目次

遠山邦彦氏:常務取締役の遠山です。それでは、私から決算概要についてご説明します。

まずは目次です。決算概要、セグメント別概要、中段に中期経営計画があり、中期経営計画については社長よりご説明します。

なお、2026年2月期は単年度の業績見通しとなるため、中期経営計画のなかで社長よりご案内します。私からは、決算のハイライトに加え、財務面に関してひととおりご説明します。

連結業績ハイライト

まずは、2025年2月期決算概要から連結業績についてご説明します。

一覧の中央に2025年2月期の実績を示しています。売上高は483億9,300万円で、前期比84億9,300万円増加しています。

営業利益は16億9,200万円で、前期比1億3,200万円増です。経常利益は18億1,600万円で、前期比6,400万円増です。最終利益の親会社株主純利益は11億3,300万円で、前期比9,300万円増となります。売上高、営業利益、経常利益いずれも、過去最高益を達成することができました。

連結売上高

スライドは、連結売上高のセグメント別の数字をグラフで示したものです。スライド左側は売上高の内訳、右側はセグメント別売上高の増減を示しています。

左側のグラフの一番下は調剤薬局事業となり、前期が235億3,600万円、2025年2月期は247億900万円です。中央のヘルスケア事業は、前期が77億4,700万円、2025年2月期は81億2,100万円です。

一番上の医薬品卸事業は、前期が84億3,600万円、2025年2月期は153億5,700万円となり、残りはその他となっています。

右側のグラフは、各事業の売上高増減を示したものです。調剤薬局事業とヘルスケア事業は、やや増加しました。

一方で、突き抜けているのが医薬品卸事業です。前期比69億2,100万円の増加となり、全体の売上高増加を牽引したかたちとなっています。この要因としては、統合効果が連結売上増加に表れたことが挙げられます。

連結営業利益

連結営業利益です。先ほどのスライドと同様、左側がセグメント別の営業利益、右側がその増減を示しています。

左のグラフの調剤薬局事業は前期が14億500万円、今期は12億3,400万円です。ヘルスケア事業は前期が1億7,300万円、今期は1億6,300万円です。医薬品卸事業は前期が1億7,600万円、今期は3億4,400万円となり、あとはその他となっています。

右側のグラフをご覧いただくと、調剤薬局事業が前期よりも利益を落としており、大変厳しい状況にありましたが、一方で医薬品卸事業は前期比1億6,800万円増加しています。

全体収益は、前期の15億5,900万円から今期は16億9,200万円に増加しています。ここには、本社共通経費の削減効果も寄与しています。

セグメント別業績(調剤薬局事業)

セグメント別業績のうち、調剤薬局事業のご説明です。スライドをご覧のとおり、処方箋枚数は前期からほぼ横ばいで、微増となっています。一方で、売上高は前期比11億7,300万円の増加となりました。

後ほどご説明しますが、処方箋枚数は既存店の枚数が減少しています。ただ、2024年にはM&Aを実施し、店舗数も増加したことで、全体の処方箋枚数は増加しています。売上については、単価の上昇と統合効果が寄与し、増加しました。

一方、収益面ではご覧のとおり、売上原価・販管費が増加しています。大きな要因は人件費で、こちらもご覧のとおり増加しています。その結果、営業利益は前期の14億500万円から12億3,400万円の減益となりました。

また、営業利益以下の項目については、2024年において約1億4,000万円の店舗減損を計上しています。

調剤薬局事業の概況①

全店ベースの処方箋枚数についてです。

左側のグラフで大きく減少している時期は、ちょうど新型コロナウイルスの流行に差し掛かったところです。その後は徐々に増加し、今期は微増となりました。既存店は落ち込んだものの、全体ではやや増加しています。

2023年には、新型コロナウイルスの5類移行により、それまでの受診抑制が緩和されたこともあって処方箋枚数が増加しました。2025年2月期は、平常に戻ったかたちです。

右側のグラフは、調剤薬局事業の売上高の内訳です。薬剤料と技術料ともに増加しています。

調剤薬局事業の概況②

弊社の店舗展開の推移です。2025年2月期末時点で、店舗数はちょうど100店舗になりました。内訳として、開局店舗数は津駅前店舗の1店です。また、M&A取得店舗数は6店、閉局店舗数は1店となり、これらを合計して100店となります。

2024年6月には、京都府で4店舗を展開する京寿薬品を子会社化しました。同年10月には、三重県の薬剤師会が運営する会営薬局2店舗の事業譲渡を受けています。これら計6店舗が、スライドに記載されている数字です。

調剤薬局事業の概況③

弊社が3年前に新設した、介護施設の入居者さまを薬剤師が訪問する専門薬局についてです。開設からちょうど3年を迎えますが、需要は順調に増加しています。

愛知県一宮市に専門店舗があり、このような薬剤師による施設訪問を全店で展開し、幅広いニーズに対応しています。薬局と介護施設の両方が弊社の主力事業であることから、このシナジーを発揮することを強化しています。

セグメント別業績(ヘルスケア事業)

ヘルスケア事業の業績についてです。

2025年2月期の売上高は81億2,100万円、営業利益は1億6,300万円です。入居率および稼働率は前年同期比でほぼ横ばいでしたが、一部の施設での単価上昇に加え、2024年7月には東京都で初めて介護事業を譲り受けた効果もあり、売上は前期比3億7,400万円の増加となっています。

一方、営業利益面は微減となっています。スライドには「労務費を主体とする費用が増加した」と記載しましたが、2025年3月には三重県桑名市に新たな介護施設をオープンした費用が先行した部分もあります。

ヘルスケア事業の概況①

ヘルスケア事業における、全国の施設内訳です。

スライドに記載した地域で居住系および通所系の施設を展開しており、合計113施設となっています。東京都には6施設ありますが、2024年7月には東京都の介護施設の事業譲受けを実施しました。

スライド下部は、介護施設を展開している都道府県のマップです。従来は東海地区以西、中国地方までの地域で展開していましたが、東京都でも初めて介護事業を展開することになりました。

セグメント別業績(医薬品卸事業)

セグメント別業績のうち、医薬品卸事業についてです。

2025年2月期の売上高は153億5,700万円、営業利益は3億4,400万円です。冒頭でもお伝えしたとおり、売上高・営業利益ともに大幅な増収・増益となっています。

ただし実態としては、2023年4月以降は仕入れ原価率の急激な上昇が続き、収益性は非常に厳しい状況に直面しました。

このような状況下において、2023年9月に北九州に本社を構える旧西部沢井薬品の医薬品卸事業と統合しました。さらに、2024年には埼玉県の佐藤薬品販売、香川県の若松薬品、千葉県の京葉沢井薬品をグループにお迎えし、規模を拡大することでなんとか原価率上昇に対応してきました。

医薬品卸事業の概況①

以上の結果、全国に広がった医薬品卸事業のマップを示しています。埼玉県、香川県と、四国では初めての展開となりました。若松薬品の支店が徳島県にもあることから、徳島県にまで営業エリアが広がっています。

さらに、2025年1月には千葉県の京葉沢井薬品がグループ入りしました。もともと千葉県には拠点がありましたが、千葉県の拠点がさらに拡充しています。

当社グループ全体の拠点網

調剤薬局、介護施設、医薬品卸事業の弊社グループ全体の拠点網です。この1年から2年で、東京都、北海道を含む1都1道2府22県の地域規模へと急激に拡大しました。

過去10年間の売上高・利益推移

中期経営計画については最後に社長からご説明するため、財務のサマリーについて簡単にご報告します。

こちらのスライドは、過去10年の推移と、後ほど社長から説明する中期経営計画を合わせたグラフです。中期経営計画の内容は私からは割愛するため、ここでは2025年2月期までのグラフを簡単にご説明します。左側が連結売上高、右側が連結営業利益の推移です。

売上高は緩やかに伸びているものの、近年はその伸びが鈍化していました。ただ、北九州の西部沢井薬品との統合を機に売上が一気に拡大し、直近では483億円となっています。

営業利益についても、ここ数年は伸び悩んでいました。直近では新型コロナウイルスの影響もあり苦戦していましたが、2025年2月期には16億9,200万円を計上し、営業利益ベースでは過去最高益を達成しています。

過去10年間の現預金・有利子負債推移

スライド左側が現預金・投資有価証券の推移、右側がネット有利子負債の推移を表したものです。現預金・投資有価証券はずっと積み上がってきましたが、直近ではその合計が91億7,300万円に減少しています。

有利子負債は増加し、100億円を超えています。現預金が減り、有利子負債が増えているのは、この1年から2年に実施した投資案件のM&A、介護施設の新設、そして店舗数の増加など、積極的に投資を行ってきた結果です。

連結貸借対照表(資産の部)

バランスシートの資産の部について、主な増減のみご説明します。

現預金は67億6,800万円で、前期比9億3,100万円の減少となりました。スライドには「投資活動によるキャッシュ・フローと財務活動によるキャッシュ・フローの減少が影響」と記載していますが、投資案件の実施によって現預金はやや減少しています。

一方で、M&Aにより、売掛金は増加しています。また、ヘルスケア事業においては2025年3月にオープンした介護施設が加わっている関係もあり、有形固定資産が増えています。直近で実施した7件のM&Aにより、のれんも増加しました。

ただし、7件のM&Aを行った割には、のれんの増加額は前期比1億2,200万円となり、抑制できたと考えています。また、投資有価証券については純投資の部分が増加しています。

連結貸借対照表(負債・純資産の部)

負債・純資産についてです。買掛金と長短借入金が増加している要因は、M&Aおよび介護施設の開設です。

長短借入金が増えているのは、これらの投資案件に対応した結果です。なお、借入金を投資に充てたのではなく、手元の現預金を活用した結果、借入金の返済にまわさず投資を優先したかたちとなります。

また、株主資本については、主に利益剰余金の積み上げによって増加しています。

連結キャッシュ・フロー

連結キャッシュ・フローについてです。

先ほどと同じような説明になってしまいますが、営業キャッシュ・フローはプラス11億9,800万円となり、償却前利益が増加しています。投資キャッシュ・フローは、投資案件の資金活用によりマイナス11億3,400万円です。財務キャッシュ・フローも、マイナス10億2,700万円となっています。

結果として、現預金および現金同等物増減額は9億6,400万円のマイナスとなりました。

有利子負債と資産・収益のバランス

有利子負債と資産・収益のバランスについてです。先ほどのグラフで説明しているため、ここでは簡単にご説明します。

有利子負債が100億円、現預金が67億円、投資有価証券24億円となり、グループ全体のネット有利子負債は8億7,100万円です。

それに対し、2025年2月期のEBITDAが24億5,500万円あるため、借り入れは増加しましたが、収益に対応した水準に十分収まっていると理解しています。

業績および資産・負債等の推移

直近6期の業績と資産・負債の推移を示した表です。冒頭に売上高、営業利益、経常利益が最高益になったとご説明しましたが、EBITDAおよび純資産額も過去最高の金額となりました。

主な経営指標の推移

主な経営指標です。自己資本比率は41.2パーセントとなり、前期と比べてやや低下しましたが、これは分母である資産がM&Aにより増加したことが要因だと考えています。引き続き、自己資本比率は40パーセント以上の水準を維持しています。

ROEについては、前期の8.2パーセントから今期は8.3パーセントと、わずかながら改善しています。

配当政策

配当政策についてです。後ほど、配当政策の方針も含めた中期経営計画について社長よりご説明するため、ここでは今年度の配当金と配当性向についてのみ簡単にお話しします。

1株当たり配当金は120円と、大幅な増配を考えています。中間60円、期末60円の配当金を予定しており、配当性向は36.1パーセントとする方針です。

以上、2025年2月期の決算概要について簡単にご説明しました。ありがとうございました。

中期経営計画の全体像

南野利久氏(以下、南野):代表取締役社長の南野です。私より、中期経営計画を説明します。

当社は、2025年2月をもって40期を終えることになりました。2025年3月からは41期目となるため、あらためて事業計画を立てた次第です。

「Re-Start 1,2,3(ワン・ツー・スリ)計画」と称し、41期、42期、43期で売上を拡大し、2028年2月期には売上高600億円、営業利益25億円を目指すものです。また、先述のとおり、株主還元策として配当性向を35パーセント以上としました。

中期経営計画の全体像

「Re-Start(再始動)」の3年間における各事業の売上高を示しています。

ヘルスケア事業は2025年2月期の81億円から100億円、医薬品卸事業は154億円から200億円、調剤薬局事業は247億円から300億円を目標としています。

41期、42期、43期という3年間の1、2、3(ワン、ツー、スリー)と、ヘルスケア事業100億円、医薬品卸事業200億円、調剤薬局事業300億円という売上の1、2、3を計画し、これらを達成すべく、さまざまな施策を打っていきたいと考えています。

中期経営計画の全体像

売上高の棒グラフです。グラフで示すと、スライドのとおりになります。

業績目標

営業利益については、2025年2月期は16億9,000万円、2026年2月期は19億5,000万円、2027年2月期は22億8,000万円、最終年の2028年2月期には25億円を予定しています。

業績目標 目標計数

2026年、2027年、2028年の売上高および営業利益の内訳です。

業績目標 施策

売上高600億円を達成するためには、それぞれの売上高を増加させなければならないため、M&Aによりトップラインを引き上げていく予定です。

また、統合効果を早期に発現し、業務効率化の促進と原価・販管費を低減させていきます。調剤薬局の新規店舗および介護施設も新たに展開していきます。主力3事業のシナジーを活かしたビジネスモデルを構築していく予定です。

業績目標 M&Aの直近実績

40期のM&A実績です。調剤薬局事業、医薬品卸事業、ヘルスケア事業、それぞれでM&Aを実施しました。

配当還元方針

配当性向についてです。2026年2月期より、配当性向を35パーセント以上とすることを決めています。

以上、中期経営計画に関するご説明を終わりたいと思います。

質疑応答:医薬品卸事業におけるM&Aの考え方、キャッシュフローの用途、株価対策について

質問者:質問は3点です。1点目は、今回の中期経営計画においても積極的にM&Aを実施していくようですが、特に医薬品卸事業においては、今後どのようにM&Aを行うのでしょうか? そのポテンシャルについて教えてください。また、基本的な質問ですが、医薬品卸事業におけるメリットと、御社にとってのメリットを教えてください。

加えて、外部環境を踏まえると、卸の1社流通でも一部厳しい状況があると思います。薬局でも同様に厳しくなっているところもあるため、このような外部環境の中で、お互いにどのようなメリットが生まれることを目指しているのか、教えてください。

2点目の質問です。中期経営計画の中で、キャッシュフローに関する計画があれば、今後3年間でどのような営業キャッシュフローをどのように使っていくのでしょうか?

定量的な説明が難しい場合は定性的でかまいませんので、キャッシュフローの使い道について、例えば投資に向けてなのか、株主還元に向けてなのか、優先順位について教えてください。

3点目は、株価の動きについてです。業績が改善しているわりには、株価が荒れていることもあり、低迷しています。

この点について、マーケットではどのようなところがリスク要因として捉えられているとお考えでしょうか? また、それに対して御社としてはどのような対策を講じ、リスクに対応した経営の舵取りを行っていくのか教えてください。

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