2024年10月期第2四半期決算説明

小林良氏(以下、小林):ナレルグループ代表取締役の小林です。本日は当社の決算説明会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日開示した決算説明資料に沿って、ご説明します。

2024年10月期第2四半期決算概要

2024年10月期第2四半期の決算概要です。売上収益は、前年同期比22.9パーセント増の102億200万円となりました。営業利益は13億3,300万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は9億2,300万円と、ともに前年同期比25パーセントを超える増益となっています。

2024年10月期通期業績予想は、昨年12月の発表時から変更ありません。売上収益は218億3,000万円、営業利益は27億7,000万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は19億2,000万円と、前期比で増収増益を見込んでいます。

今期の年間配当についても変更はなく、1株あたり110円(中間配当50円、期末配当60円)を予定しています。

2024年10月期第2四半期業績

2024年10月期第2四半期業績です。売上収益は前年同期比21.5パーセント増となったほか、各段階利益も前年同期比で大幅増益となりました。

第2四半期累計においても、売上収益は前年同期比22.9パーセントとなり、各段階利益も大幅増益となりました。通期業績予想に対しては、売上収益進捗率46.7パーセントとなり、各段階利益も順調に進捗しています。

2024年10月期第2四半期累計期間の連結業績予想と実績との差異

2024年10月期第2四半期累計期間の連結業績予想と実績との差異です。売上収益は契約単価向上が寄与し、第2四半期累計予想比4,200万円増となり、概ね予想どおりとなりました。

売上総利益は、技術者の待遇改善や戦略的な採用費投下を実施するも、契約単価向上が寄与し、予想比プラス5.6パーセントの達成となりました。営業利益は、効率的な人員配置等により、予想比プラス32パーセントの達成となりました。

四半期業績推移

四半期ごとの業績推移です。四半期業績は対前年比で増収増益を達成しました。売上収益は、在籍人数の増加および単価向上により堅調に推移しています。売上総利益、営業利益は前四半期より減少するも、着実な単価向上もあり、上期予想に対して順調に推移しています。

セグメント別業績

セグメント別業績です。建設ソリューション事業は、売上収益は前年同期比23.1パーセント増、営業利益は前年同期比15.1パーセント増と順調に増加しています。

ITソリューション事業においても、売上収益は前年同期比21.6パーセント増、営業利益も前年同期比80パーセント増と順調に増加しています。

連結財政状態

連結の財政状態です。第1四半期に前期分の期末配当を実施しましたが、利益剰余金および現預金は前期末並みの水準へ回復しています。これにより、のれん比率も低下し、純有利子負債も減少しています。

当期は、配当が年1回から中間・期末の年2回に分散するため、配当によるBSの変動は低減する見込みです。

連結キャッシュ・フロー

連結キャッシュ・フローです。第1四半期に2023年冬季賞与の支払いがあったものの、営業キャッシュ・フローが積み上がり、第2四半期累計では営業キャッシュ・フローおよびフリー・キャッシュ・フローともにプラスとなっています。

第1四半期に配当支払いがあったため、第2四半期累計では、現預金は1億9,300万円の減少となりました。

在籍人数・稼働人数・稼働率の推移(ワールドコーポレーション)

事業概況です。各KPIの推移については、建設ソリューション事業で主要子会社であるワールドコーポレーションのKPIのみご説明します。

第2四半期の在籍人数は順調な採用活動を背景に、2024年1月から363名増加し、3,192名となっています。稼働人数も増加した一方、契約単価向上に注力した結果、稼働率は横ばいで推移しています。

契約単価の推移(ワールドコーポレーション)

契約単価の推移です。建設業での人材不足や価格引き上げ交渉を含む当社の営業努力を背景に、契約単価は前四半期比で6,000円増加し、51万円となっています。

採用人数・退職人数・退職率の推移(ワールドコーポレーション)

第2四半期の採用者数は、新卒232名を含む701名となり、前年同期比・前四半期ともに順調に増加しています。

退職率は前期末30.2パーセントに対し、28.1パーセントと大幅に改善しています。退職者数は在籍人数に応じて増加するも、退職率は想定の範囲内で推移しています。

技術社員のスキルアップ・キャリアアップを促す取り組み「ゼロプロ成長サイクル」 (ワールドコーポレーション)

ワールドコーポレーションの取り組みです。2024年5月23日に公表したとおり、技術社員のスキルアップ・キャリアアップを促す取り組みを開始します。技術社員が継続的に成長できる環境の構築を目指し、未経験者でも着実にプロへと成長していくプロセスを「ゼロプロ成長サイクル」と定めて取り組んでいます。

「ゼロプロ成長サイクル」では、技術社員に向けてワールドコーポレーションが提供するさまざまな学習機会を通じて、知識・スキルの向上を図ります。知識・スキルを配属先での業務を通じて定着させるとともに、市場価値・顧客評価の向上を目指すことを期待しています。

適切な評価を通じたキャリアアップとともに、それに伴う給与水準の向上を実現させ、さらなる成長意欲の向上につなげていくような、技術社員一人ひとりの成長サイクルを想定しています。

「ゼロプロ成長サイクル」の推進:資格手当の改訂および試験対策講座の新設(ワールドコーポレーション)

「ゼロプロ成長サイクル」の一環として、資格手当の改訂および試験対策講座の新設を開始します。資格手当の改訂は2024年11月より実施、試験対策講座は2024年7月より実施予定です。

資格手当は、業界最高水準となっています。試験対策講座は、対面での講座に加えて、eラーニング形式での講座も開設しました。派遣技術社員一人ひとりのライフスタイルや配属先の状況に合わせた試験対策が可能となっています。

業績予想

2024年10月期の業績予想です。上期進捗は順調でしたが、引き続き厳しい採用環境を踏まえ、通期業績予想に変更ありません。

株主還元

株主還元方針です。2023年12月に発表した内容から変更はなく、2024年10月期の年間配当は中間配当50円、期末配当60円の計110円を予定しています。業績予想をベースとした配当性向は、48.3パーセントです。

ご説明は以上です。ご清聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:採用方法について

司会者:「採用はどのようなルートで行っているのでしょうか? また、リファラル採用を使っているのでしょうか?」というご質問です。

柴田直樹氏:採用に関しては、主に求人広告を使ったメディアで母集団を形成しながら、毎月、未経験者の採用に注力しています。前期から人材紹介会社も一部活用していますが、紹介会社を使うことによる採用単価の上昇を懸念していますので、引き続きメディアからの採用に注力していきます。

リファラル採用については、経験者を中心に行っています。先ほどご説明したとおり、来期に向けて「ゼロプロ成長サイクル」の資格手当が増額されます。今後、リファラル採用の活動強化を前向きに検討している最中です。

質疑応答:契約単価上昇率の継続性について

司会者:「契約単価上昇率の継続性について教えてください」というご質問です。

小林:昨今、日本では全体的に賃上げが行われており、こちらの推移にしたがうことになるかと思います。当社は、技術者には適切な賃金で働いてもらいたいと考えていますので、時代に合った適切なかたちで、技術者の賃上げができるように契約単価の向上を行っていきたいと思っています。