2024年3月期第2四半期決算説明

佐藤海氏:株式会社Rebase代表の佐藤海と申します。弊社の2024年3月期第2四半期決算説明をご視聴いただき、誠にありがとうございます。この時間を通じて、弊社についてのご認識とご理解をいただけたらと思っていますので、よろしくお願いいたします。

なお、本日は私からのご説明の後、視聴者のみなさまのご質問にご回答させていただきます。収録スタジオの時間の都合上、時間内の回答が難しい場合には、後日弊社のIRサイトにて回答資料を開示しますので何卒よろしくお願いいたします。

目次

本日の流れです。弊社の事業概要、2024年3月期第2四半期の業績、成長戦略の順にご説明します。なお、会社概要等についてはAppendixにスライドを追加していますので、そちらもご参照ください。

インスタベースとは

弊社の事業についてです。私たちは会社設立時より「インスタベース」というレンタルスペースのマッチングプラットフォームを運営しています。

「インスタベース」は「場所を探し、使いたい人」と「場所を持ち、提供したい人」の2者をマッチングするサービスです。一人ひとりが目的や条件に合うさまざまなレンタルスペースを、使いたい時に使いたい分だけフレキシブルに予約して使うことができます。

2023年11月現在の掲載スペース数は3万1,000件を越えており、日本最大のサービスとなっています。

インスタベースのビジネスモデル

「インスタベース」のビジネスモデルは非常にシンプルです。「インスタベース」上で成立した予約金額の一部を成約手数料としてスペース掲載者からいただくのみの、完全成果報酬モデルのサービスとなっています。

ユーザーに寄り添った料金体系

料金体系もわかりやすく、非常にシンプルな設計にしています。スライド左側に記載のスペース利用者には、スペースを使うためのスペース利用料のみが発生します。月額会員費用やスペース利用料に上乗せして徴収する手数料などは、一切いただいていません。

スライド右側に記載のスペース掲載者は、5ページでもご説明したとおり「インスタベース」上で成立した予約について、その予約代金であるスペース利用料の一部を成約手数料として弊社にお支払いいただくのみとなっています。スペース掲載料といった月額固定費用などは一切発生せず、仮に「インスタベース」上で予約が1件も生まれなければ、費用をお支払いいただくことはありません。

リスクなく、遊休スペースをレンタルスペースとして活用できるように、安心してスペースを掲載できる環境を用意しています。

幅広い利用用途でマッチング効率を追求したプラットフォーム

スライドには「インスタベース」の特徴的な要素を載せています。直近の1年間で2,500万人以上もの方々にサイトへ来ていただき、「インスタベース」に掲載されている3万1,000件以上のスペースのいずれかを検索し、ご覧いただいています。

中でも特に、スライドの円グラフには「インスタベース」の強みともいえる特徴が表れています。こちらは、昨年10月から今年9月までの1年間における、利用用途別の予約数の割合を示したものです。ご覧のとおり、どれか1つの利用用途に大半の予約が集中することなく、幅広い利用用途でまんべんなく集客ができています。

これは、1件でも多くのスペースに1件でも多くの予約を受け付けられるプラットフォームを目指して取り組んできた結果であり、現在も目指すところは変わりません。

なお、新型コロナウイルスによる感染症の影響が落ち着き始めた2022年10月以降においては、コロナ禍以前に利用数の多かった「レッスン・講座」を始めとした「趣味・遊び」「スポーツ・フィットネス」の比率が高まっています。対面での活動に徐々に戻ってきたことにより、コロナ禍でオンライン化を余儀なくされていた用途での利用数が拡大していると考えています。

リピート率の高い利用用途で安定的な成長を実現

利用用途ごとのリピート率についてです。ご覧のとおり、幅広い利用用途で集客できているだけでなく、高いリピート率を実現できていることも「インスタベース」の特徴の1つと言えます。リピート率の高い利用用途で予約数を積み上げていくことで、安定的な成長基盤を構築しています。

インスタベースの成長を支える当社の強み

弊社の強みの源泉と構造についてご説明します。創業時の原体験から、私たちには「ユーザーファースト」「効率性重視」「コスト意識」のマインドが文化として深く根付いています。

まず、徹底したコスト意識を持つことで、データドリブンで効率的な集客に磨きをかけてきたことが挙げられます。そして、ユーザー目線でプロダクトを作り込むため、自社開発にこだわって開発力を高めてきました。最後に「インスタベース」から得た幅広く豊富なデータアセットを活用することで、さらなる集客と開発に役立ててきたことも、弊社の強みといえます。

これらが高いリピート率と効率的なサービス運営へつながり、そこから生み出される利益を自分たちの強み一つひとつに再投資することで、さらなる好循環を生み出しています。

私たちはこれらの強みを基盤に、変化への対応力の高い柔軟な経営を実現してきました。その結果、コロナ禍においても売上と利益を落とすことなく、右肩上がりの成長を実現しています。今後、コロナ禍のような不測の事態が再び生じたとしても、可能な限り機動的かつ柔軟な経営で成長し続けていきます。

【前提】レンタルスペース領域におけるシーズナリティ

2024年3月期第2四半期の業績についてご説明します。業績予想に対する進捗状況をご説明するにあたり、まずは「インスタベース」のシーズナリティについてお話しします。

レンタルスペース市場は成長市場であることに加え、第3四半期にあたる10月から12月がレンタルスペースに対する認知とニーズが1年間で最も高まる繁忙期となります。そのため、上半期よりも下半期に売上が偏重する傾向があります。以上を踏まえ、次のページより業績についてご報告します。

重要指標における成長率は堅調に推移

「インスタベース」の重要指標についてです。「インスタベース」における最重要指標は利用総額で、スペースの利用数と予約の平均単価を掛け合わせた数字で構成されています。そのため、それぞれの指標が成長していれば、当然ながら利用総額も大きく成長します。この利用総額の成長のために、弊社では特に利用数の成長に重きを置いて取り組んでいます。

第2四半期までの累計は、利用総額、利用数ともに過去最高を更新する結果となり、堅調な成長を実現できました。

重要指標の成長推移:利用数

各指標について詳しくご説明します。まずは利用数です。第2四半期は26万2,000件のスペース利用があり、前期比で23パーセント増と過去最高の利用数で終えることができました。

業績予想に対する進捗率は46パーセントです。こちらは対面での活動が活発化してきていることに加え、各種キャンペーン等の販促施策の実施を行っています。それにより、「インスタベース」で利用数の多い「ビジネス」や「レッスン・講座」などの利用用途において、利用数が増加傾向となっています。

また、各利用用途で大人数利用が加速していることに加え、依然としてリモートワーク利用を中心とした少人数利用も継続的に拡大しています。そのため、各利用用途やさまざまな人数規模での利用を促進することができました。

重要指標の成長推移:平均単価

平均単価です。特に利用数の多い「ビジネス」や「趣味・遊び」の2つの利用用途において、利用人数が増加傾向にあります。その結果、平均単価を引き上げることができました。

第2四半期の平均単価は、前期比8パーセント増の約4,400円となっています。引き続き少人数利用も拡大しているため、平均単価自体の戻りは緩やかに推移していく見込みです。

重要指標の成長推移:利用総額

各重要指標を成長させることができた結果、最重要指標である利用総額は前期比33パーセント増の11億円を越え、過去最高となりました。業績予想に対する進捗率は45パーセントで、シーズナリティを踏まえると順調に推移しているとご理解いただけるかと思います。

重要指標の成長推移:掲載スペース数

掲載スペース数です。自然流入によるスペース獲得に加え、さまざまな業界の大手企業とのアライアンスを実現してきた結果、大手企業によるスペースの追加掲載も増加しています。第2四半期の掲載スペース数は、前期比22パーセント増の2万9,800件となりました。

今後も変わらずこのような取り組みを行っていくことで、掲載スペースの最大化を実現していきます。

2024年3月期 第2四半期 業績

各重要指標を成長させることができた結果、第2四半期累計の業績は、売上高が前期比28パーセント増の6億5,900万円、販管費が前期比27パーセント増の4億9,700万円、営業利益が前期比18パーセント増の1億3,400万円となりました。

しっかりと販管費をコントロールしながら事業成長できたことで、営業利益率は20パーセントに回復しています。なお、限界利益率の高いビジネスモデルのため、下半期に向けて売上高が拡大していくことで、営業利益率はさらに改善していくと想定しています。

販管費の内訳(前年同期比較)

第2四半期における販管費の内訳です。主に広告宣伝費、支払手数料、人件費等が増加したことによって、販管費は前期比で5,600万円増加しています。

広告宣伝費は引き続きROAS指標をベースに、利益を確保できるラインで費用投下を行うことができています。また、十分に費用対効果を図りながら積極的に集客を強化した結果、第2四半期の対売上高比率は19パーセントとなりました。

支払手数料の増加は、第1四半期と同様に「インスタベース」の利用総額拡大に伴う決済手数料の増加が主な要因です。人件費等についても、第1四半期と同様に、人員の増加と給与のベースアップを実施したことにより増加しています。

四半期推移:売上高

四半期別売上高の推移です。2024年3月期第2四半期の売上高は前期比26パーセント増となっており、業績予想に対して順調に推移しています。

四半期推移:販管費の内訳

四半期別販管費の内訳とその推移です。2024年3月期第2四半期の販管費は、前期比28パーセント増となっています。こちらは主に、費用対効果を図りながら、集客強化のために広告宣伝費を積極的に投下したことによります。

トピックスサマリ:掲載スペース数の増加

弊社の成長戦略に沿って取り組んでいる、第2四半期の主なトピックスをご説明します。

まずは、掲載スペース数の増加に寄与する取り組みについてです。三菱地所の「WORK×ation Site」、三井不動産グループの「HUBHUB」、ヤマハミュージックリテイリングの音楽教室など、各大手企業との連携が加速したことにより、掲載スペース数を増やすことができました。

また、各社とキャンペーン等のプロモーションを実施することで、集客の効果にもつながっています。

トピックスサマリ:UI/UXの改善

UI/UXの改善に寄与するトピックスです。第1四半期のトピックスとして紹介した「ChatGPT」のプラグインを進化させ、「LINE」や「Slack」といった既存のチャットツールで、より早く簡単に、最適なスペースが提案できるようになりました。

また、スマートロックやロボット掃除機といったIoT機器とのシステム連携によって、掲載者がより簡単かつ効率的にスペースを運営できる仕組みを提供しています。さらに、弊社独自で開発したAI画像判定システムは、7月末に特許を取得し、「インスタベース」内におけるスペース検索のマッチング精度向上を実現しています。

トピックスサマリ:集客力の向上

集客力の向上に寄与するトピックスです。全国で20万人以上のダンサーが関わるダンス協会と協業し、ダンス利用を中心としたスペース利用者を増やす取り組みを行っています。その他にも、レンタルスペースの利用を促進する特集やキャンペーン施策等を積極的に実施して、集客の強化を図ってきました。

市場規模

成長戦略についてご説明します。私たちが展開している「インスタベース」は、スペースシェア市場にカテゴライズされており、2022年度の市場規模は約3,800億円です。2032年には、その規模が約4.8兆円に拡大すると想定されており、成長軌道にある市場でサービスを展開できていると言えます。

また、スペースシェア市場には、貸し会議室やレンタルスペースだけではなく民泊市場や駐車場市場なども含まれます。そのため、貸し会議室・レンタルスペース等の市場については、各種調査データをもとに弊社で推計しています。2022年度は約1,800億円、2032年度には約1.7兆円と、約10倍にまで市場が拡大する想定です。

現段階における市場シェアは2パーセント程度ですが、市場の拡大に貢献しながらも、成長軌道にある市場でシェアを高めていくことで、より大きな事業規模を目指していけると考えています。

なお、この市場規模拡大の背景には、当然ながらインターネットの普及があり、個々人があらゆるアセットを気軽にシェアできる環境になってきたことが挙げられます。シェアリングサービスは、あらゆる「ムリ・ムダ・ムラ」を解消する力を持っています。スペースの領域においても、遊休スペースが開放されてスペースが活用されていくことで、そのスペースを拠点とした経済活動が生まれます。

今後は以前にも増して、日本中どこであっても、誰であっても、思い描いていたことや夢描いていたことへの一歩を踏み出せる世の中になっていきます。

インスタベースの成長戦略

この飛躍的な成長の実現に向けて、既存事業である「インスタベース」の今後の成長戦略として、集客力の向上、UI/UXの最適化、平均単価の引き上げ、掲載スペース数の最大化の4つに注力していきます。

掲載スペース数の最大化は、集客、CVR、平均単価いずれの指標にも直接的・間接的に寄与するため、横ぐしの項目としています。それぞれの項目におけるこれまでの具体的な施策内容は、2024年3月期第2四半期のトピックスでお伝えしたとおりです。

今後は、これまでに取り組みを開始したものの拡大だけではなく、新たな取り組みも積極的に行っていく予定です。その中でも特に、大手企業とのアライアンスの強化に引き続き注力していきたいと考えています。

既存事業の成長を主軸においた新規事業の展開

弊社の今後の成長戦略についてです。まずは既存事業である「インスタベース」から生み出される利益を最大化し、既存事業の周辺領域に新しいサービスを展開します。その後、新たなマーケットへの進出を目指して取り組んでいきます。

以上で、2024年3月期第2四半期の決算説明を終わります。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

決算説明動画および質疑応答について

弊社の決算説明会の開催方針として、第1四半期と第3四半期は説明動画の録画配信、第2四半期と通期はリアルタイムでのオンライン配信を予定しています。いずれの決算説明会でも、書き起こし記事を公開する予定です。

決算に関するご質問は、スライドに記載の弊社IRサイトのお問い合わせフォームからいただけますと幸いです。

質疑応答:第2四半期で最もアピールしたいポイントについて

「第2四半期において最もアピールしたいポイントは何ですか?」というご質問です。

最もアピールしたいのは、売上高、「インスタベース」の利用総額、スペースの利用数それぞれが過去最高となっているため、順調に事業が拡大できていることです。

そのほか、当社の技術力を活かし、「ChatGPT」やAI関連の特許を「インスタベース」のサービスに組み込めたことも挙げられると思います。「LINE」の「ChatGPT」対応は一定の効果が見られたため、今後さらに強化して売上や各種KPIにインパクトのある効果が得られれば、あらためてみなさまに開示したいと思っています。

なお、AI関連の組み込みに関しては、数字的効果だけではなく将来の環境の変化への対応も目的と考えています。今回行った対応に関しては、開発リソースもコストもそこまでかけずに対応できました。それだけでも非常に意味がある取り組みだったのではないかと考えています。

質疑応答:増加したスペースの掲載内容やコロナ禍後の利用者内訳について

「11月で掲載スペース数が3万件を超えたというプレスリリースを見ましたが、どのようなスペースの掲載が増えているのでしょうか? 以前の決算説明会では、コロナ禍で少人数利用のスペースが増えたと言っていましたが、新型コロナウイルス感染症が第5類に移行した後、どのようなスペースの利用が増えているのでしょうか?」というご質問です。

掲載スペース数の増加は、新規スペースの掲載と既存掲載者によるスペースの追加掲載の2軸で増えています。新規においては、「ヤマハ音楽教室」やフィットネスジム、ワーケーションで利用できるスペースなどが増加しています。既存においては、ワークスペースやカラオケルーム、セミナールームなどが増加しています。

スペース利用の観点では、先ほどお伝えしたとおり、引き続き少人数利用のスペースが利用される傾向が拡大しています。加えて、コロナ前にもよく利用されていた大人数利用として、例えばセミナーなどのビジネス利用や、レッスン・講座といったリピート率が高い利用用途も増えてきています。

質疑応答:新規事業の公開時期と内容について

「新規事業の公開はいつでしょうか? どのような新規事業を考えていますか?」というご質問です。

こちらはお待たせしていますが、今期中には公表できると思います。新規事業の内容としては、既存事業である「インスタベース」のスペース利用者、スペース掲載者それぞれが抱える課題を解決できるサービスを考えています。

現在は、テストマーケティングや開発を鋭意進めているところです。具体的なリリース時期やサービス内容は、準備ができ次第適切なタイミングでみなさまに発表したいと考えています。

質疑応答:スペースマーケットと比較した事業成長について

「スペースマーケットと比べてYoYでのGMVの伸びが低いように見えますが、コロナ禍明けの需要を取り込めていないのでしょうか?」というご質問です。

弊社の「インスタベース」は、コロナ禍によって発生した新たなレンタルスペースの利用ニーズを獲得し、継続的に前年を大きく上回りながら事業成長しています。

一方で、同業他社のスペースマーケットは、2022年第3四半期のGMVは、前年割れしていたと記憶しています。現在はそこから回復した状態のため、単純な前年比では、先方の成長率が高く見えるのではないかと思います。

参考までに、「インスタベース」の利用総額は、スペースマーケットのGMVを上回っています。

質疑応答:利用総額の伸び率がスペースマーケットに負けた要因について

「決算後の株価が下落してしまったのは7月から9月です。スペースマーケットより多くの広告宣伝費をかけたにもかかわらず、利用総額の伸びが負けたことが原因ではないかと考えています。ライバル社に負けた要因を教えてください」というご質問です。

直前のご質問でもお伝えしましたが、スペースマーケット社のGMVは、前年比でマイナス成長となっていた2022年第3四半期におけるGMVと今期の比較となっているため、両社における単純な前年比での比較で良し悪しの判断は難しいと考えています。

しかし、時期的に両サービスの利用用途における性質の違いが表れた部分が大きいため、負けている状況にあるとは捉えていません。

質疑応答:株価の下落理由について

「決算はそれほど悪くない印象ですが、株価が下がった理由はどのように捉えていますか?」というご質問です。

現時点における弊社の実績は、開示している業績予想に対して順調に推移しています。しかし、市場からの期待値は私たちが開示している業績予想よりも高く、今はその高い期待値を超えられていないと理解しています。

我々としては、さらなる事業拡大を実現し、みなさまからいただいている期待を着実に超えていくための取り組みに尽力したいと考えています。

質疑応答:1予約あたりの人数の重要度について

「1予約あたりの人数は重要なのでしょうか?」というご質問です。

1予約あたりの利用人数が多くなることで、より広いスペースをご利用いただける傾向があります。また、広いスペースに設定されている1時間あたりの料金が高くなる傾向があるため、結果として予約単価も高くなります。

成長戦略でもご説明したとおり、予約単価を上げることは、我々が重要視しているKPIの1つである利用総額拡大の重要なポイントとなるため、1予約あたりの利用人数が増えることは非常に重要であると考えています。

質疑応答:今後の成長イメージについて

「今後の成長イメージを教えてください。今の成長率が永遠に続くとは考えにくいのですが、今後どのようなブループリントを考えているのか教えてほしいです」というご質問です。

ブループリントの意味は「設計図」「戦略・方針」だと理解しています。弊社の掲げる最低必達成長率は20パーセントであり、こちらを継続させることを考えています。

そのためにも、既存サービスである「インスタベース」の事業成長とともに、そこから生み出される利益を新規事業の立ち上げに投下します。それによって売上や各KPIの拡大への貢献を早期に実現し、成長していきたいと考えています。

質疑応答:市場平均を上回るための施策について

「オーガニックな成長で、市場の伸びと同様にトップラインが伸びていると見ていますが、市場平均を上回るためにどのような施策に取り組んでいるのでしょうか? わかりやすく具体的に説明してください」というご質問です。

過去事例を用いてご説明します。例えば、コロナ禍の影響で市場がダメージを受けている局面では少人数利用のニーズがあると見極め、少人数利用に最適なスペースの獲得および販売促進を迅速に行いました。その結果、市場環境とは反対に、私たちのトップラインを伸ばすことができたと思っています。

また、この状況を応用し、コロナ禍において困っているホテル運営会社には、私たちの集客によるデイユースプランの提案を行い、ワークスペースとしての新たな掲載を獲得しています。これらは現在も継続しており、各KPIにも寄与しながら伸びています。

さらに「インスタベース」の新たな用途として、サウナやシミュレーションゴルフなどを楽しんでいただけるスペースの掲載獲得も進めており、実際の掲載も始まっています。そのほか、高単価が見込める法人利用を効率的に獲得する新たな施策や、仕組みへの落とし込みも進めています。

本日ご説明したとおり、大手企業とのアライアンスにも引き続き注力しています。

質疑応答:コロナ禍で単価が下がった原因について

「コロナ禍前と比較して単価が下がっている原因は何ですか?」というご質問です。

コロナ禍によって1予約あたりの利用人数が減少したことが、大きな要因だと考えています。1予約あたりの利用人数が減少することで利用スペースが小さくなり、1時間あたりの設定利用料も安くなる傾向があるため、結果的に予約単価が下がったと分析しています。

質疑応答:第2四半期から広告宣伝費を増加した理由と第3四半期の見通しについて

「例年第3四半期に一気に広告宣伝費を増やす傾向がありますが、今期は第2四半期から増加しています。その理由は何ですか? また、繁忙期の第3四半期はさらに増やす予定でしょうか?」というご質問です。

第2四半期から広告宣伝費を増加させた理由として、実は現在「インスタベース」自体のさらなる認知拡大のため、認知広告のテスト運用を開始しています。具体的には、Webや渋谷駅前のサイネージなどの動画広告です。第3四半期は認知広告ではなく、これまで出稿しているパフォーマンス広告をベースとして、繁忙期に合わせた認知広告の出稿を考えています。

金額ベースでは、第2四半期よりも第3四半期のほうが広告宣伝費は増加傾向にありますが、効果検証および効率的な広告宣伝費の投下を引き続きしっかりと行っていこうと考えています。

質疑応答:掲載スペース数減少の可能性とその対策について

「今後は掲載スペース数が減少する可能性はありますか? その対策があれば教えてください」というご質問です。

スペースの掲載および非掲載は、スペース掲載者ご自身が「インスタベース」上で行える環境を提供しているため、日々増減しています。したがって、そのような意味では減少する可能性もあると思います。

減少が続かないようにするためには、新規掲載スペースの増加や利用スペース数が増える環境作りに加え、サービスの作り込みなどの取り組みをさらに増やしていくことが重要です。

また、1スペースあたりの売上を着実に上げてスペース掲載者の満足度が高いサービスにしていくことも、スペース数を減少させずに拡大していくために非常に重要であると考えています。

質疑応答:システム手数料や掲載料を徴収する可能性について

「さほど目立った競合企業も多くは見当たらないと思いますが、現状の収益ポイントは完全成果報酬型の手数料のみです。システム手数料や掲載料などの徴収は考えていないのでしょうか?」というご質問です。

こちらについて、現時点では一切考えていません。

質疑応答:直近の株価について

「直近の株価については、どのようにお考えでしょうか?」というご質問です。

市場の評価であると受け止めています。現時点では、開示している業績予想に対し順調に推移しています。しかし、市場の投資家および株主のみなさまの期待値は開示している業績予想や実績よりも高く、私たちがそちらを超えられていないのではないかと理解しています。

現在の成長や今期に掲げている予算に対する進捗は、順調に推移しています。私たちはこれに甘んじることなく、さらに高い成長率を実現していけるよう、事業拡大に取り組んでいきたいと考えています。

質疑応答:開示されている掲載スペース数と検索結果に出てくる掲載スペース数の乖離について

「掲載スペース数は3万1,000件とありますが、『インスタベース』で検索しても最大1万9,700件ほどしかスペースが出てきません。残りの約1万1,000件との差は何でしょうか?」というご質問です。

理由は複数ありますが、そのうちの1つには、同じ時間に複数の予約が受けられるスペースをリストに表示していないことが挙げられます。弊社では「在庫機能」と呼んでおり、予約可能な総掲載数にはカウントしていますが、検索する際には利用者の検索体験を損なわないために除外しています。

また、非常に低い評価がついているスペースも検索一覧には含めず、高い評価を受けているスペースを表示していることも事実です。

質疑応答:マーケット成長に対する自社の成長スピードについて

「マーケット規模は2032年度には1.7兆円まで拡大するとのことですが、貴社の成長スピードはその成長を上回ると考えてよいでしょうか?」というご質問です。

当然ながら、マーケットの成長を上回って成長していきたいと考えています。「インスタベース」のみならず、新規事業をしっかりと展開して実績を積み、結果を出し、新しいマーケットへの進出なども進めます。そして、さらに大きな市場をターゲットとして、今以上の成長を実現できるように尽力していきたいと考えています。