2025年3月期第3四半期決算説明
佐藤海氏:株式会社Rebase代表取締役の佐藤海です。当社の2025年3月期第3四半期決算説明をご視聴いただき、誠にありがとうございます。この時間を通じて、当社についてのご認識とご理解をいただけたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
決算ハイライト:第3四半期 累計
本編に先立ち、2025年3月期第3四半期の決算ハイライトをご説明します。第3四半期累計の売上高は、前年同期比30パーセント増と引き続き好調です。
シーズナリティによるレンタルスペースのニーズの高まりを的確に捉えた結果、パーティー関連の利用数および利用総額も着実に伸長しました。
第3四半期累計の営業利益は前年同期比47パーセント増、当期純利益は前年同期比48パーセント増となり、売上高および各段階利益において当初の予想を上回る見込みのため、通期業績予想を上方修正します。
上方修正の詳細については、後ほどご説明します。
設立当時について
当社は2014年4月8日に資本金25万円で始まった会社です。会社設立後はカフェを転々としながら活動し、最終的には田園調布付近にあるカフェに落ち着き、毎日のように朝から晩まで仕事していました。
スタッフの心の行き届いた親切で優しさあふれる対応に加え、インターネット環境と電源を確保できるこのカフェは、当時のお金のない私たちにとっては最高の環境でした。
余談ですが、このカフェを使い始めて間もない時に、コーヒーが飲み放題であることを知って朝から晩までコーヒーをたくさん飲んで作業していたのですが、会計の際にとんでもない金額が表示されてびっくりするという、コーヒーだけにまさに苦い経験もしました。
実は、飲み放題なのはホットコーヒーのみで、当時の私はそれを知らずにアイスコーヒーをおかわりしていたことが原因でした。なけなしのお金を出し切って支払ったのを鮮明に覚えています。
そのような始まり方の私たちではありますが、設立からこうやって10年が経過した今日も存続できているのは、ひとえに株主のみなさま、投資家のみなさま、そしてサービスを設立当時からこれまで使ってくださっているユーザーのみなさまのおかげです。
あらためて感謝するとともに、今後も変わらずご支援、ご鞭撻を賜りたく思っています。誠にありがとうございます。
【設立10周年】 記念配当 ・ 記念優待
そこで、設立10周年を記念し、記念配当および記念優待を実施します。内容としては、1株当たり35円の記念配当を実施します。加えて、保有株式数200株以上の株主さまに対しては、インスタベースポイントを5,000ポイント贈呈します。
2025年1月31日の終値に対し、配当、優待を足し合わせると、利回り4.1パーセントとなっています。
なお、今後の株主のみなさまへの利益還元については、引き続き成長投資を優先しつつ、内部留保とのバランスを取りながら、中長期的に検討していくことを基本方針としています。
以上を踏まえた上で、本編へと移ります。
目次
本日の流れです。2025年3月期第3四半期の業績、当社の成長戦略の順にご説明します。なお、会社概要等については、Appendixにスライドを追加していますのでご参照ください。
レンタルスペース領域におけるシーズナリティ
当社の第3四半期の業績についてご説明します。業績予想に対する進捗状況をご説明するにあたり、まずは「インスタベース」のシーズナリティについて触れます。
レンタルスペース市場は、成長市場であることに加えて、10月から12月の第3四半期がレンタルスペースに対する認知とニーズが1年で最も高まる繁忙期となるため、上半期よりも下半期に売上が偏重する傾向があります。
以上を踏まえ、次のスライドより業績をご報告します。
四半期推移:売上高
四半期別売上高の推移です。2025年3月期第3四半期においては、引き続きビジネス関連の利用が増加したことに加えて、シーズナリティに合わせたサービス認知の向上施策が実を結び、前年同期比29パーセント増と堅調に業績を伸長させることができました。
四半期推移:営業利益および営業利益率
四半期別営業利益と営業利益率の推移です。営業利益は前年同期比34パーセント増となり、営業利益率は30パーセントでの着地となっています。
重要指標の進捗(累計)
「インスタベース」における重要指標についてご説明します。「インスタベース」における最重要指標は利用総額となっており、スペースの利用数と予約の平均単価の掛け合わせで構成されています。そのため、いずれの指標も成長していれば、利用総額は大きく成長します。
この利用総額の成長のために、当社では特に利用数の成長に重きを置いて取り組んでいます。第3四半期はこの利用数が過去最高を大きく更新したため、結果として業績を大きく伸ばすことができました。
重要指標の成長推移:利用数
各指標について詳しくご説明します。まずは利用数です。第3四半期は38万6,000件のスペース利用があり、引き続き過去最高を更新することができました。業績予想に対する進捗率は81パーセントとなっています。
効率的な広告宣伝費の投下を含め、オンライン集客の効率を最大化できたことにより、サイト全体への流入数が増加しました。検索体験向上施策も通じて、前年同期比33パーセント増で着地しています。
重要指標の成長推移:平均単価
平均単価です。すべての価格帯において利用数が増加していますが、特にビジネス利用が継続的に成長していることで、前年同期比での平均単価はおおむね横ばいとなっています。
重要指標の成長推移: 利用総額
最重要指標である利用総額は、過去最高の着地となりました。前年同期比30パーセント増の18億円を超え、業績予想に対する進捗率は78パーセントとなっています。
重要指標の成長推移:掲載スペース数
掲載スペース数については、前年同期比で22パーセント増の3万9,200件となりました。第2四半期までと比較して緩やかな推移となっていますが、こちらはこれまでの時間単位で料金設定ができる機能に加え、人数単位で料金設定ができる機能を実装したことによるものです。本機能により、利用人数ごとのスペースページの作成が不要となり、1つのページにまとめることが可能になりました。
重要指標における成長率は順調に推移
スライドの表は、上半期の各KPI実績を事業年度別にまとめたものです。順調に成長していることが確認できます。
重要指標における成長率は順調に推移
昨年度までの通期の実績です。2025年3月期に関しては、通期の業績発表のタイミングでアップデートします。
2025年3月期 第3四半期 業績
各重要指標を成長させることができた結果、第3四半期累計の業績としては、売上高は前年同期比30パーセント増の14億1,600万円、販管費は前年同期比26パーセント増の9億9,300万円、営業利益は前年同期比47パーセント増の3億7,700万円となりました。
販管費の内訳(前年同期比較)
第3四半期における販管費の内訳の比較です。主に人件費等、広告宣伝費が増加したことにより、前年同期比で7,800万円増加しています。なお、人件費等については人員の増加と、第1四半期より計上を開始した賞与引当金により増加しています。
また、広告宣伝費についてはROAS指標をベースに利益を確保しつつ検索効果を強めており、利用数の増加に寄与しています。
販管費の内訳(四半期推移)
四半期別販管費の内訳とその推移です。この第3四半期は前年同期比で27パーセント増となっています。
BSサマリ
BSサマリです。M&Aを含む投資活動により、前期末比で固定資産が増加しています。
2025年3月期 通期業績予想 上方修正
2025年3月期の通期業績予想についてご説明します。第3四半期までの取り組みの結果、各指標が好調に推移したため、売上高および各段階利益において、当初の業績を上回る見込みとなりました。そのため、通期業績予想を上方修正します。
修正後の業績予想としては、売上高は前期比29パーセント増の19億2,000万円となる見込みです。営業利益は、当初前期比14パーセントの成長を見込んでいましたが、今回の修正により前期比34パーセント増となり、4億5,000万円の着地となる見込みです。
インスタベースの成長戦略
当社の成長戦略についてご説明します。スライドに「インスタベース」の成長戦略を示しています。さらなる成長の実現に向けて、集客力の強化、UI/UXの最適化、平均単価の向上、掲載スペース数の最大化の4つに注力していきます。
トピックスサマリ
当社では、「インスタベース」の成長戦略に基づいた取り組みを実施しています。第3四半期は特に集客力の強化、そしてUI/UXの最適化に注力し、結果として利用数の拡大につなげることができました。
集客力の強化の観点では、パーティー需要が高まる時期に合わせてドミノ・ピザ ジャパンとの認知度向上に寄与する取り組みを行っています。
当社におけるM&Aの方針
当社の投資戦略としては、「インスタベース」とのシナジーを見込める企業を第1優先とし、事業領域の拡大を可能にする企業もスコープに入れて投資活動を行うことで、さらにその先にある新規領域への進出可能性も高めていきます。
市場規模
最後に、市場規模についてご説明します。「インスタベース」が属するスペースシェア市場では、場所の需要と供給、両方の側面から今後も飛躍的な成長が見込まれます。
第1に需要、つまり利用者のニーズについてです。働き方や趣味の多様化により、レンタルスペースの利用ニーズがさまざまな用途において拡大しています。「インスタベース」は現代のライフスタイルの変化を捉え、利用者の多様なニーズに応えるかたちで成長を続けていきます。
第2に供給、つまり遊休スペースの増加についてです。少子高齢化や人口減少などを背景とした空き家問題、都心において変わらず供給され続ける新規オフィス、入居者が抜けた後の空室がなかなか埋まらない2次空室問題などにより、遊休スペースが増加しています。
これらの諸問題から想定される未来として、今までの賃貸借契約という商習慣だけでは利活用が難しくなっていくと想定しています。スペースのシェアという新しい場所のあり方は、今後より一層求められていくと考えています。
スライドの図は、各調査データをもとに当社にて推計した市場規模です。2022年時点での市場シェアは2パーセント程度となっていますが、市場の拡大に貢献しながらも成長軌道にある市場でシェアを高めていくことで、ビジョン、そしてミッションの実現を目指していきます。
以上で、2025年3月期第3四半期の決算説明を終了します。ご清聴、誠にありがとうございました。