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有村譲氏:株式会社エスエルディー代表取締役社長の有村譲です。本日は、2025年2月期決算説明を行い、その後、今後の取り組みについてみなさまにお伝えします。

会社概要

当社の会社概要、事業内容を簡潔にご説明します。当社の創業は2004年、IPOは2015年となります。期末においての従業員数は、社員133名、アルバイト808名となっています。

飲食サービス事業

事業としては、大きく2つサービスを提供しています。

飲食サービス事業においては、関東圏を中心としながら、東は仙台から西は福岡に至るまで、全国各地に展開を進めています。現在は、個性豊かな10のブランドを展開し、合計で25店舗を運営しています。それぞれの地域に根ざしたサービスを提供しながら、着実にネットワークを広げています。

コンテンツ企画サービス事業

コンテンツ企画サービス事業についてご紹介します。私たちは、「食」と「IPコンテンツ」を掛け合わせることで、従来の飲食体験とは一線を画す、新しい価値の創出に取り組んでいます。たとえば、ポケモンカフェをはじめとしたコラボレーションカフェの運営では、ファンのみなさまに特別な時間と空間を提供し、高いご支持をいただいています。

加えて、他社さまからのご要望に応じて企画・運営を行うプロデュース事業も積極的に展開しており、IPの世界観を的確に表現した空間づくりや、顧客体験の最大化を通じて、多くのパートナー企業さまと価値共創を実現しています。

決算サマリー

2025年2月期の決算概要のご説明を行います。まずは、当事業年度の決算サマリーとなります。当事業年度における業績は、売上高が36億6,100万円(前年同期比2.1パーセント増)、営業利益が1億4,400万円(前年同期比8.1パーセント増)となりました。

セグメント別の業績については、飲食サービスにおいては、「『食』×『コンテンツ』」をテーマに掲げ、アニメ、音楽アーティスト、キャラクターなどの優良なコラボレーションをしたメニューとコンテンツを楽しんでいただける空間を創出する店舗を拡大したことで、既存店舗の業績は好調に推移した結果、売上高は26億2,700万円(前年同期比3.9パーセント増)となりました。

コンテンツ企画サービスにおいては、定借満了にて2024年7月末に1店舗退店の影響により、売上高は前年より低く推移したものの、運営受託店舗のキャラクターカフェを中心に、引き続きインバウンド需要による訪日外国人観光客にご好評をいただいたことにより、既存店は前年を超えることが出来ました。その結果、売上高は10億3,300万円(前年同期比2.1パーセント減)となりました。

なお、セグメント別の売上構成比は、飲食サービスにおいては71.8パーセント、コンテンツ企画サービスにおいては28.2パーセントとなりました。

損益計算書(P/L)

損益計算書については、売上高36億6,100万円(前年同期比2.1パーセント増)、営業利益1億4,400万円(前年同期比8.1パーセント増)、経常利益1億4,200万円(前年同期比3.4パーセント増)となりました。

原材料費の高騰や賃上げによる人件費の上昇といった費用の増大の影響があったものの、原材料の仕入れの見直しや人材の適正化といった経費削減に取り組んだ結果、利益率は前事業年度を上回る水準を確保し、営業利益率は上場以来過去最高となりました。

なお、定期借家契約の満了に伴い、賃貸人の意向により期中に退店が決定した直営店舗について、減損損失として1,700万円を計上しました。また、次期の業績見通し等を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、繰延税金資産を計上し法人税等調整額マイナス2,400万円(マイナスは利益)を計上しました。これらの結果、当期純利益は1億4,300万となりました。

売上高・営業利益の四半期推移

売上高・営業利益の四半期推移についてのご説明をします。

先ほどもお伝えしていますが、当事業年度は、飲食サービスにおける期間限定のIPコンテンツを活用したコラボレーションカフェの実施、既存店における季節限定商品の提供等の取り組みにより、お客さま満足度の向上を実現しました。このような取り組みを加速することにより、多くのお客さまに店舗をご利用いただけました。その取り組みの結果、当事業年度において、売上高は前年同期比102.1パーセントとなりました。

売上高・営業利益の四半期推移については、資料をご確認いただければと思います。

セグメント別状況

セグメント別の状況については、先ほどのご説明と重複しますので、この場では割愛します。

キャッシュフロー

キャッシュフローについてのご説明をします。当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較して300万円減少し、3億1,700万円となりました。

営業活動の結果獲得した資金は1億2,100万円となりました。これは主に、未払消費税等の減少額2,900万円、未払金の減少額1,500万円等を計上したものの、税引前当期純利益1億2,500万円を計上したこと等によるものです。

投資活動の結果使用した資金は1,000万円となりました。これは主に、有形および無形固定資産の取得による支出2,000万円等を計上したものの、敷金および保証金の回収による収入1,100万円等を計上したこと等によるものです。

財務活動の結果使用した資金は1億1,500万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1億6,300万円等を計上したことによるものです。

貸借対照表(B/S)

貸借対照表についてのご説明をします。

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して約2,600万円増加し、約10億7,400万円となりました。流動資産は、前事業年度末と比較して約500万円減少し、約6億7,000万円となりました。これは主に、未収入金が約1,200万円増加したものの、売掛金が約2,000万円減少したこと等によるものです。固定資産は、前事業年度末と比較して約3,600万円増加し、約4億300万円となりました。これは主に繰延税金資産が2,400万円増加したこと等によるものです。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比較して約8,500万円減少し、約5億7,600万円となりました。流動負債は、前事業年度末と比較して約1億800万円減少し、約4億7,700万円となりました。これは主に、短期借入金が8,000万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が1億6,300万円減少したこと等によるものです。固定負債は、前事業年度末と比較して約2,300万円増加し、約9,800万円となりました。これは主に、資産除去債務が1,800万円増加したこと等によるものです。

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比較して約1億1,100万円増加し、約4億9,600万円となりました。これは主に、その他資本剰余金が3,200万円減少したものの、当期純利益を1億4,300万円計上したことによるものです。

業績予想

最後に、2026年2月期通期の業績予想となります。スライドに記載のとおり、売上高38億2,200万円、営業利益2億1,200万円、経常利益2億1,200万円、当期純利益2億600万円を予想しています。

売上高においては、前期における不採算店舗1店舗の退店による減収を補うべく既存店のさらなる成長およびIPコンテンツを活用する取り組みを加速し、さらに新規の運営受託獲得を進めて増収を目指しています。

また、営業利益においても、既存店の収益改善に加え、グループシナジーを活かした販管費の抑制により、事業全体の収益性向上を図っていきます。これらの取り組みにより、今期も増益を見込んでおり、3期連続の増収増益を目指していきます。

トピックス

当事業年度のトピックスについてお伝えします。

飲食サービスにおいては、期間限定のIPコンテンツとのコラボレーションカフェを16コンテンツ実施し、好調に推移したことに併せ、既存店において、季節限定商品の提供により、客単価の向上に成功した結果、既存店前年比を大きく超える結果となりました。既存店の前年売上比は105.0パーセントとなり、収益性については、既存店ベースの販管費配賦前営業利益率で前期比0.2パーセントの成長が見られており、足元では持続的な収益成長の基盤が整いつつあります。

コンテンツ企画サービスにおいては、キャラクターコンテンツの運営受託店舗において、客数および客単価がともに10パーセント増加したことにより、前年を上回る売上を達成しました。その結果、売上歩合に連動する業務委託費も増加したことにより、当社の受託収益が拡大し、これにより、利益率は前年同期比で2.2パーセントの成長となりました。

事業トピックス

各セグメントにおいての取り組みについて、少しご説明します。当社の飲食サービスでは、「地域の魅力を味わう体験」を大切にした取り組みを展開しています。例えば、海沿いの「きこり食堂」では、オープン7周年を記念して、地元食材をふんだんに使用した季節限定のBBQプランを提供しました。地域の味を楽しみに、連日多くのお客さまにご来店いただきました。

既存ブランドのさらなる成長に向けて、グランドメニューを一新し、各ブランドのシグネチャー商品を磨き上げることで、より満足度の高い食体験をお届けしていきます。このような取り組みにより、多くのお客さまからご好評をいただいており、継続的な来店と売上の向上にもつながっています。

事業トピックス

当事業年度において、南海電気鉄道株式会社が運営する「なんばパークスミュージアム」で開催されるイベント「怪獣8号展」と連動したコラボカフェを同施設内の当社店舗で開催しました。店内のスペースはイベント「怪獣8号展」仕様に装飾され、ストーリーの名シーンを切り取ったファンであれば思わず唸るようなオリジナルメニューをお楽しみいただけるカフェを開催し、連日ファンの方々に高く評価していただきました。

当社が運営する常設コラボ店舗において、各IPコンテンツとコラボカフェを開催しました。いずれのコラボカフェも連日ファンの方々にご好評いただきました。

今後も、IPコンテンツの版権元さまとの関係性を強化し、取り組みの企画、提案を加速させ、新しい価値を創出し提案できるよう事業を推進していきます。引き続き、より多くのお客さまに喜んでいただけるように、社員一丸となってがんばっていきます。

今後の取り組み①

今後の取り組みについてお伝えします。当社は今後、飲食サービス事業およびコンテンツ企画事業において、さらなる成長と収益力の強化を目指して、スライドに記載のような取り組みを進めていきます。

飲食サービス事業においては、既存店舗において家具や設備への投資を通じて、お客さま満足度の向上を図り、ブランドの価値をさらに高めていきます。さらに、既存ブランドにおける新規出店計画を推進し、既存ブランドのさらなる拡大を目指します。加えて、新業態の開発に向けたプロジェクトチームを立ち上げ、事業の多角化と新たな成長機会の創出に取り組んでいきます。

コンテンツ企画事業においては、IPと連動したコラボレーションカフェ事業では物販の内製化を進めることで収益構造を転換し、キャッシュポイントを自社に集約していきます。さらに、これまでの経験を活かし、他社やグループ会社への展開を強化し、事業の拡大を目指します。

今後の取り組み②

当社では、事業の持続的な成長を目指し、過去から取り組んでいる社内研修制度「SLDアカデミー」をさらに加速させていきます。

スローガンである「共に学び、共に育つ“共育”」を掲げ、本部を含む各部のプロフェッショナルが講師として参画し、社員・アルバイトスタッフを一丸となって巻き込み、組織全体の成長を促進します。これにより、事業の成長を加速させると共に、より強固な組織づくりを目指します。

全社を挙げて「SDGs」の取り組みを本格的に推進し、新入社員を中心に持続的な成長を実現する新規事業の創出に注力します。この取り組みは、社会的責任を果たすと共に、企業価値を一層高め、事業成長に繋げる重要なステップとなると確信しています。

株主優待制度について

最後に、株主優待制度についてお伝えします。

株主のみなさまのご支援に感謝申し上げるとともに、当社株式への投資魅力を高め、より多くの方に長期的に保有していただくことを目的とした株主優待制度を行っています。株主優待制度の内容についてはスライドのとおりとなります。株主のみなさまにおかれましては、今後とも格別のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

以上、2025年2月期の決算概況につき、私からのご説明とします。