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山田虎生氏(以下、山田):本日はお忙しい中、株式会社魚力の2025年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。常務取締役経営企画室長の山田です。よろしくお願いします。私より、2025年3月期の決算概要の数字についてご説明し、代表取締役社長の黑川隆英より、中期経営計画1年目の取り組みについてご説明します。

1-①連結損益計算書

2025年3月期決算概要について、スライドの連結損益計算書をご覧ください。売上高は366億2,900万円、前年比プラス2億8,400万円、100.8パーセントでした。魚力においては、前年比プラス9億800万円、2.8パーセント増でした。既存店の売上高は、前年比2.5パーセント増となりました。

魚価やさまざまコストが高騰を続けている中ですが、賃上げの広がりもあり、お客さまの購買力や消費マインドは底堅く推移していると感じられました。一方、大型店2店舗の出店が2月および3月に後ずれとなったため、いわゆる新店効果は限られた影響にとどまりました。

魚力商事において行う卸売事業は、前年比マイナス5億2,300万円、12.6パーセントの減少となりました。海外部門において、一部魚種の漁獲量の減少によりアメリカ向けの輸出が減少したことに加え、2025年3月期は通年にわたって水産物の輸入禁止措置の影響を受けた香港向けが減少したことが要因です。

売上総利益は148億6,200万円、前年比プラス2億2,200万円、1.5パーセントの増加でした。魚力では増収によって売上総利益が増加した一方、売上総利益率の低下によって売上総利益が減少しました。魚力商事では、減収かつ売上総利益率の低下が見られています。

販売費及び一般管理費は133億6,900万円、前年比プラス3億1,100万円、2.4パーセントの増加です。売上高に対する比率は、前期の35.9パーセントから今期は36.5パーセントと、0.6ポイント上昇しました。

売上総利益は増加しましたが、販管費の増加を下回ったため、営業利益は14億9,300万円、前年比マイナス8,800万円、5.6パーセントの減少となりました。

経常利益は20億8,200万円、前年比プラス4,300万円、2.1パーセントの増加でした。前年と比べて資金運用環境が良いとは言えませんでしたが、その中でも慎重に売買を行い、前年を上回る有価証券売却益を計上することができました。また、持分法適用関連会社から入ってくる持分法投資利益が前年を上回りました。

2025年の3月に、当社の業務資本提携先である東都水産に対して行われた株式公開買い付けに当社も応募し、同社株式の売却益を特別利益に計上しています。これらを含めた当期純利益は15億9,300万円、前年比プラス2億3,200万円、17.1パーセントの増加となりました。

1-②既存店前年比の推移(売上高)

スライドは、毎月公表している月次の既存店売上高前年比の推移を年間グラフにしています。次のスライドでは、これを客数とお客さま1人当たり単価に分解しています。通期の既存店売上高は、前年比102.5パーセントでした。お客さまの購買力・消費マインドが底堅いことを感じています。

一方で第4四半期においては、しばらく落ち着いていた魚価が上昇を再開したところがあります。実質賃金の伸びが意外と遅れているほか、当社には給与所得者ではない高齢のお客さまが多くいらっしゃることから、いわゆる消費疲れにより、売上高が若干伸び悩んだところがありました。

1-③既存店前年比の推移(客数・客単価)

来店客数について、通期ではほぼ前年並みでした。客単価は仕入価格、つまり販売価格の上昇があったため、5月を除いて前年同月を上回っています。

1-④販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費の内訳です。人件費は、前年比プラス1億4,600万円でした。当社は、4月からベースアップを含む賃上げを実施しており、魚力、魚力商事を合わせた正社員・パートナー社員を含め、給与が増加したことによります。

その他の販管費の項目は、それぞれ物価上昇の影響を強く受けています。その中で、例えば販促費については、販促のチラシを慎重に選択的に投入したり、店舗の備品・消耗品の使用数量をなるべく抑えたりといった、地道な経費削減努力を行っています。

支払手数料は前年比プラス4,700万円となっていますが、クレジット利用の増加によるものです。レジ委託費の前年比プラス1,800万円、地代家賃の前年比プラス4,000万円は、売上高の増加に伴うものです。

1-⑤見通しとの差異の原因及び対応

当社は、2月に業績見通しを修正しましたが、通期の業績見通しと実績との差異の原因に加え、これらに基づいた2026年3月期における対応方針をスライドに取りまとめています。よろしければ、後ほどご覧ください。

1-⑥2026年3月期 連結業績見通し

2026年3月期の連結業績見通しです。今期の見通しの前提について、今期は最上鮮魚が持分法適用関連会社から連結子会社へと移行しました。ウクライナ情勢、中東情勢に加え、トランプ関税など、厳しさを増す経営環境の中、その影響を合理的に見通すことが難しい事象が多くありますが、現時点で入手可能な情報や予測に基づき作成した数字を公表しています。

通期の業績見通しは、売上高443億円、営業利益18億2,000万円、経常利益20億9,000万円、当期純利益11億6,000万円です。見通しの根拠について、既存店の売上高は前年比のインフレを含め、2パーセントから3パーセント程度の増加を見込んでいます。新店分では、2025年3月期までに出店済みの4店舗のみ保守的に見込んでいます。

特別損失として店舗の減損損失を見込んでいる一方、営業外収益として減損損失を下回る保守的な金額で有価証券の売却益を見込んでいます。魚力商事、連結子会社となった最上鮮魚についても、相応の売上高の伸びを見込んでいます。

スライド7ページ以降は、例年どおりの内容です。当社の概要や事業展開の状況、水産業界の動向に関する資料となっているため、こちらも後ほどご覧いただければありがたく思います。以上、2025年3月期の決算概要についてご報告しました。

中期経営計画(2024-2026年度)の概要

中期経営計画1年目の取り組みについてご報告します。私からは、計画1年目の損益の数字についてのみご説明します。スライド下部の表が損益計画の概要となっており、2024年度の欄は実績に置き換えています。

売上高については、初年度の計画は376億円でしたが、実績は366億2,900万円、計画比97.4パーセントでした。営業利益については、計画の16億3,000万円に対し、実績は14億9,300万円、計画比91.6パーセントとなりました。

経常利益については、計画の18億4,000万円に対し、実績は20億8,200万円、計画比113.2パーセントです。当期純利益は、計画の11億9,000万円に対し、実績は15億9,300万円、計画比133.9パーセントでした。

売上高と営業利益が計画比マイナスとなっていますが、魚力において新店の出店が最後にずれ込んだことや、魚力商事において主に海外向けの売上が若干落ち込んだことが原因です。原因は特定されているため、今期はすでに対応を始めています。2026年3月期においては、計画2年目の数字をクリアできるよう努力を継続していきます。

中期経営計画における基本戦略

黑川隆英氏(以下、黑川):みなさま、本日は弊社の投資家説明会にご参加いただき、ありがとうございます。代表取締役社長の黑川です。よろしくお願いします。私から、中期経営計画における基本戦略についてお話しします。

中期経営計画における基本戦略として、1番から5番の計画を立てています。

1番目は「仕入・販売戦略」です。現場第一をあらためて徹底し、魚力のやり方、流儀を次世代・将来へ繋いでいきます。魚価高騰など水産資源を取り巻く環境・マクロ経済・市場環境の変化に対し、将来を見据えた対応を講じていきます。

2番目は「人材戦略」です。労働生産性の向上と持続的な企業成長を目指し、人材育成に注力していきます。切れ目のない人事の実行を目指し、人材の多様性を確保していきます。

3番目は「卸売・海外戦略」です。魚のプロフェッショナルとしての豊富な経験・知識を活かし、国内外に卸売の販路を広げていきます。魚力の魚屋を海外に広げ、魚と魚食文化を世界に届けることに取り組みます。

4番目は「地球環境戦略」です。海に関係する食品を取り扱う企業として、地球環境問題の解決に貢献していきます。

5番目は「財務戦略」です。安定した収益基盤に基づく株主還元により、株主価値を高めることに注力していきたいと考えています。

当社を取り巻く環境と基本姿勢

当社を取り巻く環境と基本姿勢です。スライド左側のグラフは、2024年度における消費者物価の前年同月比の推移を表しています。ご覧のように消費者物価は上がり続けていますが、特に当社に直接影響のある米や水産品を含む、生鮮食品の上昇率は高い状態が続いています。直近では米価高騰が話題になっていますが、政府の対応も含めてこちらの改善に期待しています。

スライド右側のグラフは、東京中央卸売市場における水産物の平均卸売価格の推移について、2015年を基準とする指数で表したものです。不漁の続くイカやサケなどは急騰しており、高値が続いています。今後も、水産物に関する上昇トレンドは継続する見通しであると考えています。

当社の基本姿勢としては、魚価高騰・インフレーションの厳しい環境下であっても、ポジティブスパイラルの創出を目指します。株主さま、お客さま、従業員に適切に利益を還元することで人材を確保し、競争優位性に磨きをかけ、企業価値を高めていきます。そして、さらなるポジティブスパイラルへつなげていくことを目標としています。

組織体制の変更①

今期の組織体制の変更についてお話しします。今回、仕入部門をより強化するために、商品統括本部を組織内に新設しました。前年までは営業統括本部の1部門であった仕入部を、独立した統括本部とすることで、仕入力の強化を図っていきます。インフレや魚価高騰、入荷数量が減る中、バイイングに力を入れていきます。

商品統括本部では、仕入に関して戦略を進めていきます。1番目に、豊洲市場において「旬の生魚」を安定的に確保します。2番目に、産地・漁港との関係を強化します。同時に、産地・漁港の活性化にも貢献できればと考えています。3番目に、メーカーからの直接仕入を強化し、PB商品などの開発にチャレンジしていきます。

4番目は、物流改革の着手です。2024年問題が継続しているため、現在すでに改善を進めているところですが、経費削減も含めて対応していきたいと考えています。5番目は、仕入先との戦略的交渉です。産地を含めてこちらから足を運び、仕入先との戦略的な在庫や新しいアイテムの開発に力を入れていきます。

6番目は、海外仕入の強化です。海外からもさまざまな魚の仕入れを強化していくため、まずは商社も含めてさまざまな対応を進め、バイヤーが一緒に海外に出て仕入を行っていきます。7番目は、バイヤーの増員です。こちらの戦略を確実に実行するため、人員を増員しました。

その他にも、1つの事例として、我々はJRにテナントを出しています。JRとのタイアップによって新幹線物流などを活用し、各地方の鮮度の良い朝獲れ魚を当日限定で店舗で販売するといった取り組みにも力を入れていきます。

組織体制の変更②

営業統括本部から仕入部を独立させたことで、これまで以上に営業統括本部が販売戦略に専念できる体制となりました。販売戦略として取り組む内容をスライドに示しています。

1番目は接客力の強化、2番目は販売力の強化です。非常に競合店も多い中ではありますが、お客さまへの対応、物を売っていく力の強化をしっかりと継続していきます。3番目は、技術力、商品クオリティの統一です。「良いものをしっかり売っていく」という先代から続いている考え方を重視していきます。

4番目は、専門店として本格的な寿司の販売を強化していきます。5番目は、旬の生魚の鮮度を活かしたお造りの強化です。若いお客さまも含めて簡便性の商品にもあたるため、お客さまが手に取ってすぐに帰って食べられるような、この2つのカテゴリを最大強化していこうと考えています。

6番目は、地域性や店舗の特色に合わせた品揃えと商品作りを行っていきます。7番目は、お客さまが買上点数を増やせる品揃えです。以上の戦略を実行していきます。

店舗開発戦略

店舗開発の戦略についてお話しします。店舗開発として、確実な黒字運営かつ将来性のある店舗の構築を目指します。確実に利益を上げられること、将来的に成長が見込めることを判断基準に、従来取り組んでいる店舗のスクラップ&ビルドを継続していきます。

取り組みを進める中で、既存デベロッパーとの信頼関係や強固な財務体質を活かし、契約交渉にあたります。たとえ黒字でも、収益性や成長性が十分でなければ退店も検討するといった、強い姿勢で開発を行っていきます。より筋肉体質の店舗網を構築していきます。

新規エリアへの進出および新業態の開発を視野に入れ、店舗開発を行います。新規デベロッパーとの関係構築を進めていくほか、同業他社に対し、優位性を獲得できる立地へ出店していきます。将来性があり、人材の成長に貢献し得る規模の店舗に、力を入れていきたいと思っています。

本業に関連した新業態を視野に入れた開発も行います。現在は、魚を使ったレストランなどの飲食を展開していますが、チャンスがあれば、新しい領域にもチャレンジしていきたいと考えています。

店舗開発におけるチャレンジ

店舗開発に関して、先ほど別の地域についてお話しましたが、前期となる今年2月および3月に、福岡県の天神にある百貨店の岩田屋本店に1店舗、福岡三越に1店舗を出店しました。九州最大の消費地であり中心地でもあるため、人が集まります。魚力の九州初出店ということで、今後もチャンスがあれば店舗を広げていきたいと考えています。現在は、売上も順調に推移しています。

「最上鮮魚」を連結子会社化

最上鮮魚を連結子会社化しました。会社概要については、福岡を中心に、九州・中国地方で鮮魚専門店などを約50店舗展開しています。2018年に、当社、ヨンキュウ社、アキラ水産社と共同で出資しました。3社それぞれの強みを活かしてサポートしていましたが、2025年3月に株式を追加取得し、当社の出資比率を55.76パーセントとし、連結子会社化しました。

対処すべき課題については、改善部署がまだ複数あります。まずは、魚力基準のガバナンス体制を整え、筋肉体質の店舗網を構築します。必要な場合にはスクラップ&ビルド、退店も辞さないかたちで、強い会社を作っていきたいと思います。

今後は、魚力との人材交流を社員同士でも行い、各担当幹部の人材のレベルアップなど、経営協力を行いながら成長していけるように努めます。

人材の確保

人材の確保について、現在、魚力の採用活動は順調です。スライド左側のグラフには、2016年からの採用実績を示しています。直近5年間において、新卒は94名、中途社員は147名を採用できています。新卒のうち、30パーセント程度が高卒の方です。

スライド右側のグラフは、全従業員数の推移を表しています。現在はパートナー社員も含め、必要な人材を確保できています。同業他社からの転職者が多く、即戦力となっています。

これまで賃上げや残業時間抑制などの待遇改善をコンスタントに進めてきたことが、採用活動においてプラス効果になりました。また、魚力がしっかり利益を出しているという安心感から、同業他社にいた中途社員147名に入社していただいたと考えています。

人材育成①

人材育成についてご説明します。人材育成の1番目として、「事業は人なり」という先代からの教えを方針としてしっかり守っていきます。従業員教育を重視し、社員のスキルアップを目指します。当社の事業は労働集約型であり、従業員がいきいきと働ける環境が大切だと考えています。当社の職場の中で、5年先、10年先に活躍してくれる人材を育成します。

そのため、店舗とバックオフィスが一体となった教育体制を整え、教える文化をしっかりと醸成したいと考えています。ここは、私の社長としての思いが一番強い部分ですので、この教育には今後力を入れていきます。

店舗では、担当課長や店長のような責任者が中心となって、OJTによる実践教育を行います。技術が必要な業種ですので、加工研修などの集合研修を行います。特に優れた技術を持つ社員が多くいますので、彼らを講師として派遣して、教える文化を積み上げていきたいと考えています。

全社的な集合研修では、人材開発課が中心となり、さまざまな研修を企画・運営するとともに、受講者のサポート業務など店舗への橋渡しを担っています。

これから人手不足という中で、今いる社員をいかに大事にするか、また若い方にいかに入社していただくかが課題になりますが、現在一番重要だと思っているのはマネジメント層です。今年度に関しては、マネジメント層への教育、指導スキルなどを教え込んでいくことをしっかりと実行していきます。

このような包括的なアプローチにより、途切れのない人材教育を実現することで、経営理念への共感を生み出し、組織力の向上を目指していきます。

人材育成②(進捗と重点課題)

人材育成の2番目として、新卒社員からマネジメント層にわたる網羅的な教育・研修プログラムの構築を目指します。

マネジメント層への職位別マネジメントスキル研修として、店長以上の役職者に対する研修プログラムを検討しています。本年度の重点課題と位置づけており、役職者に対して、部下教育など指導スキル向上を目指した研修を実行していきます。

全社員を対象とした業務指導スキル研修を計画しています。入社6年目以降の中堅からベテラン社員に対しての教育・研修プログラムを検討しています。新卒社員に対する総合研修として、入社5年目までの教育・研修プログラムが完成しており、現在実施しているところです。

人材の多様性確保

人材の多様性の確保として、当社では女性活躍推進と社内環境の整備を進めています。各目標の達成状況はスライドに記載のとおりです。正社員における女性比率について、2033年までに30パーセントとする目標を立てていましたが、2024年度現在では11パーセントと、2023年と同率です。

管理職における女性比率は、2033年までに20パーセントとする目標に対し、2024年度は6.5パーセントであり、2023年度から1.6ポイント上昇しました。目標達成に向け、これまで以上に取り組みを推進していきます。

当社には1,000名以上のパートナー社員がいますが、68パーセントが女性であるため、パートナー社員にもいろいろな部分で活躍していただけるような体制を作っていきます。

女性の活躍を後押しするため、男性育児休業取得率を2028年までに30パーセントとする目標を立てていましたが、2024年度において目標を達成することができました。今後も、制度の周知や個別の案内など、取り組みを継続していきます。

卸売(魚力商事)売上高の推移

子会社である魚力商事の売上の推移についてお話しします。昨年度は、MSC漁業認証のメバチマグロ漁獲量の減少から、北米向けの販売が落ち込んで減収となりました。今年度に関しては、当社の鮮魚小売のノウハウを活かした豊洲市場まつりや産直フェアなど、取引先や産地と連動した販路拡大を進めていきます。

海外においては、当社から人員を派遣して、現地店舗での加工、販売の指導を通じて、日本産水産物を世界に普及させていくことを目指して、新規取引先の開拓を進めていきます。

タイでの取り組み

タイでの取り組みです。CP-Uorikiについては、出店、業績ともに好調です。2023年10月の初出店からハイペースで出店を進め、現在タイ国内で24店舗、さらに年内に14店舗出店の計画となっています。おかげさまで、わずかではありますが、1年目から黒字となりました。

出店要請は多数あるものの、まずは既存店舗において売り場管理、衛生管理、店舗運営の改善に注力し、着実な成長を目指します。セントラルキッチンを活用した、さらなる販路拡大もあわせて進めていきます。

ドバイでの取り組み

ドバイでの取り組みです。ドバイではBtoBの商いとなりますが、Country Hill Internationalへの商品供給拡大を目指しています。2021年から商品提供を開始しましたが、昨年10月にCountry Hill Internationalが初めて水産小売店「The Fishmonger」をオープンしました。

当社からは、商品提供や技術指導を行っています。現地では、高級レストラン、ホテル、ケータリングへの卸売などがメインになりますが、日本産の水産品は非常に高い評価を受けています。当社から社員を現地に派遣して、営業と仕入れの両面から取引のサポートを行っています。

現在、豊洲市場から大手のブランド養殖ブリ、本マグロ、ウニを中心に出荷しています。現地から日本水産物の引き合いが強く、今後の取引拡大が期待できると考えています。

地球環境戦略(Environment)

地球環境戦略についてお話しします。当社は、海に関する食品を取り扱う企業として、地球環境問題の解決に貢献する取り組みを行っています。

食品トレーメーカーのエフピコ社と協力し、再生容器であるエコトレーの使用を推進し、CO2の排出量を減らす取り組みを会社全体で行っています。2024年3月期は、484トンのCO2排出を抑制しました。

昨年、岩手県洋野町に本社を置く、ウニの加工業者である北三陸ファクトリーと資本業務提携を行いました。北三陸ファクトリーは、ウニ用の養殖いけす、餌料、身入りの非破壊検査などの特許技術を持っており、痩せたウニを短期間で商品化するウニの再生養殖技術を開発しています。

現在、陸上において実証施設を建設中で、2025年の秋に完成予定です。この取り組みは、藻場再生事業としても期待できると考えています。オーストラリアにある北三陸ファクトリーの子会社では、現地の水産会社と共同でウニの陸上養殖などにも取り組んでいます。またウニでは国内初となるEU HACCP認証を取得しました。

当社は販売サポートとして、生産されたウニを私たちの店舗で販売しています。さらに、海外への販路開拓を進めていきたいと考えています。

また昨年度より、CDP質問書に対する回答を開始しました。

財務戦略

財務戦略です。当社は、安定した収益基盤に基づく株主還元により株主価値を高めることを目指しています。配当金による株主還元については、当社の配当性向方針である50パーセントをめどに、安定した金額をお支払いしています。

当社では、株主優待制度を実施しています。株式の保有数と保有期間に応じて、当社バイヤーが厳選した海産物をお送りしていますが、株主さまからは大変好評をいただいています。

質疑応答:人材問題の施策について

質問者:ご説明の中で人材戦略のお話がありました。同業他社から魚力に入る方もいるということで、強みの人材がさらに厚くなってきていると感銘を受けています。スーパーマーケットの鮮魚部門においては人材問題が大きな問題となっており、特に連続休暇が取りにくい、あるいは人間関係がギスギスしやすいという話を聞くこともあります。

御社では、これまで賃上げや残業についてもいろいろ取り組み、これから教育にも力を入れていくとのことでした。連続休暇が取りやすいかなど、職場の人間関係があまりギスギスせず、社員のやる気を維持するために、どのようなところに力を入れているのでしょうか?

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