2024年12月期決算説明

中村研氏:みなさま、こんにちは。株式会社シンシア代表取締役社長の中村です。これより株式会社シンシアの2024年12月期決算概要、2025年12月期業績予想についてご説明します。

Agenda

本日のご説明内容は、ご覧いただいているAgendaに沿って進めます。

まず、シンシアの会社概要と、シンシアの推進する事業領域拡大に向けた考え方についてお話しします。続いて、2月14日に発表した、2024年12月期の決算及び2025年12月期の業績予想についてご説明します。

会社概要

はじめに、当社の事業概要をご説明します。

当社は2008年に設立された、コンタクトレンズメーカーです。安心安全、高品質な製品をお求めやすい価格でお客さまにお届けしています。

会社概要(コンタクトレンズ主要製品)

シンシアの製品は海外の提携工場に製造を委託し、主に日本国内において製品を販売する、ファブレスメーカーです。

シンシアは、外部への委託生産を行うにあたって、独自の厳しい品質方針を定め、お客さまの立場に立ち、誠実に製品とサービスをお届けすることに努めています。

加えて、お求めやすい価格設定と、眼科処方施設、ECサイトのみならず、最寄りのドラッグストアでもお買い求めいただけるなど、お客さまが使い続けていただくことに負担とならない製品をご提供しています。

会社概要(事業領域の拡大の方向性)

さて、シンシアはコンタクトレンズ単一の事業形態から事業の多角化を目指しており、積極的なM&A、新事業の展開を推進しています。

当社が、コンタクトレンズ事業で培った、「品質管理」「WEBマーケティング」「営業ネットワーク」でのシナジーを見込み、2022年12月にクリニックのコンサルティング事業、さらに2023年11月にはリユース業界向けPOSシステム事業をM&Aにて取得しています。これらは現在の業績に大いに貢献しています。

これからもM&Aについては積極的に推進し、さらなる収益基盤の強化を進めていきます。

会社概要(薬事コンサルティング関係)

さらにシンシアは、高度管理医療機器であるコンタクトレンズメーカーとしてのノウハウ、強みを活かし、日本進出を検討する海外企業さまからの要請を受け、医療機器、医薬部外品、化粧品などの国内における製造販売の承認申請及び、許可取得に対応する薬事申請支援サービスを提供しています。

海外からの日本進出は参入障壁が高く、そのニーズから引き合いも増えており、シンシアにとって今後の成長分野になっていくものと認識しています。

決算サマリー・トピックス

それでは、本題となる2024年12月期の決算についてご説明します。

まずサマリーですが、ポイントとしては3点です。1点目はシンシアの主力製品であるシリコーンハイドロゲルレンズ「シンシアワンデーS」の販売が好調に推移し、主軸事業のコンタクトレンズ事業を牽引しました。

2点目は、厳しい円安の環境下ながら、為替施策が奏功し、利益を捻出できました。

さらに3点目として、事業の多角化、収益基盤強化を目指し取得したコンサルティング事業、システム事業についてはしっかりと全社収益に貢献しました。

決算ハイライト

決算ハイライトです。

売上高は前年比9.7パーセント増の65億3,900万円、売上総利益は同じく13.7パーセント増の20億9,600万円、営業利益は同じく28.6パーセント増の4億8,400万円、経常利益は同じく4.8パーセント増の4億6,800万円となりました。 親会社株主に帰属する四半期純利益は前年比2.1パーセント増の3億100万円と、売上、各段階利益ともに増収増益という結果になりました。

売上高・営業利益率 推移

次に、売上高と営業利益率の推移について、3ヶ年の通期比較をご覧いただいています。売上の伸びとともに、利益率も着実に伸ばしています。

この利益率拡大の要因としては、着実な為替対策の実施と、高付加価値のシリコーンハイドロゲルレンズの伸長、さらには、M&Aによる新規事業の取り込みが貢献しています。

コンタクトレンズの製品別売上高

コンタクトレンズ事業の売上の内容についてご説明します。

シンシアブランドで販売している「シンシアワンデーS」シリーズを中心に、その装用感が多くのユーザーさまに支持されたことで、好調に推移しました。

プライベートブランドのカラーレンズは販売環境の変化などにより売上が減少していますが、シンシアブランドレンズ、プライベートクリアレンズが伸長したことでコンタクトレンズ事業全体として増加となりました。

参考:新素材レンズ 「シンシアS」シリーズのご紹介

ここで、当社の主力商品である「シンシアS」シリーズについてご紹介します。

シリコーンハイドロゲル素材のレンズは、酸素透過率が高く、眼に優しいレンズとして眼科医からも推奨されています。眼は血管のない組織なので直接外気、涙から酸素を取り入れています。コンタクトレンズを装用しながらも充分な酸素を供給することは眼の負担軽減、健康にも大変重要なことなのです。

このシリコーンハイドロゲルのレンズは、その優れた装用感からユーザー評価も高く、近年、従来素材のレンズからのシフトが進んでいます。

「シンシアS」シリーズは同素材製のレンズであり、眼科医・ユーザーの方から高い評価をいただいています。スライド左下に酸素透過率のグラフを示していますが、当社のシリコーンハイドロゲルを使用したレンズの優位性がおわかりになるかと思います。

処方施設取扱店件数の推移

あらためて、この「シンシアS」シリーズの足もとの状況をお話しします。「シンシアS」シリーズの取扱店舗数は、その評判とともに年々増加傾向です。ここ2年間で約1.2倍の取扱店舗数の増加がありました。

シンシアSシリーズ 売上高推移

それに伴い、「シンシアS」シリーズの売上も非常に好調で、2年前の1.5倍近くを販売しています。この「シンシアS」シリーズのカラーレンズ、「クレシェ」も好評を得て順調な売上となっています。

また、後ほどご説明しますが、2月初旬に「シンシアS」シリーズの新製品も発売しており、引き続き、当社の営業力で取扱店舗の拡大と売上向上を図っていきます。

営業利益分析

さて、営業利益増減内容についてですが、決算ハイライトでご説明したとおり、前年比28.6パーセント増の4億8,400万円となりました。

営業利益の増減内容をご説明すると、新規事業であるシステム事業の貢献により、売上総利益が2億5,300万円増加しました。M&Aによる企業連結により人件費の増加や、のれんの償却費が計上されたことで費用の増加もありました。

その結果、営業利益は前年同期3億7,700万円から4億8,400万円へと大幅に増加しました。

2024年12月期 セグメント別業績

続いて、セグメント別の業績ですが、コンタクトレンズ事業の売上高は60億7,400万円、セグメント利益は6億2,800万円、コンサルティング事業の売上高は6,000万円、セグメント利益は3,000万円となりました。

今年度期初よりスタートしたシステム事業の売上高は、4億500万円、セグメント利益は5,700万円となりました。なお、調整額の2億3,200万円は、管理部門費用などの共通費です。

以上が2024年12月期の決算説明です。

2025年12月期 業績予想のポイント

続いて、2025年12月期の業績予想についてご説明します。

売上高については、自社ブランド製品は新製品発売とともにさらなる販売強化を重点的に取り組み、前期比1.7パーセント増の66億5,000万円の売上高を目指します。

前年度よりさらに厳しい為替環境下であり、引き続き、為替施策にも注力していきます。より一層の積極的なマーケティング活動や、各種販促活動を実施するものの、DX等を活用しながら効率的な施策実施に努めていきます。また、M&Aで取得した事業、子会社のPMIにも注力し、シンシアグループとしての収益向上、シナジーを創出していきます。

さらなる事業領域の拡大を目指し、立ち止まることなく新規M&Aについても推進していく所存です。

参考:新発売 『シンシアワンデー S 乱視用』

ここで先般、2月4日に「シンシアS」シリーズに待望の「シンシアワンデーS乱視用」が発売されたため、ご紹介します。

新製品の「シンシアワンデーS乱視用」は、酸素透過率の高さに加え、同タイプの乱視用レンズの中でも業界最薄のレンズ設計を実現しました。当社既存製品の近視用レンズ「シンシアワンデーS」で好評な着け心地の良さと裸眼に近い自然な装用感を乱視用レンズでも目指して、長時間でも目が疲れにくい商品を開発しました。

初めてお使いになる方、片目乱視の方、軽度乱視の方、運動される方、さまざまな乱視患者さまに寄り添った、「はずす時まで、初めてのつけたて、つづく」、新しい乱視用コンタクトレンズです。

重点施策

次に、重点施策についてご説明します。

1点目は、製品品揃えの拡充です。好評の「シンシアS」シリーズの新製品、「シンシアワンデーS乱視用」をこの2月に市場投入、昨年はドラッグストア販売の「アイウェル」についてお求めやすい10個入を販売する等、お客さまのニーズに合った品揃えを充実させ、売上拡大を目指します。

2点目は、自社ブランド製品の売上拡大です。処方施設ルートの強化、ドラッグストアルートの認知度向上施策、さらに増加するインバウンド需要の取り込みにも着目し売上の拡大を目指します。

最後に、M&Aの推進です。M&Aの推進と並行し、買収した事業、子会社の体制強化、収益性向上、さらにはシンシアグループとしてのシナジー創出に注力していきます。

以上3点が2025年12月期の重点施策です。

2025年12月期 業績予想

これら施策を背景に、2025年12月期の業績予想は、売上高は前年比1.7パーセント増の66億5,200万円、売上総利益は前年比5.4パーセント減の19億8,400万円、営業利益は前年比44.7パーセント減の2億6,800万円、経常利益は前年比46.9パーセント減の2億4,800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年比48.4パーセント減の1億5,500万円と予想しています。

売上高・営業利益推移

売上高及び営業利益の推移については、ご覧のとおりとなっています。2025年12月期は増収減益となる見込みです。

売上高については、先ほどご説明したとおり、重点施策などを確実に実行し、全社一丸となって売上高66億5,200万円の達成に向け取り組んでいきます。

営業利益については、一部製品の円建て仕入により利益悪化は軽減されているものの、現在の為替状況からは原価率の上昇が否めないものと想定しており、前年度比で減少するものと見込んでいます。

コンタクトレンズ 製品区分別売上高推移

コンタクトレンズ事業の商品区分別の売上予想については、シンシアブランドのクリアレンズは、新発売の「シンシアワンデーS乱視用」の積極展開と、販売が好調に推移している「シンシアワンデーS」シリーズ、「アイウェル」シリーズを中心にマーケティング活動をさらに強化することにより、売上、シェア拡大を見込んでいます。また、カラーレンズについても、クリアレンズ同様、マーケティング活動の強化などにより、売上高は増加していくものと考えています。

他社への供給商品については、価格競争が激化していることなどから厳しい状況が継続するものと考えています。2025年12月期は「シンシアワンデーS乱視用」をはじめとして、シンシアブランドレンズのさらなる売上高の拡大を目指していきます。

以上が2025年12月期業績予想のご説明です。

配当金・配当性向推移

次に、株主還元についてご説明します。

シンシアの配当政策については、今後の業績予想、経営体質強化のために必要な内部留保の確保、配当性向などを総合的に勘案し、安定的な配当を行うことを基本方針としています。

なお、昨年度、当社の利益成長を通じ、より株主還元を充実させていくことが重要と考え見直しを行い、連結配当性向30パーセントから40パーセントを目途とすることへ変更しました。これにより、2024年12月末基準日においては1株当たり19円の配当を予定しています。

なお、2025年12月期については、現段階において減益を予想しており、1株当たり10円としています。

株主優待制度-1

次に、株主優待制度の内容についてご説明します。シンシアは、株主のみなさまの日頃からのご支援に感謝するとともに、当社製品のご利用を通じて当社の事業をより一層ご理解いただきたいとの思いから株主優待制度を導入しています。

シンシアの株主優待制度では、シンシアブランド商品の公式販売サイトにて30パーセントから60パーセント割引でご利用いただける特別ご優待券を、優待制度の対象となる株主のみなさまに、保有される株式数及び保有期間に応じて贈呈します。

株主優待制度-2

また、当社株式への投資の魅力をさらに高め、より多くの株主さまに中長期的に保有していただくことを目的に保有株数、保有期間に応じて「QUOカード」を贈呈します。

株主還元実質利回り

最後に、当社株式への投資利回りについてご説明します。

株価を1株500円と仮定し、2単元、200株を1年間保有していただいた場合、2025年12月期の配当見込を基準とすると、配当利回りで2.0パーセント、優待利回りでは当社製品割引クーポンを最大限ご活用いただくことで21パーセントとなり、合計の実質利回りは23.0パーセントになります。

Appendix 商品紹介|「シンシア S」

25ページ以降は、当社製品をご紹介しています。ぜひご覧いただけたらと思います。

ひとみに、誠実に。

以上、株式会社シンシアの決算説明を終了します。ご視聴ありがとうございました。