2021年12月期第2四半期決算説明会
藤田一郎氏:みなさま、本日は株式会社日本創発グループの第7期第2四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。昨今の新型コロナウイルス感染症への対策として、前回に引き続き、オンライン形式での開催とさせていただきました。せっかくのオンライン開催ですので、我々も新しい試みを取り入れながらご説明させていただこうと考えています。
本日のタイムテーブルですが、初めに当社および当社グループの概要をご説明し、次に第2四半期決算の概要についてご説明します。お付き合いのほどよろしくお願いします。
中核概念
当社の事業内容をご説明します。当社のロゴマークの下には、「We Craft Your Imagination」という英文が書かれています。この言葉は、当社グループの中核概念のビジョンとして掲げられています。お客さまが羽ばたかせるご自身のイマジネーションを、私たちは多様なリソースと先進技術を駆使して、確かな「カタチ」にするお手伝いをしていきます。
お客さまがクリエイティブに何を求めているのか、その目的や内容は多岐にわたりますが、当社グループには独自の製造技術やノウハウを有する会社が数多く参画しており、時代やニーズにあわせて5つの事業分野にグルーピングしています。
グループ会社
5つの事業分野は、スライド上部の列に記載のとおりです。
印刷・製造事業
印刷・製造事業は中核事業として存在しています。当社グループは、もともと東京リスマチックとして1972年に創業しており、一般的な製造工程の中の製版業を営んでいました。
印刷という事業の中には、企画を行う会社、組版を行う会社、我々のように製版を行う会社、印刷を行う会社、いろいろな加工を行う会社などがあり、それぞれがお互いに専門事業として展開しているケースが未だに多くあります。
「印刷といえば紙」というイメージが多いかと思いますが、昨今では布地や合成樹脂に対する印刷物、金属、食器、お菓子の包装材などにも印刷技術は応用されています。多岐にわたるニーズに対応しうる設備を導入し、体制を増強するために、我々はM&Aも駆使しながら、上流工程から最終工程までを担う一貫製造能力による効率のよい仕組みを構築しています。
現在においても、私たちの中核事業が印刷製造事業である理由は、このような効率化を実現しやすいという背景にあります。
デジタルコンテンツ事業
次に、デジタルコンテンツ事業に関してご説明します。昨今のデジタル化の波により世界中の出版印刷分野が縮小傾向にある中、将来における中核事業として取り組んでいるのがデジタルコンテンツ事業です。
印刷産業は設備を活用した製造業ですが、情報産業でもあることからデジタルコンテンツとの親和性は非常に高いです。紙メディアの代替として取り組んでいく必然性も高い事業分野であると考えています。
当初はWebサイトからスタートした事業分野です。印刷用データの製作作業の延長線でのWebサイト構築には、比較的容易に対応することが可能です。
同様に、印刷データの活用という面ではデジタルサイネージが挙げられます。大型モニターの普及が進むにつれて急速に伸びてきた分野ではありますが、ここに通信技術が加わることで、端末での表示を容易に変えることができたり、双方向性を持たせたりすることも可能になりました。
昨今では、スマートフォンやタブレット端末が急速に普及しています。さらに、5Gをはじめとするデータ通信技術の発展により、サーバー処理とアプリケーション側の処理を組み合わせることで、より多くの情報をインタラクティブに伝えることができるようになりました。私たちは、さまざまなデジタル技術を持つ企業が参画することで、ワンストップで多様な表現を可能とするデジタルソリューションを提供できる企業グループを形成しています。
メーカー・OEM事業
次に、メーカー・OEM事業についてご紹介します。私たちのグループには、この分野においても独自のアイデア・技術を持って、ユニークな製品を世に送り出している会社があります。
アクリルが持つ透明感や光沢感によって高級なイメージを持つ製品で、キャラクターや企業ロゴなど、印刷する対象を変えるだけで、商品としても、またノベルティとしても展開しやすいものです。
もう1つの例もご紹介します。株式会社あミューズの主力業務であるカプセルトイと、その販売機であるガチャマシンの販売・レンタル事業は、もともとは電源がいらない販売機として、多くの場所で利用されてきました。デジタルコンテンツ事業に属する株式会社ソニックジャムとの連携によって、コインを投入して回す従来の方式とは異なり、スマートフォンに表示されたQRコードをかざして回すことができるガチャマシンが生まれました。
さらには、手で触れることなく回すことが可能になる「ピピットガチャ・タッチレス」なども導入されています。あえて電源と通信環境が必要なものになっていますが、販売価格の設定が自由であることや、販売データを分析することが可能なガチャとして、多くの需要を取り込みつつあります。
セールスプロモーション・ロイヤルカスタマー
次に、セールスプロモーション・ロイヤルカスタマーの事業についてです。マーケティング分析やお客さまの販売事業などをサポートするために、他の3事業分野のノウハウを最大限に活用し、お客さまにとって最適なソリューションをご提供しています。
デジタル技術を使ってセールスプロモーションに応用したり、お客さまの要望を効率的に実現するための提案を行っています。その他にも、ノベルティグッズ、印刷物とWebページの連携、各種ディスプレイ製作など、イベント演出ではさまざまなかたちでグループソリューションが活用されています。
クリエイティブサポート
次に、クリエイティブサポートの分野についてです。これらの企業は、私たちのグループ各事業を横断し、各事業で必要となるデザインやデータ分析など、ソリューションを支える会社によって構成されています。
新規グループ参画会社 3
それでは、本会計年度から新たにグループに加わることになった4つの会社を紹介しながら、さらに私たちの事業内容をご説明します。
まず1社目が、ジャパンブロードキャストソリューションズ株式会社です。4月から当社グループに参画することとなりました。映像や音響に関わる設備・システム設計・施工などを手掛けているプロフェッショナル集団です。これまでに、多くの劇場・ホール・球場・競技場・放送局・教育展示施設などへの納入実績を持つ会社です。
新規グループ参画会社 1
2社目が、株式会社リングストンです。1月から当社グループに参画することとなりました。合成樹脂のショッピングバッグ・包装資材・パッケージなどのオリジナル製品を、テーマパークからドラッグストアまで幅広く提供している会社です。
本社は東京都江東区にあります。加えて、茨城県行方市には、敷地面積約8,000坪の自社工場にグラビア印刷機・製袋機などを備え、デザイン・開発・印刷・製袋・検査・物流までのすべての工程に対応できる体制を構築しています。
3社目が、株式会社アド・クレールです。1978年に写植版下制作の会社として創業し、48年ものあいだ、出版・印刷の分野で高い技術力と品質で実績を積み上げてきたDTP制作会社です。クライアントの中には、学研さまや、学研さまと合弁で設立した当社グループのワン・パブリッシングなど、大手出版社さまも多数存在しています。
新規グループ参画会社 2
4社目が、飯島製本株式会です。5月から当社グループに参画することとなりました。今年の9月で創業100周年となる老舗企業です。名古屋市に本社を置き、中京圏に3工場、関東圏・関西圏にそれぞれ1工場、あわせて5工場を有しており、独立資本経営としては国内最大規模の製本会社です。
クリエイティブとは
ここまで駆け足で、当社グループのこと、5つの事業分野で何を行ってきたのか、また、今期新たにグループに参画した4社についてご説明してきましたが、今一度、私たちにとってのクリエイティブについて確認しておきたいと思います。
クリエイティブとは、心に刺激を与え、気持ちに変化を起こすことです。気持ちの変化は感動となり、新たな行動につながります。感動のソリューションを追求することで、お客さまのクリエイティブをかたちにする、そのようなお手伝いをする会社が日本創発グループです。
私たちのグループ会社が相互に手を結び合い、どのようにしてソリューションを広げ、お互いの成長に寄与しているかを、新しく参画した会社も例にしながら、さらにご説明していきます。
デジタルコンテンツの例
まずは、デジタルコンテンツの例からご紹介します。当社グループ企業の1社であるキャドセンターの「REAL 3DMAP」では、フルデジタルCGにより制作された3Dデータにより、リアルな街の中に多くのデータを結合させて、都市空間を表示することが可能です。
この3Dデータは、より臨場感のあるVRにも利用可能です。「REAL 3DMAP TOKYO」では、ヘリコプターから撮影したような映像が閲覧可能ですが、VRバージョンでは、自ら飛んでいるようなかたちで操作しながら閲覧できるものになっています。
VRの分野には、当社グループのアルファコードという会社が特化しており、さまざまなソリューションを提供しています。その1つは、みなさまもご存知かもしれませんが、旭酒造が展開する「獺祭」というブランドです。こちらでは、山口県の工場の見学会でVRを活用しています。
旭酒造の「獺祭」は、日本のみならず海外で知名度を上げることにも注力してきました。VRコンテンツにおいては、お酒が作られていく光景の説明を多言語に切り替えることができるよう、英語、フランス語、中国語のバージョンも制作されています。
また、アルファコードでは、介護をはじめさまざまな研修に活用できるVRソリューションを、昨今多く提供しています。例えば、介護の研修に使われているVRの素材では、「どのような姿勢で要介護者を抱えたら、介護者にとっても負担が少ないか」などということを、VRで研修することができます。
また、とある大学病院において、防護服の着方を研修するための素材として提供しています。
「Virtual佳純 スーパーラリー対決」は、オレンジ色のユニフォームが非常に目立っていますが、こちらのユニフォームの提供元であるアシックスの、原宿にある「ASICS EXPERIENCE TOKYO(アシックスエクスペリエンス東京)」に向けて、当社グループのソニックジャムが提供しているコンテンツです。卓球の石川佳純選手とラリー体験ができる「Virtual佳純 スーパーラリー対決」は、バーチャル技術を用いた展示の中では最も反響がありました。
他にも、オリンピックピンバッジが当たる「ピピットガチャ」は、QRコードをかざすと自動的に回るタッチレスの仕組みを搭載しています。「ピピットガチャ」の提供、Webサイトの制作、および混雑状況を管理するシステムについても、ソニックジャムが担当しています。
次に、今回グループインしたJBSについてです。JBSは高い映像と音響の技術を持ち、会議システム運用による豊富な配信ノウハウを有しています。これらを既存のデジタルコンテンツと組み合わせることで、より多くの人に、リアリティの高いクリエイティブを提供することが可能となります。
印刷事業については、一般的な紙への印刷以外にも、多様な素材への対応力を強化しています。例えば合成樹脂や布地、金属など、いろいろな素材に対する印刷が可能です。例えば樹脂フィルムへの印刷では、田中産業がクリアホルダーやマスクケースなどを扱っています。
MGSでは、金属やブリキなど、金型による成形加工で伸びてしまうような素材に対応した印刷が可能です。また、今回、当社グループに参画したリングストンは、ビニールなどPP素材への印刷を行っています。ショッピングバッグやパッケージなどを製造していますが、印刷の時にどうしても素材が伸びてしまうため、印刷する際は対応する版を用意するなど高度なノウハウが必要になります。
さらに、高精細な印刷が求められる表現力の高い袋の製造を行う際にも、専門のノウハウが必要です。昨年7月には、当社グループ初の出版社であるワン・パブリッシングが仲間に入りました。ワン・パブリッシングは出版事業だけではなく、デジタルを含め商品のブランディング・企画など、いろいろなことを行っているユニークな企業です。
私たちのグループが持つWebやアプリケーションの制作、AR・VRといったデジタルクリエイティブの強みと融合することで、新しい魅力あるコンテンツ作りにつなげていけると考えています。
ワン・パブリッシングは出版社ですので、もちろん、いろいろな記事の企画・編集・取材も行っています。制作した記事は雑誌として紙の面に作らなければいけません。これを組版と言いますが、この紙面を作る作業をアド・クレールが担当しています。
さらに製版・印刷を経て、最終的には製本・加工を行わなければいけません。今回、飯島製本が加わることによって、企画・編集から最終的な製品の発送までを、当社グループの中で一貫して取り扱うことができるようになります。
さらに飯島製本が得意としているのは、大量のページを必要とする製品への取り組みです。印刷事業を営んでいる当社グループの他の会社も、製本ラインはある一定程度のキャパシティを持っています。例えば、384ページに相当する16×24コマくらいのサイズであれば、比較的大きな印刷会社なら製本できると思います。
一方、飯島製本では57鞍、40数鞍という非常に大きなキャパシティの製本ラインを持っています。57鞍で製本すると912ページになりますが、これは辞書のような大きく分厚い本を作るためには必要な規模です。
さらに、飯島製本はキャパシティだけではない強みを持っています。当社との融合によって、それぞれの拠点網という高いシナジー効果が得られると考えています。飯島製本の本社は名古屋にありますが、埼玉県に嵐山工場、愛知県に藤岡工場・東郷工場、岐阜県に恵那工場、大阪府に八尾工場を持っています。つまり、関東圏でも中京圏でも関西圏でも対応が可能になります。
もともと、当社グループは首都圏エリアを中心として発展してきたため、首都圏エリアの印刷物に関しては、今後、飯島製本の嵐山工場とシナジーが持てると考えています。東海地方は飯島製本の本拠地ですし、当社グループには静岡県浜松市にアプライズという会社があります。また、関西地方では兵庫県西宮市に小西印刷所があり、少し離れますが岡山県岡山市に研精堂印刷という会社もあります。
つまり、太平洋に沿った拠点網がまさに活かされる位置関係にあるということです。製本所で製造される本は非常に重いです。重い製品を効率よく運送することは、環境問題への取り組みにもなりますし、コストの面でも非常に大きなシナジー効果が期待されます。
2021年12月期 第2四半期実績(連結)
ここからは、第7期である2021年第2四半期の決算概要についてお話しします。今期の売上高は266億1,700万円となりました。前期の売上高が245億7,900万円ですので、前期比で8.3パーセント増加しました。また、営業利益は7億9,400万円、経常利益は13億6,300万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は6億2,500万円です。EBITDAは、経常利益に減価償却費、のれんの償却額、金融費用等を加算して22億9,200万円となりました。
総じて、前期に比べて増加傾向にあります。引き続き新型コロナウイルスの影響が出ている決算状況ですが、売上高は比較的堅調に推移しました。第1四半期の売上高が140億8,800万円でしたので、125億円増加したことになり、営業利益も1億700万円の増加となっています。
経常利益と営業利益の関係性をご覧いただくとわかると思いますが、営業利益に営業外の利益が乗っています。こちらは、雇用調整助成金等の受給を引き続き行っていることが原因の1つです。
2021年12月期 第2四半期の要約
第2四半期の要約は、事業分野ごとに分解してご説明します。ここでは、連結ではありますが、グループ間のいろいろな売上を消去するとご説明が難しくなるため、それぞれの会社の単純合計になっています。
昨年度の2020年第2四半期の段階では、売上高275億9,100万円でした。今期は298億7,000万円と、8パーセント増加しています。
事業分野ごとの数値はスライド下部にありますが、印刷・製造事業では、売上高が対前年で12パーセント増加しています。昨年にグループ内ではフル寄与していなかった会社が参画した影響もありますが、印刷事業は総じて好調となりました。
メーカー・OEM事業は売上対前年11パーセント増加、デジタルコンテンツ事業は10パーセント減、セールスプロモーション・ロイヤルカスタマー事業は4パーセント減となりますが、あくまでも構成比という前提で考えますと、印刷事業に関わる売上が増えたと言えます。また、デジタルコンテンツ事業の売上減についても、構成比が変化したことによるものです。
2021年12月期 第2四半期実績
第2四半期の実績について、スライド上のグラフで可視化しています。一番右の部分が2021年第2四半期で、売上高266億1,700万円を示しています。
今年2月に昨年度の決算発表の際に提示した期首の予算は、通期で520億円としています。予想数値としては520億円、半期の実績は約266億円で、半分程度まで来ていることになります。
緑色の線はEBITDAで、こちらは期首の年間の予想では33億円としていました。
経常利益はピンク色の縦棒です。経常利益については先ほどもお話ししたとおり、年間の通期予想の13億円に対して、半期で13億6,300万円となっており、総じてよい方向に進んでいます。
連結損益計算書概況
損益に関しても分解してご説明していきます。スライド左側の列のaの売上高が266億1,700万円です。bは原価で、aマイナスbとなり131億6,300万円が原価を除いた実績です。いわゆる付加価値額で、前期に比べると約11億円増えていることになります。
人件費等は、それなりにコントロールした上で、営業利益としては7億9,400万円となっています。前期はマイナス1億9,700万円だったことから考えますと、かなり改善に向かっていると言えます。
経常利益に関しては13億6,300万円で、すでに何度かお話ししているとおり、助成金収入が含まれていることと、持分法損益として別立てで記載していることによるものです。前期の持分法損益はマイナス1,500万円でしたが、今期は1億円程度の利益が出ている状況です。
連結貸借対照表(資産の部)
貸借対照表です。まず資産の部についてですが、前期末の総資産619億6,600万円に対して、今期は627億800万円でした。流動資産の項目では、前期は314億7,700万円であったところが今期は267億5,900万円、固定資産は前期の約304億円から今期は約359億円となります。
B/Sのコントロールとしては、できる限りのキャッシュを維持しつつ、圧縮を進めていますが、いろいろな新規参入会社があるため、そちらに関わる投資有価証券が増加しています。また、「投資その他資産」に入っていますが、「その他」の22億円が64億7,900万円という部分について、連結会社ではないところに対しての貸付金が増加していることになります。
連結貸借対照表(負債及び純資産の部)
調達項目の負債と純資産についてご説明します。先ほどもお伝えしたとおり、できるだけキャッシュポジションは維持しつつ、調達を進めています。前期に比べると、今期は借入金に特徴があると思います。流動負債である短期借入金が、前期は310億円だったのに対して、今期は270億円となっています。また、1年以内に返済予定の借入金が14億円から24億円となっています。
スライドにある固定負債の項目をご覧ください。前期は長期借入金が59億円だったのに対して、今期は101億円です。つまり、今期は流動項目にある短期借入金を返済し、長期借入金を増やしたということです。コロナ禍において長期的な資金をできる限り確保するために、このような返済と借り換えを進めています。
株主資本に関しては、111億4,300万円から114億9,800万円に微増となりました。
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローについてです。営業活動によるキャッシュ・フローが30億円となり、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス60億円となりました。先ほどB/Sのところでお話ししたとおり、新規参画企業への貸付投資が50億円あったため、投資活動においてはマイナスのキャッシュ・フローになっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは7億4,000万円で、現金及び現金同等物の期末残高は121億円となりました。先ほどお伝えしたとおり、それなりのキャッシュポジションは確保しつつ、B/Sコントロールを行っているということです。
2021年12月期業績(連結)の見通し
8月12日に決算発表すると同時に、今期の通期の見通しについても修正しました。期首の予想では、売上高は520億円でしたが、6月までの半期を通して、そこそこ好調が続いていることも鑑み、売上高を530億円としました。さらに、営業利益は13億円、経常利益は21億円、その結果としてのEBITDAは41億円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億円に修正しました。
経常利益までは好調な状況に見えますが、当期純利益に関しては「なぜ、そこまで増えないのだろうか?」と疑問に思われるかもしれません。これについては、投資している部分に関して、コロナ禍において営業外の特別項目でさまざまな損失が発生する可能性を見込んでのことです。
あらかじめそれを見込んだ上で、保守的な考え方の中で算出した最低限の予想数値として捉えていただければと思っています。結果的に、1株あたりの利益(EPS)は17円81銭としています。
業績の見通し(連結)
今期の通期の見通しをグラフで示すとこのような状況です。コロナ禍以前の2019年にマークした売上高556億円が、私どもの最高売上・最高収益でした。今期の売上高を530億円としたのは、「そこまでは回復していない」という判断です。利益に関しても、2019年の経常利益は28億円弱でしたが、今期は21億円としています。
今回、売上高530億円、経常利益21億円の予想を出すまでに、さまざまな検討を行いました。当社としては、新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑みると、本格回復は2022年あるいは2023年だと考えています。
つまり、その前年である今期に関しては、当初想定していたよりは上向いているものの、あくまでも来期以降の活動に向けての前段階であると位置付けています。来期以降にさらなる高みを目指すためにも、今期の数字はそれなりにがんばれる額だと判断しました。
総括
我々のグループは非常に個性豊かな企業が集まっています。確かに、印刷グループの比重が高いのですが、印刷グループと他のデジタルまたはメーカー系のグループと協力しやすい環境を整えています。また、印刷グループのお客さまが多いのも事実です。
ここから先、我々企業グループがどのようになっていくかに関しては、厳しい環境が続くものの、我々グループも総力を挙げ、それぞれの専門性を高めることによって、大手の企業と相見えながらも、よりしっかりとしたソリューションを提供することは可能であると考えています。さらに力を研ぎ澄ましていきたいと思います。これからもご支援、よろしくお願いいたします。
今日の説明会は以上になります。大変長い時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。