2023年8月期第3四半期決算説明
肥田義光氏:株式会社グッピーズの第3四半期決算説明資料について、文章にて補足させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本資料には、将来の見通しに関する記述が含まれています。これら将来の見通しに関する記述は、作成した時点における情報に基づいて作成されています。これらの記述は、将来の結果や業績を保証するものではありませんのでご了承ください。
1 会社概要
ご覧の順番でご説明させていただきます。まずは会社概要です。
1-1.ミッション
当社の事業内容を一言で言うなら「歯科領域に強みをもつITサービスカンパニー」です。ミッションは「Goodな発想で、世界をHappyに。」です。
1-2.事業内容
事業内容は、人材サービス事業、ヘルスケア事業の2つのセグメントとなっています。人材サービス事業では、医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営しています。ヘルスケア事業では、健康管理アプリを提供しています。
1-3.人材サービス事業:中途向けサービス
中途向けサービスは、医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営しています。このうち特に、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士等の歯科業界に強みを有しており、売上の9割以上を占めています。
全国の歯科医院は約6万8,000軒あり、コンビニよりも多く、人材獲得が歯科医院経営の大きな悩みとなっています。当社は人材獲得で価値の高いサービスを提供しています。
また、料金形態別に見ると、歯科業界向けの閲覧課金売上が9割以上を占めています。歯科業界以外の職種については、「その他」の成功報酬型の課金となっています。
1-4.人材サービス事業:閲覧課金の仕組み
閲覧課金について補足してご説明します。求人広告を出す法人は、プリペイド方式でポイントを購入します。ポイントを購入すると求人サイト上に求人を掲載でき、求職者が求人をクリックすると120ポイント(120円)が消費されます。
ポイントがなくなった時点で掲載終了となりますが、追加でポイントを購入すれば引き続き掲載できます。仮に最初に見た人ですぐに採用が決まったら、120円で採用できたことになります。
「Google」や「Yahoo!」のリスティング広告(クリック課金)と同様の仕組みですが、異なるのは入札制ではなく、1クリック120円と固定され低料金であること、また、入札制の場合は高い金額を入札しないと掲載されませんが、当社の閲覧課金はすべての求人が掲載されることです。
1-5.人材サービス事業:新卒向けサービス
ここからは新卒向けサービスの説明です。新卒向けサービスは「就職サイト」と「就職情報誌」に求人を掲載することができ、期間掲載型の固定料金です。
また医療・介護・福祉業界は国家資格が必要な職種が多く、学生向けに国家試験対策アプリも提供しています。特に歯科衛生士を目指す学生のおよそ8割が当社の国家試験アプリを利用し、学生との接点獲得につながっています。
2 2023/8期3Q決算実績概要
ここからは2023年8月期第3四半期の実績についてご説明させていただきます。
2-1. 2023年8月期3Q実績
2023年8月期第3四半期の実績ですが、売上は前年同期比31.5パーセント増の18.0億円、営業利益は前年同期比52.7パーセント増の5.8億円となりました。この結果、2023年8月期第2四半期に公表した通期業績見通しに対する営業利益進捗率は96.9パーセントとなっております。
なお、ヘルスケア事業については売上が前年同期比で9.9パーセント減となっておりますが、こちらは健康保険組合連合会の契約見直しによるもので、当期見通しにも織り込まれております。
2-2.セグメント別実績
セグメント別の業績はご覧のとおりです。左の図、人材サービス事業については主力である閲覧課金売上の増加により、売上が拡大しました。
右の図、ヘルスケア事業については、売上構成の大きい健康保険組合連合会との契約が2022年4月より変更になった影響で売上は減少しているものの、新規利用法人の獲得により前年同期比で契約数は増加しております。
2-3. 2023年8月期3Q 営業利益の分析
2023年8月期第3四半期の営業利益の増減要因についてご説明します。増収効果4.3億円は人材サービス事業の伸張によるものです。減益要因としては、人員増により0.9億円、広告運用強化により0.5億円、求職者フォローとして閲覧課金利用者へのお祝い金制度の導入に伴う費用の0.3億円、その他費用の増加により0.6億円となっています。
この結果、営業利益は2022年8月期第3四半期の3.8億円から2.0億円増加の5.8億円となりました。
2-4. 2023年8月期3Q実績(四半期推移)
続いて、四半期ごとの推移についてです。第3四半期会計期間は売上高5.9億円、営業利益1.3億円となり、売上は第2四半期会計期間より減少しているものの、予算どおりに進捗しています。売上の減少要因は、人材サービス事業において求人者のフォロー体制強化を優先したためです。
詳細については第2四半期決算説明をご覧いただけますと幸いです。
2-5. 人材サービス事業:KPI
クリック単価の推移と求人数の推移についてご説明します。左の折れ線は、平均クリック単価の推移を表しています。これはポイント消費による売上高を、クリック数で割ったものです。
2023年8月期第3四半期は求人者のフォロー体制整備を優先したことによりクリック売上高が減少したことから、閲覧課金売上に占める付加価値サービスの割合が増加し、平均クリック単価も上がっています。
一方、右の図で示される求人件数、ポイント消費法人数は高水準を維持しており、引き続き当サービスをご利用いただけていることがわかります。なお、付加価値サービスについては4-3(21ページ)をご覧ください。
2-6. 2023年8月期3Q BS
2023年8月期第3四半期のバランスシートはご覧のとおりです。株式上場に伴う増資の影響で純資産が増加しました。自己資本比率は74.0パーセントとなっています。増資により得たキャッシュは引き続き人件費や広告宣伝費等に投入し、さらなる成長に繋げてまいります。
3 2023/8期決算見通し
2023年8月期の見通しについてご説明いたします。
3-1. 2023年8月期業績予想
決算見通しについては、2023年8月期第2四半期発表時の見通しを据え置いています。全体では引き続き増収増益を見込んでおり、売上高は前年対比27.3パーセント増の23.6億円、営業利益は前年対比28.3パーセント増の6.0億円を見込んでおります。
セグメント別では、人材サービス事業は31.3パーセントの成長を見込んでいます。ヘルスケア事業は減収を見込んでおりますが、これは健康保険組合連合会の契約見直しによるもので、利用法人数自体は増加しております。
3-2. 業績予想の前提(据え置き)
2023年8月期第2四半期発表の通期業績予想の見通しにあたり、上期の実績をもとに業績見通しの前提となる平均クリック単価、顧客数・求人件数についても見直しを行いました。第3四半期においては当見通しを据え置いております。
4 成長戦略
ここからは成長戦略です。
4-1.3つの成長戦略
成長戦略には3つの柱があります。まず1つ目は歯科人材サービスの付加価値拡大です。
4-2.歯科業界の顧客開拓・集客の強化
当社は特定の歯科医院に売上を頼るわけではなく、幅広く歯科医院に利用されています。左の図は私たちの顧客である歯科医院が2022年8月期で年間どれくらいのポイントを購入したかの分布図です。60パーセントの歯科医院が年10万円未満のポイント購入額となっています。
年間ポイント購入金額が10万円以上の顧客には、サポート体制強化による顧客満足度の向上で取引拡大を目指します。年間ポイント購入金額が10万円以下の法人には、より早く多数の応募を獲得するために、スカウトなどの付加価値サービスの利用促進による取引拡大を目指しています。
右の図をご覧ください。ROASというのは「投下した広告費に対する売上をパーセントで表したもの」です。中期的な目標としてはROASが240パーセントとなるように運用改善を行っていきます。適切な広告運用を行うことで、クリック数増加と同時に利益率の向上を見込んでいます。
4-3.閲覧課金の付加価値拡大
左図にあるとおり、1クリックあたりの付加価値単価も増加傾向にあります。主な要因は、登録している求職者にスカウトを送るサービスです。2023年8月期第3四半期は前年度に比べ1求人あたりのクリック数が増加していることで19.8円まで低下しておりますが、第2四半期の18.7円からは上昇しております。今後は付加価値サービスの強化により中期的な目標として30円を見込んでいます。
また、スカウトも利用率は向上しています。2022年8月期は顧客の30.6パーセントの医院さまにご利用いただいていますが、機能改善やプロモーションにより中期的には47パーセントの医院さまにご利用いただくことを目標にしています。
それ以外にも求人情報作成サポートやオプション広告、医院紹介動画など付加価値向上のためのサービスを拡大しています。
4-4.歯科周辺ビジネスへの参入
成長戦略の2つ目の柱は、歯科医院の顧客基盤を活かし、歯科医院向けサービスを強化していくことです。2023年6月1日に歯科医院の検索と予約ができる「歯科医院の窓口」をリリースしました。歯科医院とのつながりを活かし、歯科医院検索&予約サービスの展開を行うことで、歯科業界へのさらなる進出を狙います。
4-5.イベント開催でヘルスケア事業の顧客拡大
3つ目の柱は、ヘルスケア事業を拡大することです。当社の健康管理アプリを使ったウォークラリーイベントを定期的に開催しており、直近では2023年6月に開催をし、約500の事業者さま、約1.7万人の従業員に参加いただいております。このようなイベントを定期的に開催することをきっかけに受注獲得につなげたいと考えています。
中期目標としては、出来るだけ早期に500社との契約獲得を達成することです。現在のヘルスケア事業は赤字セグメントではございますが、2025年8月期の黒字化を見込んでいます。
4-6.経営指標
主要経営指標はご覧のとおりです。人材サービスは累計求人数、ヘルスケア事業は利用事業者数、全体的には売上高成長率、経常利益率等を重視しています。
5 Appendix
最後にAppendixとして、過去ご説明した資料を載せております。
人材サービス事業:歯科業界での実績
当社人材サービス事業は、歯科業界に強みをもっています。左の図のとおり、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の歯科3職種の求職者会員登録者数は、毎年概ね1万人ほど増加し、ユニークユーザー数でも5年で2倍以上増加しています。
一方、右の図のとおり、歯科3職種の会員登録者数は、全資格者の19.8パーセントを占めており、歯科業界において一定のプレゼンスを有するとともに、まだ大きな開拓の余地が残されていると考えています。
ヘルスケア事業:利用事業所数の推移
ヘルスケア事業についてご説明します。当社は19種類の機能が1つになった健康管理アプリを提供しています。企業向けには、従業員が歩いたり、体重や食事を記録したりすると「健康ポイント」を獲得することができる福利厚生サービスを提供しています。
また、当アプリは自治体向けにも、法人向けと同様の機能で住民の健康づくりをサポートするサービスを提供しています。2022年8月期は155の企業、健康保険組合、自治体にご利用いただいています。企業・自治体では1年間で2倍以上増加しています。
3つの強み
ここからは我々のサービスの3つの特徴・強みについて説明します。まず1つ目は「ユニークなサービスポジション」です。
ユニークなサービスポジション
当社と類似したサービスとしては、例えば、多業種を幅広く扱うアルバイト求人サイトや、エージェントを使った人材紹介サービスなどが存在します。私たちの求人サイトの最大の特徴は「業種に特化」し、しかも「閲覧課金」の求人広告ビジネスということです。
閲覧課金は単価が安いために、より多くの求人者と求職者を集める必要があります。歯科業界において当社が一定のプレゼンスを有する中、参入障壁は高いと考えています。このように、大手の求人サイトや人材紹介の成果報酬型とは差別化したポジションを取っています。
ユニークなポジションを実現できる背景
業種特化型の閲覧課金は求人者、求職者ともにメリットのあるサービスです。求人者は低コストで専門職へリーチすることができます。求職者は新鮮な、数多くの求人の中から選ぶことができます。
人材紹介のように、コストが高いという不満や、成功報酬型の求人サイトのように古い求人がいつまでも掲載されているようなことはありません。このように、業種特化型かつ閲覧課金型であることにより、求人者、求職者、当社の三方よしが実現しています。
歯科業界における高い認知度と評価
2つ目の特徴・強みである「歯科業界における高い認知度と評価」についてご説明します。今まで、歯科業界にフォーカスし、プラットフォームを強化してきました。全国の歯科医院のおよそ30パーセントが当社の求人サイトに登録しています。現時点で1万9,000法人以上のアカウントを発行しています。そして求人数も過去5年で、年平均およそ20パーセント成長しています。このことから歯科医院から評価を得ていることが分かります。
求職者のエンゲージメントを最大化させるサービスラインナップ
特徴・強みの3つ目は「求職者のエンゲージメントを最大化させるサービスラインナップ」です。当社は学生時代から「国家試験対策」と「就職活動」のサービスを提供し、認知度の向上を図っています。学生時代から会員化し、卒業後の就職の際に当社求人サイトを利用してもらえるように取り組んでいます。
当社の概要についてご説明させていただきました。
沿革
最後に沿革です。