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湯浅光裕氏:SBIレオスひふみ株式会社代表取締役副社長グループCOOの湯浅光裕です。本日は2025年3月期第3四半期の決算説明会にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

本日はスライドの目次に沿って、2025年3月期第3四半期決算の内容をご説明します。

業績サマリー

第3四半期の業績サマリーです。運用資産残高は前年同期比プラス13.6パーセントの1兆3,635億円となりました。「ひふみワールド」シリーズや「ひふみpro」シリーズを中心に着実に残高が増加しています。

販売パートナーへの支払手数料を除いた営業収益(ネット)は、前年同期比プラス12.7パーセントの51億8,600万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比プラス17.2パーセントの11億3,100万円となり、営業収益(ネット)、親会社株主に帰属する当期純利益ともに第3四半期累計で過去最高を更新しました。

当社営業利益の要因分解

スライドは当社の営業利益の要因を分解した図です。ポイントは4つあります。1つ目は、当社の営業収益の起点となる運用資産残高の変動です。

2つ目と3つ目は、当社の収益性を測る上で重要な指標となる、平均報酬率と直販比率の変動です。

4つ目は、当社の利益率を左右する販売管理費の変動です。こちらの効率性が重要となります。本日はこの4つのポイントを中心に、第3四半期の決算をお伝えします。

①運用資産残高の変動要因

まずは運用資産残高の変動についてです。第3四半期の運用資産残高は、前年同期比プラス13.6パーセントの1兆3,635億円となりました。

「ひふみワールド」シリーズや「ひふみpro」シリーズを中心に残高が拡大しており、2025年3月期は第1四半期から第3四半期にかけて、1兆3,000億円を超える高水準で推移しています。

なお、第3四半期は634億円の運用益が出た一方で、基準価額の上昇に伴う解約が増加し、229億円の資金流出となりました。

①2025年3月期の運用資産残高の変動要因

スライド左側のグラフは、2025年3月期の第3四半期までの設定金額及び解約金額の状況です。設定金額は前期と同水準で推移した一方で、解約金額が増加しています。中でも運用資産残高が多い「ひふみプラス」「ひふみワールド+」の解約が増加しました。

スライド右側のグラフは、主な公募投信の基準価額推移です。

私たちは、お客さまにご満足いただける運用成績をお届けすることを重要な責務と考えています。現在、より高い運用成績をお客さまにお届けするため、運用体制の強化を行っています。具体的には、2025年2月1日付で私、湯浅が最高投資責任者CIOに就任し、グローバルな視点を取り入れた運用体制の構築を始めています。

私がCIOになってから、まだ日が経っていないものの、すでに運用本部内における体制の見直しや、従来の体制のさらなる強化に着手しています。

これまで以上に高いリターンを上げ、お客さまが安心して投資していただける環境を提供し続けられるよう、運用本部だけでなく営業も含めて全社一丸となって体制を構築し、今後さらに強化していきたいと思っています。

なお、これまでCIOを務めてきた藤野は、引き続き「ひふみ投信」シリーズと「ひふみクロスオーバーpro」の運用、及び当社の経営に注力していきます。

解約率はおおむね業界平均を下回る水準で推移

スライド左側のグラフは、当社が運用する投資信託「ひふみ」シリーズと、業界全体の解約率を比較したものです。

株式市場の上昇局面を除けば、「ひふみ」シリーズの解約率は、おおむね業界平均を下回っています。これは私たちが日頃からお客さまとのコミュニケーションを大切にしている結果だと考えています。

ただし、直近では解約が増加傾向にあるため、解約率の水準については今後も注視していきます。

お客さまとのコミュニケーション

当社では、毎年12月に直販のお客さまを中心に、大規模イベント「ひふみアニュアルミーティング」を開催しています。主要ファンドの1年間の運用報告や、今後の注目テーマをみなさまにわかりやすくお伝えしています。またファンドマネージャーやアナリストが率直にご質問にお答えする場として、お客さまからもご好評をいただいています。

前回のミーティングでは、「ひふみクロスオーバーpro」商品説明会も同日に開催しました。実際の投資先であるIDOM CaaS Technologyさまの山畑社長をお迎えし、ファンドマネージャーである藤野と松本との対談を実施しました。

その他にも、販売パートナーである地方銀行の各支店にファンドマネージャー自らが足を運び、お客さまや販売パートナーのみなさまに商品の魅力や運用戦略をご説明するなど、顔が見える運用も実践しています。

YouTubeチャンネル「お金のまなびば!」はチャンネル登録者数61万人突破

「YouTube」チャンネル「お金のまなびば!」では、直近の2月7日時点でチャンネル登録者数が61万人を突破しています。

魅力的なコンテンツ作りと効率的な広告配信を行った結果、今年に入り、チャンネル登録者数が大幅に増加しています。まだチャンネル登録がお済みでない方は、ぜひこの機会にチャンネル登録をお願いします。

②投信平均報酬率と③直販比率の推移

投信平均報酬率と直販比率の変動の推移はスライドのとおりです。投信平均報酬率、直販比率ともに上昇傾向にあります。中でも「ひふみワールド」シリーズと「ひふみpro」シリーズの残高拡大により、平均報酬率が上昇しました。

「ひふみワールド」シリーズは運用期間が5年を超え、今年2025年2月の決算期以降に、新NISAのつみたて投資枠の条件を満たす見込みです。この機会を活かして、積極的な営業活動を行っていきます。

この「ひふみワールド」シリーズに関しては、今年2025年に5年目を迎えるということもあり、昨年は営業活動を特に強化しました。

私がファンドマネージャーとして海外に取材に行った際に、その模様を自ら撮影し、自分で自分に取材したものを「YouTube」チャンネル「お金のまなびば!」のコンテンツにしています。

「どのようなかたちで取材しているか」「ファンドマネージャーはどのように考えながら企業を訪問し、投資対象を決めているのか」など、具体的にお見せしています。

顔が見える以上に、実態をみなさまに疑似体験していただけるようなコンテンツを作り、さまざまなかたちでお届けする取り組みを行っています。

その効果により、おそらく2025年3月に新NISAのつみたて投資枠に採用されるであろう「ひふみワールド+」のお客さまを、「ひふみワールド」も含めてじわじわと増やしていけると思っています。

今後も、このような取り組みを継続していきたいと考えています。「ひふみワールド」に限らず、さまざまな投資信託についても、ファンドマネージャーを介していろいろなお話をしていきたいと思っています。

各投資信託の報酬率と投資信託残高に占める比率の推移

各投資信託の構成比率の推移はスライドのとおりです。

直販、パートナーの状況

第3四半期は直販、パートナーともに、「ひふみクロスオーバーpro」の販売促進にも注力しました。直販は広告効率を優先し、新規口座獲得を目的としたアフィリエイト広告への出稿を抑制しました。結果として、残有口座数は減少しました。

一方、これまでアフィリエイト広告に出稿していた費用を「ひふみクロスオーバーpro」の残高拡大と「YouTube」チャンネル「お金のまなびば!」のチャンネル登録者数拡大に向けた広告投資に再配分しました。

販売パートナーに対する営業活動も、「ひふみクロスオーバーpro」の販売パートナー数拡大に注力し、増加につながっています。

proシリーズ(ひふみマイクロスコープpro、ひふみクロスオーバーpro)の状況

今期、運用を開始した「ひふみマイクロスコープpro」と「ひふみクロスオーバーpro」の残高推移です。「ひふみクロスオーバーpro」の残高拡大に注力した結果、残高は順調に増加し、2月7日の時点で220億円を突破しています。

④販売管理費変動の推移と内訳

販売管理費の推移と内訳についてです。広告宣伝費は、前期比プラス96.6パーセントの3億5,100万円となりました。

先ほどお話ししたとおり、残高拡大に向けた積極的な投資を継続しているものの、投資効率を重視し適切なアロケーションを行いました。

また、人件費、その他販売費及び一般管理費も増加しています。こちらは今後の業容拡大に迅速に対応するための積極的な採用と、一部業務の外注化を進めたことによるものです。

貸借対照表ハイライト

貸借対照表の状況はスライドのとおりです。自己資本比率は60.4パーセントと健全な水準を維持しています。

また配当の源泉となる株主資本も、前期末比プラス8パーセントとなりました。今後も安定した財務基盤を維持しつつ、積極的な成長投資と安定した株主還元を目指していきます。

なお、配当方針にDOE10パーセント以上を掲げています。株主資本の推移に今後もご着目いただきたいと思います。

株主還元方針〜配当性向50%以上、DOE10%以上〜

具体的な配当方針はスライドのとおりです。

株主優待の実施

新たに導入した株主優待制度についてご説明します。株主優待制度を導入する目的は3つあります。

1つ目は、株主還元のさらなる充実です。昨年8月に発表した株式分割及び配当方針の変更に続く新たな株主還元施策として、株主優待を実施します。

2つ目は、株主のみなさまに投資信託をご体験いただくことです。今回の株主優待として、当社グループが運用する投資信託の贈呈を行います。

株主優待を通じて投資信託を贈呈するのは、日本で初めての試みとなります。100万人近いお客さまの資産形成を支えている当社の投資信託を、株主のみなさまにもぜひご体験いただきたいと考えています。

3つ目は、当社の直販サービスを株主のみなさまにもご体験いただくことです。投資信託の贈呈は、直販口座への贈呈に限定しています。私たちの直販サービスを株主のみなさまにご体験いただくことで、私たちへの理解を一層深めていただき、率直なご意見やフィードバックをいただきながら、株主のみなさまとともにSBIレオスひふみの企業価値向上を目指していきたいと考えています。

2025年3月期の株主優待贈呈商品(投資信託を選択された場合)

今回、株主のみなさまに優待として贈呈する投資信託は「ひふみクロスオーバーpro」です。

「ひふみクロスオーバーpro」はNISA枠を活用して、未上場企業にも投資できる画期的な投資信託であり、当社の今後の成長を牽引する中核的な存在であると確信しています。

株主優待制度の詳細

優待の詳細はスライドのとおりです。2025年3月末時点で1,000株以上を保有している株主の方々は「ひふみクロスオーバーpro」を2,000口、5,000株以上保有している株主さまには10,000口を贈呈します。

当社の口座をお持ちでない株主のみなさまは、私たちのグループ会社であるレオス・キャピタルワークスの直販口座を開設の上、「ひふみクロスオーバーpro」をぜひ受け取っていただきたいと思います。

また同じ金額を寄付する選択肢もご用意しています。こちらもぜひご検討ください。具体的な寄付先については、準備が整い次第、詳細をお伝えしたいと思います。

株主優待実施スケジュール

具体的なスケジュールはスライドのとおりです。対象の株主さまには2025年6月下旬にご案内を送付する予定です。その他の詳細については、当社のリリース等をご確認ください。

2025年3月期の業績予想の公表

通期の業績予想についてご説明します。当社グループの収益の源泉である運用資産残高は、国内外の市場に大きく影響されるため、これまで業績予想は控えていました。しかし第3四半期を経て、今後のマーケット環境による通期業績への影響が小さくなったことから、業績予想を公表することとしました。

営業利益は前年同期比プラス12.3パーセントの20億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比プラス6.6パーセントの14億円を予想しています。

運用資産残高の計画値については、2025年3月末に日経平均株価が4万円程度で推移すると想定した上で、各公募投資信託の販売状況に基づいた設定・解約金額を加味して算出しています。

今後も業績見通し精度が高くなったタイミングで、業績予想を開示する予定です。

以上、2025年3月期第3四半期の決算説明となります。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。