会社概要

家喜信行氏(以下、家喜):みなさま、こんばんは。日本PCサービス代表取締役社長兼グループCEOの家喜です。2025年8月期第2四半期の決算についてご説明します。よろしくお願いします。

会社概要です。「1人ひとりのお客さまに最適なスマートライフを!」を企業理念に掲げ、運営しています。経営理念は「お客さまに『ありがとう』と言って頂ける、社会に必要なサービスを提供する」です。

社会背景

社会背景です。日本の社会課題として、少子高齢化がどんどん進んでいます。人手も不足し働き方改革も行っていますが、そこに併せてDX化が進んでいます。医療面ではマイナンバーカードで受付をしたり、行政ではオンラインサービス化が進んでいたりします。

また、ITスキルや人材不足などもあり、DX改革を行っても格差が生まれています。デジタルデバイドやサイバー犯罪も増加しています。クラウドサービスが使えなくなると、社会インフラが一気に困ってしまうといった状況です。

したがって、デジタルインフラのサポート体制が日本社会全体で大きく不足していると考えています。今後、よりデジタルインフラの重要性が高まっていくため、包括的にサポートしていくことが日本PCサービス創業以来のミッションです。

目指すポジション

私たちのイメージとして、防犯・セキュリティといえば、みなさまご存じのセコムやALSOKがあります。ロードサービスといえばJAF、清掃といえばダスキン、水道トラブルといえばクラシアンなど、もちろん他の会社もたくさんありますが、サービス文化を築いたマーケットリーダーが存在しています。

一方で、デジタル機器で困った際のマーケットリーダーは、現在はまだ存在していません。私たちは創業時、「パソコンのJAF」と言っていました。スマート機器、IT機器、デジタル機器がどんどん増加し、困った時に解決するマーケットリーダーになることをミッションとして創業以来取り組んでいます。

スマホやPCで困ったら「『デジタルの総合病院』である日本PCサービス」と思ってもらえるように、さらに取り組みを拡大していきたいと思います。

これは資料の中にはありませんが、先日、おばあさまがスマホのバッテリーの不調で、あるお店を訪れている場面に遭遇しました。バッテリーの持ちが悪くなり、すぐに充電が切れてしまうという状況でした。

そのお店は私たちの店舗ではありませんでしたが、どのような対応になるのかを見届けていたところ、結局機種変更をして新しいスマホに買い換えることになりました。それが悪いというわけではありません。ただ、私としては「バッテリー交換でもう少し使えるのではないか」と思いました。

買い換えるのか、修理して使い続けるのか、お客さま自身が選べるようにするべきです。したがって、お客さまに選択肢を持ってもらえるように、認知度・知名度を上げていく必要があると感じました。

これはPCやスマホなど、どのような機器でもそうですが、新しい機器に変えると使い方がわからなくなってしまったり、新たに覚え直さないといけない場合もあります。もちろん新しいものを使っていく方もいますが、今までどおり使いたいとお困りの方も多くいらっしゃると思います。

そのような時に、日本PCサービスを「デジタルの総合病院」だと思ってもらえるように、しっかりと取り組みを進めていかないといけないと感じています。

当社の源泉|サポートインフラ

私たちはサポートインフラの構築をコツコツ進めており、現在は全国に396拠点あります。お客さまの近くや会社に訪問するための拠点は275拠点です。日本全国どこでも訪問可能となっています。店舗持込が可能なお店は、現在135店舗まで拡大してきました。コールセンターは5施設、キッティングセンターは1拠点です。

電話で対応し、店舗に持ち込むなど、家の中までサービスをワンストップで提供できるのは、競合他社にない強みになっていると思います。引き続き、私たちの強みを伸ばしていきたいと考えています。

エグゼクティブサマリー

エグゼクティブサマリーです。売上高は32億3,400万円で、しっかりと増収とすることができました。前期、前々期は利益率優先で取り組み、利益率を改善してきました。売上高は弱くなっていましたが、今期は増収となり、順調に成長していると考えています。

営業利益は200万円、経常利益は100万円、中間純損失はマイナス1,200万円となっています。こちらについては後ほどご説明しますが、新規出店や計画外の大型業務受託などの引き合いによる人的先行投資が発生しています。現状、今の先行投資のため、下半期には収益化していくことを考えています。

純損失の要因として、店舗移転による固定資産除売却損が挙げられます。前期は子会社のリペアネットワーク売却による特別利益が計上されていたため、前期差は大きくなっています。下半期はしっかりと収益化していきたいと考えており、現状は順調に進んでいると思っています。

2025年8月期 第2四半期 連結業績

第2四半期の連結業績です。業績については先ほどお伝えしたとおりです。スライド左側の2024年8月期の通期と第2四半期の実績をご覧ください。上半期に先行投資を行い、下半期で業績を上げていく傾向が強くなっています。

私たちは年中無休で営業していますが、上半期はお客さまが年末年始でお休みになったり、物理的に日数が少ない2月があったりするため、下半期で収益化しているのがここ数年続いています。

売上高は増加していますが、営業利益についてご心配される方もいると思います。下半期にしっかりと収益化していきたいと考えていますので、ご安心ください。

事業別売上高

「事業は心配ない」とお伝えしたとおり、全部門で増収となりました。全事業が好調に推移しているため、先行投資部分以外は予定どおり進んでいます。下半期も予定どおりしっかりと収益化していきたいと思っています。

売上高推移

売上高の推移です。先ほどお話ししたとおり、利益率を優先した結果、2023年8月期の売上総利益率は36.8パーセント、2024年8月期の売上総利益率は38.6パーセントと順調に回復しています。進行期も右肩上がりの予定で取り組んでいます。

後ほどご説明しますが、先行して売上原価がかかっている分、売上総利益率は落ちていますが、今後売上高が上がると売上総利益率も戻ります。売上高は順調に推移していると考えています。

売上総利益率分析

売上総利益率が低下している要因は、新規出店をどんどん進めていること、および計画外の大型業務受託による先行投資で人件費が増加したことです。採用後は最初に研修を行わないといけないため、まだ売上計上されていない人件費が売上原価の中にけっこう入っています。

これが売上になり、下半期には売上総利益率が戻ってきます。ご心配いただいているかと思いますが、ご理解いただければと思います。

営業利益推移

営業利益の推移です。通期予想は約200万円ですが、営業利益率は第2四半期で0.1パーセントとなっています。こちらも売上原価が先行投資でかかっていますので、下半期でしっかりと取り返し、営業利益率も想定のところに着地させていきたいと考えています。

営業利益分析

営業利益の前期との差異です。2024年8月期第2四半期の営業利益は2,500万円です。売上高は全事業区分で増収となりました。販管費は、一部費用が増加していますが、計画内に収まっています。

売上原価は、新規出店と計画外の大型業務受託に伴う人的先行投資費用が増加しています。売上がまだ立っていない原価であり、今後売上がしっかり立ってくると営業利益に反映されていきますので、下半期をお待ちいただければと思います。

売上高・営業利益 半期推移

先ほどお伝えしたとおり、私たちの事業特性として、年末年始と2月が上半期に入ってくることと、年度で予算計画を立てていく中で、上半期に投資し下半期で収益化していくことが多い傾向にあります。この2年間を見ても、売上高と営業利益ともに下半期のほうが高くなっています。

この進行期も同じような状況ですが、計画外の原価がかかっているため、営業利益は想定よりも低い状況です。その分は下半期で取り返していきたいと考えています。

定額会員サービス|会員数推移

定額会員サービスです。会員数は67万7,000人を突破し、順調に保証・保険付きサービスが伸びています。保険付き保守サービスの法人契約数は483社と、こちらも順調に増加しています。法人DXサポートの営業が進んでいるため、引き続き取り組んでいきたいと思います。

新規出店店舗(直営店)

達成に向けた実行施策です。計画どおり新規出店ラッシュとなっています。スマホ修理にはさまざまな競合会社があり、「スマホスピタル」はもともと目立たない雑居ビルで営業していることが多く、目立つところへの移転も進めながら行っています。

2024年9月には東京の大森店、11月には岡山駅前店、12月には千葉店が新規出店し、堺店が移転しています。

2025年1月には自由が丘店、2月には神田店、浜松店が新規出店し、新宿店が移転しています。新宿店は、「新宿アルタ」が閉店するため、「新宿サブナード」という場所に移転し営業しています。4月には東京大手町店がオープンします。現在の新規出店は7店舗、移転は2店舗と、全体で9店舗となっており、上半期は怒涛の出店を行いました。

また、「デジタルマーケット」という新形態ショップを本日オープンしました。こちらについては後ほどご説明します。

店舗持込サポート|収益化イメージ

新規出店と計画外の大型業務受託の内容です。直営店の新規出店のために、今期の第1四半期に人材採用を行い、研修と育成に取り組みます。店舗のオープンとともにどんどん人が入っていきます。したがって、研修期間である約3ヶ月間は原価が増加し、売上高はまったく上がりません。

店舗が徐々にオープンしていくと、早くて3ヶ月、遅くて7ヶ月で単月での収益化が見込まれます。収益化とともに、適正な原価率になっていく仕組みです。

業務受託については、スマホなどの修理を行うため、一気に何名も入れていかないといけません。スマホだけではなく、さまざまなところに修理サービスの運営を請け負っており、そちらに対して人を入れていきます。

第2四半期に採用・育成を行いますが、採用・育成コストは研修している間は完全に原価となり、売上は上がりません。こちらは、スライドに第1弾と記載している下半期から開始する計画です。運営受託のため、開始すると収益化が始まります。したがって、第1弾、第2弾が始まると、確実に適正な原価率となり、収益化されていきます。

これが、先に採用・研修を行うことで、売上が上がってくるまでの間は原価が重たくなってしまうという人的先行投資のご説明です。スライドをご覧いただくと、新規出店したところも下半期に収益化が進んでいくことがお分かりいただけると思います。

業務受託は、開始月が契約で決まっているため、開始すればその分の売上が確実に上がっていきます。これにより、下半期に収益化していきたいと考えています。

法人DXサポートの拡大

法人DXサポートは好調で、第2四半期は増収となりました。大手金融関連では、業務用端末1万5,000台の「Windows11」への入れ替えサポートを行います。大手証券関連では、毎月サービスのメンテナンスを行います。大手居酒屋チェーンでは、DX化のためにPOSレジを導入していきます。

また、自治体向け端末修理、医療DXのキッティングに加え、スライドに記載していないものももちろんたくさんあります。需要が多くあるため、下半期も引き続き、法人DXサポートの案件をしっかりと獲得していきたいと思っています。

前期にもお話ししていますが、法人DXサポートは今日契約して明日始まるということはなかなかありません。営業期間が長く、スタートは少し先になります。今まで営業している部分が下半期に上がってきますので、引き続き取り組んでいきたいと思います。

新規提携・取り組み

新規提携・取り組みです。上半期には、国内大手パソコンメーカーの訪問サポートをテスト稼働しました。2025年1月17日頃から開始し、順調に進んでいます。

2024年11月には「東邦ガス光」の訪問設定サービスを開始しました。さらに、「Windows11」への入れ替え需要が高まっているため、自社ではパソコンの展示即売会も開始しています。

その他新規取り組み

新規出店やさまざまな取り組みを行ってきました。例えば、後半ではベネフィットジャパン利用者向け訪問サポートの開始、ヴァンガードスミスとの業務提携、2025年3月にはスマレジ・MAYAネットソリューションズとサポートサービスを開始しています。新規取り組みと新規提携は順調に進んでいます。

郊外型|新規形態ショップ 4月18日OPEN

自社の「デジタルマーケット」についてです。現状は「スマホスピタル」「PCホスピタル」「ゲームホスピタル」と進めていますが、実は訪問サービスでは月間約300台のパソコンが販売されています。

訪問の段階で「息子と一緒に見にいきたい」「夫婦で見たい」といった声や、訪問で持っていける在庫は台数が少なくなるため、「何台かの中から選びたい」などの声を以前からいただいています。また、スマホの料金見直し相談など、「もう少し気軽に相談に行きたい」という声もあります。

現在「スマホスピタル」では、時間を予約していただいて修理しているため、お客さまが飛び込みで相談に行くと時間がかぶってしまうことがあります。

これまでは訪問サービスで会員になり、電話で相談するなどに取り組んできましたが、今後は店舗に来て自由に相談してもらいたいと思います。PCの購入サポートやスマホの乗り換えなど、デジタルインフラのサポートは今後さらに加速していきます。地域の方々にはお困りの際、気兼ねなく相談していただければ対応していきます。

スライドに「ドラッグストアのデジタル版」と記載していますが、ドラッグストアも処方箋薬局があり、ストア運営していると思います。私たちも「デジタルマーケット」として、個人のお客さまはもちろん、お近くの法人会社にも、さまざまなデジタルのご相談に来ていただければと思っています。

販売やスマホの機種変更などにも対応しつつ、処方箋薬局のような「スマホスピタル」「PCホスピタル」を中に併設することで、修理にも対応できるショップ展開を本日から始めました。訪問した際には、訪問スタッフと連動して、地域の店舗を活かすことができます。

この方程式が出来上がれば、郊外にもこのような店舗サービスを進めていけると思います。私たちの出張拠点がさらに増加し、サポートスタッフの移動効率も良くなるため、こちらを1号店として方程式を作っていきたいと考えています。

2025年4月に、東京の大手町に大規模な「スマホスピタル」を出店しました。大阪の梅田にも出店しており、大手町、梅田を「デジタルマーケット」の2号店、3号店として、新品・中古のスマホ・PCの販売、回線などにも対応します。デジタルをすべてワンストップでサポートするお店として展開していきたい考えです。

2025年8月期 期初予想

今期の見通しです。まず期初予想から修正は行っていません。先ほどお話ししたとおり、受注が取れたものは先行投資として原価が計上されています。下半期で売上が立ってくるため、期初予想を達成するために進めていきたいと考えています。

2025年8月期 下半期施策

下半期の施策です。フィールドサポート事業と会員サポートセンター事業の2本立てになっています。

フィールドサポート事業の個人向けサポートでは、パソコンの展示即売会を上半期にテストし、いろいろと成果が出ているものがあります。こちらは四半期にあらためて展開していきたいと思います。

営業活動強化による新たな提携先の開拓も、今期は順調に進んでいます。営業強化のために新たな執行役員を1名迎え、提携先開拓をさらに進めたいと思っています。また、店舗持込サポートの新規出店と移転の収益化を予定どおりに進めていきます。

先ほどお話しした「デジタルマーケット」は新しいチャレンジになりますが、「デジタルマーケット」を訪問と店舗持込サポートに連動させることで、新たな収益化を図っていきたいと思っています。

持込店舗は今135店舗ですが、前期にお話ししたように、富士通クライアントコンピューティングとの連携で、同社の「PC家庭教師」のお客さまに、私たちの店舗を修理拠点として持込いただいています。

このように、持込店舗として修理にご利用いただくという意味でも、新たな企業と提携し、店舗の新たな使い方、新たな収益のかたちにこれから対応していきたいと思っています。

フィールドサポート事業における法人向けサポートでは、DX支援・キッティング需要が好調ですので、こちらは継続して進めていきます。GIGAスクール端末の修理もどんどん拡大しており、先ほど先行投資部分として触れた大型受託案件も下半期に本格稼働していきます。

法人向けDX支援のニーズは引き続きある見込みですので、そちらを進めつつ、「Windows 10」のサポート終了や、「NEXT GIGA」の一括入替などをきっかけに、法人領域のシェアを拡大させていきたいと考えています。

会員サポートセンター事業は、訪問した際、あるいは「スマホスピタル」にご来店いただいた際の自社会員獲得を強化しています。

加えて、定額会員サービスの会員数が67万人と伸びる中、保険付き保守サービスの法人契約数も順調に獲得が進んでいるため、提携顧客および法人向けの保守サービスの契約も、引き続き伸ばしていきたいと思っています。

会員サポートセンター事業のコールセンター受託については、IT資産導入後の保守・運用を含めたLCM対応に向けて、私たちのコールセンターをどんどん拡大していっています。BPO関連を含めた周辺領域のニーズも取り込むかたちで、コールセンターで受託できるサービス分野をどんどん拡大しているところですので、このまま着実に進めていきたいと思っています。

上半期は営業利益が弱く、ご心配をおかけしました。人件費の先行投資で原価がかかっていましたが、下半期は十分に売上を立てていける見通しですので、引き続きご支援いただければ幸いです。よろしくお願いします。

質疑応答に移りますが、今回決算説明資料の中にもQ&Aをご用意しています。もしお時間がありましたら、そちらもお読みいただければと思います。

質疑応答:個人顧客の年齢分布と若年層からの需要について

司会者:「個人顧客の年齢分布を教えてください。若年層からの需要もありますか?」というご質問です。

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