INDEX

新田裕二氏:SANEI株式会社2026年3月期第1四半期決算説明資料をご覧いただき、誠にありがとうございます。常務取締役執行役員コーポレート本部長の新田です。

当社の決算内容ならびに当社について、よりご理解を深めていただきたく書き起こしとしてまとめました。事業概要、業績サマリー、TOPICS、今後の取組み、企業情報の順にご説明します。

事業概要 BRAND PORTFOLIO

まずは当社の事業概要からご説明します。

はじめに当社のブランドポートフォリオをご説明します。当社の水まわりブランドは大きく5つに分類できます。

「VERSE(ヴァース)」は昨年立ち上げた新しいブランドです。品位、デザイン、質感など徹底的にこだわったフラッグシップモデルです。現在「grooglo(グルーグロ)」と「Grazioso(グラツィオーソ)」シリーズの2ラインナップがあります。

「sAnei(サネイ)」は著名なデザイナーとのコラボレーションによって生まれたコレクションモデルです。

「SANEI」はオリジナル製品をはじめとして多種多様な製品に使用する基本となるブランドです。

「WAILEA(ワイレア)」はオリジナルキッチンや洗面の設計、家具やアメニティを販売するショップとショールームを兼ねたブランドです。

「Flusso(フルッソ)」はバスルームに「極上のリラクゼーション」をコンセプトとした高級バスタブのブランドです。

事業概要 NEW PRODUCTS About VERSE

新しいブランド「VERSE」についてご説明します。

「VERSE」とは音楽用語で曲の導入部分や、物語で例えるなら序章にあたる部分です。私たちがつくる水栓は、単なる機能的な道具ではなく空間の美しさを引き立てる大切なインテリアのひとつと考えています。

中でも「VERSE」は最上位のブランドとして品位、デザイン、質感など徹底的にこだわり、永くお使いいただけるよう、一つひとつ丁寧に作り上げています。
https://www.verse.luxe/

事業概要 「grooglo」「Grazioso」

「VERSE」ブランドには現在2つのシリーズがあります。

「grooglo」は、大空間にも調和しながら、しっかりとした存在感を放つデザインが特長です。シンプルでありながら、エレガントで、空間全体に洗練された印象をもたらします。美しく、細部まで丁寧に仕上げられたライン形状が、上質さを際立たせています。優れたデザインを求める方々に向けて、暮らしをより豊かで幸福なものへと導く製品をご提供します。

「Grazioso」は、建築空間に美しく調和し、日常に心地よさと愛着をもたらします。その名称は、音楽用語で「優雅さ」「気品」「愛らしさ」を意味し、日常に豊かな響きが広がるようにという想いが込められています。シンプルでありながらも優雅なデザインは、日々の生活を上質で心地よいものへと導きます。

事業概要 sAnei DESIGN COLLECTION

次に「sAnei」デザインコレクションをご紹介します。国内外で活躍するデザイナーとのコラボレーションから生まれた製品です。

「WAILEA」デザインは、インハウスのデザイナーが、人と水のよりよい関係を追求した製品です。

当社ホームページにも、「sAnei PRODUCT」ページがございますので、ぜひご覧ください。

事業概要 主な取扱製品

当社の主な取扱製品についてご説明します。

当社は近年、水まわりすべてに幅広く対応するため、「面」の展開を行っています。主力の水栓に加えて、宅内の配管や雨水利用システム、多種多様な洗面ボウル、新領域の予洗い水栓「プレパシュ+(プラス)」などラインナップを拡充しています。

事業概要 SANEI CHRONICLE

当社の創業からのあゆみと事業の展開についてご説明します。

1954年の創業以来、水栓金具やシャワーヘッドなどを単体で販売していました。この時代を、我々は「点」の時代と考えています。

1980年頃から、水道メーターから蛇口まで、水道インフラ全体をカバーするものづくりを推進してきました。水栓から配管まで販売してきたこの時期を、我々は「線」の時代と考えています。

2018年頃からは、水まわりに対して機能性・安全性だけでなく、リラクゼーションを感じていただくため、水まわり空間全体をトータルにカバーする「面」の提案をしています。

また、企業ドメインの拡大と、グローバルへの展開に伴い社名を「三栄水栓製作所」から「SANEI」に変更しました。

事業概要 SANEI CHRONICLE

近年では、2019年国内初の音声認識システムを搭載した水栓「AQUVOI(アクボイ)」を開発しました。

2020年に女子ワーキンググループを発足し、女性の洗面での使い心地を追求した「KOKOE(ココエ)」を開発しました。

2020年に、東京証券取引市場第二部(現スタンダード市場)に上場しました。

2024年に、「soroe」シリーズが世界三大デザイン賞といわれる「レッド・ドット・デザイン賞」と「iFデザインアワード」をW受賞しました。「レッド・ドット・デザイン賞」では最高賞の「best of best」にも選ばれました。

2024年には、さらなる生産性向上を目指して岐阜に第1工場を建設し、社員食堂も併設しました。今期は岐阜第2工場を着工しています。

事業概要 SHOWROOMS

次にショールームをご紹介します。

「WAILEA」は水まわりをより上質な空間にする水栓や家具、アメニティなど豊富に取り揃えています。表参道ショールームに加え、2023年に御堂筋ショールームを新たにオープンしました。

「Flusso」はバスルームを極上のリラクゼーション空間にするバスタブブランドです。バスルームをもっと自由で感性豊かな空間へと導きます。スライド右側は青山ショールームです。

業績サマリー

2026年3月期第1四半期の業績についてご説明します。

第1四半期は前年同期と比較して、売上高は3億2,300万円の増収となりました。宿泊施設などの需要が増加し、マットブラック色などの加飾水栓や、新製品の「プレパシュ+」など、高付加価値製品の売上が好調でした。

一方、利益に関しては減益となりました。昨年から取り組んできました大阪・関西万博関連の費用と、昨年竣工しました岐阜工場(第1工場)に関するプロモーション活動費などが減益の要因です。これらの多くは一時的な支出であり、第2四半期では改善する予定です。

引き続き目標達成に向け、全社一丸となり全力で取り組んでいきます。

TOPICS 「Grazioso」がreddotとiFデザインアワード2025ダブル受賞

続いてTOPICSをいくつかご紹介します。

「VERSE」ブランドの「Grazioso」シリーズが2025年「レッド・ドット・デザイン賞」において、最高賞である「best of best」を受賞しました。

「レッド・ドット・デザイン賞」は1955年にドイツで設立された世界的権威のある国際的なデザイン賞です。昨年の「soroe」シリーズに続き、2年連続で「best of best」を受賞しました。

また、同じくドイツの「iFデザインアワード」も同時に受賞しました。

TOPICS「grooglo」がiFデザインアワード2025を受賞

「VERSE」ブランドの「grooglo」シリーズが「iFデザインアワード 2025」を受賞しました。

TOPICS 2025 NEW PRODUCTS

2025年の新製品をご紹介します。

置きバス用の水栓「ST-OLE(ストーレ)」は、ローレット仕上げのハンドルをもちい、高級オーディオのようなクリックタッチを実現しました。

「IENI(イエニ)」はデザインも機能もシンプルで使いやすく、心地よいをコンセプトにした水栓です。

簡単にコップなどの内側をすすぎ洗いができる「PrePashu+(プレパシュ+)」にマットブラックとネロ色を新たに追加しました。

「PRIZM(プリズム)」はエクステリアライトや屋外コンセントを取り付けた水栓柱です。

TOPICS 大阪・関西万博2025への取組みページを公開しました。

2025年4月から開催された大阪・関西万博の「会場整備参加」にブロンズパートナーとして協賛しています。手洗い施設などに水栓を提供し、水まわりから万博を支えています。

これらを広く知っていただくために特設サイトを作成しました。建築家の方々が設計した多種多様な水まわり施設はどれも個性的です。万博を訪れる際はパビリオンとともに注目していただきたいポイントのひとつです。

TOPICS 「Kitchen & Bath China 2025」に出展いたしました。

2025年5月27日から30日まで上海で開催された「Kitchen & Bath China 2025」に出展しました。

「soroe」や「YORI SUTTO」の加飾バリエーションも多数展示し、来場されたみなさまからご好評いただきました。

TOPICS メディア情報

次にメディア情報についてご紹介します。

ビジネスメディア「PIVOT」にて当社の代表取締役社長西岡のインタビュー動画が配信されました。万博の取組みや水まわりについて語っています。ぜひご覧ください。

TOPICS メディア情報

経済・金融情報サイトである「ZUU online」に当社代表取締役社長西岡の記事が掲載されました。

タイトルは「『点・線・面』の進化で業界をリード!SANEIが描く水回りビジネスの未来」です。「創業時から上場までの事業変遷」などが掲載されています。

今後の取組み 継続的な株主価値向上に向けて

次に継続的な株主価値向上に向けての取り組みについてご説明します。

銅価格やエネルギーコストの高止まりが続く中、適正な価格改定を継続的に実施し、収益性の向上に取り組んでいます。また、インバウンド需要の回復に合わせて、宿泊施設や飲食店への高付加価値製品の提案を強化するとともに、メディアへの露出を通じて当社ブランドの認知度と企業価値の向上に努めています。

引き続きPBR1.0倍に向けて取り組んでいきます。

今後の取組み 困難な状況下においても着実に成長を維持

近年の困難な状況下においても着実に成長を維持しています。

米国の貿易政策、ウクライナ情勢や中東地域の地政学的リスク、国内の政治情勢など、先行きの不透明感が継続しています。一方、エネルギーや原材料価格の高止まりなどについても注視が必要です。

このような環境下ではありますが、さらなる生産性向上のため、岐阜に新工場を建設しました。新規市場の開拓やお客さまのニーズを的確に捉えた新製品をお届けし、売上と企業価値向上に努めていきます。

※2026年3月期以降は現在の市場動向に基づく予想です。保証するものではありません。

今後の取組み 販売ルートと成長戦略

販売ルートと成長戦略についてご説明します。

管工機材ルートは商社を通した水道工事業者への製品の販売や、設計事務所への製品提案などを行っています。

リテールルートは量販店の売り場作りやネット通販への販売を行っています。

メーカールートは住設機器メーカーへの製品供給を主に行っています。

海外ルートはアジア地域や北米を中心に販売を行っています。

それぞれの成長戦略については表にあるとおりです。

今後の取組み CSR活動

CSR活動についてご報告します。

当社の「SDGs宣言」については以下のとおりです。

『SANEIは、1954年の創業以来「人類ある限り水は必要である」を理念とし、地球に生きる一員としての自覚を持ち、企業活動に取り組んできました。私たちは、国連において採択された「持続可能な2030年までの開発目標(SDGs)」を企業行動・経営戦略につなげ、持続可能な社会の実現に貢献いたします。』

詳しくは当社ホームページをご覧ください。

今後の取組み 年間配当金と配当性向

最後に年間配当金と配当性向についてご説明します。

2026年3月期の配当については、年間64円(前期比4円増)を予定しており、これにより10期連続の増配となる見込みです。

当社は、将来にわたり安定的かつ持続可能な株主還元を実現するため、「累進配当方針」を採用しています。今後も、長期的な視点に立った企業成長とともに、継続的な増配の実現を目指していきます。