2025年3月期決算説明

近藤繁氏:株式会社ココペリ代表取締役CEOの近藤です。本日は、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。それではさっそく始めたいと思います。

本日はご覧のアジェンダで進めていきたいと思います。

ハイライト

ハイライトです。おかげさまで2025年3月期の連結売上高は過去最高を更新することができました。

その他、連結売上高、営業利益、経常利益、EBITDAはすべて2度の上方修正を行い、上方修正後の業績予想も達成することができました。

利益面では、EBITDAは前年比プラス100パーセント、営業利益は前年比プラス483.8パーセントと大幅に増加することができました。こちらは、売上高の増加に加えて、AIを積極的に活用することによって、業務の効率化等を実施し、開発コストの大幅削減も実現した結果です。

さらに、「Big Advance」のビジネスマッチング件数については、再び上昇傾向への流れを作ることができました。

加えて、2025年3月期はいくつかの新サービスを開発し、リリースまで持っていくことができました。具体的にはビジネスマッチング管理サービス「BMポータル」、AIを活用したFAQサービス「SAF」をリリースしました。

現在、ビックプロジェクトである「BIG ADVANCE GLOBAL」は6月のリリースを目指し、開発を進めています。

決算ハイライト

決算ハイライトです。2025年3月期の連結売上高は20億700万円で、前期比プラス10.2パーセント、EBITDAは4億円で、前期比プラス100.2パーセントでした。

営業利益は1億9,700万円で前期比プラス483.8パーセントになっています。

「Big Advance」の主要KPIについては、導入金融機関数が78社、会員企業数が6万172社、総ユーザー数が22万1,518人、平均チャーンレートが1.35パーセントです。

会社概要

あらためて、会社概要と事業概要を簡単にご説明します。当社の事業内容はビジネスプラットフォーム事業ということで、中小企業向けの経営支援プラットフォームのBig Advance事業と、DX Solutions事業の2つを展開しています。

グループ会社は、補助金コンサル会社であるココペリ経営サポート社と、IT会社であり、自社プロダクトを持つ、キー・ポイント社の2社があります。

Mission

ミッションは「企業価値の中に、未来を見つける。」です。金融機関とパートナーシップを組んで、共に日本全国の企業が織りなす可能性に伴走することを実現すべく、さまざまな事業展開を積極的に行っています。

サービス概要

サービス概要です。中小企業の成長と地方創生を支援するBtoBのSaaSモデルが中心です。2025年3月期は金融機関向けのDX SaaSサービスや、生成AIを活用したサービスも拡充することができました。

スライド上に「NEW」と書いてあるところは、2025年3月期に新たに加わったサービスです。Big Advance事業では「BIG ADVANCE GLOBAL」とビジネスマッチング管理の「BMポータル」があります。DX Solutions事業では専門性AIのFAQ「SAF(サフ)」を新たにサービスラインナップに加えることができました。

これらは、今期積極的に展開をしていきたいと考えています。

背景:中小企業の課題と現状

中小企業の課題と現状です。日本国内において全企業のうち99.7パーセントは中小企業です。

やはり課題は、労働生産性があまり高くないことです。我々はテクノロジーを活用し、中小企業の生産性を上げることで、日本経済にプラスの影響を与えたいと考えています。

背景:地域金融機関の現状と課題

我々のパートナーである、金融機関の現状と課題についてです。地域経済の中心的な存在は、やはり地域の金融機関です。

最近の流れを見ると、コロナ禍によって、一時的に企業の資金需要が拡大し、金融機関は融資を増やしていきました。しかし、コロナ禍後は企業の資金需要も一部落ち着いてきています。

そのため金融機関は、より企業の本業支援をすることで資金需要を作っていく必要があります。また、金融機関自身も、業務の効率化やDXには課題感があるため、そのあたりも、我々がサービスを提供して、価値を届けていければと考えています。

「Big Advance」の概要

「Big Advance」の概要になります。こちらは、金融機関の取引先企業である中小企業にサービスを届けるビジネスモデルです。直接ではなく、パートナーである金融機関を介して、中小企業に「Big Advance」を届けています。

「Big Advance」の特徴としては、中小企業にはさまざまな経営課題がありますので、多くの課題を解決していく多機能という部分と、低価格です。

我々は中小企業のインフラとなるべく、このサービスの拡充拡大を今後も図っていきたいと思っています。

「Big Advance」の仕組み

「Big Advance」にはさまざまな機能がありますが、中でも利用している中小企業からの期待が高いのは、ビジネスマッチング機能です。

「Big Advance」のビジネスモデルは、金融機関の取引先である中小企業を介してサービスを提供するものですが、例えばA銀行のお客さまとB信金のお客さまが「Big Advance」上ではそれぞれの金融機関の枠を超えてつながることができます。我々は、パートナーの金融機関と中小企業の独自のネットワーク構築を支援していることになります。

多くのユーザー接点を保有するプラットフォーム

「Big Advance」は中小企業のオーナーである経営者だけではなく、従業員の方もそれぞれアカウントを持って「Big Advance」を使うことができます。システムとユーザーの接点を多く作ることができるのも特徴の1つだと思います。

金融機関にて社内の問い合わせ業務に対する専門性AI FAQ(SAF)

2025年3月期から新たなサービスラインナップに加えたのがAIを活用したFAQの「SAF」です。昨年から開発を開始し、今年1月にサービスインしました。

このサービスは、金融機関のDXという観点で作られたサービスです。金融機関の中には規定やマニュアル等、本当に多くのメディアや通達があります。通常、金融機関の職員が答えていたものを、FAQでチャットボットに質問するとマニュアルに沿った回答をしてくれるサービスです。

ファイル送受信·共有サービス「GrpMail」「WebFile」

グループ会社のキー・ポイント社が提供する「GrpMail(グループメール)」「WebFile」というサービスについてです。「GrpMail」は1つのメールアドレスを複数で使うメール共有管理システム、「WebFile」はファイルを一括で送ったりできるファイル送受信・共有システムです。

これまで2,000社以上の企業に提供をしてきたサービスですが、ココペリグループに入ったことで、セキュリティーをより強化した環境を新たに開発し、金融機関に向けて提供を開始しました。

生成AIを活用した「Big Advance」の進化

今期の主要トピックスです。我々は生成AIもかなり活用をしています。

具体的には、「Big Advance」の中でも、生成AIを使った多くの機能をすでに実装しました。例えば、ホームページを簡単に作ることができる機能で文言を自動生成したり、ビジネスマッチング機能で商談ニーズを自動で書いたり、マッチング候補先を見つけて提示するなど、さまざまなところで生成AIを活用しています。

Big Advanceの導入の効果①~ビジネスマッチング~

主要機能の1つであるビジネスマッチング機能も、グラフは2021年からですが、ご覧のとおり、コロナ禍でオンライン商談がぐっと伸びて、活用が増えてきました。

その後、コロナ禍が落ち着いた時に、いったん商談件数も減ったのですが、この1年、このビジネスマッチング機能の改善等に取り組んできました。その結果、また商談件数を再び増加傾向にできたのは非常に大きいと思っています。

やはりオンライン商談はコロナ禍がきっかけですが、本質的に非常に便利でスピード感もあるため、習慣づいてきたというところも大きなことかと思います。累計商談依頼件数も20万件を突破することができました。今後も主要機能の1つであるビジネスマッチングを伸ばしていきたいと考えています。

Big Advanceの導入の効果②~ホームページ作成~

ホームページの作成機能も、約1万5,000社の企業にご利用いただいています。こちらも、中小企業のDXという意味では、かなり効果的なDX施策の1つであるため、より多くの企業に使っていただけるように改善を繰り返していきたいと考えています。

Big Advanceの導入の効果③ ~福利厚生「Fukuri」~

新たな取り組みについてです。「Big Advance」の中に中小企業の従業員の方が使える福利厚生プログラム「Fukuri」という機能があります。お得なクーポンが使える機能ですが、こちらをリロクラブ社と提携しました。

その結果、使えるクーポンを一気に1万店舗以上に増やすことができました。中小企業の従業員の福利厚生として、お得なクーポンを幅広く全国で使えるようになったことになります。同時に、UI、UXも大きく改善しています。

2年間で積み重ねた生成AI活用の進化と加速

AIの活用については、我々も検証したい、実装したいと考えて、この2年間はかなり多くの積み重ねを進めてきました。

当初は「ChatGPT」が登場した時にいち早く、「本当に使えるのか」という社内検証を開始し、生成AIを使った機能を「Big Advance」上に実装したり、Amazon Web Servicesと一緒に生成AIの活用のモデルを作ったりもしました。

今回、新たにサービスラインナップに加えた金融機関系のFAQ「SAF」も、生成AIの活用の1つです。

今後も、生成AIは積極的に使っていきたいと考えています。

Big AdvanceにおけるAIエージェント構想

「Big Advance」もさらに生成AIを活用していく意味で、AIエージェント構想を立ち上げました。これまでは、ホームページの文章を自動で生成したり、ビジネスマッチングの相手先を見つけたりというところまででした。

このAIエージェント構想では、例えば中小企業の経営者が「新しい取引先を開拓したい」というボタンを押すと、AIエージェントが自動でビジネスマッチングの商談を依頼したり、ホームページ上でもっと売上が伸びるような文言に修正したり、あるいは「Big Advance」の中に補助金情報もありますが、販路拡大に使えるような補助金を自動で見つけてきたり等、よりAIが自律的に動いて、経営者に伴走するところまで、「Big Advance」を進化させていきたいと考えています。

AI活用や自動化がもたらす開発コスト削減効果

その他、AI活用や自動化というところで、開発コストもかなり削減できています。開発工数では20パーセント以上の削減、テスト工数では60パーセント以上の削減を実現しているため、利益率の改善という意味で大きな意味を成していまます。

SAF:近畿地方の金融機関へ導入

先ほどお話しした「SAF」の利用イメージです。近畿地方の金融機関に今年1月から本格導入を開始しています。

1,000件以上の規定通達を学習させ、推量からの回答が実現できています。導入3ヶ月で約1,000件以上の職員からの質問に対する回答で利用されていて、約80時間の時間削減を実現し、かなり有効に使われています。

このように、1つの金融機関に導入開始できましたので、我々の金融機関のネットワークを活かしながら、さらに横展開していきたいと考えています。

法人ポータルサイト:肥後銀行でサービス開始

今年2月に肥後銀行の法人ポータルサイト「肥銀ビジネスポータル」を新たにリリースします。こちらは、例えば、経営支援情報が見えたり、資金管理サービスとして残高照会や入出金明細照会ができたり、支店に行く時の来店予約もできます。

また、「Big Advance」との連携など、法人企業がまずその金融機関のサービスを使った時の入口を開発して、提供を開始しています。

「GrpMail」「WebFile」:徳島大正銀行へサービス導入

グループ会社であるキー・ポイント社の提供する「GrpMail」「WebFile」をこれまで多くの企業に提供してきましたが、グループジョインしたことで、新たに金融業界への展開を開始することができました。

具体的には、徳島大正銀行がご利用を開始しています。今後も金融機関のDXとして、幅広く提供していきたいと考えています。

BMポータル:京都銀行でサービス開始

「BMポータル」は金融機関のビジネスマッチング業務を管理するサービスです。「Big Advance」は企業同士のマッチングですが、こちらは金融機関で日々行われているビジネスマッチングをDXするという管理サービスになります。

「BMポータル」は2025年4月に京都銀行で初めて導入され、すでにリリースされています。当サービスの導入により、京都銀行が従来行ってきたビジネスマッチング業務の効率化や成約率の向上が見込まれます。

さまざまな知見を蓄えつつ、今期は他の金融機関への提供についても開始していきたいと考えています。

独自のオウンドメディア「コネクト」開設

新たに、当社のオウンドメディアとして、Webメディア「コネクト」を立ち上げました。「Big Advance」をご活用いただいている企業の成功事例をはじめ、全国には素晴らしい中小企業や、優れたサービス、商品が数多く存在しています。

そのような企業の魅力を伝えるため、我々で取材を行い、さまざまな企業に焦点を当てた情報発信を進めています。今後も「Big Advance」を活用されている企業を中心に、当社が出会った企業の魅力を発信していきたいと考えています。

新サービスの開始:Big Advance グローバル展開

大規模プロジェクトである「BIG ADVANCE GLOBAL」というサービスを2025年6月に開始予定です。

ミッションは「地域発世界」です。日本の中小企業がさらに海外展開を進められるよう支援するプラットフォームをローンチします。

タイ国の中小企業振興庁(OSMEP)と基本合意書締結

「BIG ADVANCE GLOBAL」は現在非常に大きく進捗しています。その1つとして、「BIG ADVANCE GLOBAL」の展開をタイから開始することを発表しています。

さらに、2025年2月には、タイの中小企業振興庁「OSMEP」と基本合意書を締結しました。この基本合意書の主な内容としては、OSMEPが現地で「BIG ADVANCE GLOBAL」の認知拡大に協力する、また、双方のノウハウを持ち寄ることでマッチングプラットフォームの最適化をより進めていくというものになります。

さらに、合意書には、タイにとどまらず、他のASEAN諸国への展開についても共に行っていくことが含まれています。「BIG ADVANCE GLOBAL」の初めての海外進出について、タイの方々と連携しながら、サービスをしっかりと提供していきたいと考えています。

国内19金融機関と提携開始

先日、「BIG ADVANCE GLOBAL」の記者発表を行いました。ローンチ前にもかかわらず、すでに19の金融機関が「BIG ADVANCE GLOBAL」へ参画していただいています。このイベントは、先ほどご説明したタイのOSMEPの方にもご参加いただき、大変盛り上がる記者発表となりました。

みずほ銀行と覚書締結

みずほ銀行とも「BIG ADVANCE GLOBAL」の導入に向けた覚書を締結しています。

「BIG ADVANCE GLOBAL」は、オールジャパンで取り組むべきプロジェクトであるという思いを、みずほ銀行とも強く共鳴し、共に日本企業の海外展開を支援していくことになりました。

また、みずほ銀行はすでに海外に幅広いネットワークをお持ちです。我々は今回展開を始めた1国目のタイに続き、ASEAN諸国への拡大を計画しているため、その際にはみずほ銀行のネットワークを活用し、ASEAN地域への展開を着実に進めたいと考えています。

2025年3月期 損益計算書

ここからは2025年3月期の業績実績となります。決算ハイライトでご説明したとおり、売上高は前期比プラス10.2パーセントの20億700万円です。

売上増加や業務効率化が順調に進んだことを受け、売上総利益率は前期比で2.4ポイント改善し、営業利益は前期比プラス483.8パーセントの1億9,700万円となりました。

EBITDAは前期比プラス100.2パーセントの4億円と、大幅な増益で着地することができました。期中に2度の上方修正をしていますが、すべて達成することができました。

EBITDAの増減要因

EBITDAの主な増減要因です。売上高の増加と業務効率化による外注費等の削減が寄与しています。

一方で、開発体制の内製化を進めているため、人材の採用も引き続き行っており、人件費については増加しています。

四半期売上高の推移

四半期ごとの売上高の推移です。我々のビジネスはBtoBのSaaSモデルを中心としているため、非常に安定して推移していると思います。ストックの売上比率は約85パーセントとなります。

四半期営業損益·EBITDAの推移

四半期ごと営業利益とEBITDAの推移です。スライドのとおり、2025年3月期は業務効率化等が進み、利益率は大幅に改善しました。

四半期費用構成の推移

四半期の費用構成の推移です。大きな変化はありませんが、全般的にAIの活用等による業務効率化が進んでいます。

Big Advance会員企業数の四半期推移

「Big Advance」の会員企業数の四半期推移です。残念ながら、第3四半期比で893社減となりました。

この1年で主要機能の1つであるビジネスマッチング機能の改善が進み、マッチング件数も増加傾向にあります。今期はこうした機能改善を追い風に、会員数増加の基調作りを実現していきたいと考えています。

全国に広がる会員企業ネットワーク

全国に広がる会員企業ネットワークについてです。我々は全国の地域の金融機関とパートナーシップを組みながら、企業にサービスを提供しているため、全国に広がるネットワークを持っています。

また、業種構成についても、建設、製造、卸売小売といった日本の業種のポートフォリオに近いものになります。こうした幅広い業種に向けてサービスを届けられるのは「Big Advance」ならではの大きな強みだと考えています。

ココペリグループのサービス導入金融機関の推移

ココペリグループのサービス導入金融機関数の推移です。サービスラインナップが増えたため、「Big Advance」に加え「BAポータル」「SAF」「WebFile」といったサービスを各金融機関に展開できるようになりました。現在は、延べ83金融機関に我々のサービスを提供していることになります。

「Big Advance」の導入企業は第3四半期から変わらず78社です。今後も、強みの1つである金融機関のネットワークを活用しながら、ココペリグループとして「Big Advance」のみならず、金融DXにつながるサービスをしっかりとお届けしていきたいと思っています。

グループ全体のARPAの推移

グループ全体のARPAの推移です。「GrpMail」「WebFile」などがグループに加わり、大きく上がっています。そこから横ばいで推移し、現在は1万9,911円となります。

迅速な機能改善によるユーザーの安定化

「Big Advance」のチャーンレートは年間平均で1.35パーセントです。直近の第4四半期のチャーンレートは1.17パーセントとなり、徐々に改善が進んでいます。引き続きチャーンレートの改善を行いながら、今期は会員数の増加基調作りを実現したいと考えています。

以上が業績の実績となります。

2026年3月期 事業方針

続いて、2026年3月期の業績予想です。まず、事業方針の取り組みについてご説明します。

Big Advance事業の取り組みとしては「中小企業のインフラへ」を目指し、「Big Advance」会員の増加基調を再び作っていくことに重きを置いています。加えて、パートナーである金融機関とのリレーション強化や、会員企業へのサポート支援強化にも取り組みたいと考えています。

また、リロクラブ社との業務提携により、中小企業の福利厚生クーポンサイト「Fukuri」を強化していきます。さらに「BIG ADVANCE GLOBAL」がいよいよ2025年6月にローンチを迎え、タイでのサービス展開を開始します。

その他にも法人ポータルサイトの導入拡大や、新たなマッチング管理サービスである「BMポータル」の横展開を行い、着実に売上を上げていきたいと考えています。

DX Solutions事業の取り組みとしては、新しくサービスラインナップに加えた専門性AI FAQ「SAF」の導入金融機関を今後さらに増やしていく計画です。また、ファイル送受信サービス「GrpMail」「WebFile」についても金融機関への展開を拡大していきます。

補助金活用コンサルティングにおいては、ココペリ経営サポート社で取り扱う補助金も拡充されたため、今後は企業に対する補助金のコンサルティングサービスも進めていきたいと考えています。

2026年3月期 通期業績予想

スライドにありますように、現時点では業績予想を見合わせています。理由としては、我々にとって初の海外展開となる大規模プロジェクト「BIG ADVANCE GLOBAL」が、2025年6月にサービス開始を予定しており、ローンチ後、どの程度のスピードで成長していくかについて、現段階では合理的な数値の根拠が得られていないためです。

また、このプロジェクトには、経済産業省の「グローバルサウス補助金」に採択いただいています。採択前には約3年で5億円規模の投資計画とご説明していましたが、補助金が採択されたことで一気に開発を進めています。

このような開発の前倒しによる影響もあるため、ローンチ後に業績の予想が合理的に算出できる段階になり次第、速やかに開示しますので、それまでお持ちください。

現在、このプロジェクトは急速に進んでおり、みなさまにご期待いただいている大規模プロジェクトとなっています。当社としても企業の成長にしっかりとつながるよう進めていきたいと考えています。

ビジネスマッチングプラットフォームの市場規模

ビジネスマッチング自体は、市場規模を拡大しています。我々はリーディングカンパニーとしてビジネスマッチングプラットフォーム市場のニーズをしっかりと捉えていきたいと考えています。

ここまでが事業予想になります。

中小企業向けビジネスエコシステムの構築

中期経営計画の進捗状況に触れたいと思います。我々は「Big Advance」を中核に、中小企業のビジネスエコシステムを実現していく観点で事業を展開しています。

中期経営目標

中期経営目標です。現段階では今期について非開示としていますが、当初の中期経営計画では、2027年3月期に売上高40億円、営業利益率20パーセントの8億円を計画しています。

この計画は、2025年6月にリリース予定の「BIG ADVANCE GLOBAL」で、新しい需要を取り込むことを見込んだ計画であるため、現時点ではこの計画どおりに進めていきたいと考えています。

2025年3月期以降の「成長戦略ロードマップ」

成長ロードマップとして、3つの戦略を立てています。「ユーザー数拡大戦略」「ARPA拡大戦略」「DX Solutions戦略」です。

それぞれの戦略をしっかりと進めながら、先ほどの中期経営計画の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。

BIG ADVANCE GLOBALの特徴

「BIG ADVANCE GLOBAL」の特徴について4つご説明します。1つ目は、日本の「Big Advance」で金融機関を通じた信頼性のあるネットワークを作ってきたように、タイの金融機関とパートナーシップを組み、会員限定ネットワークを作るという同様のビジネスモデルを展開したいと考えています。

2つ目は、言語の問題を解決するため、AIを使った自動翻訳機能を搭載しています。

3つ目は、日本ですでに行っているように、AIを使ったリコメンド機能により、マッチング先の候補を提示します。

4つ目は、貿易実務のサポートについても、プラットフォームから提供したいと考えています。

我々としては「BIG ADVANCE GLOBAL」が日本初のグローバルプラットフォームのスタンダードとなることを目指しています。

BIG ADVANCE GLOBALの中長期戦略

「BIG ADVANCE GLOBAL」の中長期戦略としては、まずタイでサービスを開始し、今後はASEAN諸国へと展開を広げていく計画です。日本とタイ間のマッチングにとどまらず、ASEAN to ASEANでビジネスマッチングが実現することを目指しています。

さらにASEANを越えてアジア、世界へと展開を進め、日本発のグローバルスタンダードを目指します。大きなチャレンジになりますが、目標を立ててスピーディに実現していきたいと考えています。

補助金活用コンサルティングサービス

グループ会社のココペリ経営サポート社が補助金の内容を大幅に増やしているため、今後多くの付加価値を届けることができるようになると考えています。

56ページ以降は補足資料になるため、割愛します。

DX Solutions戦略~金融機関のデジタル化支援~

DX Solution戦略です。これまでは「Big Advance」のみで金融機関と提携していましたが、ラインナップを増やすことで、我々が金融機関に提供できる付加価値やサービスが拡大しているため、今期はこの展開にも力を入れていきたいと考えています。

以上になります。ご清聴ありがとうございました。