目次
増田知平氏:みなさま、こんばんは。本日はお忙しい中ご視聴いただきまして誠にありがとうございます。ハッチ・ワーク代表取締役社長の増田です。これより決算説明会を始めます。本日はスライドの目次に沿ってご説明します。
昨日の2月12日に、2024年12月期の業績結果ならびに2025年12月期の業績予想を開示しました。本日の株価の動きが市場の評価であると真摯に受け止め、引き続き事業の推進拡大と企業価値向上に取り組んでいきます。
2024年12月期 トピックスと決算概要
エグゼクティブサマリーからご説明します。まず、2024年12月期のトピックスです。当社は大きく分けて、2つの事業を行っています。1つは、APクラウドサービスを中心とする月極イノベーション事業で、こちらはおおむね予算どおりの着地で、成長を継続しています。
もう1つが、貸会議室サービスを中心とするビルディングイノベーション事業となります。こちらは上半期の採用用途の利用減少が影響し、昨年比では微増、予算比では未達となりました。
続いて2024年の決算概要について、スライド下段をご覧ください。全社売上高および営業損益は、先ほどご説明したとおり、APクラウドサービスは成長したものの、貸会議室サービスの未達が影響し、予算比では未達となりました。
経常損益では、2024年12月期に見込んでいた補助金の確定が遅れ、マイナス1,800万円の影響がありました。税引前当期純損益および当期純損益においては、貸会議室サービスにて保有する資産に対し減損損失約2,100万円を計上しました。また、2025年の投資計画を増額したことにより、繰延税金資産の計上額を7,500万円減額し、予算比で未達となりました。
エグゼクティブサマリー -KPI-
KPIについてご説明します。スライドの左側に、APクラウドサービスの3つのKPIを記載しています。APクラウド登録台数は、前年同期比プラス20.0パーセントの37万4,000台となっています。決済代行台数は、前年同期比プラス26.4パーセントの15万台、滞納保証台数は前年同期比プラス41.6パーセントの6万5,000台となっています。
スライド右側には、全体業績を記載しています。売上高は前年比プラス15.1パーセントの23億6,700万円となりました。経常利益は1億5,500万円で前年同期比プラス1,224.2パーセント、当期純利益が1億3,000万円で、前年同期比プラス68.2パーセントとなりました。
2024年12月期 業績予想に対する結果
2024年12月期の業績予想に対する結果です。各指標とも前年比では成長しており、特に各段階の利益については2023年12月期を上回る結果となっています。
ただ一方で、予算比では売上高、営業利益、経常利益が若干の未達となっています。当期純利益では、減損損失と繰延税金資産の変動が影響し未達となっています。
1.全社業績概況 -売上・経常利益推移-
2024年12月期の全社業績概況についてご説明します。グラフは売上および経常利益の四半期ごとの推移を示しています。
売上高では第4四半期の前年同期比で12.6パーセント増となっています。経常利益の第4四半期についても、前年同期比は29.4パーセント増で、四半期黒字を継続し伸長しています。
2.全社業績概況
2022年から2024年の3ヶ年の推移を示した資料です。コロナ禍とAPクラウドサービスに対する先行投資があったため、2022年12月期までは赤字が継続していましたが、2023年12月期には通期黒字に復活し、2024年12月期にはさらに売上面でも大きく成長しました。
3.財政状態
財政状態です。当社は2024年3月に上場し、市場より資金調達を行いました。また、利益水準の向上により純資産および自己資本比率は大きく改善しています。
1.セグメント別業績概況
事業セグメント別の業績概要についてご説明します。月極イノベーション事業の通期売上高は14億500万円、前年比で26.3パーセントの伸長です。セグメント利益についても3億6,600万円で、前年比でプラス102パーセントと倍増しました。
ビルディングイノベーション事業については、通期売上高は9億5,600万円で、前年比が1.4パーセント増となり、セグメント利益が2億6,100万円で、前年比がプラス6.6パーセントとなっています。
2.月極イノベーション事業概況 -セグメント損益-
それぞれの事業部門について詳細をご説明します。まず、月極イノベーション事業の事業概況です。
売上高は前年比プラス26.3パーセント、セグメント利益では倍増となる前年比プラス102パーセントとなっています。
3.APクラウドサービス -各種台数の定義・推移-
APクラウドサービスのKPIとなる各種台数の進捗状況です。APクラウドサービスには、台数の定義が3つあります。
1つ目が左側のグラフのグレーの部分で、APクラウド登録台数です。管理会社がAPクラウドサービスを導入すると、まず彼らの駐車場情報を当社のシステムに登録していただきます。これがAPクラウド登録台数です。こちらが37万4,000台となりました。
2つ目がグラフの緑色の部分で、決済代行台数です。クラウド登録台数のうち、既存の駐車場の利用者の決済代行が始まった台数です。こちらが15万台となりました。
3つ目が濃い青色の部分で、滞納保証台数です。クラウド登録台数のうち、当社が滞納保証料を収受している台数を示し、当社の売上に大きく寄与する部分となります。こちらが6万5,000台と、前年同期比で42パーセントの伸びとなりました。
当社のリカーリングの売上となるのは緑色と青色の部分で、後追いで着実にグレーのクラウド登録台数のところまで上がっていきます。新規営業によりクラウド登録台数は増え続けるため、緑色と青色で示した売上が発生する台数との差は常にあります。
登録された駐車場に、毎月約2パーセントの駐車場の利用者が発生しており、そこから売上が立ち始めます。つまり、1年間で約24パーセントの売上が発生し、それが続いていくため、売上が1年、2年、3年と後追いで増えていくのがこのビジネスモデルの特性です。これは将来の売上の余地だとご理解いただけると、この台数の定義と推移が読みやすくなると思います。
4.2024年12月期 TOPIX
2024年12月期の主なリリースの一部です。リリースの効果も業績に寄与するため、今後も引き続きリリースは定期的に出していきます。
5.ビルディングイノベーション事業概況 ーセグメント損益ー
ビルディングイノベーション事業の事業概況です。売上高では前年比プラス1.4パーセント、セグメント利益では前年比プラス6.6パーセントとなっています。
6.ビルディングイノベーション事業 -売上高推移-
ビルディングイノベーション事業の四半期ごとの売上推移です。季節変動があり、毎年第2四半期と第4四半期は、企業研修等により受注が伸びる関係で、売上高が伸長する傾向となっています。
ビルディングイノベーション事業は、不動産市況を見つつ新規出店する方針で進めています。現在は賃料相場も高止まりの傾向にあり、空室率も低い状況であるため、無理な出店は抑制している状況です。
1.中長期的な成長イメージ
成長戦略についてご説明します。スライドは当社の中長期的な成長イメージです。ビルディングイノベーション事業は、安定的な運営と利益獲得を目指していく一方で、当社の主力である月極イノベーション事業は、さらなる成長と飛躍のために3つの成長戦略を立てています。
2.成長戦略1 -APクラウド登録台数拡大-
成長戦略の1つ目は、APクラウド登録台数の拡大です。国内の自動車保有台数に対して、まだ相当数の月極駐車場が存在するため、当社の開拓の余地は大きく、APクラウド登録台数拡大が最優先課題であると見ています。
3.成長戦略2 -データの収集と活用-
成長戦略の2つ目は、データの収集と活用です。月極駐車場を管理することで、駐車場(不動産)・利用者・車検証・車両データなど、今までみなさまが収集することが難しかったこれらのデータを、当社が収集できるようになります。
多様な需要予測の分析などへの活用が可能になり、これに基づくモビリティに関連する新たなサービスの推奨・提案などが実現できると考えています。
4.成長戦略3 -ファーストワンマイルステーション構想-
成長戦略の3つ目は、「ファーストワンマイルステーション構想」というものです。これは住宅地内にある月極駐車場がモビリティ関連サービスのハブとなる構想です。生活に隣接するエリアをファーストワンマイルと我々は表現しています。
このエリアにある月極駐車場を再定義することで、各種モビリティサービスの拠点、つまり「ステーション」となりうる全国ネットワークを構築していきたいと考えています。ここにモビリティを活用したサービスプロバイダーなどが集まって、新たな経済圏を作るプラットフォームの確立を目指しています。
この後、2025年度事業方針でも少しご説明しますが、駐車場シェアリングの拡大や、地方自治体との空き駐車場の利活用などが、まさにこの「ファーストワンマイルステーション構想」の新領域、新価値創造につながっていきます。
1.2025年12月期 事業戦略方針
2025年12月期業績予想についてご説明します。まず、2025年12月期の業績予想および戦略方針です。2025年12月期は売上高27億4,000万円、前年比115.8パーセント、経常利益1億9,700万円、前年比127.5パーセント、当期純利益2億300万円、前年比155.1パーセントを計画しています。
3つの主要な戦略に取り組み、2025年のガイダンス達成のみならず、2026年以降の収益基盤の増大化に努めていきたいと考えています。
2.新規開拓市場・エリア拡大イメージ
3つの主要な戦略について、詳細をご説明します。スライドはAPクラウドサービスの市場開拓の図を示しました。下段のグレーの枠は2025年も継続する営業先として、コインパーキング事業者、JRや私鉄などの電鉄系、全国のJA、センチュリー21をはじめとした大手フランチャイズ不動産、大手・中堅不動産会社などがあります。開拓余地はまだ大きいため、引き続き営業を積極的に行っていきます。
今年はそれに加えて、緑枠の①に記載しているように、我々が最も大きな市場と捉えていながら、なかなかアプローチの難しかった全国の中小・地場不動産への営業強化を行っていきたいと考えています。
また、②と記載している神戸市との業務提携をもとに、全国の地方自治体が管理する月極駐車場にもAPクラウドサービスを広げていきたいと考えています。次のスライドで具体的にご説明します。
3.①最大市場開拓
今年の2月1日に、不動産業界最大の団体であるハトマーク支援機構との提携が実現しました。同団体は、全国の宅地建物取引業者の約80パーセントとなる約10万社が加入する不動産業界最大の団体で、全国津々浦々の不動産会社が加盟しています。
月極駐車場の最大市場は全国の中小・地場不動産会社ですが、これまではリソースが当社も限られていることに加え、地方という属性もあり手が届いていませんでした。
しかし、今回同団体からAPクラウドサービスに関して単独1社指定の推奨をいただくことになりましたので、この好機を活かすべく、営業への投資を強化していきたいと考えています。
4.②社会課題対応 -地方自治体連携の取組み-
社会課題対応についてです。昨年の5月に神戸市所有の月極駐車場を管理している外郭団体にAPクラウドサービスが導入されました。神戸市もその後、月極駐車場の利活用に関する協議を続ける中で生まれてきたのが、「災害ステーション」というものです。
市内に広がる月極駐車場には、実は常に一定の空きが存在しています。APクラウドはその空き埋まりの情報をリアルタイムに把握しています。もし災害が発生した場合には、その空いている場所を復旧支援のための応援車両に無償で提供するのが「災害ステーション」です。
「災害ステーション」は、自治体との災害連携協定をベースに、APクラウドサービス導入企業も参画することで、充実した災害支援の仕組みとなっていきます。神戸市では、すでに複数の不動産管理会社から、この災害ステーションの参加希望をいただいています。
このような構想にご賛同いただく不動産会社が増えることこそが、APクラウドサービスが社会で必要とされ、かつ弊社のサービスの導入契約が増えていくことにつながると考えています。
なお、明日2月14日に神戸市役所にて、災害連携協定に関する記者発表を予定しています。
5.③新領域創造 アットパーキングウィークリー
「アットパーキングクラウド」の拡大に弾みをつけるサービスとなる、「アットパーキングウィークリー」についてご説明します。これまでも一部のエリアでは実証的に行っていましたが、全国に広げていきたいと思います。
先ほどお伝えしたように、月極駐車場には必ず一定の空き区画が存在します。全国平均すると、約20パーセントが常に空いていて募集状態となっています。
「アットパーキングクラウド」は空き埋まりデータをリアルタイムに活用できます。その空き区画を利用し、1日または1週間、1ヶ月単位といった短期間の連日利用ができるサービスです。コインパーキングが存在しない住宅地にも、月極駐車場は存在しますので、新たなニーズを掘り起こしてきています。
少し具体的にお話しします。例えば、住宅街には道路や住宅の工事のために、いろいろな工事業者が中に入ってきますが、その際の数日連続の利用が考えられます。あるいは、地域の運動会の時だけ親御さんやご親族が使われたり、帰省中に使われたりするケースなど、さまざまな利用がすでに出てきています。また、不動産管理会社と土地オーナーには、新たな収益を生み出すため、非常に喜ばれています。
この機能は「アットパーキングクラウド(APクラウド)」に標準装備したため、将来の収益にもつながりますが、他社との差別化要素として「APクラウド」サービス導入を加速する要因となっています。プレスリリースもしましたが、JR四国が管理する月極駐車場でも全面導入しています。
6.APクラウドサービスのARR
「APクラウド」サービスのARRについてです。ストック型の売上比率が高く、2024年12月末の時点でのARRは10億円を超えました。10億円を我々は、通過点だと考えています。
2025年は、先ほどご説明したハトマーク支援機構を活かした最大市場の開拓や、災害ステーションを皮切りとする全国自治体の開拓、「アットパーキングウィークリー」を活かした新領域の展開に注力しながら、将来の収益基盤の増大化に邁進したいと考えています。
7.APクラウドサービス -各種台数の市場・機会-
当社の成長エンジンにあたる「APクラウド」サービスのKPIであるAPクラウド登録台数は、2024年12月末現在で37万4,000台です。月極駐車場は3,000万台という巨大市場であるため、この市場の開拓が重要と考えています。
繰り返しになりますが、2025年12月期戦略でご説明したとおり、ハトマーク支援機構との提携による最大市場の開拓や、神戸市をはじめとする地方自治体との取り組みによる社会課題対応、将来の新領域創造につながる「アットパーキングウィークリー」、これらの戦略を確実に実行・推進することで、中長期的に大きな成長を遂げ、企業価値向上に取り組んでいきます。
引き続き、みなさまのご理解、ご支援を賜れますと幸いです。私からのご説明は以上です。
質疑応答:投資計画増額分の使途について
「適時開示書類『業績予想との実績の差異に関するお知らせ』に記載されている、投資計画の増額分は何に投資するのでしょうか? 人なのか、システムなのか、あるいはそれ以外でしょうか? また、投資額はどのくらいですか?」というご質問です。
具体的な数字は非開示としますが、市場や競合の状況を注視しています。黒字を継続しながら、最適な投資計画をしていきたいと考えています。
主な投資対象はハトマーク支援機構や地方自治体です。新たなきっかけが大きくそろいましたので、ここに人的リソースを大きく投資したいと考えています。
もちろんシステムも投資の対象になると思います。大きなシステム改変をするというわけではありませんが、システムは常にバリューアップしていくため、そのようなところが主な投資対象となっていくと思います。
質疑応答:APクラウド登録台数の伸び率鈍化について
「KPI指標である『APクラウド』登録台数の伸び率が過去より鈍化しているようですが、理由は2023年12月期が絶好調だった反動でしょうか? また、改善の見込みはあるのでしょうか? 補足説明をお願いします」というご質問です。
上場前の2023年までは営業にかなり注力していました。2024年は獲得した契約の「アットパーキング」ポータルサイトの公開や既存の駐車場利用者の決済引き継ぎなど、社内の手続きにリソースを割く場面が少し多かったという経緯です。
2025年以降の計画では、不動産業界最大団体であるハトマーク支援機構の1社指定推薦と、地方自治体の取り組みによる営業先拡大に合わせ、営業で必要となるいろいろな人的リソースへ投資していく計画ですので、KPIは改善されていきます。
「APクラウド」サービスの特性から、これらの活動が将来の収益に必ず反映してくるものの、財務諸表などの数値に反映されるまでには若干のタイムラグがあるため、契約の獲得初年度はなかなか直接的な売上につながりません。これはビジネスモデル上の特性とご理解ください。
質疑応答:2025年12月期の伸長率予想について
「2025年12月期業績予想についてです。15パーセントの伸長率は保守的ではないでしょうか?」というご質問です。
保守的ではありません。含みを持たせているわけではなく、トップラインでは前期比増減率は2023年から2024年が15.1パーセントでした。2024年から2025年は15.8パーセントを予想し、決して低い設定というわけではありません。
2025年の予想営業利益は今年並みですが、将来の基盤作りのために投資を優先しているということです。
市場の状態や競合、業界の状況を注視していくことで、将来の収益基盤を最大にしていきたいという考えがあり、このような計画となったとご理解いただければと思います。
質疑応答:配当方針と今後の見通しについて
「配当方針と今後の見通しを教えてください」というご質問です。
当社は、事業のさらなる成長を実現するために内部留保を活用して投資する方針です。企業価値の向上を図りながら、最終的に株主のみなさまへ大きなリターンを提供できると考えています。
現在は繰越欠損金があるという状況ですので、まずは自己資本の充実化を図っていきたいと考えています。今後の業績向上と財務体質強化に伴い、適切な株主還元を検討していく方針です。
質疑応答:上場で調達した資金の使途について
「上場により調達した資金をシステムや人員、オフィス移転などに投資しましたか?」というご質問です。
2024年度は増員やシステムに対して、おおむね予定どおり投資しています。オフィスは移転していません。2025年は強めの増員計画に合わせて、当然、手狭になってくるため移転したいと思っていますが、適切な時期を見極め計画的に実施したい考えです。
質疑応答:地方自治体との取り組み予定について
「地方自治体との取り組みについて、神戸市に続く予定がありますか?」というご質問です。
予定はありますが、まだ具体的には回答できません。政令指定都市をはじめ、いくつかの自治体と協議を進めています。しかるべきタイミングでご報告したいと考えています。
質疑応答:月極駐車場市場への取り組みが遅れた理由について
「ハトマーク支援機構との提携は期待できそうですが、なぜ今までこの市場への取り組みに注力しなかったのでしょうか?」というご質問です。
月極駐車場を管理する不動産会社は中小企業が本当に多く、かつ津々浦々に点在しています。業界の特性もあり、地方に行くほどDXへの取り組みが遅れているのが現状です。したがって我々の営業効率を考え、大手や中堅企業の導入を優先的にして活動してきました。
全国の宅地建物取引業者の80パーセントにあたる10万社が加盟するハトマーク支援機構より、単独1社の推薦を提携で獲得できたため、開拓営業しやすい環境が作れたと思っており、今年から踏み込んで営業する方針としました。
質疑応答:ハトマーク支援機構と提携するメリットについて
「ハトマーク支援機構と提携するメリットを教えてください。知名度や信頼度の向上につながりますか? 会員名簿を基に営業はできますか? ハトマーク支援機構から会員に対して、何らかのかたちで御社の紹介はあるのでしょうか?」というご質問です。
メリットはハトマーク支援機構のネットワークとお墨付きで、営業活動できることです。ハトマーク支援機構は全国にあるため、地域でいろいろな勉強会やセミナーなどが行われています。
我々はそのような勉強会やセミナーに参加する権利を得られましたので、これらに参画しながら、当社のサービスを啓発・推奨していくことも、場作りとして取り組みたいと考えています。そのような意味で、メリットは当然あると思っています。
また、ハトマーク支援機構は会報誌をお持ちですので、そのようなものも我々がうまく活用させていただくようなご提案もしていきたいと考えています。
不動産業界を管轄する国土交通省も不動産DXを本当に強く推進しているため、ハトマーク支援機構グループでも取り組むべき戦略のテーマに掲げています。
日本の不動産業界は人口減少により、事業の効率化が喫緊の課題となっており、業界のみなさまもそれは認識しています。したがって、月極駐車場のDX化は、ある意味で進めやすいテーマだと思います。不動産業界と一緒に、DXへの取り組みを進めていきたいと考えています。
質疑応答:アットパーキングウィークリーとコインパーキングとの違いについて
「『アットパーキングウィークリー』とコインパーキングとの違いを教えてください」というご質問です。
コインパーキングは駅前や観光地、また都心に多く、郊外や住宅地には少ないという特徴があります。一方で月極駐車場は、住宅地などにまんべんなく点在しています。「アットパーキングウィークリー」とコインパーキングは、まず立地が違うことが大きいと思います。
先ほど少しご説明したように、工事業者などは住宅地で短期的な工事の場合は車で入って来るため、そのような時の一時的な止め置きの利用に困っているという現状があります。
コインパーキングを使ったことがある方も多いかと思いますが、1日最大料金が設定されています。通常は1日目以降は1日最大料金を繰り返さずに、2日目から通常料金体系で利用料金を計算するのが一般的です。つまり、2日目もそのまま止め置いてしまうと利用料金が高額になるという特性があります。
少しマニアックな話になりますが、コインパーキングに設置されている管理規約のボードには、「2日、3日連続の利用は違法駐車となります。ご遠慮ください」と明示されていることがほとんどです。
つまり、1日で何回転もさせたいビジネスモデルのため、数日間連続して止め置くものではないというのがコインパーキングです。「アットパーキングウィークリー」は、複数日にわたる駐車を同一区画で予約でき、非常に使い勝手の良いサービスであると考えています。
また、これはご質問ではありませんが、「『アットパーキングウィークリー』は、本当に成長のエッジになるのではないか」というご意見もいただきました。ありがとうございます。
質疑応答:ビルディングイノベーション事業の成長戦略について
「ビルディングイノベーション事業の成長戦略には、会議室の出店予定もありますか?」というご質問です。
ビルディングイノベーション事業の中心となる会議室サービスについては、新規出店そのものが成長につながります。一方で、我々は東京ビジネス地区の空室率という指標に非常に注目しています。
実は、コロナ禍におけるオフィス空室率は6パーセント台でした。4パーセントから5パーセントが需要と供給のちょうどよいバランスであるとされています。6パーセントは空室過多といえその意味では出店しやすい状況でしたが、会議室サービスを事業として進めるには難しい特殊な事情であったため出店はできませんでした。
なお、コロナ禍が収束した直近の空室率は、3.8パーセントまで低下してきています。賃料単価も上昇傾向が続いているため、2025年は新規出店を抑制する方針です。
ただし、不動産市況というのは中長期的には必ず波があります。そういう意味ではスライドが起きるため、市況を見ながら適切なタイミングで収益性の高い出店を目指す方針です。
以上で、当社の決算説明会を終了します。繰り返しとなりますが、いまだ開拓の余地がある月極駐車場市場を、これからも積極的に攻めていきたいと思います。投資家のみなさまのご期待に沿うべくがんばっていきますので、引き続きご支援いただければと思います。本日は誠にありがとうございました。