減少したものの、連結営業利益は前期比11億円増加の34億円、当期純利益は前期比3億円増加の25億円となりました。連結売上高は、太陽光発電事業認定権利の譲渡を除けば、前期横ばいです。
連結営業利益は、火力発電所向け保守業務やバイオマス発電所向け燃料供給ビジネスが伸長したことにより、計画を大きく上回り、増益となりました。
当期純利益は、太陽光発電資産の売却完了を見込み、期初に37億円の増益計画としましたが、最終的に特別損失として訴訟の和解解決金30億円を折り込んだため、増益額が減少しました。
営業利益・当期純利益とも過去最高益です。
決算概要 財政状態

次に、財政状態です。代理店業務に係る決済条件の変更等に伴う、前渡金の積み上がりや、自社太陽光発電設備の売却完了により、現金および預金が増加したことから、前期に対し流動資産が増加しました。
また、流動負債に関しても、流動資産と同様、前受金である契約負債の増加により、前期比で増加しました。
自己資本比率は純資産の増加により、前期微減の24.7パーセントとなりました。
決算概要 キャッシュ・フロー

続いて、キャッシュフローについてご説明します。
営業活動によるキャッシュフローは、前期比で47億円のプラスとなりました。前期2025年3月期は、事業認定権利の譲渡や長期未収入金の回収等の一過性要因を除けば実質マイナスでしたが、資金負担の大きかったメガソーラー完工により、大幅に収益が改善したことに加え、代理店業務の決済条件変更などが寄与しました。
投資活動によるキャッシュフローは、自社保有の太陽光発電資産の売却完了により50億円のプラスとなりました。
財務活動によるキャッシュフローについては、前期は太陽光関連の債権回収により借入金を大きく返済しましたが、当期は返済を抑えたため、13億円のマイナスになりました。その結果、期末の現金同等物残高は193億円となりました。先ほど申し上げた解決金30億円を考慮し、余裕を持たせています。
事業領域別の状況

次に、事業領域別の状況をご説明します。事業領域と会計セグメントの関係は、スライド7ページのとおりです。
事業領域別実績① 火力

まずは火力事業領域についてです。本事業領域は、火力発電所関連業務の伸長により、前期比増収増益となりました。
ベース事業である火力発電所向け代理店業務において、発電所設備の保守・メンテナンスが伸長したことに加え、代理店業務から派生した取引である発電所向け補機・部品等の納入やメンテナンス業務の取引拡大が寄与し、連結売上高は前期比9億円増加の54億円となりました。連結営業利益は、前期比3.5億円増加の9億円となりました。
2027年3月期については、代理店業務や派生取引の堅調な推移により、当期並の利益水準を見込んでいます。
事業領域別実績② 原子力等

原子力等の事業領域についてです。本事業領域は、主に原子力関連業務と、プラントメーカー向け機器販売で構成されています。
当期の業績は、原子力関連業務では、核燃料再処理工場の2026年度内竣工に向けた大規模安全対策工事などの代理店業務が順調に推移しましたが、プラントメーカー向け機器販売ビジネスが減少したため、連結売上高は、前期比10億円減少の52億円となりました。連結営業利益は、前期比7,000万円減少の7.3億円となりました。
連結営業利益については、前期比微減となりましたが、前期に伸長した利益水準を概ね維持する結果となりました。2027年3月期についても引き続き堅調な推移を見込んでいます。
人的リソースの投入により、原子力関連業務、プラントメーカー向け機器販売ともに契約残高が大幅に増加しました。
本事業領域は成長領域として位置づけており、今後も継続的な体制強化を図り、プラントメーカー向け機器販売におけるビジネスチャンスや原子力関連業務の領域拡大に取り組んでいきます。
事業領域別実績③ 再生可能エネルギー

再生可能エネルギー事業領域についてご説明します。前期末にメガソーラーを引き渡した反動により連結売上高は、前期比51億円減少の170億円となりました。
損益面では、バイオマス発電所向けの燃料供給ビジネスにおいて、すべての長期契約案件が開始したことに加え、前期に引き渡したメガソーラーの費用精算に伴う臨時収益4.7億円を計上したことにより、連結営業利益は12億円と、大きく改善しました。
2027年3月期においては、燃料供給ビジネスをはじめ、契約済み、仕掛中の案件中心に、着実に引き渡しできるよう取り組んでいきます。
事業領域別実績④ 生産・環境設備

生産・環境設備の事業領域についてご説明します。複数の大口生産設備請負工事が完工したほか、レジ袋などの包装資材ビジネスが大きく伸びましたが、欧州連結子会社における前期の大型機器納入の反動により、連結売上高は、前期比21億円減少の353億円となりました。連結営業利益は、前期比6.3億円減少の5.8億円となりました。
2027年3月期においては、大口の請負工事完工の影響や中東情勢を背景に、前期末に駆け込み需要のあった包装資材ビジネスの反動減が見込まれるものの、省エネ・省人・環境ニーズへ積極的に対応し、今期と同様の利益水準を見込んでいます。
本事業領域では、顧客の掘り起こしや活性化を通じ、単なる設備機器販売だけでなく、付随する工事需要の一体的な取り込みによって、収益機会の拡大に努めていきます。
事業領域別 成約高・契約残高(単体)

成約高・契約残高についてです。火力については、代理店業務の着実な積み上げに加えて、CO2排出量の少ない高効率発電設備への大型リプレース工事を受注したことにより、成約高・契約残高および成約利益・契約残利益ともに、前期比増加となりました。
成長領域の原子力等は、核燃料再処理工場の竣工に向けた対応に加え、主力取引先のガスタービン増産を背景とした機器販売業務の拡大により、成約高・契約残高および成約利益・契約残利益ともに、前期比増加しました。これらは、2028年3月期以降、本格的に収益へ貢献することを予定しています。
再生可能エネルギーは、バイオマス燃料供給ビジネスのすべての長期案件の供給開始に伴い成約高が前期比増加した一方で、仕掛中の再エネ関連建設請負工事の進捗に伴い契約残高は減少しています。
生産・環境設備については、設備機器業務の拡大が寄与し、前期の一過性要因60億円を除く実質ベースでの成約高は、前期比で増加しています。契約残高については、大口の請負工事が完工したことから、前期比で減少しましたが、契約残利益は増加しています。
2027年3月期計画

2027年3月期計画についてご説明します。
中期経営計画最終年度となる2027年3月期の計画についてご説明します。連結売上高630億円、営業利益25億円、当期純利益17億円を計画しています。連結売上高については、公表済みの中期経営計画を踏まえつつ、足元の案件状況を精査した結果、公表していた730億円から100億円減額となる630億円を計画値としました。
損益面では、2026年3月期に発生したメガソーラー建設請負工事の臨時収益および貸倒引当金の戻入益の剥落に加え、大口の請負工事の完工、包装資材の駆け込み需要の反動減、ならびに人件費の増加といったマイナス要因を、生産・環境設備機器販売等の伸長で打ち返す計画としています。しかしながら、すべてを吸収するには至らず、減益計画としました。
中東情勢など先行き不透明な状況が続きますが、計画の必達は当然として、旺盛な電力需要や、設備・インフラ更新需要を積極的に取り込み、さらなる収益の積み上げに注力していきます。
株主還元

次に、株主のみなさまへの還元についてご説明します。
当社は2024年3月期にスタートさせた「中期経営計画 T-ScaleUp 2027」において、初年度から純資産配当率であるDOE4パーセント以上を維持してきました。最終年度となる2027年3月期の配当についても、既定方針である「DOE4パーセント以上」、「安定配当」を引き続き維持し、中間および期末の配当で、それぞれ1株あたり20円、年間配当金は2円増配の40円を予定しています。
中期経営計画の進捗 重点戦略(コア5)

中期経営計画の進捗に関してご説明します。
重点戦略コア5の進捗に関してご説明します。まず「エネルギートランジションへの積極関与」についてです。伸長が期待される原子力関連ビジネスについては、旺盛な電力需要の対応を見据え、他の領域からの人員シフトなど体制強化を実施しました。現場常駐を通じた顧客ニーズ・案件機会の捕捉に加えて、取引先との関係強化を進めることで新規領域の開拓にも取り組み、ビジネス領域の拡大を図ってきました。
また、太陽光関連事業では、2026年4月に懸案であった訴訟を和解により解決しました。再生可能エネルギー関連の建設請負工事については、新規の受注を停止しており、仕掛中の案件を粛々と対応する方針です。
2つ目の「サステナブル社会構築に資する事業創出」については、事業環境の厳しいEV関連事業を見直し、人員の再配置を実施したほか、今回の組織変更を通じ、強みを持つ事業をより強化するとともに、優良な顧客基盤の活性化を進め、新たな事業機会の創出や発掘を推進していく方針です。
3つ目の「グループ総合力強化」については、前期から進めている不採算子会社の清算を実行しました。引き続きメリハリある資源配分と強みのさらなる強化を進めていきます。
4つ目の「強靭な経営基盤の構築」については、特にリスク管理強化とその定着に重点的に対応しています。また、システムガバナンス強化に向けた基幹システム再構築プロジェクトは、現在システムソリューション案を検討中です。
5つ目の「株主還元の拡充」については、引き続き配当による還元を軸とする方針は不変であり、DOE4パーセント超を維持していきます。
以上で私からの説明は終了とします。ご清聴、ありがとうございました。
新着ログ
「卸売業」のログ





