2023年12月期ハイライト及び 2024年12月期見通しサマリー

谷口辰成氏:みなさま、こんにちは。株式会社セキュア代表取締役の谷口です。本日は、2023年度の決算説明をさせていただきます。

はじめに、2023年度の業績ハイライトです。売上高は前年同期比プラス53.4パーセントの 51億9,100万円と、高い成長を実現させることができました。サービス別の詳細は、後のスライドでご説明しますが、物理セキュリティに対する需要は着実に拡大しています。

また、セキュリティ用途以外のさまざまな顧客に対してもしっかりと対応できたことが、ユーザー企業やパートナー企業から評価されている要因ではないかと考えています。引き続き、ユーザー企業の運用ニーズを的確に捉え、最適化されたソリューションの提供に努めていきます。

営業利益については、成長に向けた先行投資として、人材の採用や育成、展示会への出展、R&Dなどに積極的に投資を実行したことに加え、一部、M&Aの手数料などの関連費用もあり、前年同期比プラス3億5,700万円の1億8,700万円と、黒字での着地となりました。

セールス・マーケ人員は、前期末比プラス15名となりました。15名から25名程度の増員を計画している中で、最低限の目標は達成できたと考えています。

展示会や「SECURE AI STORE LAB2.0」等を通して、レジレス・無人決済に関する引き合いも拡大しており、2024年度も継続して商談を進めているところです。

2023年の年末にジェイ・ティー・エヌ社の買収を発表し、2024年1月5日に取得手続きを無事完了しています。本買収の期待するシナジーについては、後ほどご説明します。

2024年度は、売上高が前年同期比20.4パーセント成長の62億5,000万円、営業利益が前年同期比33パーセント成長の2億5,000万円と見通しを発表しています。詳細については、後ほどご説明します。

2023年12月期連結業績サマリー

連結業績サマリーです。売上高は、前年同期の33億8,400万円から18億600万円増加し、前年同期比プラス53.4パーセントの51億9,100万円で着地しました。

各サービスも順調に進捗し、入退室管理システムは前年同期比プラス49.5パーセントの14億7,100万円、監視カメラシステムは前年同期比プラス56.4パーセントの35億4,700万円、画像解析サービスは前年同期比プラス30.5パーセントの1億7,100万円と、すべてのサービスにおいて高い成長を実現させることができました。

販売管理費は、人材採用やマーケティング、R&D分野に投資を実行し、前年同期比プラス3億4,600万円の18億2,700万円となりましたが、営業利益は、前年同期比プラス3億5,700万円の1億8,700万円の営業黒字で着地しています。

2023年12月期全体売上・売上総利益

全体の売上と売上総利益の推移についてご説明します。2023年度は、物理セキュリティに対する需要拡大を背景に、受注が好調に推移しました。また、難易度の高い大型案件の件数が増加しましたが、計画どおりに納品活動が進捗したことや、年末の駆け込み需要に対してもしっかりと納品できたことで、計画を上回って着地しました。

売上総利益率については、為替やインフレ等の外部環境要因や、期末に棚卸資産の減損を計上しましたが、前期と同水準の38パーセント台での着地となりました。こちらについては、引き続きコロナ禍前の水準に持っていけるよう、しっかりと利益率アップの施策を実施していきます。

直近5年間のCAGRは30パーセントを超える成長率となっており、引き続きトップラインの成長を維持できるよう取り組んでいきます。

「SECURE AC」業績推移

個別のサービスの業績推移についてご説明します。まずは入退室管理システムの「SECURE AC」です。売上高は14億7,100万円、前年同期比プラス49.5パーセントの増収と、計画を上回る着地となりました。小規模から中・大型案件へのシフトは順調に進捗しており、案件単価の上昇に貢献しました。

2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類へ移行して以降、オフィスマーケットの需要は徐々に回復傾向にあります。また、オフィス以外のデータセンターや商業施設への導入も堅調に推移しました。

顔認証の増加に伴う案件単価の上昇

入退室管理システムの案件単価上昇は、顔認証システムの導入が増加していることも背景にあります。顔認証の導入件数は、前年同期比44パーセントの増加ですが、コロナ禍以降、セキュリティや接触への意識の変化が顕著となり、従来導入が多かったカードキーや指紋などの認証方式から、顔認証の方式を選択するお客さまが増えています。

スライドに記載しているのは、当社のホームページに掲載しているエイベックスの導入事例です。セキュリティカードの発行・回収や紛失した際の管理業務の手間を削減し、同時にセキュリティ面のリスク低減を目的にカードを廃止して、スマートフォンと連携した顔認証による入退室管理システムを導入した事例です。

詳細はホームページでもご覧になれますので、お時間がある時にご参照いただければと思います。

このようなサービスの付加価値を高めることで、案件あたりの売上の拡大に取り組んでいきます。

「SECURE VS」業績推移

監視カメラシステムの「SECURE VS」についてです。計画に対してわずかに未達でしたが、前年同期比56.4パーセント成長の35億4,700万円で着地しました。ドラッグストアやコンビニエンスストア向けの案件の受注が順調に拡大しており、中小型案件への引き合いも好調に推移しました。

導入件数も、前年同期比60.2パーセント増加の4,482件となりました。

「SECURE Analytics/その他」業績推移

「SECURE Analytics/その他」についてです。売上高は計画を大きく上回って着地し、前期比プラス30.5パーセントと全体の成長率に貢献しました。ショッピングモールにおける客数分析など、マーケティングへの活用事例が増加しました。

営業利益増減要因分析

営業利益の増減要因分析についてご説明します。2022年度は1億6,900万円の営業損失でしたが、2023年度は増収の効果が大きく寄与し、前年比3億5,700万円増の1億8,700万円で着地しました。

成長に向けた人件費やR&D、マーケティングなどの戦略費への先行投資については、おおむね計画どおりに実施しました。また、ジェイ・ティー・エヌ社の買収に関わるM&A関連費用の一部を計上したことから、その他販管費の支出が増加しました。

事業の進捗状況 セールス・マーケティングの強化

事業の進捗状況についてです。セールス・マーケティング人員数は、前期末比15名の増員となりました。2023年度は退職者も一定数出たことから、人員の純増としては目標人数の最低限となりましたが、採用人数としては当初の計画どおりに進捗できたと考えています。

新規採用については引き続き強化し、毎年15名から25名程度の増員を計画しています。短期的には100名体制の構築を目指しています。

また、セールス人員を早期に戦力化するための体制構築についても、継続して取り組んでいきます。

事業の進捗状況 SECURE AI STORE LAB2.0

「SECURE AI STORE LAB2.0」の進捗状況です。2023年11月にリリースしましたが、NTT東日本グループであるテルウェル東日本との共同実験を開始しています。

内容は、コンビニエンスストアの広さを想定したウォークスルー型店舗の商用化に向けて、両社のノウハウを用いて実証実験を行うというものです。実証実験は順調に進んでおり、事業の進捗があれば、あらためて発表させていただきます。

事業の進捗状況 展示会への出展

2023年度は年間を通して、5件の展示会に出展させていただきました。おかげさまで、すべての展示会において、目標とするリードの獲得を達成できました。2024年度以降は業績拡大のため、獲得したリードをベースに、Webマーケティングも活用しながら、案件化に取り組んでいきます。

ジェイ・ティー・エヌ社の買収について

2024年1月5日に株式取得が完了した、ジェイ・ティー・エヌ社の子会社化についてご説明します。ジェイ・ティー・エヌ社は、神奈川県を中心に監視カメラの施工等を含む電気工事・電気通信工事を行っている会社です。

当社では、物理セキュリティシステムについて、ソフトウェアの設計やハードウェアの選定、施工、アフターフォローまで一貫したサービスを提供していますが、今回の買収によって納品プロセスにおけるキャパシティ・業務品質の強化などのシナジーを見込んでおり、今後のさらなる成長と収益化の向上が期待できると思っています。

ジェイ・ティー・エヌ社にとっても、上場企業グループとなるというブランドを活かし、採用の強化や顧客の獲得にもつなげることで、業績の向上が図れると期待しています。

FY2024取組

2024年度の取り組みについてご説明します。2023年度は前年比プラス50パーセント以上の成長を実現しましたが、採用したての人材が多く、組織的には未成熟です。人材の育成やオペレーションの改善など、さらなる成長の実現に向けて質の向上が必要だと感じています。

中小型案件の獲得については、現状の組織体制において前年同様の伸びを期待できるものの、大型案件の受注獲得と納品品質を担保するためには、このあたりの人材や組織の育成がもう少し必要となります。したがって、2024年度は大型案件をあまり拡大せず、前年度と同程度の規模感を見込んでいます。

一方で、採用については、先行投資として15名から25名程度のセールス・マーケティング人員の増員を計画しています。

費用面では、マーケティング費用において2023年度と同程度の増加を予定しており、その増加分は人材管理費が中心になると想定しています。ただし、事業の進捗次第では、R&Dに対する追加投資を積極的に検討していきたいと考えています。

業績予想 2024年12月期

以上を前提に、2024年12月期の業績予想についてご説明します。売上高については、質の向上を図りつつも、物理セキュリティに対する需要の拡大を背景に、年率20パーセントの成長を見込み、62億5,000万円を計画しています。

営業利益については、先ほどお伝えしたとおり、人材関連への投資を中心に販売管理費を投下する計画で、前期比33パーセント成長の2億5,000万円での着地を見通しています。

ただし、ジェイ・ティー・エヌ社買収後の連結効果については現在精査中であり、現時点では未反映としていることをご留意いただければと思います。

3つの成長戦略

最後に当社の成長戦略についてです。既存のセキュリティビジネスはまだ成長させていくことができますが、そこに加えて、2024年度は「AI STORE LAB」の事業を一歩前進させていく予定です。小売業を中心に人手不足問題は深刻さを増しているため、当社としても、この課題解決に貢献すべく事業を前進させていきたいと思っています。

海外展開については、まず国内の基盤をより強固にした上で、中長期の目線で進めていきたいと考えています。

当社が社会やお客さまに果たせる役割はまだ大きいと思っていますが、そのような中で、2024年度は人材育成と組織力を高め、より高い付加価値を作ることで、今後のさらなる成長と、新たなステージへ向かう土台となる年にしていきたいと思っています。

今後も株主のみなさまの期待にしっかりと応えられるよう、社内一丸となって励んでいきますので、引き続き応援のほど、何卒よろしくお願いいたします。

本日はお忙しいところご視聴いただきまして、誠にありがとうございました。