株式会社NEXYZ.Group 個人投資家向けIR説明会

近藤太香巳氏(以下、近藤):NEXYZ.Groupの近藤太香巳です。本日はお忙しい中お越しいただき、誠にありがとうございます。

本日は私から、NEXYZ.Groupの将来性や現在の数値的な状況についてご説明します。まずは、当社がどのようなことをしてきたのかについてお話しします。

ネクシーズグループ コアコンセプト

すべての話につながってきますが、NEXYZ.Groupのコアコンセプトは「ZERO」です。創業期から、ずっと「ZERO」をコアコンセプトとして取り組んできました。

NEXYZ.Groupの沿革

創業は今から37年前、私が19歳の時になります。当時はまだベンチャーやアントレプレナーという言葉もありませんでした。そのような時代に、私が50万円を握りしめて作った会社が今のNEXYZ.Groupになります。

1つのブレークポイントは、携帯電話が世の中に出てきた時になります。当時は、携帯電話の初期費用が20万円かかりました。

まだ、ドコモがないような時代に、携帯電話を月々2,000円で持てるようなサービスを作り、携帯電話を世の中に普及させました。

その後、同じく「ZERO」をコンセプトに、衛星放送やETCなどの初期費用を0円で提供するサービスを展開していきました。

また、ソフトバンクの孫正義さんから直接お電話をいただき、「Yahoo! BB」プロジェクトに参画し、多い時は週の半分以上を孫さんと一緒に過ごしながら、5年間ほど「Yahoo! BB」を世の中に普及させる取り組みをしていました。

衛星放送「WOWOW」「スカパー!」のシェア80パーセントを我々が普及させました。結果的に「Yahoo! BB」に関しても、400万回線中137万回線を我々が普及させたという、ナンバーワンと言ってよい実績があります。

ここまでは、我々のポジションというのは代理店でした。たくさんの資金をかけた衛星放送やブロードバンド事業で、我々がその販売を担っていました。しかし、我々の今後の取り組み方として、自社完結型のモデルで展開していこうということになりました。

現在はグループ内に上場会社が2社あります。上場に関して、我々にとっては大きな苦難がありました。2000年4月25日、東証マザーズ上場を予定していた2週間前に、突然取り消しとなりました。理由はベンチャーバブルの崩壊でした。

日本において、上場直前に取り消された会社というのは20数年ぶりということでした。また、当時のマザーズ第1号の取り消しでもありました。そのような中で、私の恩師であるSBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長との出会いにより、出資していただき、そして上場取り消しの2000年から2年後の2002年3月6日に、ナスダックジャパンに上場しました。

その後、2004年11月11日に東証一部に上場することができました。いろいろな紆余曲折がありました。上場が取り消しになった時は世の中でも大変騒がれましたが、当時の社員は誰一人として辞めませんでした。みんなが一致団結している非常に絆の強い会社です。

このような過去の経験から、源流を押さえる、もしくは川上を押さえるというビジネスを行っていくことに決めました。本日は、みなさまに当社独自のビジネスモデルや成長戦略をお話しし、その後ご質問を受けたいと思っていますので、よろしくお願いします。

グループビジョン・ミッション

グループビジョンとミッションについてです。我々がビジョンとして常に考えていることは「まだない常識を、次のあたりまえに。」です。また、「SPEED! IDEA! PASSION!」をミッションとしており、特にスピード感を持って、意思決定をどんどんしていきます。

私たちの絶対的定義

スライドは、「私たちの絶対的定義」です。時代に応じた課題解決を発見するために、「独自性」「キラーカード」「ビジネスモデル」の3つのパズルがはまるものしか絶対に行わないと決めています。

具体的には、1つ目は「世の中(業界)は現在こうだ」、2つ目は「課題はこうだ」、3つ目は「私たちならこう解決できる」です。これらすべてに当てはまるものしか取り組みません。

例えば、LED照明に関して、1つ目に当てはめて言えば「世の中は2030年までにすべてをLED化する」という国策があります。

しかし、まだ58パーセントしか普及していません。その理由は、電球が1個切れたからといって、すべてをLED照明に替えることは、その電球自体のお金だけではなく、工事代などもかかってきます。

要するに、お金がかかることが課題です。「私たちなら、オール0円で電球も工事代もすべて無料で切り替えます」という課題解決を行っています。

もう1つ例を挙げると、今非常にヒットしている「アクセルジャパン」という芸能人のシェアリングサービスがあります。タレント広告は1契約に何千万円ものコストがかかり、大手企業でないと簡単にはできません。

つまり、これも課題は同じくお金がかかることです。それを月額40万円で、数千万円のタレントを自由に使えるというビジネスモデルを作りました。このようなかたちで我々は課題解決をしています。

セグメント情報について

スライドは現在の売上高を示しています。主力の2事業の売上構成比率は8対2となっており、エンベデッド・ファイナンス事業が8割、ブランジスタが展開するメディア・プロモーション事業が2割となっています。

日本のエネルギー政策課題

まず、エンベデッド・ファイナンス事業についてです。先ほどもお話ししましたように、「あかり」の大転換期が来ています。国家規模のプロジェクトとして、政府は、2030年までに100パーセントLED化を目標に掲げています。

計画より遅れている普及の進捗

しかし、58パーセントしか普及していません。

なぜ、LEDが普及しないのか

スライドに記載のように、コンビニなどの多店舗経営では億単位の費用がかかってきます。また、小規模店舗でも100万円以上の費用が必要です。要するに、LED電球と工事代の初期費用が高額であるということです。

ネクシーズZEROで課題解決

我々はそれを解決するために、当社は1,000億円を投じ、LED照明だけでなく、たくさんの商材の最新設備を初期投資0円で提供しています。

ネクシーズZERO

ここで、ネクシーズZEROのサービス内容がわかる3分間の動画をご覧いただきたいと思います。

サービスの特長

「ネクシーズZERO」は、動画でご覧いただいたようなサービス内容です。エンベデッド・ファイナンスはアメリカでよく使われている言葉ですが、簡単に言うと商材付きファイナンスということになります。

そして、我々がすべてをワンパッケージでご提供し、月々固定の料金のみで店舗・施設をまるごとLED化することができます。

コスト削減イメージ (LED照明の例)

こちらのスライドがおそらく一番わかりやすいビジネスモデルのご説明かと思います。スライドの一番左側は、LED化していない現在の状態です。これがお店だと仮定するならば、電気代が高い状態です。

これを我々が工事代含めすべての費用を全額負担することで、電気代を大幅に下げることができます。スライド中央の水色の部分が、サービス料になります。商材や金利などが入った料金のことで、我々の売上部分になります。

したがって、導入した時点で今の電気代より安くなり、お客さまにとってはコストダウンとなります。サービス期間は5年間で、5年後はこの水色部分のサービス料もなくなるため、さらにコストダウンすることができます。言うならば、「やらない理由がない」ということになります。

ネクシーズZEROの導入件数

導入件数は10万件を超え、非常に順調に推移しています。10万件を数でたとえると、みなさまが毎日のように利用している、日本のコンビニエンスストアの2倍ほどの数まで普及が進んでいます。

売上の内訳

このスライドもポイントなのですが、全体の売上の約90パーセントがご紹介で成り立っています。特に全国の金融機関からの紹介が40パーセントあります。

その他には、保険会社など、さまざまなところからご紹介いただいており、約9割が紹介で成り立っている会社は、なかなかないと思います。

当社の営業は、「設備戦略プランナー」と呼ばれていますが、毎日全国で、銀行の行員と一緒に営業先をまわっています。

ネクシーズZERO導入事例

我々はLED照明だけでなく、空調や冷蔵庫、キュービクルといったさまざまな商材を扱っています。学校や飲食店、工場、ホテルだけでなく、箱根町の街路灯、羽田空港の駐車場、沖縄のアメリカ国防総省においても我々が選ばれています。

LED照明導入実績

一例として、スライドの写真は、羽田空港の駐車場です。我々が導入したのは、1階から5階までになります。6階と7階はすでにLED照明に替わっていたからです。

しかし、写真からもおわかりのとおり、明るさの違いに驚かれました。今後は旧LEDから新LEDへの切り替え需要も出てくると考えています。ここでは、新LEDに切り替えたことにより年間の電気料金が約600万円削減されたという実績があります。

取扱商品

LED照明からスマート農業まで、世界の200メーカーと提携しており、50万点以上のラインナップがあります。

金融機関とのパートナー提携 紹介案件を積極的に獲得

金融機関とのパートナー提携については、紹介案件を積極的に獲得しています。スライドには89社と記載がありますが、最新の数は97社となっています。

金融機関からの紹介案件の特長

金融機関からの紹介で我々にとって何が1番の利点かというと、社長に直接会うことができることです。コストダウンをしたいと考えているのは、やはり経営者です。その経営者と直接会えるということです。

さらに、1契約当たりの売上が高いのも特長です。「じゃあ冷蔵庫も欲しい」「空調も欲しい」という場合が多くなるため、1契約当たりの売上が1.37倍になっています。

当社の課題として、株主のみなさまから見て数値がわかりにくいのは、引当金だと思われます。

5年間の解約率は全体平均で9.9パーセントです。我々はその分の引当金を当てていますが、そのお金は売上や利益へ計上できません。コロナ禍が終わってから潰れる会社があるかもしれないということで、引当金はいまだに高い状態です。

コロナ前までは売上を190数億円で利益を20億円出していた当社が、いまだ半分の利益しか計上できていない1番の理由は引当金です。

しかし、1年単位だと1.98パーセントである解約率が、銀行案件では半分以下の0.98パーセントということが明確になっています。

全体売上のうち40パーセントは金融機関からの紹介となっています。年間解約率がこれから下がっていけば、あるいは解約がほとんどない・倒産がないという状態になれば、利益にもっと反映させることができます。

売上計上の種類

当社の売上計上には、一括計上と分割計上の2種類があります。一括計上は銀行と組み、我々が債権流動化することによって、5年分のサービス手数料を一括で計上できます。銀行の金利を抜いた分が、5年をかけずに一括で入ってくるということです。

もう1つの分割計上は、銀行の金利が取られない状態で、5年間で分割して売上計上するものです。2つの売上計上でバランスをとっています。

リース債権残高

分割計上しているリース債権残高が2024年9月期末時点で約32億円あります。流動化では、5年間分を一気に流動化することもできれば、残り2年分、残り1年分、残り4年分と、我々の判断で期間を設定することができます。

今は約9割が流動化していますが、流動化していないお金だけで約32億円あります。もし、一括計上ではなく分割計上しているもの、つまりこの32億円をすべて流動化すれば、現段階でも約10億円の利益が計上できます。

貯金とは異なるのですが、銀行の金利がかからないものをこれだけ持っているということになります。流動化は我々の判断でいつでも行えます。

社会的評価

社会的評価としては、我々は環境大臣の認定を得たエコ・ファースト企業です。

エンベデッド・ファイナンスに関しては、この分野では世界初になりますが、ムーディーズという格付け機関の最高格付けAaaをいただいています。これによって、流動化だけではなく、証券化もできることになります。

CO2排出削減への貢献

エコ・ファースト企業として掲げた「CO2の排出削減200万トン」という目標を、環境省・環境大臣との約束から1年前倒しで達成しました。200万トンがどれぐらいかというと、人間1人が1年間で排出するCO2の量は、9トンから10トンと言われています。

これで200万トンという数字を割ると、200万トンは20万人分の年間CO2排出量に匹敵します。20万人は渋谷区の全人口です。渋谷区の全人口が1年間電気を消して息を止めているような、それほどのCO2の排出削減効果が評価されました。

ネクシーズZERO販売業種

エンベデッド・ファイナンス事業の成長戦略についてです。今日はLEDを中心にお話ししましたが、我々は他にもいろいろな商材を扱っていて、農業・医療・建築・製造関係に対する売上が増加しています。幅広い業種で売上が増加している状況です。

農業設備ラインナップ

社内では「アグリチーム」と呼び、農業設備にも参入して、非常に良い状態になってきています。ビニールハウスや自動で散水をするIoTなど、さまざまなソリューションをITやAIの力をもとに行います。

人手不足や食料自給率の低下といった社会課題に対して、このようなスマート農業の普及を展開しています。

工場用設備ラインナップ

工場用設備の新たなラインナップが整ってきました。「1台あたり数百万円の高額設備を初期投資0円で提供」とスライドに記載されています。以前から提供していたキュービクルの他にコンプレッサなど、製造業や工場などの生産性・競争力の向上を後押ししていきます。

事業の成長イメージ

我々が提供できる設備投資の市場規模は約17兆円です。農業、商業、工業へとマーケットを拡大し、事業を成長させていきたいと思っています。

前提 日本の99.7%は中小企業

ブランジスタが展開するメディア・プロモーション事業についてです。今回は「アクセルジャパン」の状況をお伝えしたいと思います。

まず前提として、日本の99.7パーセントは中小企業です。大手企業は0.3パーセントしか存在しておらず、タレントを起用する会社はさらに少ないのです。

日本経済の成長≒中小企業の成長

中小企業のネックは自社の認知度が低いことです。プロモーションに資金をかけられず、人材不足、固定費の増加などの課題もあります。これに対し、国は助成金や補助金を出していますが、抜本的に売上を上げる施策ではありません。

初期費用0円のプロモーション革命

「アクセルジャパン」は私が経済産業省の中小企業庁に行って「これは中小企業を応援するプロジェクトだ」とお話しし、先方も賛同して採用してくださったものです。

成長企業と新しい日本をつくる、アクセルを踏んでいくという意味で、このプロジェクトは「アクセルジャパン」と名付けられました。始めて2年目ですが、この事業だけで6億5,000万円の利益が出ています。これからは「ネクシーズZERO」とともに加速していくと見ています。

企業の成長を応援する多彩な有名タレント

私どものアンバサダーとなっているタレントの数は、総勢で15名となっています。タレントにもストックでお金が入る仕組みです。

タレントにとっても、お金が入ってくるまでの今までの仕組みは不安視されるものだったようです。なぜかというと、大手から5,000万円、1億円の出演料をいただいたとしても、その次の年に契約が切れたら0円になってしまいます。つまり、安定した収入がないということです。

「アクセルジャパン」ではたくさんの企業でシェアリングしてPR素材が使われていくので、タレントにも継続してお金が入っていくというサービスになっています。

初期費用ゼロでタレントPRが可能

初期費用ゼロのタレントPRがお客さまに対してはどうかというと、これまでは数千万円のお金が必要でした。主にタレントギャランティ、広告代理店への手数料、撮影、素材撮影にお金がかかります。さらに撮影スタッフ、編集、ヘアメイク、照明、スタジオなども含めると、大変な金額に膨れ上がります。

初期費用ゼロのタレントPRでは、まず我々が素材を撮っています。あらゆる企業で使えるポージングの動画や画像を何百、何千と撮っています。それらを契約企業は自由に使うことができます。

加えて、カスタマーサクセスで、どのようにすればPRが成功するかというコンサルティングも我々が行います。

お客さまにかかる費用は月々40万円です。社員を1人雇うくらいの金額で、タレントPRは24時間働いてくれます。タレントが広告やホームページに載っていると回遊率も高まるということで、契約企業に大変喜んでもらっています。

電子雑誌のノウハウから生まれた強み

なぜこのようなことができるのかというと、我々は日本で初めて、おそらく世界でも初めてだと思いますが、ブランジスタは電子メディア事業で上場しました。18年間コンテンツの制作を続けてきたノウハウが我々にはあります。

電子雑誌にはドラマ・映画の主役級の俳優が330名以上出演しています。キャスティング・クリエイティブ・営業力の強みを「アクセルジャパン」に活用したということです。

契約企業からの高い満足度

大手企業が何千万円もかけてタレントを使う理由は、広告の開封率が高まるからです。「アクセルジャパン」でも同様に、タレントPRによってサイトでの購入数が4.6倍に伸びたり、店頭のPRツールに活用した結果、来店予約数が1.8倍になったといった実績が多数出ています。

日本経済の成長を加速させる企業応援プロジェクト

「アクセルジャパン」のこれからとしては、いろいろな分野の有名人を起用していきたいと考えています。中小企業でも有名人を起用できる仕組みを、これからもどんどんパワーアップさせていこうと思っています。

2024年9月期 連結決算概要

業績についてです。2024年9月期は、売上高・営業利益・経常利益で、2期連続で増収増益と、当初の予想を上回りました。スライドでは中央の水色の部分です。

過去3期分の連結業績推移

売上高の平均成長率は12.9パーセントで、最高業績を更新しました。営業利益の平均成長率も76.4パーセントと、順調に推移しています。

2024年9月期 セグメント別業績ハイライト

当社の業績は、NEXYZ.とブランジスタの2つの事業をしっかりとご覧いただければと思っています。セグメント利益はNEXYZ.が11億3,800万円、ブランジスタが9億4,400万円で、セグメントの利益ではありますが、2つを足すと20億円を超えます。

ツインエンジンとして、この2つの事業を伸ばしていきます。

2025年9月期 業績予想

今期の業績予想ですが、今期の業績は売上高・営業利益・経常利益で、確実に3期連続の増収増益を目指します。現段階の利益で満足することはありません。30億円、50億円、100億円の利益が上がるようなビジネスでないと、なにも魅力がありません。引き続き増収増益を狙っていきます。

一株当たりの配当金(年間)

今期の配当は20円を見込んでいます。長期的に安定した配当方針を継続したいと考えています。

当社が保有する有価証券

当社が出資する企業のIPOによる含み益というものが、現在、18億9,900万円程度あります。出資先は主にタイミーとAiロボティクスです。他にも出資先はありますが、この2社は上場しており、上場前から我々は有価証券を持っていました。上場企業分だけで見ても含み益がこれだけあります。他にも有望な企業に投資しています。

NEXYZ.グループはツインエンジン

NEXYZ.グループはNEXYZ.とブランジスタのツインエンジンで事業を強化し、強みを活かして地域社会に貢献する企業を目指していきます。

まだない常識を、次のあたりまえに。

「まだない常識を、次のあたりまえに。」ということを大切に、社員一同、情熱一心にがんばっていきます。

質疑応答:貸倒引当金について

質問者:先ほど「貸倒引当金の額が大きい」というお話がありましたが、どのような条件が整えば引当金の額を下げられるでしょうか?

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