2025年3月期中間期 連結決算の概要①
安野進氏:管理本部長の安野です。本日は、当社の決算説明会にご参加いただきましてありがとうございます。
2025年3月期中間期の決算の概要についてご説明します。当中間期については、新設工事及び既設工事の完成工事高がともに増加しましたが、管工機材事業の首都圏販売が伸び悩んだ結果、売上高は前年同期比2.1パーセントの増収となりました。
また、売上総利益率の改善により、営業利益は前年同期比24.9パーセントの増益となりました。
2025年3月期中間期 連結決算の概要②
連結決算の概要についてご説明します。環境システム事業の受注高については、前年同期比16.0パーセント増加し、117億2,100万円となりました。売上高は前年同期比2.1パーセント増加の123億7,400万円となりました。
売上総利益は、売上高の増加と利益率の改善により31億600万円となり、前年同期比15.4パーセントの増益となりました。
販売費及び一般管理費は、前年同期比13.0パーセント増加して24億1,100万円となりました。営業利益は前年同期比24.9パーセント増益の6億9,500万円となりました。
経常利益は、営業外損益に1億1,800万円の収益を計上した結果、前年同期比25.7パーセント増益の8億1,300万円となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比47.5パーセント増益の4億9,100万円となりました。
1株当たり中間純利益は95円75銭、1株当たり純資産は3,820円50銭となりました。
2025年3月期中間期 セグメント別の実績①
セグメント別の実績をご説明します。環境システム事業については、設備投資需要の高まりを受け、新設及び既設工事の受注高は増加し、また大型繰越工事の進捗により、売上高は前年同期比18.8パーセント増収となりました。
また、効率的な工程管理と結果管理により収益性が改善し、営業利益は前年同期比36.4パーセントの増益となりました。
管工機材事業については、市況は好調に推移し売上総利益率は改善したものの、首都圏における売上高が減少した結果、売上高は前年同期比15.6パーセントの減収となり、営業損失を計上することとなりました。
環境システム事業の工種別構成①
環境システム事業の工種別構成についてご説明します。受注工事高、完成工事高、繰越工事高ともに、前中間期から2桁伸長し、各工種ともに増加しています。
受注工事高は、既設工事が38.5パーセント増加した結果、合計額は前年同期比16.0パーセント増加して117億2,100万円となりました。完成工事高は、新設工事及び既設工事が増加した結果、合計額は前年同期比18.8パーセント増加して72億1,200万円となりました。
次年度以降に完成工事高となる繰越工事高については、新設及び既設工事が増加した結果、合計額は前年同期比18.1パーセント増加の159億1,200万円となりました。
連結貸借対照表/連結キャッシュ・フロー
財政状態についてご説明します。当期末の資産額は294億円、負債額は91億円、純資産額は202億円となりました。
キャッシュ・フロー計算書についてご説明します。営業活動によるキャッシュ・フローの収入の主な要因は、売上債権の減少額、税金など調整前中間純利益、減価償却費です。
支出の主な要因は、仕入れ債務の減少額、法人税などの支払額、棚卸資産の増加額、未払い消費税などの減少額、その他の流動負債の減少額などです。これにより、9億8,800万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローの収入の主な要因は、有価証券の償還による収入、定期預金の払戻による収入です。支出の主な要因は、投資有価証券の取得による支出、定期預金の預入による支出、有形固定資産の取得による支出です。これにより、2億700万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローの収入の主な要因は、短期借入による収入です。支出の主な要因は、短期借入金の返済による支出、配当金の支払い、長期借入金の返済による支出です。これにより、6億2,200万円の支出となりました。
現金及び現金同等物の期末中間期期末残高は、期首から1億5,800万円増加し64億5,600万円となりました。
以上、簡単ですが、決算の概要についてのご説明を終了します。
繰越工事高の構成と事業環境
市原伸一氏(以下、市原):代表取締役社長の市原です。本日は、当社の決算説明会にご参加いただきましてありがとうございます。私から、通期見通しについてご説明します。
繰越工事高の構成と事業環境についてです。スライドの円グラフのとおり、当社の全体的な状況は、繰越工事高における工場施設と教育研究施設の割合が増加しています。
事業環境としては、民間設備投資と公共投資に支えられ、建設投資は好調に推移しました。特に、医薬品や電子部品、自動車などの製造業における新設工事が活発で、生産拠点の拡大に向けた投資が堅調でした。また、自然災害の頻発や気候変動による酷暑を受け、防災拠点となる庁舎や教育施設の空調設備工事が増加しています。
一方で、建設業界は若年層の流入減少と現場技術者の高齢化による人材不足に直面しています。加えて、原材料価格の高騰や人件費の上昇が建設コストを押し上げ、業界全体の収益を圧迫する状況が続いています。
地区別概況
地区別概況です。なお、各地区の繰越工事の割合、主要物件については、スライドの内容に沿ってご説明を加えていきます。
北海道地区については、屋内施設の新築・改修、半導体製造拠点の新設が見られます。東北地区については、半導体製造拠点の新設、電子部品製造拠点の増強、オフィスビルの改修が見られます。
首都圏については、駅周辺の再開発の推進、屋内施設の改修が見られます。東京を除く首都圏については、医薬品・産業機器、電子部品製造拠点の増強が見られます。
中部地区については、屋内施設の改修、自動車部品製造拠点の増強、医療施設の整備が見られます。
連結業績の見通し
2025年3月期連結業績の見通しについて説明します。環境システム事業の受注高は、前年並みの177億円を予想しています。
売上高は、前期比2.1パーセント増加の300億円を予想しています。この内訳として、環境システム事業は8.5パーセント増加の180億円、管工機材事業は前期比6.1パーセント減少の120億円を予想しています。
営業利益は、前期比48.0パーセント増の30億円を予想しています。この内訳として、環境システム事業は前期比12.4パーセント増の35億円を予想しています。管工機材事業は、1億円の営業利益を予想しています。なお、調整額の6億円については、セグメントに配分されない本社の一般管理費などです。
経常利益は31億円、親会社株主に帰属する当期純利益は20億円を予想しています。また、1株当たり当期純利益は388円57銭を予想しています。
環境システム事業の工種別構成の見通し
環境システム事業の工種別構成の見通しについてご説明します。受注工事高は前期178億4,500万円でしたが、当期は177億円を予想しています。
完成工事高は前期158億8,300万円に対し、当期は173億円を予想しています。この結果、2025年3月末における繰越工事高は118億400万円を予想しています。
建設現場の大型化に伴い、繰越工事高は従来よりも高い水準で推移していくことが予測されます。建設業界は今後も活況が見込まれているため、社員の働き方改革と安全への取り組みを徹底しつつ、採算性の高い物件の選択を進めることで、第3次中期経営計画の目標の達成を目指しています。
中期経営計画 経営数値目標の進捗
中長期の経営ビジョンについてご説明します。まず、中期経営計画の経営数値目標についてです。当社は3ヶ年の中期経営計画を策定しています。
駅直結の複合施設やオフィスビル内に商業施設を併設する複合開発など、プロジェクトの大型化が進む一方で、建設業界の労働力不足は深刻化しています。特に、若年層の流入減少と現場技術者の高齢化は、業界全体の課題となっています。
このような厳しい環境下においても、繰越工事高の増加やソリューション営業の強化により、当社は受注工事高を増加させることができています。第3次中期経営計画の目標である売上高・営業利益・ROEを達成し、持続的な成長を実現していきます。
中期経営計画の進捗①
中期経営計画の推進についてです。当社は2024年5月に創業90年を迎え、新たに「長期ビジョンV100」を策定しました。2034年3月期までに、売上高450億円、営業利益45億円、そしてROE10パーセント以上という高い目標を掲げ、持続的な成長を目指します。
具体的には、環境システム事業では、サステナブルな建築に貢献します。管工機材事業では、お客さまに最適なソリューションを提供します。これらにより、社会に貢献していきます。
このビジョン達成に向けて、全社員一丸となって取り組みを進めていきます。
中期経営計画の進捗②
サステナビリティ経営の推進についてです。当社は気候変動対策の一環として、国際的な非営利団体CDPの質問書に回答しました。CDPへの回答は、ESG投資家からの評価に大きく影響を与える重要な指標となります。
この取り組みを通じて、環境に関する情報開示を充実させ、企業価値の向上と持続可能な成長を目指していきます。
中期経営計画の進捗③
このたび当社は、北海道が実施する、令和6年度「北海道省エネルギー・新エネルギー促進大賞」において、省エネルギー部門奨励賞を受賞しました。
北海道支店社屋では、空気式天井放射空調システムの導入やエネルギー監視システムの設置など、多岐にわたる省エネ対策を実施し、Nearly ZEBの認証を取得しています。
今後も環境負荷の低減を経営の重要な課題の1つとし、持続可能な社会の実現に向けて、積極的に取り組んでいきます。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組みについてです。当社は、これまでPBRが1倍を下回り、企業価値が十分に評価されない状況が続いていました。
この状況を改善するため、今後は高い収益向上への改革と資本政策・財務戦略の強化を行い、積極的に情報を提供していきます。
それにより、ROEは10パーセント以上、PBRは1倍以上に高めることを目標に取り組み、持続可能な成長を実現することで、企業価値向上につなげていきたいと考えています。
配当・株式の状況
配当・株式の状況についてです。当社は、将来の積極的な事業展開と経営環境の急激な変化に備えて、経営基盤の強化を図るとともに、利益率の向上に取り組み、株主還元の一層の拡充を図るため、DOE(株主資本配当率)3.2パーセント以上の配当を目指すことを基本方針としています。
このため、2025年3月期は、普通配当130円を予想しています。
また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、収益力の向上と、重点分野での積極的投資や株主還元策の見直しを実施します。それにより、PBR1倍を上回る水準を目標としていきます。
今後も株主のみなさまに利益を還元できるよう、努力していきたいと考えています。今後ともみなさまのご支援をよろしくお願いします。
以上で、私からのご説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:業界全体の見通しについて
質問者:1週間ほど前に日本電技の説明会に参加しました。業界全体が今後数年にわたり非常に好調に推移すると、日本電技や東テクも含めた同業他社のみなさまが考えていると思います。
業界全体の3年先、5年先の見通しと、御社がそのように考える背景についてお聞かせください。
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