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江尻高宏氏:みなさま、こんにちは。株式会社シンカ代表取締役社長CEOの江尻高宏です。本日はお時間をいただきありがとうございます。それでは2024年12月期の決算の発表をしたいと思います。

本日は、まず会社概要、事業内容、競争力の源泉の順にお話しし、続いて2024年12月期の業績、最後に成長戦略およびリスク情報についてお話しします。

経営理念

まず、我々の経営理念についてです。経営理念は「ITで 世界をもっと おもしろく」です。我々はIT企業として「ITを使って世界をおもしろくしよう」と考えています。他の誰かやどこかの会社がおもしろくしてくれるのをただ待つのではなく、「我々が世界をおもしろくするんだ」「ITを使っておもしろくするんだ」という思いで経営しています。

カイクラへの思い

なぜこの「カイクラ」というビジネスを開発したのか、その存在意義や理由についてお話ししたいと思います。

もともと私はシンクタンクに勤務しており、その時代にコールセンターのCTIというシステムと出会い、それを開発するプロジェクトに参画していました。そこで電話というアナログな仕事をデジタル化するだけで業務効率化が非常に進むことを実感し、大変驚いた経験があります。

しかし当時はCTIが非常に高価であったため、世の中にあまり広がっていませんでした。コールセンターでは使っていたものの、一般の事業者やオフィスで使うにはまだ高い時代でした。

その後、私は経営コンサルティングの会社に転職し、全国の中小企業の現場の方や経営者の方など、さまざまな方を見て衝撃を受けました。

依然としてアナログが中心で、極めて業務が非効率でした。例えば電話での受発注では「言った、言わない」というトラブルが起きます。そしてそのトラブルの対応に時間が取られ、結果的に生産性が非常に低くなっていました。

このように、トラブル対応などの価値を生まない業務に時間を取られ、全体的に生産性が低くなっている様子を見て、「これはITを導入して解決しないといけない」と感じました。

現場を見てみると、電話はなかなかなくならないですし、電話を中心としたコミュニケーションでのトラブルも多いと感じました。

そこでまず、電話をデジタル化することで「言った、言わない」を含めたトラブルをなくし、さらにコミュニケーションがもっとおもしろくなっていけば、効率化が進むだけではなく、ビジネスもおもしろくなるのではないか、そしてみなさまがハッピーになるのではないかと考えました。

そこで、コールセンターで使われていた非常に高いCTIというシステムを気軽に使っていただけるように、CTIの民主化を進めようと思い、ビジネスを始めました。

時代とともに、コミュニケーションは多様なチャネルで行われるようになりました。電話だけではなく、今まさに我々が使っている「Zoom」のようなWeb会議システムやメール、SNSなど、さまざまな手段でコミュニケーションが取られています。

そのようなコミュニケーションのすべてが統合され、効率化されていけば、みなさまがよりハッピーになるのではないかと考えました。「カイクラ」は電話からスタートして、さまざまなコミュニケーションを統合し、お客さまのコミュニケーションを支援しています。これが我々の「カイクラ」というビジネスです。

業績ハイライト―売上高と営業損益

会社概要についてご説明します。まず業績ハイライトです。2024年12月期は、売上高が12億3,200万円、営業損益が7,800万円となりました。

2023年12月期比で売上高は2億円弱伸びましたが、営業利益は下がり、増収減益となりました。ただし2023年度からの黒字基調は引き続き継続しています。

KPI ハイライト

主なKPIのハイライトです。2024年12月期の売上高は12億3,200万円です。ARPA(拠点単価)は1万7,503円で、前期末比1パーセントの増加となりました。この微増になった理由は後ほどお話しします。

アクティブユーザー拠点数は大幅に伸びており、前期末比25.3パーセント増の5,648拠点となりました。これは解約したユーザーをすべて除いた純増の数字です。

営業利益は7,800万円で、前年同期比23パーセントの減益となりました。MRRの合計は10億3,600万円で、前年同期比16.9パーセント増です。月次解約率は引き続き低い数字を推移しており、0.33パーセントです。前期とまったく同じ数字となりました。

会社概要

会社概要についてご説明します。我々は2014年に創業し、今期で11期が終わり、今12期目が始まったところです。従業員は64名です。

〜会話を クラウドで おもしろく!〜

「カイクラ」ビジネスの事業内容についてお話しします。「カイクラ」は、「会話クラウド」を略して「カイクラ」と呼んでおり、コミュニケーションを見える化するクラウドサービスです。

「カイクラ」は3つの機能を統合しているサービスです。1つ目が、電話をはじめメールなどさまざまなコミュニケーションの履歴を統合する「カイクラコミュニケーション」の機能です。2つ目が、クラウドCTIとしての「カイクラCTI」の機能です。3つ目が、新たにリリースしたクラウド電話「カイクラフォン」の機能です。

「カイクラ」の特徴をスライド右側に示しています。コミュニケーションの履歴と顧客の情報を自動で紐づけ、クラウド上で管理しています。顧客情報とコミュニケーションをセットで自動的に統合することで履歴管理を行っています。

①コミュニケーション履歴統合:カイクラコミュニケーション

それぞれの機能についてご紹介します。「カイクラコミュニケーション」は一言で言うと「会話が見える」というものです。固定電話や携帯電話、SMS、メール、「LINE」、ビデオ通話など、さまざまなコミュニケーションの履歴を自動的に記録し、それらを顧客ごとに時系列で整理していきます。

特徴は、顧客情報と紐づけて管理していることです。例えば車のディーラーでは、「いつどのような車を買ってくれて、オイル交換がどのようになっているか。車検がいつ切れるか」などのさまざまな顧客の情報と、「電話でどのような話をしたか、メールでいつ見積もりを送ったか」など、これまでの「会話」の履歴をすべて統合して管理しています。

そのため「カイクラコミュニケーション」を見れば、「誰がいつ、どのようなコミュニケーションを取ったか」について会社全体で共有することができます。

電話に関しては、固定電話や携帯電話で行われた音声通話を自動的にテキスト化して要約します。さらに感情でラベリングするため、「怒っている」「悲しんでいる」というようなこともわかります。

また、電話の中で発生しているタスクを自動的に抽出します。電話というツールでは依頼をされることが多く、例えば車のディーラーでは「そろそろ車検が切れるので車検の予約をしたい」という電話がかかってきたら「車検の予約をする」というタスクが発生します。このように会話の中に含まれるタスクを、自動的に抽出することができます。

②クラウドCTI:カイクラCTI

2つ目の機能の「カイクラCTI」はクラウドCTIであり、「顧客が見える」ことが特徴です。

BtoCのビジネスを行っている方にとっては、「顧客が見えない」という課題があります。そこで我々の「カイクラCTI」を使っていただくと、店舗やオフィスに電話がかかってきた時に、そのお客さまの情報を自動的にポップアップすることができます。

さらに顧客情報をポップアップするだけではなく、先ほどの「カイクラコミュニケーション」で紐づけたコミュニケーション履歴を管理しているため、どのような内容の通話やメールをしていたかなど、内容をすべて表示することができます。

しかも自動的に出てくるため、逐一顧客検索をしたり、これまでどのような対応をしていたかなどを周りの人に聞いたりする手間を省くことができます。さらに情報がわかることにより、気持ちのいいおもてなし対応をすることができます。

③クラウド電話:カイクラフォン

3つ目の機能の「カイクラフォン」はクラウド電話であり、「カイクラ」からの固定電話の発着信が可能です。

特徴は、標準でCTIの機能を装備していることです。「カイクラフォン」を使うことで、例えばオフィスの代表電話や店舗の固定電話などを外で取ることができ、また外出先から店舗の番号、オフィスの番号、代表番号などで電話をかけることができます。

外出先でオフィスの電話を取ろうとした時でも、CTIの機能が標準で装備されているため、着信時に顧客情報とコミュニケーション履歴に紐づいた情報がすべて自動的に表示されます。そのため、電話を楽に取ることができます。

オフィスだけではなく、テレワークをしている自宅や外出先で気持ちよく電話が取れ、そして情報がわかるからこそ、効率化だけでなくおもてなし対応が可能になります。これがクラウド電話「カイクラフォン」の特徴です。

カイクラの3つの導入効果

「カイクラ」の導入効果は3つあります。1つ目は「顧客対応の効率化」です。先ほどお話ししたとおり情報が見えるため、逐一検索する必要がなく、「言った、言わない」というトラブルも削減されます。

2つ目は「CS(顧客満足度)の向上」です。BtoCの事業をしていると、やはりお客さまの満足度を高めたいという意識があると思います。「カイクラ」によるおもてなし対応ができることで、CSを向上する効果があります。

その結果、3つ目の「ES(従業員満足度)の向上」にもつながります。クレーム対応がスムーズになり、お客さまが「見える」ようになるため、顧客情報がわかった上でコミュニケーションが取れることは、やはりストレスを軽減させます。

特に最近では「電話恐怖症」という言葉があり、Z世代と呼ばれる最近の若い方々にとっては、誰かわからない人からかかってくる店舗やオフィスの固定電話を取るということがストレスになっています。そのようなストレスを大幅に軽減することによる従業員満足度の向上が効果として挙げられます。

カイクラ活用のイメージ

「カイクラ」の活用イメージについて、私が簡単にデモンストレーションをしたいと思います。

まず「カイクラ」のアプリを立ち上げます。そして私が電話をかけます。するとスライドに示しているように、顧客情報がパソコン画面の右下にポップアップしてきます。これで「誰から電話が来ているか」がわかります。つまりこれが「顧客が見える」ということです。今から私が試してみたいと思います。

(パソコンのデスクトップ右下にポップアップが表示される)

私が電話をかけると、パソコン画面の右下に私の名前が出てきます。今オフィスに電話が鳴っており、スライドの画像と同様に発信者として私の名前や、担当者の情報が出ています。電話を取る時にポップアップ画面をクリックすると、詳細な顧客情報が表示されます。

カイクラ活用のイメージ

(電話を掛けてきた相手の情報が表示される)

このように、電話を掛けてきた相手の名前、住所、電話番号、担当など、詳細な顧客情報がわかりますので、これを見ながらお客さまとのコミュニケーションが取れることが利点になります。これが「カイクラCTI」です。

カイクラ活用のイメージ

(会話履歴のページが表示される)

「カイクラコミュニケーション」では、自動的にさまざまなコミュニケーションの履歴を記録しています。

「着信」は、オフィスに電話がかかってきたという着信履歴です。「発信」は、電話をかけたという発信履歴です。それ以外にメールやSMSなどについても自動的に記録します。

SMSやビデオ通話、携帯着信、携帯発信などの発着信の手段を選択し、期間を設定すると、該当する履歴が出てきます。例えば「携帯発信で、加藤さんに社用携帯から電話をかけた」「加藤さんから社用携帯に電話がかかってきた」「田中さんとビデオ通話をした」「田中さんにSMSでショートメッセージを送った」というような履歴が出てきます。

(画面にSMS本文の内容がポップアップ表示される)

該当する箇所をクリックすると、そのやり取りの内容がわかります。このようにコミュニケーションを自動的にすべて記録しています。

他にもメールや「LINE」などのやり取りも全部見られます。メール送信やメール受信、「LINE」送信、「LINE」受信、「LINE WORKS」などを検索すると、そのやり取りの履歴が見られます。

(画面に「LINE」の内容がポップアップ表示される)

例えば「山田さんから『LINE』を受信した」という履歴をクリックすると、やり取りの内容を見ることができます。

(画面に送信メールの内容がポップアップ表示される)

またメール送信であれば、例えば「佐藤さんに対してメールを送信した」履歴をクリックすると、送信したメールの内容が記載されています。

これも「カイクラ」が自動的に記録していきます。メールを個人でやり取りすると、個人のパソコンに記録されるため、誰がどのようなやり取りをしているかよくわからないということがあります。しかし「カイクラ」ではすべて履歴管理ができるため、誰がどのようなやり取りをしているかを会社やチームですべて共有できるという利点があります。

(会話履歴のページが表示される)

そして電話に関しては、自動的に録音しています。例えば再生するとこのようになります。

(再生ボタンを押下。通話音声流れる)

話者A:田辺さま、折り返しありがとうございます。シンカの小暮が承ります。

話者B:どうも田辺です。

話者A:お世話になっています。

江尻:このように通話を自動的に録音するため「言った、言わない」ということもなくなります。さらにテキスト化もします。

例えば、次のように話者を分離してテキスト化します。

(「テキスト化」ボタンを押下。通録テキストが表示される)

話者A:田中がお伺いするということでお約束をしていただいたかと思うのですが、ご予定の変更がないかの確認のお電話だったようなのですが。

江尻:このようにテキスト化します。そしてテキスト化したものを、生成AIを用いて要約します。

(「テキスト+要約」ボタンを押下。要約が表示される)

要約した内容でよければ、パソコン上にコピーやメモで残しておくこともできますし、通話の内容を都度入力する必要もなくなります。

このように業務が非常に効率化されるだけでなく、内容も品質を一定に保つことができます。人が内容を書いて打ち込むと、どうしても内容や品質にばらつきが出てしまいますが、生成AIが要約するため、そのまま使っていただくことができます。

(「テキスト+感情ラベリング」ボタンを押下。感情分類が表示される)

さらにAIが感情のラベリングも行います。「Aさんは怒っている」「Bさんは悲しんでいる」など、感情がラベリングされます。そして、その感情だと判断している理由も表示されます。

(「テキスト+タスク抽出」ボタンを押下。将来のタスクが表示される)

さらにタスクも抽出します。電話の会話でどのようなタスクがあるかが自動的に上がってきます。例えば将来のタスクとして「予定どおり、明日の13時に訪問するというタスクがあります」と表示されます。

このように自動的にタスクが抽出されると、タスク漏れや折り返し漏れなども大幅に軽減することができます。

使いやすいカイクラ

ユーザーインターフェイスに関しても、デザイナーを入れて使いやすくしています。マニュアルを見なくても直感的にわかりやすく、しかもタブレットでも使えるため、使いやすいものとなるよう工夫をしています。

カイクラへの顧客情報入力

顧客データは、逐一「カイクラ」に入力していただく必要はありません。今ある顧客データのシステムや営業管理、基幹システムなどをAPIで連携したり、CSVで取り込んだり、夜間にバッチで一括に取り込んだりと、さまざまな手段でデータを移行することができます。

あらためて「カイクラ」に入力するという、二度手間になるようなことはありません。今管理されているデータをそのまま活用していただけます。

導入しやすい料金体系

料金も非常に特徴的です。「カイクラ」は1番号に1ユーザーではなく、1拠点で1番号に1ライセンスとしています。1拠点10人で使っていただいても、100人で使っていただいても料金は同額となっています。

理由は、我々は「全員のコミュニケーションを管理することで、初めて価値が出てくる」と考えているからです。営業部門だけ、あるいは総務部門だけというように、必要な人だけがその固定電話を使うのではなく、会社全体で発生しているコミュニケーションのすべてを記録していこうという思いで取り組んでいるため、ライセンスに関しては1拠点として、全員で使っていただくことを考えています。

導入しやすい料金体系

ただし携帯電話に関しては、主に使う方が決まっていると思います。そのためライセンスに関しても、例えば営業部門だけで使うなど、必要な台数だけ契約する携帯電話1台当たりのライセンスとなっています。

導入しやすい料金体系

新しくリリースした「カイクラフォン」の料金については、クラウド電話であるため、IDごとの価格設定となっています。IDは電話を使う方それぞれの単位にしています。加えて通話料が発生します。

導入実績

今年度までの導入実績です。スライドに示すとおり、導入実績は大幅に伸びています。すべてアクティブユーザーで、解約されたユーザーは除いています。

導入企業の業種割合としては、最も多いのが自動車関連業界です。その次が医療・介護業界、続いて不動産業界です。この3つの業界で我々のお客さまの7割を超えています。また9割がBtoC事業のお客さまです。

導入実績

カイクラは全国47都道府県でご利用いただいています。

カイクラの未来

「カイクラ」の未来についてお話ししたいと思います。今はコミュニケーション履歴を継続して蓄えており、顧客情報と連携させて記録しています。これをクラウド上で一元管理して提供しています。

この情報を、電話がかかってきた時に自動的に表示するというCTIの機能を使い、「カイクラフォン」というクラウド電話を使って外でオフィスの代表電話などを取る時にも、情報がすべてわかる便利な機能として提供しています。

コミュニケーションの履歴が大量にたまってきているため、今後はそれをさらにデータ活用していきたいと考えています。さまざまなデータ分析をして、最適なコミュニケーションにするためのレコメンド機能として活用していきたいと思います。

さらに「カイクラ」だけではなく、生体データや心理的なデータなど、さまざまな他社のサービスやデバイスと連携することによって、心情や体調、加えて顧客情報とコミュニケーション履歴、そのすべてから完全にパーソナライズされた提案をしていきます。

例えばメールが来た時に、「メールで返すのではなく、電話したほうがいいのでは?」というような提案が、スライド3番の「データ活用」で実現できます。3番では、これまでの履歴を分析して「最近電話をしていないから、電話したらどうですか?」という提案もできます。

さらに4番では、生体データから「今は緊張している」「疲れが溜まっている」とわかった場合、再び電話がかかってきた時に「いったん電話取るのをやめて、休憩してから折り返しませんか?」という提案を行います。

未来ではそのようなことも実現できると思っていますし、実際に我々はそのようなことを考えています。我々は顧客データとそれに紐づくコミュニケーション履歴を持っている点において、さまざまな今後の活用の可能性を秘めていると考えています。

カイクラの見据えるTAM、SAM、SOM

TAM、SAM、SOMについてご説明します。現在、我々は自動車業界や不動産業界などに力を入れています。これらの業界はコミュニケーションをとても大事にしており、またコミュニケーションの課題が多い業界でもあります。この業界の規模と我々の拠点単価であるARPAを掛け合わせたものがSOMです。

SAMは、我々の「カイクラ」のニーズはあるものの、今はまだコミュニケーションにそこまで課題は抱えていない業界です。しかしコミュニケーションはたくさん発生しているため、絶対にニーズがあるだろうと考えられる業界です。この業界が6,000億円となります。

TAMは、コミュニケーションが発生しているため「カイクラ」を利用できる可能性があるものの、コミュニケーションにお金を払って効率化するかどうかはまだわからない業界です。主にBtoBの業界となっています。そのあたりの業界をすべて含めると1兆6,000億円というTAMになります。

複数のユーザー獲得チャネル

我々がユーザーをどのように獲得しているかというと、3つのルートがあります。直販と販売パートナー経由、そして飲食店や美容室など個店系のスモールビジネス事業者向けのOEM提供です。

スモールビジネス事業者には、「カイクラ」の価格そのままでは導入しづらい面があります。そのため「カイクラ」の一部の機能をエンジン提供するOEMに提供し、価格を抑えてスモールビジネスの方々に提供しています。これら3つの獲得チャネルを展開しています。

カイクラ導入事例

スライドは自動車ディーラーの導入事例です。

カイクラ導入事例

スライドは不動産の導入事例です。

カイクラ導入事例

こちらのスライドも不動産の導入事例です。

(背景)ビジネスにおいて、まだまだ電話(アナログコミュニケーション)が重要な理由

競争力の源泉についてお話しします。我々のサービスがなぜみなさまに導入いただけているかというと、1つ目には、やはり我々が電話を中心にコミュニケーションを考えているということです。

なぜまだ電話が大事だと考えているかというと、やはり雑談ができることや、特に地元密着でビジネスをされている会社や中小企業などでは、コミュニケーションを通じて地域の方々との絆作りやコミュニティ作りをされているからです。

電話で「商品を追加で持ってきて」といった注文などの電話の際にも、「そうそう、来週こういった会合があるけど行きますか?」などの雑談や、コミュニティについての会話などをされています。だからこそ、やはり電話は大事だと考えています。

統計的にも「今も電話でいろいろな問い合わせを受け付けている」ということを示すデータがあります。

(背景)ビジネスにおける電話トラブルの実態

一方で、「電話は大事だ」と言いながらも「言った、言わないでもめたことがある」という割合が約6割あります。しかし、それに対して対策をしていないという回答も約5割あります。コミュニケーションとして電話は大事であるものの、トラブルも多いのが現状です。

(背景)ビジネスにおける電話トラブルの実態

最近、特に「カスハラ」というキーワードが重要になってきました。カスハラを受ける場面として、電話も多い状況です。このようなことから考え、電話は重要であるものの、いまだにトラブルも多いのが電話であるという状況です。

商品力:カイクラが現場で選ばれる3つの理由

だからこそ、我々は電話をさらにデジタル化し、トラブルをなくすことを重要視しています。これが、「カイクラ」が選ばれている理由の1つ目です。固定電話の環境をそのまま変えずに、「カイクラCTI」などの履歴を管理するコミュニケーションを使えるようにしています。

また電話自体をクラウド化し、全面的に効率化した上で「カイクラCTI」も搭載されているクラウド電話「カイクラフォン」にするなど、幅広い環境での利用が可能です。

また携帯電話にも対応しています。docomo、SoftBank、auの3大キャリアにおいても、我々は携帯電話との通話も自動的に録音してテキスト化し、要約して感情を出すことも可能にしています。これにより、今まで見えなかった状況や、見えずにブラックボックス化していた携帯電話での通話も、すべて管理していくことができます。

商品力:カイクラが現場で選ばれる3つの理由

2つ目は、幅広いコミュニケーションを自動記録しているということです。我々は電話だけではなく、それ以外のコミュニケーションも記録しています。

商品力:カイクラが現場で選ばれる3つの理由

3つ目は、複数のコミュニケーションを統合し、チャネルをまたいだコミュニケーションがスムーズにできることです。

例えば、電話をかけながらショートメッセージを送ることや、代表電話に電話がかかってきた時に「ビデオ通話に切り替えましょう」と気軽に簡単にビデオ通話に切り替えることもできます。

ターゲット力:カイクラの強み

「カイクラ」の強みは、やはりSNS単体や電話単体ではなく、さまざまなコミュニケーションを統合している点です。

サービスの継続性としては、CTIの部分はコミュニケーションや環境を変えないといけないものではなく、現在利用している環境をそのまま使うことができます。

クラウド電話に関しては、ただ電話をクラウド化しているだけではなく、CTIが標準装備されており、コミュニケーション履歴と顧客情報を紐付けて管理していることなどが強みになっています。

3つの参入障壁(固定電話について)

参入障壁です。1つ目は、固定電話を環境変えずに使うということが参入障壁になっています。環境を変えずに使うためにはアダプターが必要になるため、その開発が必要になります。そして2つ目として、アダプターを設置するにも工事を行うため、全国で工事をするためには工事網を確立する必要があります。

そして3つ目として、心理的な障壁もあります。1つ目や2つ目の障壁をはじめ、アプリケーションだけで済むものではないことが参入障壁になっています。

開発力:マーケットインとプロダクトアウトの両輪による成長モデル

我々の開発の強さは、プロダクトアウトとマーケットインの両方で行っていることにあります。特に定期的にお客さまの声を聞き、ニーズに応えています。

ユーザー対応力:カイクラユーザーに寄り添ったカスタマーサクセス

当社ではカスタマーサクセスがお客さまに寄り添い、「カイクラ」をよりうまく使っていただき、ビジネスで成功していただくために伴走しています。このような対応が、低い解約率を実現している理由にもなっています。

成長戦略の進捗を示す重要な経営指標

業績ハイライトとして、2024年12月期の決算についてあらためてお話しします。まず重要なKPIとして、我々はスライドに記載している4つを挙げています。

業績拡大を示す指標としてアクティブユーザー拠点数とARPA(拠点ごとの単価)、安定性を示す指標として解約率とMRR(ストック収益)の4つを重要な指標と考えています。

決算概要 – 2024年12月期累計実績

2024年12月期の売上高は12億3,200万円の着地となり、前年同期比18.5パーセントの成長です。営業利益は7,800万円の着地で、前年同期比23パーセント減の減益となりました。営業利益率は6.3パーセントでした。

経常利益は4,800万円の着地で、こちらも前年同期比50.3パーセント減の減益となりました。当期純利益は1,600万円で、前年同期比85.2パーセント減となりました。

売上高が伸びた理由として、アクティブユーザー拠点数が大幅に増えたことも影響しています。営業利益に関しては、原価や人件費の増加、そして東京オフィスの移転による一過性の費用などがあり、前年同期比23パーセントの減益になりましたが、この一過性の費用を除くと10パーセントの減益となります。

経常利益については、上場関連費用がありましたが、この一過性の費用を除けば前年同期比で9.7パーセントの減益となっています。

営業利益増減分析

営業利益の増減分析です。売上高増加に伴う売上原価の増加があり、マイナスとなっています。人件費も今は積極的にアクセルを踏んでおり、人員も増やしています。販売・マーケ活動も増やしていることから、マイナスとなっています。

開発関連費用は減少していますが、これは開発を緩めているわけではなく、エンジニアの採用等は積極的に進めています。現在外部委託していた費用をかなり減らし、内部での開発による内製化に移行した結果、前期と比べて開発費が全体的にマイナスになっています。

一過性のものを除いて、最終的にはスライドのような営業利益の状況となっています。

業績ハイライト アクティブユーザー拠点数と解約率

アクティブユーザー拠点数と解約率です。これらの数字は大幅に伸びています。2000年から2022年は1年ごとに約500拠点、2023年は約750拠点増加しました。さらに2024年は1,100拠点を超えて大幅に増えました。一方で解約率は引き続き低い数字で推移しています。

業績ハイライト ARPA

ARPAは微増となりました。2024年度第1四半期後にもご報告しましたが、特定業界のユーザーで業界の再編が進んだことから、我々の「カイクラ」をご利用いただいているユーザーと、まだ「カイクラ」をご利用いただいていなかった会社が合併することになりました。

これにより100拠点以上となる非常に拠点の多い会社が出来上がり、全体で「カイクラ」をご利用いただくことから、ボリュームディスカウントの必要が出てきました。これまで「カイクラ」使っていた方々にもボリュームディスカウント価格で提供することとなった影響により、拠点の単価が下がっています。

これについては、影響があるところすべてに2024年1月から適用しています。今後新たに適用されることはありませんが、これによって単価が一度1,498円減少し、その後1年かけて1,677円増加したことで、トータルでは179円の増額となりました。

ちなみにARPAの増加額については、2023年度は1年間かけて1,057円の増額、2024年度は1年間かけて1,677円の増額となり、引き続き有償オプションを使っていただくことが増えてきていることによって、単価が上がってきています。しかし、トータルではいったんボリュームディスカウントを適用したことにより、179円の増額にとどまった結果となりました。

そのため、2024年度は拠点数も大幅に増え、ARPAも増加額としては2023年度の1.6倍に増えています。引き続き、この戦略で取り組んでいきたいと思っています。

業績ハイライト 収益構造

収益構造です。ストック比率が引き続き80パーセントを超えています。安定した財務体制であるということも、スライドのグラフからおわかりいただけると思います。

2025年12月期トピックス

2025年12月期のトピックスを3つほどお話しします。1つ目は値上げについてです。2025年1月から「カイクラ」の価格改定を行っています。これは新規ユーザーに対してはプランを一本化し、今まであった3つのプランの最上位価格に統一しました。そして既存ユーザーに対しても2025年2月以降に値上げを行っています。

2つ目は、第1四半期のクラウド電話「カイクラフォン」のリリースです。3つ目は販売に関するもので、2025年1月22日に自動車のリース・販売事業を軸にフランチャイズ展開をしているジョイカルジャパン社との業務提携を行い、OEMでの提供を開始しています。

2025年12月期業績予想

2025年12月期の業績予想です。売上高は14億7,900万円、前年同期比20.1パーセント成長の予想です。ただし営業利益に関しては5,000万円としており、こちらは前年同期比35.3パーセント減となります。営業利益率は3.4パーセントの予定です。

我々は売上高の成長を追求していきたいと考えています。引き続き積極的に人件費や広告宣伝費、販売手数料を増加させていくために、組織もさらに強化していきたいと考えています。

また「カイクラフォン」のリリースも行いましたが、新たな商品開発も強化していくため、開発費用も増加させていきたいと考えています。このようなことから、着実にトップラインを伸ばすためにも、いったん営業利益は減益となります。

経常利益は一過性のものを見込んでいないため、2024年度とほぼ変わらない予想となっています。純利益は前年同期比800万円増の2,400万円を見込んでいます。

2024年12月期決算及び2025年12月期業績予想について高い関心が予想される事項

業績予想について高い関心が予想される事項について、スライドにまとめています。のちほどご覧ください。

成長戦略

成長戦略についてお話しします。我々は成長戦略として、引き続き「アクティブユーザー拠点数増加」と「単価(ARPA)向上」の2軸を追い求めていきたいと思っています。2024年12月期は大幅に拠点数が増えたため、引き続きこの2軸を狙っていきたいと思っています。

成長戦略

契約数(拠点数)の増加施策です。我々はターゲットとなるお客さまを企業規模で分類しています。大企業はNTTグループとともに、メインターゲットとしている中規模企業は直販と販売パートナーとともに、スモールビジネスと呼ばれる小規模企業はOEMでのアプローチを考えています。

成長戦略

まず中規模企業に対する直販では、我々は現在、自動車業界と不動産業界をメインに注力しています。自動車業界については、スライドのグラフにも示しているように、日本における新車の正規ディーラーのうち10パーセントを超える会社や店舗で我々の「カイクラ」を導入いただいています。

特に2024年度はダイハツが提供されているシステムと「カイクラ」を連携させることができ、ダイハツの店舗への導入が進みました。

新車ディーラーだけではなく、さらに中古車販売や車検にも広げていくために、ブロードリーフ社やジョイカルジャパン社と提携し、市場を広げています。

自動車業界で成功パターンが見えてきたことから、昨年は不動産業界にも横展開し、2025年度以降は医療業界、金融業界、自治体への展開も進めていきたいと思います。

我々がターゲットとしている業界は、やはり電話に関する課題が多い業界です。そのような課題にお金を払ってでもなんとか解決したいという思いが非常に強いことから、「カイクラ」がはまるとみています。引き続き、このような業界へ注力して取り組んでいきたいと思います。

我々は自動車専門チームのほか、2024年度に作った不動産専門チームなど、業界ごとに専門チームを作って進めています。今後は医療業界や金融業界、自治体に対しても、これまでどおりに専門チーム体制を作り、広げていきたいと思います。そのような意味でも、人件費を十分にかけて成長していきたいと考えています。

成長戦略

大規模企業に対してはNTTグループとともに顧客開拓を進めています。ここではNTT東日本、NTTコミュニケーションズ、NTT西日本のそれぞれがお持ちのサービスと「カイクラ」をセットで販売していただいています。

我々の組織にはNTTチームという専門部隊があり、NTTとタッグを組んでマーケティングやセミナー、営業などに取り組んでいます。引き続きこの体制を強化していきたいと思っています。

成長戦略

パートナーとの展開として、2024年度には2つのリリースを行いました。大塚商会との代理店契約と、SB(ソフトバンク)C&Sとの代理店契約です。

この2社は、それぞれ非常に豊富な流通経路や販売経路をお持ちです。こちらについても2025年度から専門チームを組織し、強力なタッグを組み、寄り添って進めていきたいと思っています。

成長戦略

OEMについては、現在デンタル業界と自動車整備業界に提供しています。今成功しているのはデンタル業界で、すでに1,000医院以上に導入いただいています。

提供の仕方としては、デンタル業界向けに予約システムや電子カルテを提供しているシステム会社に対して「カイクラ」のエンジンを提供し、セットで販売していただくモデルです。非常に順調に拡大しています。

同じように自動車整備業界に対しても提供しており、2025年度には動物病院業界、不動産業界への提供を予定しています。2026年度以降も、それ以外の業界に向けてOEMでの展開を進めていきます。

2025年度は専門特化していくために、OEM特化チームを組織しています。引き続きOEMの立ち上げと、今注力している業界をさらに活性化するために力を入れていきたいと思っています。

成長戦略

単価(ARPA)向上施策です。ベースアップとしてはCTIの機能や通話録音のほか、「カイクラフォン」のクラウド電話も提供し、月額IDの課金で提供していきます。

それ以外の従量課金として、SMSや「LINE」などは使えば使うほどお金をいただくものになっています。このような従量課金も増やしていくことで、拠点当たりの単価を伸ばしていきたいと考えています。

収益性向上のための施策

それ以外の収益性向上のための施策としては、大きく2つあります。1つ目は先ほどお話ししたとおり、販売チャネル別に専門チームを次々と作っていくことで専門特化することです。

2つ目は2024年7月に設置した従業員持株会です。奨励金比率は50パーセントと、他社に比べて非常に高く設定しています。全従業員が株価を意識して、企業価値向上にコミットすることを目指します。

これらの施策を通じ、全社一丸となって収益性向上を目指していきたいと考えています。

事業上のリスクと対応策

最後にリスク情報です。スライドには我々が想定している事業のリスクと対応策をお示ししています。

やはり一番は競合他社です。我々のサービスにも、同様のサービスを提供する会社は今後も出てくると思っていますし、そのような会社との競合が激しくなってくることも想定されます。

しかし、我々がすでに先行者として進んでいる部分として、自動車業界も含めて多くのユーザーがいらっしゃいます。そのようなユーザーのコミュニケーションの履歴も、長きにわたりたまってきています。

我々には、この10年間蓄積してきた履歴があります。このような履歴を活用した新しい機能や新しいサービスは競合他社に絶対負けないところだと考えています。引き続き環境も見ながら、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

江尻氏からのご挨拶

以上、決算発表と我々の成長可能性についてご報告しました。今後も従業員、役員ともに一丸となって業績を上げていきたいと思っていますので、引き続き応援のほど、よろしくお願いします。本日はありがとうございました。