アイビス、新たに今後3年間の主要経営指標を開示 サブスク課金売上高27.9億円と利益成長率20%以上を目指す
FY2025/12 4Q 連結業績ハイライト

神谷栄治氏(以下、神谷):株式会社アイビス代表取締役社長の神谷です。それでは、2025年12月期の決算説明を始めます。
2025年12月期第4四半期の連結業績ハイライトです。サブスクリプション課金売上は前年同期比(YoY)71.6パーセント増と高成長を維持しています。前年同期の2024年12月期第4四半期のサブスクリプション課金売上は2億1,000万円、今期は3億6,000万円と大幅に増加しました。
「ibisPaint」のサブスクリプション契約増加数は、前年同期が3万4,500件、今期が4万6,200件と、YoYで34.1パーセント増加しています。
売上高は前年同期の11億3,000万円から今期は13億6,000万円に増加し、YoY20.5パーセント増と大幅な伸びを示しました。営業利益は前年同期の3億円から今期は3億5,000万円となり、YoY17.4パーセント増と好調です。なお、単体の営業利益は3億8,000万円で、連結利益を上回りました。
営業利益率は前年同期の26.6パーセントから今期は25.9パーセントとYoYで0.7ポイント減少しましたが、単体では28.9パーセントとYoYで2.3ポイントの増加が見られます。
サブスクリプション課金売上は前四半期比(QoQ)で4,000万円の増加、契約数についてははQoQで4万6,000件増と、いずれも過去最高水準の伸びを記録しています。
連結後の売上高と営業利益は、いずれもYoYで2桁成長を達成しました。単体ベースの営業利益率は2.3ポイント増となっています。営業利益は、モバイルセグメントの利益増がM&A費用やCPA外部委託費などのコスト増をカバーし、増加しました。
FY2025/12累計 連結業績・通期進捗

2025年12月期累計の連結業績・通期の進捗です。サブスクリプションを含むアプリ課金売上が、通期で初めて広告売上を超えました。
サブスクリプション課金売上は、前期が6億8,000万円で今期は12億円となりました。通期の計画が11億1,000万円だったため、進捗率は107.8パーセントとなり、計画を超過しました。YoYで74.9パーセント増と急成長しています。
「ibisPaint」のサブスクリプション契約数は、前期の23万2,000件から今期は39万7,600件となりました。計画が34万2,000件だったため、進捗率は116.2パーセントとなり、計画を大幅に上回っています。YoYでは71.4パーセント増加しており、こちらも急成長を遂げています。
売上高は、前期の46億2,000万円から今期は50億円となりました。計画の50億2,000万円にはわずかに届かず、進捗率は99.6パーセントです。YoYでは8.2パーセント増加しています。
営業利益は、前期の11億5,000万円から今期は12億円となりました。計画の11億7,000万円を上回り、進捗率は102.2パーセント、YoY4.0パーセント増となりました。単体ベースでは連結を上回る水準となっています。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期の8億3,000万円から今期は8億4,000万円となりました。計画の8億1,000万円を上回り、進捗率は103.7パーセント、YoY1.2パーセント増です。こちらも単体のほうがやや利益額が多くなっています。
サブスクリプション課金売上はYoY74.9パーセント増、契約数もYoY71.4パーセント増と大幅な急成長を遂げており、好調です。連結後の売上高・営業利益・営業利益率はおおむね計画どおりです。
2026年12月期の計画として、サブスクリプション課金売上は44.1パーセント増の17億3,000万円、営業利益は12.8パーセント増の13億5,000万円を見込んでいます。
FY2025/12 連結決算業績推移

売上高と各種利益の推移です。売上高はYoY8.2パーセント増となりました。各種利益については、営業利益がYoY4.0パーセント増、当期純利益がYoY1.2パーセント増となっています。
セグメント別 FY2025/12 連結決算業績推移

セグメント別の業績推移です。売上高については、モバイルセグメントはYoY8.4パーセント増、ソリューションセグメントはYoY2.1パーセント増となりました。新たに加わったAI歌声合成セグメントは1億1,800万円です。
セグメント利益については、モバイルセグメントはYoY11.8パーセント増と2桁成長を達成しました。一方で、ソリューションセグメントはYoY3.3パーセント減となっています。AI歌声合成セグメントはのれん償却費等を含めてマイナス6,200万円となり、現在は投資フェーズにあります。
モバイルセグメント FY2025/12 連結決算業績推移

モバイルセグメントの内訳です。サブスクリプション課金売上はYoY71.6パーセント増、アプリ広告売上はYoY5.3パーセント減となっています。サブスクリプションは好調ですが、アプリ広告は第1四半期に3億5,400万円、第2四半期に3億5,400万円、第3四半期に3億800万円となり、第3四半期が底打ち水準だった可能性があると認識しています。
一方、セグメント利益については、モバイルセグメントがYoY29.0パーセント増と大幅に増加しました。
ソリューションセグメント FY2025/12 連結決算業績推移

ソリューションセグメントの内訳です。第3四半期から売上は過去最高を継続していますが、利益はM&A費用により一時的に下がっています。売上高は、受託開発はYoY47.9パーセント増、IT技術者派遣はYoY3.6パーセント減となりました。現在は受託開発の比率を上げている段階です。
セグメント利益については、ソリューションセグメントがYoYで37.8パーセント減となっています。2023年は強くアクセルを踏み、採用投資を増加させ、売上を大きく伸ばす方向に進んでいました。
その結果、投資の拡大により一時的に収益バランスが変動したため、2024年に入ってからブレーキをかけ、投資をコントロールすることでバランスを調整しました。そのため、売上は回復傾向にあります。なお、第4四半期の利益減少はM&A費用によるものです。
FY2025/12 主要な費用項目

広告宣伝投資については、2年前に広告を半減しても問題ないということで、減らす計画を発表しました。それ以降、広告宣伝投資は低い水準を維持してきています。スライド右側のグラフは開発人材投資の推移を示しています。
FY2025/12 事業KPI

事業KPIについてご説明します。サブスクリプション契約数は、期末契約数で約40万件に達し、計画を大きく上回りました。ソリューションセグメントにおけるITエンジニア数も回復傾向にあります。
モバイルセグメントのDAU(日次アクティブユーザー)は、YoYで1.1パーセント増加しました。前回の第3四半期に「YoYで減少しているが、この状況は問題ないか」とのご指摘がありましたが、今期再び回復し、当初想定どおり、過去の波の一部に過ぎない状況だったと考えています。長期的には微増傾向ですが、ほぼ水平飛行の状態です。
一方、サブスクリプション契約数はYoYで71.4パーセント増と急成長を遂げています。前期の成長率からさらに加速しており、プラス1.4倍となっています。
ソリューションセグメントのITエンジニア数は、右肩下がりになった時期もありましたが、現在は回復基調にあります。YoYで5.8パーセント増となっています。
FY2025/12 トピックス

通期1年間のトピックスです。「ibisPaint」の機能追加により、プレミアム会員への移行が進んでいます。特に大きかったのは、年1回実施しているメジャーバージョンアップで、バージョン13.0.0として多数の機能がリリースされました。
その中でも、サブスクリプションのプレミアム会員機能における塗りつぶしや描画ツールが人気で、プレミアム会員の増加が加速しています。
また、「ibisPaint」が全国ネットの「LBSスペシャル」という番組で紹介されました。
アイビスについて

ここからはInvestor Digestという新規資料に移ります。初めての方もいるかもしれないため、前半は会社の紹介、後半は計画と展望についてお話しします。
まず、アイビスについてです。売上の56.5パーセントはモバイルセグメントで、主力商品である「ibisPaint」を展開しています。受託開発とIT技術者派遣のソリューションセグメントは41.1パーセント、新しく追加されたAI歌声合成セグメントは2.4パーセントを占めています。
「ibisPaint」の特徴として、海外売上比率が高い点が挙げられます。地域別では、米国が36.1パーセント、その他海外が39.8パーセント、国内が24.1パーセントです。
設立は2000年で、従業員数は356名、拠点は東京、大阪、名古屋にあります。
創業者プロフィール

私は子どもの頃からプログラムを書いてきたエンジニア畑出身です。技術に自信があるだけでなくマーケティングも得意で、「ibisPaint」のグローバル展開やマーケティングも最初は1人で立ち上げて構築してきました。
日頃から「日本発の技術を地球の裏側まで届けること」を目標にしています。これには強い情熱を持っています。
企業理念

ミッション、ビジョン、バリューについてご説明します。ミッションは「モバイル無双で世界中に"ワォ!"を創り続ける」です。モバイル分野に強みを持ち、驚きを与えることを目指しています。
ビジョンは「Boost Japanese Tech to the World(アイビスは世界での Made in Japan のプレゼンスを上げていく)」です。世界中で利用されるソフトウェアを作りたいと考えています。
バリューは「高い技術のエキスパート集団」「スピーディな意思決定と実行」「継続的なチャレンジ」です。
これまでの道のり

創業から20年間超の売上高の推移です。グラフに濃い青で示している部分は祖業のソリューションセグメントで、手堅く推移しています。ここ6年から7年で、水色部分の「ibisPaint」の売上が成長してきました。そして、新たに紫色の部分であるAI歌声合成セグメントが始まりました。全体として、CAGRは31.4パーセントで成長しています。
ibisPaintのアチーブメント

「ibisPaint」の特徴についてです。全世界のアクティブユーザーランキングは、「App Store」のグラフィックス&デザインカテゴリにおいて7年連続でNo.1を獲得しています。
月間アクティブユーザー数(MAU)は4,007万人で、そのうち海外比率は90.5パーセントと世界中で広く利用されています。
累計ダウンロード数は5億2,000万回です。25歳未満のユーザーシェアは、直接競合するアプリの中でのアクティブユーザーのシェアを示しており、91.7パーセントと若い世代に人気があります。
市場機会

ポジションについてです。「ibisPaint」は25歳未満の若いユーザーが多く、スマートフォンだけで操作が可能という点から高いシェアを獲得しています。市場も今後大きく成長すると考えられており、CAGR12.4パーセントと見込まれています。
ibisPaintの強み①

「ibisPaint」の特徴は、フリーミアムモデルでモバイルに特化している点にあります。スマートフォンで本格的な絵を描くことが可能です。
「ibisPaint」のYouTube公式アカウントは、チャンネル登録者数が305万人で、日本の製品チャンネルの中でもトップクラスに位置していると考えられます。また、アプリストアでの評価も高く、非常に信頼されています。
ibisPaintの強み②

「ibisPaint」は世界200以上の国と地域で展開しており、19言語に翻訳されています。ブラジル、米国、EUをはじめ、非常に多くの人々に利用されています。
累計ダウンロード数は5億2,000万回を超えています。MAUのうち90.5パーセントが海外ユーザーです。アクティブユーザーのシェアは、直接競合するアプリの中で88.7パーセントを占め、圧倒的なシェアを誇っています。
ibisPaintの強み③

収益モデルについてです。無料版のアクティブユーザーは4,007万人です。このユーザーに対して、無料の自社広告枠での広告配信や誘導施策を日々行っています。4,007万人のうちの一部が有料ユーザーで、サブスクリプションおよび売切型アプリのユーザーになります。
スライド右側の円グラフでは、濃い青がサブスクリプション、次が売切型アプリを示しており、この合計が50パーセントを超えています。
顧客単価平均は、アプリ広告は月18.7円ですが、サブスクリプションは321.4円と17.1倍の差があります。したがって、無料ユーザーにサブスクリプションを契約していただけるように注力しています。
モバイルセグメントを拡張する2つのセグメント

ソリューションセグメントの売上高は、受託開発が26.1パーセント、IT技術者派遣が73.9パーセントを占めています。現在、受託開発の比率を上げている段階です。
AI歌声合成セグメントは、音符のようなものを画面上で入力して歌詞を付けることで、バーチャルシンガーに人間のように歌ってもらうことができる「VoiSona」というアプリが主力商品となっています。
成長戦略概要

成長戦略の概要です。世界最大のユーザー基盤を収益に結実させることを目指し、全体としてCAGR15パーセントを目標としています。
スライドの図に薄い水色で示している部分が「ibisPaint」の非サブスクリプション課金売上で、やや横ばいで推移しています。一方、少し濃い水色は「ibisPaint」のサブスクリプション課金売上で、併せて成長させていきたいと考えています。2026年には、サブスクリプション課金売上とアプリ広告売上が逆転するのではないかと見込んでいます。
2035年の目標として、売上高150億円、サブスクリプション契約数200万件、サブスクリプション課金率5パーセントを掲げています。この5パーセントは、MAUを分母としています。
成長戦略①

成長戦略の1つ目です。アクティブユーザー約4,000万人に無料自社広告を展開し、サブスクリプションへの移行を促進する計画です。
現時点でサブスクリプションユーザーは39万7,000人、MAUの課金率は0.99パーセントです。これを5パーセントに引き上げ、200万人まで増やすことを目標としています。無料の広告枠やサブスクリプション機能、導線の最適化に注力していきます。
サブスクリプション契約数のCAGRは59.1パーセントを目標に掲げています。
成長戦略②

成長戦略の2つ目です。プロユースとして、Windows版とMac版に注力しています。2022年にWindows版、今期2025年にMac版をリリースし、プロ向けの製品提供に力を入れています。プロの方々に使用されることで、「神絵師」と呼ばれる方やプロのファンが増加し、ブランド力の向上にも寄与すると考えています。
成長戦略③

成長戦略の3つ目です。「VoiSona」では「ibisPaint」からの送客によるシナジーの実現を目指し、「ibisPaint」では3DアニメーションなどAIの新機能を順次リリース予定です。課金モデルとしては、現在、従量制課金モデル「スマートクレジット」を開発中で準備を進めています。さらに、M&Aの実施やプロ向け仕様にも力を入れていきます。
また、AIを活用した創作ツールや、動画と音楽を融合させたミュージックビデオ制作ツールの開発を進めていく予定です。新しい世代の創作表現をサポートするとともに、日本のオタク文化を含め、世界に広めていきたいと考えています。
ソリューション/AI歌声合成セグメントの成長戦略

ソリューションセグメントの成長戦略としては、今後もM&Aを検討していきます。2026年4月1日付で、ゼロイチスタート社を吸収合併することを発表しました。
AI歌声合成セグメントについては、「ibisPaint」とのコラボレーションにより、相互送客機能などの準備を進めています。
FY2026/12業績計画

2026年12月期の業績計画です。サブスクリプション課金売上を1.4倍にして成長を加速させます。売上高は前期の50億500万円から9パーセント増の54億5,400万円、営業利益は前期の12億100万円から12.8パーセント増の13億5,500万円を計画しています。
セグメント別の売上成長率は、モバイルセグメントで9パーセント増、ソリューションセグメントで6.8パーセント増、AI歌声合成セグメントで46.3パーセント増を見込んでいます。
サブスクリプションの売上高は17億3,100万円、売上成長率は44.1パーセント、契約数成長率は37.7パーセントを計画しています。
主要連結経営指標(2026-2028)

主要連結経営指標です。新たに今後3年間の主要な連結財務諸表目標を開示しました。サブスクリプション課金売上を2025年12月期実績の2.3倍にあたる27億9,000万円まで伸ばす計画です。
営業利益の成長率は、2027年12月期以降は20パーセント以上を計画しています。2025年12月期の実績は4パーセントでしたが、2026年12月期は12.1パーセント、2027年12月期は20.6パーセント、2028年12月期は21.6パーセントに成長させていきたいと考えています。
株主還元

株主還元についてです。2025年12月期の配当金は10円ですが、2026年12月期は12円とする予定です。配当性向は20パーセントから25パーセント程度を検討しています。
株価については分売等の影響で現在はやや下がっており、大変申し訳ございません。基本的には一時的なものと考えており、中の数値をご理解いただければ回復につながるのではないかと考えています。
業績については、第4四半期の売上高はYoY20.5パーセント増と好調でしたが、通期ではYoY8.2パーセント増にとどまりました。計画の段階から見えていたこととはいえ、本来は2桁成長を継続したいと考えていますので、その点で力不足を感じています。
2026年12月期もYoYで9パーセント成長を見込んでおり、2桁には届かない目標となっています。期末の時点では計画を上回る結果を出せるように取り組んでいきます。
広告売上については、底を打った可能性があると考えています。今後、多少の波はあっても、大きな流れとしては水平飛行になるだろうと思います。また、サブスクリプションなどの直接課金比率が増加していくため、広告に関する懸念やご意見は徐々に減り、その重要度は相対的に低くなると見ています。
「ibisPaint」の最大の強みは、DAUとMAUです。DAUは過去最高を記録しており、MAUも4,007万人と増加しています。このユーザーベースを基に、サブスクリプションも成長させていきます。また、従量制課金の準備も進めています。
「広告からサブスクへ」というキャッチコピーを2年前に発表しましたが、いよいよサブスクリプションの比重が今後増加していくフェーズに入ったと考えています。
サブスクリプションを開始したのは約8年前で、「ibisPaint」のリリースから黒字化まで6年、利益が出るまで約8年かかりました。現在は5年後の未来を見据えて、5年後に開花するような種を多く仕込んでおり、その手応えも感じています。
従量制課金モデル「スマートクレジット」についてもお伝えしましたが、それに加えて「VoiSona」も仕込み中で手応えを感じています。サブスクリプションが成長期にある今のうちに、さまざまな施策を進めていきたいと考えています。
私からの説明は以上です。ありがとうございました。
質疑応答:営業利益率の見解と見通しについて

司会者:「2025年12月期の第3四半期と第4四半期を比較すると、営業利益率が25.9パーセントと大きく増加しました。『ibisPaint』の値上げがありましたが、御社の見解を教えてください。M&A関連費用などがあると思いますが、来年度も20パーセント後半の営業利益率を継続できそう
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