エグゼクティブサマリー
大西洋平氏:株式会社I-ne代表取締役社長の大西です。これより2025年12月期第1四半期の決算説明資料に基づき、決算情報についてご説明します。
エグゼクティブサマリーです。今期の業績について、第1四半期連結売上高は前年同期比プラス22.4パーセント増収の111億1,000万円、連結営業利益は前年同期比プラス41.3パーセント増益の9億円、連結EBITDAは前年同期比プラス83.2パーセント増益の13億1,000万円と、大幅な増収増益を記録しました。
売上高においては「YOLU」の定番品リニューアルの初回セルインが奏功したことや、スキンケア他カテゴリーの著しい成長が増収に貢献し、おおむね計画どおりの着地となりました。
利益面においては、昨年M&Aを実施したトゥヴェール社の貢献や、美容家電カテゴリーにおける利益率改善等により、計画比で好調なスタートとなりました。また、昨年10月に実施した2件のM&AのPMIについては、両社ともに想定スケジュールどおりに進捗しています。
なお、いわゆるトランプ関税の導入を契機としたマクロ環境の変化に対する見解ですが、当社の主力マーケットは日本国内であることや、足元の円高傾向はコスト面で追い風となることから、当社の業績へのネガティブインパクトは限定的だと考えています。
連結売上高、連結EBITDA、連結営業利益
連結業績のハイライトからご報告します。2025年第1四半期連結の売上高、EBITDA、営業利益です。連結売上高は111億1,000万円となり、前年同期比でプラス22.4パーセントの増収となりました。
連結EBITDAは13億1,000万円となり、前年同期比でプラス83.2パーセント、また連結営業利益は9億円となり、前年同期比でプラス41.3パーセントと、大幅な増益となりました。
カテゴリー別売上高
各カテゴリーの詳細な状況についてご説明します。カテゴリー別の売上高ですが、ヘアケア系カテゴリーは前年同期比プラス3.1パーセント、美容家電カテゴリーは前年同期比プラス3.9パーセントと、ともに堅調な成長を継続しています。
また、スキンケア他カテゴリーは、前年同期の4億2,000万円から17億4,000万円の増収となり、前年同期比プラス410.9パーセントという非常に高い成長率を実現しました。昨年10月にM&Aを実施したトゥヴェール社の連結影響のほか、トゥヴェール社を除いたその他ブランドでも前年同期比プラス102.5パーセントと、複数のブランドで大幅に伸長しました。
コスト構造
コスト構造です。粗利率の高いスキンケア他カテゴリーの伸長や、OEMパートナーとの原価削減に向けた継続的な取り組み、2024年度に取得したArtemis社を通じた商流への変更による中間マージンの削減により、売上原価率は前年同期比でマイナス2.7ポイントと大幅に改善しました。
Artemis社経由の商流実現による中間マージン削減について、当初は今期の第2四半期からの効果を見込んでいましたが、一部、第1四半期から実現しています。
物流費率に関しては、3PLパートナーと連携した配送効率化等により、0.5ポイントの削減を果たし、原価率と物流費率を合わせて合計3.2ポイントの良化となりました。
減価償却費では、昨年第4四半期に実施したM&Aに関わるのれん及び無形固定資産償却費用の計上により、減価償却費率は前年同期比で2.8ポイントの増加となりましたが、EBITDAマージンは昨年同期比プラス3.9ポイントの11.8パーセントと大幅な上昇を実現しました。
M&Aに伴うのれん・無形固定資産の計上
2024年10月末に実施した、2件のM&Aに伴うのれんや償却費等の計上については、前回2024年度通期決算時点でPPA評価が完了しておらず、概算値で発表していました。
このたびArtemis社の評価が完了したことに伴い、2024年12月期第4四半期及び通期の決算数値の遡及修正を実施しています。なお、本評価に伴う今期の通期業績予想への影響は軽微です。
トゥヴェール社のPPA評価については、第2四半期決算発表時に確定予定であり、完了次第、必要な会計処理を行います。
業績予想に対する進捗
2025年度通期の業績予想に対する進捗です。当社の決算における業績は、卸先であるドラッグストア業界の棚割時期の関係や各販路での年末セール、消費者需要の影響で下期偏重の傾向があります。その中で第1四半期の売上高はおおむね計画どおりであり、各種利益は好調な滑り出しとなっています。
通期業績予想に関しては、第2四半期における広告費等の投資費用への配分を鑑み、現時点では、期初予想からの変更なしの据え置きとしています。
ヘアケア系カテゴリーの進捗
各カテゴリーの進捗をご報告します。ヘアケア系カテゴリーの第1四半期売上高は63.7億円、前年同期比プラス3.1パーセントの増収と、堅調な成長軌道を維持しています。また、グローバルを除いた国内売上高は、前年同期比プラス5.9パーセントと好調に推移しています。
「YOLU」は、昨年第2四半期から第3四半期にかけて発売開始したボディカテゴリーの商品が引き続き好調であることに加え、4月発売開始のヘアケアリニューアル品の初回セルインが増収に貢献し、前年同期比プラス18パーセントと大幅に成長しました。
「BOTANIST」は、1月にブランド発売10周年を迎え、累計販売個数は1.9億個を突破しました。第1四半期に関しては、中国市場からの撤退などの影響により、前年同期比では減少となりましたが、POSではサブライン「ROOTH」の前年同期比がプラス82.1パーセントと、昨年のリニューアルを経て著しく成長を遂げています。
引き続き、主要ブランドの成長に向けた施策や新ブランドのローンチを行うとともに、オンライン・オフラインでの積極的なマーケティング施策を実施していきます。
美容家電カテゴリーの進捗
美容家電カテゴリーの第1四半期売上高は、中高価格帯商品が前年同期比プラス82.1パーセントと大幅に成長し、カテゴリー全体では前年同期比プラス3.9パーセントの増収となりました。
また、戦略的な売上構成比シフトにより、中高価格帯商品と定番品との割合は、前年同期比で約2:8から4:6に推移し、これにより収益構造の改善も進んでいます。
製品別では、「EMSリフトブラシ」が引き続き好調で、前年同期比プラス38.1パーセントと増収に貢献したほか、「スムースシャインドライヤー」は前年同期比プラス11.3パーセントを記録し、2月に新色のピンクをラインナップに追加しました。
今後も引き続き、既存商品の成長及び新商品の拡充によるさらなる増収を目指し、マーケティング施策等に注力していきます。
スキンケア他カテゴリーの進捗
スキンケア他カテゴリーの第1四半期売上高は21億6,000万円、前年同期比プラス410.9パーセントと著しい成長を実現しました。
M&Aによりグループジョインした「TOUT VERT」の貢献のほか、その他の複数ブランドも好調に推移し、「TOUT VERT」を除いたブランドの前年同期比もプラス102.5パーセントと大幅に成長しました。
「WrinkFade」は新規獲得の好調やモールの伸長により、前年同期比プラス44.8パーセントと、大幅成長を記録しました。「SKN REMED」は前四半期比プラス5.5パーセントと、昨年第2四半期の発売以来、4期連続での成長を記録しました。
2月に発売開始した新ブランドの再生柔軟剤「ReWEAR」は、ECでのテスト販売が好調であり、ドラッグストアなどへのオフライン配荷を開始し、拡販に成功しました。
PMIの進捗
昨年10月に実施したM&A2件のPMI進捗状況です。トゥヴェール社、Artemis社の両社ともに順調な進捗です。
トゥヴェール社では、足元の注文状況に対応するオペレーションや物流面の改善を行い、しっかりとお客さまへ配送できる体制構築に取り組みました。また、自社サイトや楽天以外のモール展開にも取り組み、売上拡大に取り組んでいます。
M&A前と後での1月から3月の3ヶ月間売上比較で、プラス31.8パーセントの大幅な売上成長を実現しました。
Artemis社に関しては、中間マージンの削減による粗利率の改善が2025年3月から効果が発生しました。3月単月にて、従前比較で6ポイントの粗利率改善となりました。
両案件ともに、第2四半期以降も当社との連携を活用したシナジー施策に取り組み、より事業成長に注力していきます。
1Q 新商品(一部抜粋)
第1四半期に発売した新商品及び新ブランドの一部です。既出のスライドで紹介していないブランドについてご説明します。
スライド右上の「Teaflex」は、睡眠の質の向上やBMIが高めの方の内臓脂肪の減少を助ける機能性ティーブランドです。2月の発売以来、インフルエンサー施策等が好調で、わずか1ヶ月で上期分の社内予算を超える進捗となっています。現時点ではECのみのテスト販売段階となっていますが、今後オフライン配荷にスケールできるように取り組んでいきます。
スライド右下は目薬の「Tearal」です。「Tearal」は、2023年にI-ne初の医薬品としてテスト発売を開始し、その後、全国のドラッグストアに拡大、販売を果たすなど順調に推移しました。今年3月に新商品として新たな2SKUを追加し、第1四半期の前年同期比はプラス556.5パーセントと驚異的な伸び率を記録しました。
今後も強みを活かした新商品開発と効果的なマーケティング戦略の展開に注力し、各カテゴリーでのさらなる成長と企業価値の向上を目指します。
Social Beauty Project(サステナビリティの取り組み)
サステナビリティの取り組みについて、一部抜粋してご紹介します。ブランド・商品・企業活動を通じて社会・地球に貢献するための取り組みをまとめた「Social Beauty Project」のページをI-neコーポレートサイト上に開設しました。
本サイトを活用し、生活者のみなさまとともに社会課題を考えるきっかけとなる施策やメッセージを発信していきます。
CFP(カーボンフットプリント)については環境省のモデル事業に選出され、「BOTANIST」の一部製品を対象とし、OEMとともにバリューチェーン全体のCO2排出量の算定を報告しました。
今後も、環境により配慮した製品開発と情報発信に努めるとともに、業界全体でのCFPへの取り組み促進と認知度向上を目指します。
今後も継続して社会貢献につながる活動を実施していきます。以上、2025年12月期第1四半期の決算発表となります。
質疑応答:第1四半期の営業利益上振れの要因について
「第1四半期の営業利益について、予算比で上振れになりましたか? また、上振れた場合の要因は何ですか?」というご質問です。
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