目次

藤原克治氏(以下、藤原):株式会社テイツー代表取締役社長の藤原です。本日はよろしくお願いします。

本日は目次に沿って、記載の5項目をご説明します。

本決算説明会のポイント

本決算説明会のポイントです。売上高については、連結決算移行後4期連続で増収となりました。

利益面については、中古トレカ市場評価額の低迷を受けましたが、当期前半は低粗利商品の在庫を一掃し、後半にきちんと儲けられる体制を整えました。今年度後半は、相場上昇の影響を受けたことにより急回復しています。

キャッシュ・フローについては、営業キャッシュ・フロー14億円を獲得し、子会社である山徳社の新社屋建設を含む、将来に向けた投資に充当しています。

業績の推移

決算の概要です。こちらのグラフは、当社の上場以降の業績の推移を表しています。売上を棒グラフで示し、利益面は折れ線グラフで示しています。

私が社長に就任した、利益の一番底をついた時期から、利益をしっかりと計上できる会社になりました。現在は積極的な投資活動を行い、将来の変革を果たす再成長期に向かっています。

2025年2月期 本決算の連結業績サマリ

2025年2月期本決算の連結業績サマリです。連結売上高は前年同期水準を維持しました。利益面については、中古トレカの粗利益の低下、加えて出店等の投資や諸費用の高騰による販管費の増加のため、前年同期を下回りました。

当期純利益については、店舗の固定資産の減損損失1億5,000万円を計上したため、前年同期を下回りました。

四半期ごとの売上高の推移

四半期ごとの売上高の推移です。2025年2月期第4四半期については、新中トレカ、新中ホビーが好調に推移し、前年同期を上回る結果となりました。

店舗数の増加とトレカ商材の復調により、直近数か年の四半期売上高としては極めて高い水準となりました。

連結営業利益の振り返り

連結営業利益の振り返りです。2024年2月期上期は、活況なトレカ市況が好業績に寄与しましたが、当期については、第3四半期まで価格変動の影響が生じたため、トレカの粗利益率が低下しました。

当社グループとしては、そのような中でも事業拡大の戦略を選択していたため、一定の在庫負担をコントロールしつつ、利益の獲得を追求してきました。

2025年2月期を振り返ると、いろいろな工夫を含めさまざまな反省点が挙げられます。しかし、このような環境下においても、組織体制をきっちりと整え、適正な価格運用ができるような体制整備を今後も進めていきます。

なお、これらの課題はほぼ改善が見られ、今期はその改善を踏まえた上でスタートを切っています。

商品別売上高構成比

商品別の売上高の構成比です。中古の比率が52.3パーセントと新品をわずかに上回りました。当社では、大きな分類として「本」「ゲーム」「トレカ」「ホビー」「その他」の5つに区切り、新品中古ともに取り扱っています。これらの配分は毎期ごとの商材の動向に合わせて、柔軟に売り場を構成していくコンセプトをとっています。

店舗顧客の年齢別・性別分布

顧客の年齢別・性別の分布です。直近2期分をスライドに表示しています。性別の分布としては、男性が7割、女性が3割という男女比でほぼ安定しています。年齢別の構成についてはバランスよく分布されているのが当社の特徴となっています。

主要セグメントの売上高の動向

セグメント別の売上高の動向です。業績状況を天気の表示で示しています。古本と新品ゲームについては、市況の影響により、前年比100パーセントを下回っています。

本に関しては市場全体がダウントレンドにある中で、やむを得ない部分もありますが、当社としては、利益確保を維持しつつ、長く取り扱っていける商材として向き合っていきたいと考えています。

新品ゲームについては、メーカーから新品タイトルが供給される状況によって数字が変動する影響が顕著に出ていますが、現進行期以降については回復が見込まれています。

四半期ごとの営業利益・同利益率の推移

営業利益と同利益率の推移です。第4四半期以降は一気に回復したといえる状況です。

連結損益計算書

連結損益計算書です。第3四半期までは中古トレカの価格相場の影響を受けていましたが、第4四半期以降は回復傾向となり、結果として、利益率に関しては前期と同水準を維持しています。

販管費率については、出店等の投資や人件費、キャッシュレス決済、諸費用高騰等による影響で販管費が増加しています。

注力商品

トレーディングカードについては、相場変動に波があるため、取り扱いが非常に難しい側面もあります。しかし、当社はそれらを取り扱うノウハウを有しており、その時々に応じ適正な評価替えを行いつつ、売上の確保と在庫コントロールを実施しています。

ここ数年のトレンドを見ていると、非常に濃淡はありましたが、商材自体の売上は確実に上昇基調にあります。

また、今後の注力商材でもあるホビーについては、当社の店舗との親和性が非常に高く、売れ筋商品の調達に努めているところです。今後はIPを活用したオリジナル商品の企画もスタートする予定です。

販売費および一般管理費の推移(連結)

販売費および一般管理費の推移です。現在のご時世において、各企業にコストアップが非常に重くのしかかっており、当社も同様の現象が起きています。

加えて、キャッシュレス決済や現在注力しているECによって発生する売上連動型のコストの影響も受けています。具体的には、スライド内で赤い印をつけている箇所が該当します。

連結貸借対照表

貸借対照表です。投資を積極的に行っているため、固定資産は増加しています。また、柔軟な運転資金調達のため、長期借入金と比較して短期借入金の残高が増加しています。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フロー計算書です。営業キャッシュ・フローは利益の積み上げと、棚卸のコントロール等の成果もあり、約14億円を計上しています。

それらを投資に充てるかたちとなり、子会社の新社屋建設等、約14億円の投資キャッシュ・フローを消費しています。

100%子会社『山徳』新社屋を竣工

100パーセント子会社の山徳社の新社屋を竣工しました。2025年2月3日より業務を開始しています。石川県に所在する会社で、地域でも大変重要な事業会社として認識されているというお声を各方面からいただいています。

大変立派な社屋となっており、これまで複数に分散していた拠点を1点に集約することで、事業の効率化や収益の増強、さらには安定雇用による地域社会への貢献を推進することを目的としています。今後に期待したいと思っています。

『ふるいち』店舗ネットワーク

トピックスです。「ふるいち」の店舗ネットワークは、期末となる2025年2月末時点で、直営店とFC店を合わせ、172店舗の体制となりました。

『ふるいち』BtoBネットワーク

スライドの日本地図は、BtoBのネットワークを示したものです。2025年3月にふるいちイオンモール甲府昭和店を出店した結果、2025年3月末時点では43都道府県で事業を展開しています。

ホビー取り扱い強化

ホビーについては今後の重点商材として力を入れています。

物理的な面で申し上げると、「ふるいち」仕様の店舗が展開する売り場面積はある程度一定の規模にとどまり、大型化することはあまりありません。

イオンモールにおいては、効率の良い小型店舗を運営しており、時代のいろいろな変化に応じて入れ替わる商材の隙間を埋める役割を担うのがホビー商材だと考えています。

そのため、今後の店舗戦略については、時代の流れの中でホビー商材の取り扱い比率が現行の8パーセントから大幅に増えていくことも想定しつつ、検討を進めていきます。

トレカ大会運営〜モールイベント・店舗イベント〜

モールイベントや店舗のイベントに関する情報です。トレカ大会の運営に関しては、特筆すべき成果が出てきており、1枚のスライドにまとめてご報告します。

「ふるいち」の系列店舗で、トレカ大会を直近1年間で2万7,308回開催しています。それだけ多くのお客さまに「ふるいち」のコミュニティに触れていただく機会があるとも言えます。

今後は当社の会員さまに向けたいろいろなサービスの一環として、このようなイベントや大会の運営と連動した営業施策を積極的に展開していきたいと考えています。

トレカ読取査定機『TAYS』特許取得

トレカの読取査定機「TAYS」の特許取得に関するスライドです。2024年に「TAYS(テイツーAI読取システム)」の特許を無事取得することができました。今後、BtoBツールを拡販するためにも、積極的に展開したいと思っています。トレカ市況も回復してきたため、併せて底堅く数字が確保できると考えています。

タブレット検索機の直営店・全店導入を予定

タブレット検索機に関する情報です。「TAYS」に続き、自社オリジナルのBtoBツールとして、現在トレカ用タブレット検索機を直営店に展開しています。

全店舗へ展開できるよう徐々に調整を進めており、機能がさらにブラッシュアップされた段階で、BtoBツールとして事業会社への提供を計画しています。

「TAYS」とタブレット検索機をBtoBツールとして一緒に展開することで、収益面にも大きく寄与していくと期待しています。

TORICO社連携状況

2024年3月に資本業務提携したTORICO社との取組進捗です。本日決算発表の同日付で、海外への共同出店という開示をしています。予定では今年の夏前には、台湾に第1号店を出店したいと考えています。

また、ECの戦略面においては、大きな効果が出ています。システムエンジニアを保有するTORICO社の技術者のみなさまの力をお借りし、当社のECのシステム運営にかかる費用の大幅削減を実現し、コスト面で大きく寄与する状況となっています。

引き続き、両社の親和性を高める取組を継続していきたいと考えています。

2026年2月期の連結業績予想

連結業績および配当の予想です。2026年2月期の連結業績予想としては、売上高が400億円、営業利益、経常利益が11億円、当期純利益が7億円となります。

売上高については、順調かつ地道にかさ上げが進行しています。利益面については、前年度来のトレカマーケットのぶれもある程度加味した状態です。かつ、投資を将来の目標達成に向けてかなり積み上げているため、そのような一定のコストの負担も踏まえた上での計画値となっています。

2026年2月期連結業績予想と中長期目標数値

当社では、2029年2月期の売上高500億円、営業利益25億円達成を中長期目標に設定しています。引き続きこの達成に向けて邁進していきます。

2026年2月期連結業績予想と中長期目標数値

株主還元については、業績に応じて継続的に配当を行う方針です。当期も1株当たり4円の配当を継続したいと思っています。

株主優待

株主優待も現行の制度を継続し、株主のみなさまに還元を行いたいと思っています。

『テイツー』会社概要

会社概要です。従業員数は正社員、パート・アルバイトを含め、現在約2,200名の規模で展開しています。

『ふるいち』の主な取組

「ふるいち」の主な沿革は、スライドのとおりです。

100%子会社 『山徳』の主な取組

100パーセント子会社の山徳社の事業の沿革です。

経営陣

役員メンバーは現行体制を継続し、がんばっていきたいと思っています。

ふるいち360度リユース 〜会社活動と社会活動がシンクロする未来へ〜

「ふるいち360度リユース」についてご説明します。オリジナルで作った言葉ですので、なかなか一般に浸透するには時間がかかると思います。

「会社活動と社会活動がシンクロする未来へ」ということで、当社グループがリユース品を取り扱う活動にとどまらず、まちづくりや地域のブランディング、関連する企業・団体の再生などの事業を通じ、グループが関わるすべてのステークホルダーのみなさまに「満足」を届けることを目指す、全方位的な戦略と位置付けています。

会社の儲けをなす中核事業と社会的な意義の活動とは、円でつなぐことができると思っています。我々の主要な業務であるリユース業を少々拡大解釈し、関わるものすべてを良くしていきたいと考えたのが「360度リユース」という言葉の定義です。

当社グループ中核事業の強化を目的とした取組の構図

スライドの図は、昨年作ったものです。我々のメインの事業は、表に見えるものは物理的な店舗ですが、システムも含めたビジネスプラットフォームという点に特徴があると思っています。

それらの信用もまとった中核事業と地方創生活動とをつなぐコミュニティなどが、さらに企業や行政との連携といった社会での多様性に通じていくということを示しています。

当社グループ中核事業の強化を目的とした取組の構図(詳細展開図)

先ほどの図をより詳細に展開したスライドです。

中長期の取組テーマ

当社のメインビジネスプラットフォームに関して、1年以内の短期的な取組項目と、中期的な取組項目、また、長期的に創造したいことをスライドで示しました。

我々のビジネスプラットフォームとしての、基幹システムによる統制環境を中心として、それに紐づく商品力、店舗運営力、システム、それらを物理的に成し遂げるための物流の仕組みなどをトータル的に併せ持つことにより、当社が取り扱うエンターテインメントという分野の、非常に取り扱いが難しい価格相場が世間に広まりました。

みなさまが周知した物の売買を正確に、かつリスクを回避しながら展開していくという事業の躯体を持っています。

中核事業領域の重点取組事項

別角度で、より詳細なアプローチをこちらのスライドに示しています。

中核事業エンターテインメント要素の拡充

我々の中核事業はリユースですが、切り口を変えて見ると、エンターテインメントの要素の商品を広く取り扱っています。

昨年の同じ時期には、IPビジネス領域とグローバル領域を、生業に追加しました。スライドに記載した事業領域に一生懸命取り組むことで、スローガンとして挙げている「リユースで地域と世界をつなぐ」を達成していく考えです。

エンターテインメントに目を向けると、日本のコンテンツは世界に通用するものが多くあります。そのようなところを我々の企業の特徴として、打ち出していきたいと考えています。

中長期の目標数値

中長期の目標数値は、売上高が500億円、営業利益が25億円となっています。詳細なアプローチについては、社内では各々いろいろな項目を持っていますが、具体的にお示しできる日が可能な限り早く来るように努力していきたいと思っています。

社会的意義の取組 〜リユースで地域と世界をつなぐ〜

社会的意義の取組である「リユースで地域と世界をつなぐ」について、その意味合いを少しフォローします。

当社はもともと、マンガ本を取り扱う主たる社業を持っています。このマンガの聖地づくりや文学活動を通じ「ふるいち」という屋号、またこの言葉のブランド化を推進していきたいと思っています。

地方創生の一連のプロジェクトは、このようなものともつながりが合致しています。例えば、マンガの聖地づくりということで、「トキワ荘プロジェクト」に取り組んでいます。マンガやアニメ、ゲームが好きな人たちが一生に一度は行ってみたいと思う場所が、日本あるいは聖地「トキワ荘」となる未来を想像し、活動しています。

また、地元である岡山市は日本で唯一、ユネスコ創造都市ネットワークの文学分野に指定されている地域です。文学活動そのものが実は日本のスーパーコンテンツであるマンガの起源になっていて、そこに関わった先生がいたということにもつながっています。

そのような深みを持った物語の中で、当社は「ふるいち」というブランドをしっかりと海外のみなさまにもお伝えしていきたいと思っています。その延長線上に「ふるいち」ブランドの価値と事業の価値が生まれることを、スライドでは示しています。

社会的意義の取組 〜地域に必要とされるお店になる〜

行ってきたさまざまな活動をスライドに記載しました。こちらはまたご確認いただければと思います。

地域に必要とされるお店になる 〜きっかけ〜

業績を崩した時に、店舗で一生懸命物を販売するだけでは何も始まらないと考えさせられたきっかけが当社の歴史の中にありました。たまたま起こった災害や、SNS活況の折、ユーザーからのコメントを大切に思いながら、今も社業の発展に努めています。

地域に必要とされるお店になる 〜リユースで地域と世界をつなぐ〜

こちらのスライドには、先ほど少しお話しした「トキワ荘」プロジェクトの活動と、岡山市のユネスコ創造都市ネットワークプロジェクトとのつながりについて掲載しています。

トキワ荘プロジェクト 〜トキワ荘公園活動拠点〜

「トキワ荘」の物理的にお示しできる現状です。数年かかりましたが、豊島区が展開する「トキワ荘マンガミュージアム」の敷地内に、小さい面積ではあるものの「ふるいち」ブランド活動の象徴である店舗をオープンしました。

通りを挟みさらにもう1店舗展開しており、このようなブランディング作りに関して豊島区から全国、世界へ向けて発信しながら、つながりを模索していきたいと考えています。

ふるいちCreating Shared Value「共通価値の創造」

数年に渡り長らく行ってきた「ふるいちのCreating Shared Value」展開です。「ふるいち」活動のベースになった一連の流れについてご紹介していますので、お時間のある時にご覧いただければと思っています。

質疑応答:EC黒字化の達成の背景と今後の展望について

司会者:「2025年度テイツーグループ成長戦略策定の中で、『ECの通期黒字化』というキーワードを拝見しました。EC黒字化の達成の背景と今後の展望について教えてください」というご質問です。

ここから先は無料会員登録で続きをお読み頂けます

既に会員登録がお済みの方はログインして下さい。

登録することで、本サービスにおける利用規約プライバシーポリシーに同意するものとします。

※本登録案内のメールが確認できない場合、迷惑メールフォルダやゴミ箱に自動的に振り分けられている可能性がありますので、今一度ご確認いただきますようお願いいたします。