シャープレシオとは何か?

かぶ1000氏:シャープレシオについて詳しく説明しようと思います。シャープレシオは、アメリカの経済学者のウィリアム・シャープという人が考案した指標です。

単純にシャープレシオは、数字が大きいほうがいいんです。シャープレシオというのは、そのリスクとリターンを比較して、いかに効率的に運用できているかを見る指標です。

計算式がこちらに書いてあります。シャープレシオは、リターンから無リスク資産利子率と書いてありますが、これは金利です。預金金利や国債の金利などの金利を差し引いて、それをリスクで割るという計算式です。ちょっとこれだけじゃよくわからない人がいると思うので、具体的な例を下に3つほど挙げました。

例えばリターンだけを見た場合、10パーセントのほうがいいなとたぶんみなさん思うと思います。でも、シャープレシオで見ると、その10パーセントは0.5で1より下だから良くない。ここのポイントはやはりリスクなんですよね。

一番上は、リターンが5パーセントあってリスクが5パーセントぐらいあります。ここで、無リスク資産利子率は除外して計算していますが、リターンをリスクで割るとシャープレシオが1なのでリスクとリターンがほぼ一緒です。

その下の同じリターンは5パーセントですが、リスクが10パーセントあって、割るとシャープレシオが0.5になっちゃうので、リスクに見合ったリターンが得られなかったねということになるんですよね。

その下は、リターンが10パーセントあったからいいじゃんと思っちゃうと思いますが、実はリスクが20パーセントあって、リターンよりリスクが2倍あるので、シャープレシオが0.5になっちゃうから良くないということなんですよね。

結果、一番上がいいってことなんですよ。それを図式化したのが、右ですね。シャープレシオが大きいものは平均リターンにあまり上下がないですよね。ボラティリティが少ない。シャープレシオが小さい数字になってしまうとボラティリティが大きくなっちゃうので、増えたり減ったりがすごく激しくなっちゃうんですよ。

ホールドできればまだいいし、上がった時に売って、下がった時に買ってということができればそんなにいいことはないのですが、逆のことをやってしまったらえらいことで、高い時に買ってしまって安い時に売ってしまったこともあるので、私はそういう投資よりも、なるべくこの波を抑えることによってリターンとリスクをバランスよく取っていくというのがすごく大事なことだと思っています。

ここで大事になってくるのは、リスクとリターンの関係を知るということです。みなさん学生なので、リスク・リターンのことを考えたことがない方が多いと思います。

リスクとリターンの関係を知る

右側に表を作りました。債券、株式、REITなど金融商品にはいろいろありますが、これ見てもらうとわかるとおり、債券は金利がメインになってくるので、当然リターンが少ないですよね。でもやはりリスクはリターンの2倍ぐらいあります。

ここ最近一番良かったのは外国の株式で、リターンが約10パーセントあったんです。単純に見ると、国内債券がリターン1.1なので、外国の株のほうがリターンが9倍ぐらいあるし、外国の株買えばいいじゃんと思っちゃうと思いますが、大事なところはリスクで、リスクを見るとリターンの2倍ぐらいあるんですよね。

ということは、シャープレシオで見るとほぼ一緒になるので、やはりリターンが良ければいいという問題ではなくて、リスクとリターンのバランスなんですよね。金融商品によって、ここが大きく異なるんだということをみなさん知っておいてください。

リスク資産は基本的にリターンよりリスクが大きいんですよ。だからこそ、リスクをどう抑えていくかがすごく大事で、一般的には外国株式と国内債券と、リスクとリターンが高いものをうまく組み合わせることによってうまくリターンをやっていくというのが資産運用の要になってきます。

私の場合はちょっと偉そうですが、かぶ1000流リスク・リターン向上術という独自の手法があって、債券とか相対的にリターンが低い金融商品を入れるのではなく、株価変動率が低い株を入れていきます。それを入れることでポートフォリオ全体の変動率を落として、リスクを抑えながらリターンを上げていくというのが僕の技です。

株価変動率はどうやって計算するの? と疑問に思う人もいると思うので、下に公式を書きました。株価変動率は、高値から安値を引いて、それを平均値で割って100を掛けると出ます。

例題を挙げたのですが、高値が100円で安値が50円だった時に、平均値はその真ん中の値だから75になりますよね。それに100で掛けると変動率が66になります。シャープレシオ1以上目指そうとすると、66パーセント以上のリターンを上げないといけないんですよ。これって相当難しいんですよね。

私の場合は、なるべく高値安値がない銘柄で、リターンを高くします。大きなパフォーマンスは望めないかもしれないけれど、リスクも限定的なので大きく負けない。先ほどの表のとおり負けが少なくなるので、そうやって少しずつ確実に利益を上げてくのを目標にしています。

みなさんもぜひ、自分が持っている銘柄のシャープレシオがいくつになるかを計算してみてください。1を超えるのはなかなか難しいので、ぜひ1を超えられるようにがんばってほしいと思います。

(次回へつづく)