2024年度 第2四半期(中間期)連結決算の概要

大宮克己:みなさん、こんにちは。高周波熱錬株式会社代表取締役社長執行役員の大宮です。平素は、当社の事業運営について、ご理解、ご支援を賜り厚く御礼申し上げます。また、お忙しい中、当社決算説明会にご参会いただき、誠にありがとうございます。

それでは、2024年度第2四半期連結決算の概要を始めます。

目次

本日の内容は、スライドをご覧のとおりです。

1.2024年度 第2四半期(中間期)連結決算の概要

2024年度第2四半期連結決算の概要です。

24年度上期は、企業業績の改善や賃上げによる個人消費の持ち直しなど、緩やかな回復基調で推移しました。しかし、エネルギー・原材料価格の高止まりや円安による物価上昇、さらに地政学的リスクの高まりや中国経済の低迷、米国の景気後退懸念など、依然として不透明な状況が続いています。

このような中、当社グループは受注の確保、販価改定活動、原価低減活動の推進を強化しました。

この結果、24年度第2四半期の連結売上高は、建設機械業界や工作機械業界からの受注が減少しているものの、自動車業界や建築業界からの受注が回復基調で推移していることや円安影響などにより、前年同期比2.5パーセント増収の約290億円となりました。

連結営業利益は、販価改定後の製品売上の増加や原低活動の強化などにより、前年同期比23.8パーセント増益し約8億5,000万円となりました。

経常利益は、前年同期の為替差益9,200万円の計上から、為替差損として当期は2,500万円を計上したことにより、前年同期比2.3パーセントの減益となりました。

親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比9.4パーセントの減益となりました。

2.連結営業利益の増減要因

連結営業利益の増減要因です。

売上高要因として、約8,000万円の増益でした。

変動費要因として、これまで実施してきた鉄鋼材料や電力費などの価格転嫁の進捗により変動費率が減少し、約2億3,000万円の増益でした。

固定費要因として、世界的な人件費の増加などにより、約1億5,000万円の減益でした。

3.セグメント情報(連結売上高)

セグメント別の連結売上高です。

製品事業部関連事業においては、前年同期比1.2パーセント増収し約186億円となりました。

土木業界は回復までには至っていないものの、建築業界は当社製品が採用された案件の増加や、価格転嫁済み製品の売上も徐々に増加してきていることから増収となりました。建設機械業界は市況低迷により減収、自動車業界は、中国や米国の景気後退懸念がありますが、円安の影響や国内における挽回生産の影響から増収となりました。

IH事業部関連事業においては、前年同期比4.9パーセント増収の約103億円となりました。

熱処理受託加工関連は建設機械業界、工作機械業界の売上が低調に推移しているものの、自動車業界からの売上は回復基調で推移しており、装置関連も受注が堅調に推移したことなどにより増収となりました。

4.セグメント情報(連結営業利益)

セグメント別の連結営業利益です。

製品事業部関連事業は、土木関連、建設機械関連製品が大幅に落ち込みました。しかし、自動車関連製品を含む販価改定後のその他の製品の売上高の増加と、販価改定後の建築業界向け製品の売上高の増加により、連結営業利益は前年同期比71.7パーセント増益し約1億4,000万円でした。

IH事業部関連事業は、熱処理受託加工関連における建設機械業界や工作機械業界からの受注は減少しているものの、自動車業界における販価改定効果や原価低減効果、装置関連の売上が堅調に推移したことなどから、連結営業利益は前年同期比18.1パーセント増益し約6億7,000万円となりました。

5.資産残高の推移(連結)

連結資産残高の推移です。

総資産は、自己株式取得や配当金支払いなど現預金が減少したことにより、前年度末比約12億円減少し794億円となりました。

投資有価証券が増加していますが、政策保有株式の時価が株価上昇により増加したためであり、銘柄数は、2019年度比で63.3パーセント減少しています。

6.負債・純資産残高の推移(連結)

連結負債・純資産残高の推移です。

負債合計は、仕入債務の減少により前年度末比20億円減少し121億円でした。

純資産は、自己株式取得を実施したものの、円安による為替換算調整勘定が前年度末比約20億円と大幅に増加したことなどから、前年度末比約9億円増加し673億円となりました。

7.キャッシュ・フロー(連結)

連結キャッシュ・フローです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少や仕入債務の減少などにより前年同期比で18億円減少しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などにより前年同期比で6,000万円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式取得や配当金の支払いのほか、借入金の返済が減少したため前年同期比で8億円増加しました。

以上により、キャッシュ・フロー中間期末残高は前年同期比30億円減少し118億円となりました。

8.連結売上高の推移

経営実績の推移についてご説明します。まずは連結売上高の推移です。

自動車業界、建築業界からの売上が堅調に推移し、販価改定後の製品売上も増加しています。誘導加熱設備関連の売上高も堅調に推移し、土木関連、建設機械関連、工作機械関連の落ち込みをカバーすると見込んでいます。

以上のことから、連結売上高は、当初計画を据え置き620億円としています。なかなか、先は見通せませんが、グループ会社含めた製販一体でのワンネツレンで受注の確保を進めます。

9.地域別売上高比率の推移

地域別売上高比率の推移です。

2022年度実績、2023年度実績、2024年度予想を並べています。

中国の景気減速の影響を受け現地の売上高は減少する見込みですが、その他の地域でカバーします。海外売上高比率は前期比微減の36.1パーセントを見込んでいます。

10.連結営業利益・営業利益率の推移

連結営業利益・営業利益率の推移です。

上期から動き出した建築業界からの販価改定後の製品売上高が、下期さらに増加する見込みであることや、自動車業界向け販価改定済み案件の積極的な取り込み、原価低減活動の強化等による建設機械業界や工作機械業界の落ち込みのカバーにより、連結営業利益は当初計画を据置き20億円としています。

各業界とも不安定な生産変動が続いています。市況変動に柔軟に追従し生産性を落とさず、確実に収益に結びつける製造体制の強化を進めます。

11.セグメント情報(連結売上高推移)

連結売上高のセグメント情報です。

製品事業部関連事業においては、高強度ばね鋼線「ITW」の販売が堅調に推移し、建築業界における販売価格改定後の製品売上が鉄道案件など含め増加しました。建設機械関連製品の落ち込みをカバーすることで、連結売上高は当初計画を据え置き、前期比10.6パーセント増収の407億円としています。

IH事業部関連事業においては、熱処理受託加工関連における建設機械業界、工作機械業界からの受注が低位で推移するものの、装置関連の売上が増加し、自動車業界向け売上高も堅調に推移しました。連結売上高は当初計画を据え置き、前期比4.5パーセント増収の211億円としています。

12.セグメント情報(営業利益・営業利益率推移)

連結営業利益・営業利益率のセグメント情報です。

製品事業部関連事業においては、遅れていた建築業界向けの販売価格改定後の製品売上がさらに増加し、高強度ばね鋼線「ITW」も堅調に推移するものの、建設機械業界向けの売上高が想定以上に落ち込んでいることなどから、連結営業利益は7億円と当初計画より2億円の減益としています。

IH事業部関連事業においては、熱処理受託加工における建設機械業界、工作機械業界からの売上は低調に推移するものの、自動車業界向けの売上高や装置関連の売上高が堅調に推移し、上期から継続している原価低減効果や販価改定効果により、連結営業利益は12億円と当初計画より2億円増益としています。

13.設備投資/研究開発費/減価償却費の推移

設備投資、研究開発費、減価償却費の推移です。

設備投資は、事業ポートフォリオの成長戦略に基づき、積極的な設備投資の計画を見込んでいますが、市況が悪化している中国向けの大型案件を中心とした約10億円を次年度へ繰り越します。

研究開発投資は、第16次中期経営計画の基本方針でもある、新たな「成長ドライバーの創生」に向けて取り組みを強化しています。まずは研究開発案件の棚卸を実施し、重点案件に対して、マンパワーを投入する体制を整えます。

さらに、開発中案件の早期市場投入を目指し、各種試作試験対応のできる試験装置や分析装置を導入し、開発のスピードアップを図ります。

14.新商品・新規事業の売上高推移

新商品・新規事業の売上高推移の状況です。

太径「ITW」やカットオフ工法採用製品、FPGA搭載の新型高周波電源装置の販売が順調に伸びており、24年度の新商品売上高は128億円を計画しています。

新商品・新規事業の拡大は、ネツレンビジョン2030を達成させる上で必要不可欠なものです。第16次中期経営計画で掲げる「成長ドライバーの創生」を推進するために、製造部隊と開発部隊をつなげる逆T字モデルを活用し、自前主義にこだわらず新商品・新技術・新規事業の早期市場投入を進めます。

15.業界別売上高の推移

業界別売上高の推移です。

自動車関連業界は、為替の影響を含みますが、高強度ばね鋼線「ITW」の販売、受託加工は堅調に推移しており、装置売上も増加しています。

工作機械業界は、熱処理受託加工関連で顧客からの受注減少が継続していますが、海外を中心とした装置売上は増加する見込みです。

建設機械業界は、市況回復が見通せませんが、海外における装置売上が増加見込みです。

建築業界は、販価改定後の案件が堅調に進捗し始めており、当社製品が採用された物件の売上も堅調であることから増加しています。

土木業界は、パイルやボックスカルバートなどの市況低迷は継続していますが、鉄道関連物件を中心とした拡販活動により増加する予想です。

16.高強度ばね鋼線(ITW)売上高の推移

製品別の売上高の推移です。詳細な説明は割愛します。

自動車関連製品である「高強度ばね鋼線ITW」は、国内では前期と同水準で計画しています。海外では販売量の増加と円安の影響により増収となり、全体では前期比5.5パーセント増収の191億円を予想しています。

なお、中国では日系自動車メーカーが苦戦しており、当初計画より伸びが鈍化しています。米国では景気後退懸念等はありますが、生産能力増強により販売量が増加しています。

17.PC鋼棒・異形PC鋼棒 売上高の推移

建築・土木関連製品のPC鋼棒、異形PC鋼棒の売上高推移です。

土木業界の低迷は継続していますが、建築業界の人手不足、前年度から継続する工事遅延、着工遅れなどの影響は、当社製品の採用案件においては徐々に解消に向かっています。

さらに、北海道新幹線など鉄道関連物件を重点に販売活動を強化しており、売上高は前期比18.5パーセント増収の64億円を見込んでいます。

18.高強度せん断補強筋 売上高の推移

建築関連製品の高強度せん断補強筋の売上高推移です。

鋼材、電力費や輸送費などのコスト上昇分を販売価格へ転嫁した製品が徐々に売上高に計上されています。

加えて、当社の高強度せん断補強筋を採用した建築案件やカットオフ工法の案件などが堅調に推移していることから、売上高は前期比19.6パーセント増収の55億円を見込んでいます。

19.旋回輪(建設機械部品) 売上高の推移

建設機械関連の旋回輪の売上高推移です。

弊社の主力である小型・中型旋回輪は、都市開発など建築向けのショベルカーに採用されています。日本、中国ともに、昨年後半からの建設市況低迷が継続しており、当社主力の小型・中型機種の売上高に大きく影響しています。需要回復は26年ごろと予想しています。

売上高は、前期比5.7パーセント減収の33億円となる見込みです。

20.誘導加熱装置・サービス 売上高の推移

誘導加熱装置・サービスの売上高推移です。

装置売上高は、日本・海外ともに建設機械業界や工作機械業界に向けた売上高が堅調に推移しています。

また、自動車関連では海外の大型投資案件の売上が計上される計画であり、前期比31パーセント増収の38億円を見込んでいます。

サービス売上高は、前期比7.7パーセント減収の24億円と予想しています。

21.熱処理受託加工 売上高の推移

熱処理受託加工の売上高推移です。

自動車業界からの受注は堅調に推移していますが、建設機械業界、工作機械業界においては主要顧客からの受注が低調に推移する見込みであることなどから、前期比2.9パーセント減収の134億円となる見込みです。

22.第16次中期経営計画の進捗①

第16次中期経営計画の進捗についてご説明します。

2024年5月に発表した第16次中期経営計画は、今年度よりNETUREN VISION 2030達成に向けた第2フェーズとして開始しています。

Aggressive Challenge One NETUREN 2026のスローガンのもと、4つの基本戦略である「成長ドライバーの創生」「成長エンジンの育成」「グローバルマーケットの拡大」「自発的貢献意欲のある人財の育成」を掲げ、企業価値向上に取り組んでいます。

また、最終年度2026年度の業績目標として売上高700億円、営業利益46億円、営業利益率6.5パーセント、ROE6.5パーセント以上、ROA5.5パーセント以上、ROIC5.5パーセント以上としています。

23.第16次中期経営計画の進捗②|4つの戦略(1/2)

4つの戦略に沿ってご説明します。

第1の戦略である「成長ドライバーの創生」では、開発部門と製造部門をつなぐことを意識した逆T字モデルの考え方を活用し、新商品や新技術を早期に市場へ投入する活動を推進中です。

ネツレンMB工法やマイルド浸炭については試作対応を強化しており、3Dプリンターによる加熱コイル製作も順調に進んでいます。ネツレンバテッド工法の開発については、次ページにてご紹介します。

第2の戦略である「成長エンジンの育成」では、製品事業部、IH両事業部にて、従来製品の用途拡大、拡販、生産性向上に向けた取り組みを積極的に推進しています。後ほど一部をご紹介します。

24.4つの戦略『成長ドライバーの創生』[事例1/2]

まずは「成長ドライバーの創生」について、その一部をご紹介します。

ネツレンバテッド工法の開発です。

この工法は、パイプ材引抜加工時に肉厚を変化させる特殊な工法です。パイプ材を引き抜く時に内径プラグの動作タイミングを可変することで、自由な位置でパイプの肉厚を変化させ、厚肉部と薄肉部を混在させることができます。

強度の必要な部分を肉厚に、不要な部分は薄肉にし、さらにIH熱処理を併用することで、高強度と軽量化が両立するパイプの成型が可能です。現在、複数のお客さまに評価試験を実施いただいています。

25.4つの戦略『成長ドライバーの創生』[事例2/2]

電機部名古屋工場にて納めたエアレス型焼入装置についてご説明します。

従来のエアー駆動部分を、すべて電動駆動に置き換えました。このエアレス化により、コンプレッサーの稼働台数削減や、エアー漏れによる無駄を削減することができ、お客さまのランニングコストの低減やCO2 削減に貢献しています。

26.4つの戦略『成長エンジンの育成』[事例1/2]

「成長エンジンの育成」について、その一部をご紹介します。

当社の高強度せん断補強筋およびPC鋼棒が、北海道新幹線の構造物へ採用されました。

高強度せん断補強筋は、鉄筋コンクリート構造の高架橋の柱部分に採用され、全18工区中、8工区で受注が決定しており、現在残りの工区についても積極的な拡販活動を行っています。

PC鋼棒は、北海道新幹線のレールを支えるスラブ軌道板、延長212キロメートルのほぼ全線にわたり、採用が決定しました。本製品は2025年夏頃から納入開始予定です。

27.4つの戦略『成長エンジンの育成』[事例2/2]

もう1つの事例です。工場再編プロジェクト「REBORN刈谷」をご紹介します。

本プロジェクトは、老朽化しているIH事業部の基幹工場である刈谷工場のさらなる「生産性向上、生産能力増強、収益性向上」を目指し、抜本的に工場を再編する目的で、今年度よりスタートしました。

2024年7月に適時開示をしていますが、2025年には生産能力1.2倍に増強する自動車用足回り部品の新規熱処理設備を複数台導入するとともに、約15億円をかけて、工場内物流の整流化等を含めた工場再編を進めています。

本プロジェクトは、2030年までの完了を目指しています。今後も、基幹工場としてのあるべき姿に向け、積極的な設備投資を継続します。

28.第16次中期経営計画の進捗②|4つの戦略(2/2)

第3の戦略である「グローバルマーケットの拡大」では、海外ニーズにマッチした商品群の開発や、新型高周波電源のグローバル拡販を進めています。北米、インドネシアでは、工場増築、設備増設を行い、生産能力向上に向けた取り組みを進めています。本件に関しましては、次ページにてご紹介します。

第4の戦略である「自発的貢献意欲のある人財の育成」では、社内外の人財交流の活性化の取り組みや、女性役員と女性従業員との意見交換会の実施など、多様な人財が活躍するための職場作り、環境作りに注力しています。社内外の人財交流については、後ほど一部をご紹介します。

29.4つの戦略『グローバルマーケットの拡大』[事例1/2]

「グローバルマーケットの拡大」の一部についてご紹介します。

ネツレン アメリカでは、昨年度より約10億円を投資し、約2,600平方メートルの工場増築や太径対応可能な引抜ライン、熱処理ライン各2ラインを各1ラインの設備増設を実施し、高強度ばね鋼線「ITW」の生産能力を1.4倍に増強しています。

今年の4月に工事は完了しており、お客さまからの承認もいただき、10月からフル生産体制が整備されています。

30.4つの戦略『グローバルマーケットの拡大』[事例2/2]

ネツレン インドネシアでは、旺盛な自動車部品熱処理受託需要にお応えするため、全自動の熱処理設備の2ライン増設を決定しています。そのために現建屋面積を拡張し、約3,600平方メートルの増築を進めており、設備投資含め約9億円を投資します。

先日現地で地鎮祭が行われ、順調に工事が進んでいます。

31.4つの戦略『自発的貢献意欲のある人財の育成』[事例1/2]

「自発的貢献意欲のある人財の育成」における活動の一部をご紹介します。

先日「全社技術報告会」を開催しました。

本報告会は約40年間、社内の技術者のみで発表会形式で実施されてきました。今回、初めての試みとして、研究開発本部、製品技術本部、そしてグループ会社によるポスターセッションとして開催しました。

技術報告の性質上、社外には公開できませんが、初めて技術者以外の従業員も参加することができたポスターセッションとなっています。各展示コーナーでは自由闊達な意見交換が行われ、早期の新商品・新技術の実用化や事業化につながる意見が多数出てくるなど、大変有意義な開催となりました。

32.4つの戦略『自発的貢献意欲のある人財の育成』[事例2/2]

九州大学殿との技術交流会です。

本交流会は、九州大学構造用金属科学講座土山研究室殿と当社の材料系技術者との間で、2006年10月から継続して行われています。コロナなどの影響で一時中断していましたが、今年から復活しています。

九州大学殿の最新の研究成果をご紹介いただき、当社が抱える技術的課題や新たな技術開発に資する議論が活発に行われ、鉄鋼材料に精通した学生さんたちとよい交流の場所となりました。

このような活動を広げ、自発的貢献意欲を持った、ちょっと尖った技術者の輩出を進めています。

33.第16次中期経営計画の進捗③|資本コスト戦略

今年度より、資本コスト経営ROICを本格導入しています。

現在、第1ステップとして当社グループの役員向けに勉強会を複数回実施しました。また、今年9月までにグループ会社7社を含む国内19拠点の工場長や、管理職222名向けに勉強会を実施し、理解浸透を図りました。

各拠点に浸透チームのメンバーが出向き、その拠点ごとの役割を踏まえた議論を行うことで、ROICに対する理解度を向上させています。

なお、第2ステップとして、2025年4月より一般従業員向けに同様の勉強会を実施する予定です。

34.第16次中期経営計画の進捗④【キャピタル・アロケーション】

第16次中期経営計画期間中の「キャピタル・アロケーション」における、主な項目についての取り組みを示しています。

戦略投資で160億円を予定しています。現在、生産体制強化に向けたグループ・拠点の大型投資として、米国やインドネシアの各工場に対する投資を進めています。さらに、「REBORN刈谷」への大型投資、太陽光発電システムの導入など、CO2排出量削減投資、教育用熱処理設備導入等の人財投資も実行しています。

株主還元では、配当として、中間配当で約9億円、期末配当で約9億円の合計18億円を予定しています。

また自己株式取得として、2024年5月から2025年3月までの期間において、上限20億円の取得を予定しています。なお、2024年9月までの間に約11億円を実行しており、現在も継続して実施しています。

35.第16次中期経営計画・ポスター

以上、24年度第2四半期中間期の決算状況をご説明しました。 前年同期比で、積極的な販価改定活動、原価低減活動の推進により増収増益となりました。

また、通期予想も据え置いています。

しかし、中国、アメリカの不安定な景気動向、地政学的リスクの継続、国内景気の動向など不透明な環境は続くと予想しており、予断を許しません。さまざまな環境の変化に、スピーディーに追従する事業基盤の整備を引き続き進めます。

今年度より第16次中期経営計画がスタートし、半年が経過しました。本中計スローガンである「Aggressive Challenge One NETUREN(アグレッシブ チャレンジ ワンネツレン)」に向けた動きを加速させます。

製造部門の現場力を高めるための施策、研究開発部門のスピードアップに向けた施策、ROIC経営への浸透活動等を重点に取り組みます。

そして、その進捗状況を経営幹部から末端の従業員まで見える化し、スローガンに向けた意識をさらに高め、スピード感のある事業運営を展開します。

今後ともネツレングループにご支援、ご指導を賜りますよう、よろしくお願いします。本日は、誠にありがとうございました。