【速報版】株式会社サニーサイドアップグループ 2026年6月期第1四半期決算説明
※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。
エグゼクティブサマリー
株式会社サニーサイドアップグループの2026年6月期第1四半期連結決算について説明いたします。
エグゼクティブサマリーです。当第1四半期は増収増益を達成し、売上高・営業利益はいずれも第1四半期として過去最高を更新しました。主力のブランドコミュニケーション事業で受注が拡大して効率改善が進み、アップセルなどの施策への取組みが奏功してサービス単価が上昇した結果、収益性も向上しました。
現時点で通期業績予想を据え置いておりますが、第1四半期の業績は計画に対して順調に進捗しております。また、2025年8月に発表した自己株式の取得は、11月4日までに28万株を取得して終了しました。これを考慮し、総還元性向は48.8パーセントを予想しています。
第2四半期以降も堅調な業績を維持するとともに、将来の成長を確実にするための準備を進めてまいります。
アジェンダ
アジェンダはご覧の通りです。最初に企業概要を説明し、第1四半期の連結決算概況、通期業績予想と配当予想、各事業の状況と続き、最後に中期成長戦略の進捗について説明いたします。
企業概要
はじめに、当社グループの企業概要について説明いたします。当社グループの事業は、ブランドコミュニケーション事業、フードブランディング事業、そしてグループの事業領域を拡充するビジネスディベロップメント事業の3つで構成されています。
ブランドコミュニケーション事業では、PR戦略の策定・施策立案、IP(知的財産)コンテンツを活用した商品企画、商品キャンペーン等の販促施策などを展開しています。2023年5月に公表した中長期経営方針において、ブランドコミュニケーション事業をコア事業と位置づけて、強化を図っております。
フードブランディング事業では、オーストラリア・シドニー発のオールデイダイニング「bills」の日本と韓国におけるブランディングとライセンス管理を行っています。飲食店の展開というより、「bills」というブランドを日本に紹介し、その価値を広げていく事業と位置づけています。
ビジネスディベロップメント事業は、新規事業の開発・創出を通じて、グループの事業領域を拡充する役割を担っています。現在は、ブランドコミュニケーション事業と連携してコンサルティングを展開するほか、社会課題の解決に資するコミュニケーションサービスを提供しています。
なお、2025年10月1日付で合弁会社「株式会社KEI CONCEPT Japan」を設立し、持分法適用会社としました。資本金10百万円で、当社の出資比率は33.4パーセントです。こちらは、フランスでミシュラン三つ星を獲得したレストランのオーナーシェフ小林圭氏のブランドのライセンスを管理する企業です。
次期成長戦略の策定準備を進めるなかで、IPコンテンツを活用した商品企画の成長、フードブランディング事業におけるブランディングやライセンシーの実績などを踏まえて、将来的な事業機会を検討し、事業化に至っております。
業績推移
これまでの業績推移です。2020年1月に持株会社体制に移行してから事業ポートフォリオの改善に着手し、一連の改革を終えると、2024年6月期からはコア事業を強化し、収益力の向上を目指してまいりました。
営業利益率は2014年6月期の0.4パーセントから、2015年6月期にマイナスとなり、そこから3パーセント、5パーセントと上昇し、2025年6月期は8.2パーセントになっています。営業利益が増加するとともに、収益性も向上してきたというのがこれまでの状況です。
連結業績サマリー
それでは、当第1四半期の決算説明に移ります。連結業績サマリーをご覧ください。売上高は54億33百万円で対前年同期比47.6パーセント増、営業利益は6億16百万円で同241.7パーセント増と、増収増益を達成しました。
増収により固定費の増加を吸収するとともに、主力のブランドコミュニケーション事業でアップセル施策が奏功し、収益性も向上しました。通期業績予想に対する営業利益の進捗率は32.4パーセントと、順調に推移しています。
また、第7回ストック・オプションの行使期間満了に伴い、新株予約権戻入益1億14百万円を特別利益に計上したため、四半期純利益が大きく伸長しました。
四半期別売上高推移
四半期別売上高の推移です。第1四半期の売上高は前年同期の約1.5倍となり、前年の第4四半期に続いて二桁増収を達成しました。ブランドコミュニケーション事業が業績を牽引し、同事業の商品企画・販促施策では大型の受注を獲得し、PRでは継続的な提案により受注が積み上がりました。
四半期別営業利益推移
四半期別営業利益の推移です。第1四半期の営業利益は、前年同期の3.4倍にあたる6億16百万円となりました。グラフを俯瞰して見ると、事業ポートフォリオの改善に着手した左側の時期より、コア事業を強化してきた右側の時期に営業利益が増加していることがお分かりになるかと思います。
なお、前年より賞与関連費用を計画段階で四半期ごとに平準化し、四半期の業績進捗を勘案して計上するよう変更しました。当年は前年と同条件下であるため、単純比較ができるようになっています。
セグメント別業績
セグメント別の業績です。当第1四半期は、全てのセグメントで増収増益を達成しました。なかでもブランドコミュニケーション事業は売上高45億17百万円、セグメント利益8億74百万円と、グループの業績拡大を牽引しています。
他のセグメントでも業績が回復し、フードブランディング事業では客単価の上昇とインバウンド需要による客数増加、ビジネスディベロップメント事業では主力事業との連携強化が奏功しました。
営業利益変動要因
営業利益の変動要因です。前年同期と比較して、営業利益は4億35百万円増加しました。3つのセグメント全てで改善ができましたが、特にブランドコミュニケーション事業でPR、商品企画・販促施策ともに効率が改善し、大幅に利益を改善しました。
連結財務諸表
連結財務諸表です。2025年9月末時点での資産合計は85億75百万円となりました。現金及び預金は、買掛金の支払いや有利子負債の返済により減少していますが、2024年9月末とほぼ同水準となっています。
利益剰余金は2億55百万円増加しましたが、純資産は29百万円の増加にとどまっております。これは先程ご説明しました通り、ストック・オプションの行使期間満了に伴う新株予約権の取崩しが1億14百万円、2025年9月末までの自己株式の取得総額が1億49百万円となったことによるものです。
2026年6月期連結営業利益目標達成プロセスと差異
次に、2026年6月期通期業績予想・配当予想について説明します。当社グループでは、2023年5月に公表しました中長期経営方針において、年平均20パーセント増益、連結営業利益20億円を目標に設定しておりましたが、2026年6月期の通期営業利益予想は19億円と若干下回っています。
この差異は、方針策定時に織り込まれていなかった固定費の増加(採用費用や本社・子会社のオフィス賃借料など)が主な要因です。
しかしながら、主力のブランドコミュニケーション事業を中心に着実に改善が進んでいます。また、前期の振り返りで課題としていた売上成長のスピードにつきましても、当第1四半期終了時点で改善基調にあることから、業績の持続に努めるとともに、次期成長戦略の検討も進めております。
2026年6月期 通期業績予想
2026年6月期の通期業績予想です。連結営業利益は19億円に設定し、中期方針期間の最終年度として収益力の向上を図ります。主力のブランドコミュニケーション事業では、概算で5.0パーセントの増収、営業利益率17.8パーセントを想定しており、引き続きグループの成長を牽引する見込みです。
人財投資については、これまでの採用強化や職場環境整備から、教育拡充や制度改定へシフトし、生産性の向上に取り組みます。
なお、当第1四半期の業績は順調に進捗しておりますが、現時点では通期業績予想を据え置いています。
自己株式の取得
自己株式の取得についてです。2025年8月、次期成長戦略を見据えた機動的な資本政策と株主還元の拡充を目的として自己株式の取得を発表し、2025年11月4日までに28万600株を取得して終了いたしました。取得総額は1億99百万円です。これを踏まえて、総還元性向は48.8パーセントを予想しています。
2026年6月期 配当予想
2026年6月期の配当予想です。親会社株主に帰属する当期純利益の増加を前提に、配当性向30パーセント以上を維持する方針です。1株当たり年間配当金は、前期より2円増配の24円(中間11円、期末13円)を予想しております。
従来と比べて、中間・期末配当金の均等化を図ることで、安定的な株主還元を目指しています。
なお、配当性向は、自己株式取得の影響を考慮し、31.1パーセントと予想しています。
ブランドコミュニケーション事業 業績推移
次に、各事業の状況について説明いたします。まず、ブランドコミュニケーション事業の状況です。PRでは、前年の第3四半期から増収が続いており、提案してきた案件の受注が積み上がりました。
加えて、アップセル施策の成果が得られたほか、中長期的に目指すマーケティング戦略支援、コンサルティングへ領域を広げた包括的なサービスの提供も徐々に手掛けており、単価が上昇しました。
商品企画・販促施策も大幅に伸長しました。商品企画ではIPコンテンツを活用した企画を提案し、グッズ制作までを手掛ける「Happyくじ」が好調に推移し、大手コンビニエンスストアなどで企画採用が進んだほか、販促施策では外食チェーンから大型案件を受注するなど、業績を押し上げました。
ブランドコミュニケーション事業 四半期別売上高
こちらは、ブランドコミュニケーション事業の四半期別売上高をPR、商品企画・販促施策に区分して表示したものです。当第1四半期は、PR、商品企画・販促施策とも伸長しています。
ブランドコミュニケーション事業 業種別売上構成【PR】
ブランドコミュニケーション事業のPRの業種別売上構成です。多種多様な業種に対応しておりますが、特にこれまで実績を積み重ねてきた「コスメ・ファッション」「商業施設・ホテル」「スポーツ」「食品・飲料」の領域が大きく伸長しました。
食品やコスメでは、包括的なサービスを提供するマーケティング戦略支援を受注したほか、ファッションでは、前年にオフィスを拡張移転した子会社のステディスタディが好調に推移しました。さらに、世界的なイベント開催が追い風となり、大阪・関西万博関連のPRも業績に寄与しました。
ブランドコミュニケーション事業 ハイライト【商品企画「Happyくじ」】
ブランドコミュニケーション事業のハイライトとして、商品企画「Happyくじ」を紹介いたします。「Happyくじ」は、人気キャラクターのオリジナルグッズが必ず当たる企画で、2012年6月より展開しています。
サニーサイドアップが企画販売元となり、これからヒットしそうなコンテンツを発掘し、版権元と共同で企画し、販売先へ提案し、グッズ制作を手掛けております。主な販売先はコンビニエンスストアなどです。
市場規模を算出することが難しいのですが、コロナ禍を経て市場が拡大しており、近年は企画規模も大型化しています。「Happyくじ」の場合、5年平均の売上成長率は35.3パーセント、3年平均でも16.9パーセントと高く、業績に大きく貢献しています。
フードブランディング事業 業績推移
フードブランディング事業の業績推移です。当第1四半期は増収増益を達成しました。「bills」は、年2回のメニュー改編効果もあり、客単価が高水準で推移したほか、好調なインバウンド需要を背景に客数も増加しました。特に大阪店は、大阪・関西万博の影響もあり、2割増収を達成しています。
同事業では、これまで培ったブランディングに関する知見・ノウハウを活かし、韓国で日本食(味噌煮込みうどん)のFC展開に着手し、2025年9月に出店するなど、新たなブランディングにも取り組みました。
ビジネスディベロップメント事業 業績推移
ビジネスディベロップメント事業の業績推移です。グループの事業を拡充する位置づけから、ブランドコミュニケーション事業との連携強化を進めております。当第1四半期は、女性活躍推進や環境関連のコンサルティング受注が寄与し、増収増益となりました。
【従来】PR会社の一般的な収益モデル
次に、中期成長戦略の進捗について説明します。こちらでは、PR会社の一般的な収益モデルを示しています。PR会社は、クライアントの広告宣伝費からフィーをいただき、プレスリリースの作成・配信、記者発表会・イベントの開催、SNS戦略の策定などを担当します。一般に、商品開発や施設開業など、企業活動が活発化すると、コミュニケーションに係るニーズが発生します。
なお、クライアント側の担当として、広報部門に加えてマーケティング部門と一緒に仕事をすることが多くなってきました。これは、PRからマーケティング戦略支援、コンサルティングへ領域を広げた包括的なサービス提供を目指し、クライアントとの関係性構築を図ってきたことも影響しています。
中長期の事業成長イメージ
中長期の事業成長イメージです。当社グループの事業はPRを基軸としておりますが、PR市場だけで仕事をしているわけではありません。当社グループには、クムナムエンターテインメントのように、キャスティングやコマーシャル制作など、広告代理店の機能を持つ企業もあります。
中長期的にはPRから遡って、マーケティング戦略策定やコンサルティングまで領域を拡大し、より規模の大きな市場を対象に事業展開したいと考えています。そのために、マーケティングの知見があり、発注側の責任者としての経験を持つ人財をサニーサイドアップの社長に登用したほか、専門人財も積極的に採用しています。
中期方針期間 成長ターゲット
中期方針期間の成長ターゲットです。中長期経営方針の策定時、2026年6月期の連結営業利益目標を20億円、主力のブランドコミュニケーション事業の3年間平均の売上成長率を13パーセント増、営業利益率を16パーセント程度に設定しました。なお、当期営業利益予想は19億円と若干の乖離がありますが、これは主に方針策定時に想定していなかった固定費の増加が影響しています。
ただし、当第1四半期におけるブランドコミュニケーション事業は、売上高が対前年同期比で59.3パーセント増加、営業利益率が19.4パーセントと、売上成長と収益性向上の双方が順調に進捗しています。特に、当社グループの課題であった売上高の成長スピードが改善していることをお示しできているかと思います。
成長への戦略投資
成長に向けた戦略投資です。2023年6月期までの3年間で創出した営業利益の6割にあたる15億円を戦略投資枠として設定し、テクノロジー投資、人財投資、DX業務投資を行うことを計画しました。
想定していた投資額のバランスとは異なりますが、現在まで人財投資に重点的に配分しています。また、人財投資の内容も変化しており、前年までは採用や職場環境整備に注力していましたが、当年は組織力の強化に向けて、教育や制度改定を中心に進めています。
クライアントとの関係性とサービスの方向性
クライアントとの関係性とサービスの方向性についてです。ブランドコミュニケーション事業の中核を担うサニーサイドアップは、経営体制変更と子会社3社間の吸収合併を経て、従来の活動を見直し、より包括的な提案ができるよう、クライアントとの関係性構築に取り組んでいます。
2024年6月期は低採算案件の整理や稼働体制の見直しを中心に、2025年6月期はアップセル施策やグループ共同提案を中心に行ってきました。当年はアップセル施策をさらに進めるとともに、徐々に広がってきたマーケティング戦略支援の受注に向けた体制を強化します。
人財投資の加速と生産性の向上
最後に、人財投資の加速と生産性の向上についてです。この数年で新卒・専門人財の採用を積極的に進めた結果、ブランドコミュニケーション事業を中心に人員体制が整い、入社年次の若いスタッフが増えてまいりました。
特にサニーサイドアップでは、入社後にメディアリレーションを担当し、営業職に移行することが多いため、若手スタッフを対象とした営業職移行者育成プログラムを進めています。これらの取組みが事業全体に波及し、1人当たりの営業利益の改善に繋がることを期待しています。
以上で説明を終わらせていただきます。当第1四半期の業績は好調に推移しておりますので、この業績を持続するとともに、中長期的な成長を視野に入れた展開についても検討を進めてまいります。今後とも当社グループに変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
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