経営理念・社名の由来
長嶋義和氏(以下、長嶋):株式会社グッドコムアセット代表取締役社長の長嶋でございます。2021年10月期第2四半期の決算についてご説明いたします。よろしくお願いいたします。
当社は、「私たちは不動産を安心と信頼のできる財産としてグローバルに提供し、幸福になっていただくことで社会に貢献します。」を経営理念としています。
社名の由来は、優良企業でありながら社会貢献や慈善事業を積極的に推進する企業でありたいとの願いを込めて「Good Company Asset」としたいのですが、「未完成な自分」を表現し、常に完璧を目指す戒めとするため、「Company」の一部をなくして「Good Com Asset」としています。
エグゼクティブ・サマリー
2021年10月期第2四半期の決算概況は、第2四半期および通期の業績予想を上方修正しました。第2四半期の実績は、売上高は前年同期比で146.0パーセント増の196億6,900万円、経常利益は前年同期比で252.2パーセント増の20億2,900万円となりました。
2021年10月期の通期の業績予想はレンジ形式に修正しました。売上高は380億円から418億7,600万円で、前年同期比44.4パーセントから59.1パーセントの増、経常利益は33億円から36億円で、前年同期比24.8パーセントから36.1パーセント増を予想しています。
6月8日までの販売契約戸数は1,028戸で、進捗率は約74パーセントとなっています。
連結損益計算書
連結損益計算書です。売上高は前年同期比で146.0パーセント増の196億6,000万円、営業利益は232.3パーセント増の21億6,000万円、経常利益は252.2パーセント増の20億2,000万円、四半期純利益は255.7パーセント増の13億8,000万円となり、販売戸数は163パーセント増の24棟644戸となりました。
連結貸借対照表
連結貸借対照表です。販売戸数が大幅に増加したため借入が減少し、自己資本比率が40パーセント台に回復しました。
トピックス①
1つ目のトピックスです。全国展開に向けた足掛かりとして、大阪支店を設立しました。今後は西日本エリアをさらに伸ばし、全国展開を加速していきます。
トピックス②
2つ目のトピックスです。上場REIT事業の検討を開始しました。要件やスケジュール、事業インパクトなどを精査している段階ではありますが、上場REIT事業に向けて資産運用会社や投資法人の設立、私募REITの組成が必要と考えており、現時点では4ステップで表現しています。
トピックス③
3つ目のトピックスです。自己株式45万株を取得しました。
商品の特徴 自社ブランド “GENOVIA”
当社の事業の特徴として、自社ブランド「GENOVIA」をご紹介します。「GENOVIA」は、入居率の高い東京23区の最寄駅から徒歩10分圏内を中心に供給しており、デザインに統一感を持たせています。
また、1階部分の壁面を緑化した「green veil」、屋上を緑化した「skygarden」、屋上にドッグランを設置した「skyrun」の3シリーズを展開しています。
このように「GENOVIA」のブランディングを行った上で、物件のラインナップを豊富に揃えています。1棟が完売してから次の物件販売を開始する手法ではなく、間取りやエリア、価格など、さまざまな物件を揃えることで、資産状況などのニーズに合った提案が可能になると考えています。
また、1Kだけではなく、DINKsといわれる1LDKや2LDKもすべて投資物件として販売しているのも特徴の1つです。
物件の供給エリアの特徴
物件の供給エリアです。東京23区の最寄駅から徒歩10分圏内を中心に供給しており、すべて新築物件です。「GENOVIA」の供給実績としては、東京23区で101棟あります。また、東京23区以外でも賃貸需要の高い川崎市と横浜市に5棟を供給しています。
仕入の特徴 オフバランス・スキーム
仕入の特徴です。一般的な不動産会社の仕入は、スライド上段に記載のとおり開発物件を行っています。土地を取得する際に借入を行い、工事が開始されます。2年から3年後に竣工し、販売が開始され、そこで初めて資金を回収する流れになります。
2年から3年は資金が寝てしまい回収までに時間がかかるため、業績拡大に必要な仕入を増加することで同時に借入も増加します。これにより、財務内容が悪化して次の仕入が難しくなります。
そこで当社は寝てしまう資金を少なくするために、スライド下段に記載の専有物件を推進しています。
例えば、土地を建築会社に持ち込んで建築会社に土地を取得してもらいます。その際に、建築会社と手付金のみで仕入契約が可能なため、当社が借入することなく健全な財務体質を維持でき、次の仕入スピードを加速することができます。その結果、仕入が順調にできています。
顧客属性①
顧客の属性です。当社の主要な顧客は公務員です。公務員が98.3パーセントで、女性が55.9パーセントとなっており、以前よりも男性の顧客が増加しています。お住まいのエリアは、中部・関東で64.4パーセントとなっており、近畿地方や中国・四国地方での販売が増加しています。
顧客属性②
年齢は30代から40代が約80パーセント、年収は501万円から900万円が約88パーセントで、安定した雇用で高所得な方々が主要な顧客となります。
顧客動向
新規購入者とリピート購入者の比率です。新規購入者を増加させるため、販路の拡大や男性顧客の増加の施策を実施しており、新規顧客が年々増えています。
「GENOVIA」シリーズの入居率は、厳選した立地や付加価値の高い「GENOVIA仕様」により、コロナ禍においても99パーセント以上と高い入居率を維持しています。
購入理由
個人投資家の方々が当社の物件を購入する理由です。当社の物件は、「生命保険の代わり」として購入する方が最も多いです。
物件の購入時に金融機関から借入を行うことで、団体信用生命保険に加入します。団体信用生命保険は、死亡や高度障害等、万が一の時には生命保険会社が残りの借入を全額弁済するため、残された家族は定期的に家賃収入を得ることはもちろん、売却することで手元資金を得ることもできます。
そのため、生命保険を見直してマンションを購入する方が多いです。団体信用生命保険にもさまざまな保険があります。特に人気なのは「がんと診断されただけで全額弁済される保険」です。がんと診断されただけで保険が適用されるというのは、かなりの効果があると思います。
前期実績と修正予想
2021年10月期の業績予想です。業績予想を上方修正して、前期比で20パーセント超の増収増益となる予想です。売上高は380億円から418億7,000万円、営業利益は35億円から38億円、経常利益は33億円から36億円、当期純利益は22億5,000万円から24億5,000万円を見込んでいます。
5期連続の増収予想
5期間の売上高です。5期連続の増収を予想しており、年平均成長率(CAGR)は40パーセントを超えています。
4期連続の増益予想
5期間の経常利益です。4期連続の増益を予想しており、年平均成長率(CAGR)は40パーセントを超えています。
配当推移
配当金は4期連続の増配予想です。今期は41円を予想しています。
販売可能物件及び仕入物件一覧
販売物件のラインナップと仕入物件の一覧です。順調に仕入を行っており、より仕入スピードを加速していきます。
2026年10月期までのロードマップ
時価総額1,000億円へのロードマップをご説明します。2026年10月期までに時価総額1,000億円を達成するためのロードマップです。年平均成長率(CAGR)は30パーセント超を達成し、時価総額1,000億円を実現させます。
なお、売上高と経常利益の額については、年平均成長率(CAGR)が30パーセントのイメージで記載したもので、将来の業績予想というわけではありません。ただし、2026年10月期には経常利益100億円を達成したいと考えています。
経営方針(ポートフォリオ経営)
当社のポートフォリオ経営です。リテールセールス、ホールセール、リアルエステートマネジメント、Good Com Fund、IPOコンサルティングの5つの事業で構成されています。
多様な販売チャネルやストックビジネス、新規事業で業容の拡大を目指しています。リテールセールスについては営業効率アップのために支店を設立し、営業エリアを全国に展開していきます。また、営業社員の採用と育成を強化することにより事業を拡大していく方針です。
ホールセールについては不動産運用会社への1棟販売を増加し、利益率の向上を目指します。リアルエステートマネジメントは管理物件の増加により、安定的に増加するストックビジネスとなっています。
継続して高い入居率を維持するとともに、去年子会社化した家賃債務保証会社の事業拡大のため、新規取引先の拡充を強化していきます。
Good Com Fundは知名度を向上するために、Web広告に加えて東京都内でタクシー広告を実施しました。ネットで完結できるサービスのため、日本全国の方々の購入ニーズに応えていきたいと思います。
IPOコンサルティングはネットワークを強化し、知名度を向上させて、IPO準備会社とのコンサル契約を増加させていきます。
多様な販売チャネル
当社の主力事業の投資用新築マンション販売は、多様な販売チャネルでどのような環境でも販売できる体制を確立していますが、さらに安定的に販売できるよう新たな販売先、販売方法を増やしていきたいと考えています。リテールセールスについては、公務員以外の新たな顧客の開拓を検討しています。
主要な購入者は、引き続き安定的な販売が可能な公務員ですが、投資意欲の高い市況の場合は公務員以外にも販売するなど、市況に応じて臨機応変な対応が取れるように準備していきたいと考えています。また、販売チャネルを増やすために新たな事業としてREIT事業の検討を開始しています。
安定的なストックビジネスと上場コンサル・ベンチャー投資
ストックビジネスと上場コンサルティング・ベンチャー投資についてです。リアルエステートマネジメントは賃貸管理、家賃債務保証、建物管理で構成されています。販売物件が増えることで安定的に業績拡大が見込めます。
家賃債務保証事業は他社物件も対象としていますので、新規開拓を行うことで保証件数を増やすことができます。また、IPOコンサルティングやIRコンサルティングも積極的に行っています。こちらの事業は単なるコンサルティングだけでなく、その後のベンチャー投資も考えています。
IPOコンサルティングを行っている企業で、今後伸びそうな事業やIPO確度の高い企業については出資することでリターンを得ることが可能です。また、IPOを断念した場合も資本提携やM&Aによる事業拡大が可能と考えています。コーポレートベンチャーキャピタル事業も対象会社を見極めながら、積極的に行っていきます。
ESG及びSDGs①
当社のESG及びSDGsの取り組みをご紹介します。環境については「GENOVIA」のマンションに壁面緑化や屋上緑化を採用しており、CO2削減や地球温暖化防止に貢献しています。
ESG及びSDGs②
社会についてはウイルスの抑制に効果的な光触媒を室内に設置することで、安心して居住生活を送ることが可能になります。また、当社は働きやすい職場環境の提供や人材育成と雇用創出の実現、ダイバーシティへの取り組みを積極的に行っています。
ESG及びSDGs③
ガバナンスについては、すべてのステークホルダーに公平で中立的な姿勢を保ちつつ、健全に発展できるような体制を築いています。以上で、2021年10月期第2四半期の決算説明を終了します。ありがとうございました。
質疑応答:来期の仕入状況と増収増益達成への手応えについて
司会者:「来期以降に向けて、物件の仕入は順調でしょうか? また、来期も増収増益の達成の手応えはありますか?」という質問が届いています。
長嶋:1つ目についてですが、来期はすでに物件を仕入済みですのでご安心ください。2つ目の「来期も増収増益できるか」については、先ほどご説明した時価総額1,000億円に関してのページをご覧ください。
インサイダーの関係上、細かい数字はお伝えできませんが、スライドには「CAGR(年平均成長率)30パーセント超」と記載しており、今は平均40パーセント超で成長しています。ですので、来期もそのようにチャレンジしていくのではないかと考えていただけたらと思います。
どうしてもインサイダーの関係上、来期予想を公表できないため、あくまでも目線を置いているような状態です。
質疑応答:REIT事業について
司会者:「REIT事業のお話がありましたが、REIT事業を検討することによって、グッドコムアセットの業績にはどのような効果が期待できますか?」という質問が届いています。
長嶋: 1棟売りの販売が3年前から始まっています。
そのような中で、販売先はお伝えできませんが、今期は16棟724戸の大口の案件をとある運用会社に売却しました。そのようなことから、「ホールセールをREIT事業に転換してはどうか」という考えになりました。
当社は東京23区で資産価値の高い商品を自ら作っていることから、「新たな販売チャネルとしてREIT事業に参入したほうが早いのではないか」ということで精査している段階です。
質疑応答:公務員以外の職種への営業について
司会者:「営業は公務員以外にも展開していますか?」という質問が届いていますが、ほとんどが公務員の方だというお話がありましたよね。
長嶋:そのとおりです。
司会者:公務員以外の方にも営業を展開していきたいと考えているのでしょうか?
長嶋:今現在は準備中です。どのようなお客さまが高所得かつコロナ禍の時代でも安定して販売が可能なのかを精査している段階です。
職業はお伝えできませんが、第3四半期の段階では、例えば「このような属性の方がお客さまになりました」というお話ができると思います。
質疑応答:支店候補について
司会者:「全国展開が楽しみです。大阪支店設立のお話がありましたが、大阪の次はどこに支店を展開していきますか?」というご質問が届いています。
長嶋:こちらもインサイダーの関係上、細かいお話はできませんが、基本的には100万都市と言われている札幌、名古屋、広島、福岡を考えています。
順番としては今は西日本に販路を広げている段階ですので、仮にですが、広島や福岡というイメージになるのではないかと思います。
司会者:スライドにある地図では、水色の丸が本社、赤色の丸が大阪、黄色の丸が支店候補ということですね。
長嶋:そのとおりです。
司会者:今のところ4都市を考えていて、順番はまだわかりませんが一応西日本を頭に入れているという状況ですね。
長嶋:そうですね。本社も入れて全部で1本店、5支店ということで、当社としては全国展開していきたいと考えています。
質疑応答:1棟販売について
司会者:「1棟の販売は今後も続きますか?」という質問が届いています。
長嶋:こちらもインサイダーの関係でお話ができませんが、非常に旺盛です。不動産と言いますと、いろいろな不動産の業態があります。
例えばアパート経営やホテル経営、商業施設、当然ながらオフィスという事業もあります。また、当社のような投資用マンションということで、都心にこだわった事業もあります。
他にも、東京を含め、家族で住むファミリータイプのマンションを販売するところや、物流というものも不動産の分野ではそのような1つのセクターになります。
まだまだコロナ禍が収束していない中で生き残っているものは投資用の不動産で、我々が扱っている商品と物流しかありません。
司会者:ファミリーはだめですか?
長嶋:「だめです」は語弊がありますが、ファミリータイプのマンションを1人のお客さまが何件も購入することはありえないですよね。
司会者:そうですね。
長嶋:住まいとして買うわけですから。
司会者:1人1つですね。
長嶋:そうです。我々が供給しているものは1K、1LDK、2LDKで、広さにすると20平米から50平米になりますので、まだ買うには至らないお客さまが借りています。ですので、我々が販売する投資家の方と入居される方の需要と供給のバランスが合っている状態です。
上場REITでも同じことが言え、今、上場REITで運用できているものはそのような都市型の不動産と物流だけです。それ以外は運用できていない状態です。
逆に言いますと、ホテルなどをREITに組み込んだ場合は、当然ながら利回りを上げていかなければ投資家の方々からは投資していただけません。
質疑応答:公務員と女性の顧客が多い理由について
司会者:先ほどの質問と少し重なるかもしれませんが、「公務員や女性が主要顧客になっているということですが、何か理由があるのでしょうか?」といただいています。私も少し気になりました。
長嶋:創業時はもともと女性の資格者をお客さまにしていました。
司会者:資格者ですか?
長嶋:いわゆる士業と言われる方々ですね。弁護士、医師、教師、看護師、介護士などの女性の方をお客さまにしていました。創業は2005年ですが、リーマンショックや東日本の震災を経て景況感がありましたので、そのような景気の流れでいつでも安定して販売活動できるのが公務員だったということになります。
「なぜ女性なのか」と言いますと、日本の慣習で大きな買い物をする時は必ず「家内に聞くよ」というキーワードがあります。
司会者:なるほど。
長嶋:私も営業出身ですので、必ず「家内に聞くよ」「家内に話してくれ」と言われました。そのため、「はじめから女性の方をお客さまにしたほうが効率がよいのではないか」ということで、このようになりました。
司会者:最初は資格を持った女性がターゲットで、そのあと公務員にターゲットを広げて、今のところ男性の顧客も増えているという段階になるのですね。
長嶋:そうです。新規とリピートの棒グラフをご覧いただくとおわかりのとおり、2018年10月期までは新規購入率とリピーター率がほぼ同程度ですが、2019年から新規購入者が7割近くに一気に増えました。結論からお伝えすると、販路拡大によるものと、もう1つは男性のお客さまが増えたためです。
例えば、女性のお客さまが既婚者の公務員の方で、ご主人さまが公務員やその他の職業など、紹介で増えていったところもあります。
司会者:なるほど。
長嶋:今後もこのように男性のお客さまを増やしていきたいところです。
質疑応答:好業績に影響したものについて
司会者:「コロナ禍にもかかわらず上方修正しましたが、何が御社の好業績に作用したと思いますか?」といただいています。けっこう苦しんでいるところが多い中ですが、いかがでしょうか?
長嶋:実はホールセールの1棟販売に関して、以前からお話があった会社にまとめて購入していただきました。インサイダーの関係で時期はお話しできませんが、第1四半期が終わってちょうど3月頃に開示した16棟724戸の大口案件で、3月30日に10棟を売上計上しました。
それにより、今期の通期の業績予想が見えてきたことが業績に作用した結果だと思います。こちらもインサイダーの関係で細かいことはお伝えできませんが、ホールセールは来期についてもお話ししている状態です。
質疑応答:配当の回数について
司会者:「現在は年1回の一括配当ですが、年2回に変更する予定はありますか?」といただいています。
長嶋:当社は今、期末1回の配当ですが、慎重に協議して中間配当を考えていきます。ただし、当社の場合はマンションの完成時期がどうしても上半期と下半期で偏りがちです。
今期は上期にある程度の通期の計画が読めましたが、前期は第3四半期において下期に偏ったということもありますので、今の状態ではどうしても期末一括が現実的なところです。しかし、株主の方々の貴重な意見を取り入れながら、今後慎重に協議していきたいと思っています。
質疑応答:2021年10月期の増収増益の要因について
司会者:「2021年10月期の好調な増収増益の要因について、大まかに教えてください」といただいています。
長嶋:「不動産運用会社への1棟販売」「同業他社への卸売り販売」と記載していますが、2019年10月期までは不動産同業他社への卸売り販売がメインでした。
卸売りは、例えば当社がメーカーで商品を作り、日本全国の不動産会社に卸売りすると考えると、末端価格ではなく卸売価格になります。つまり、実際の末端価格は販売価格ではありません。当然ながら同業他社へ利益を渡すことになります。
実は、今期の計画は前提として同業他社への卸売販売を計画していますので、あくまでも卸売価格になります。2021年10月期はホールセールで不動産運用会社の1棟販売をメインにできました。1棟を購入した方々は利回りで購入するため、末端価格で販売できます。
そのため、利益水準が上がっていったことが大きな要因です。ただし、このようなオファーは今も続いていますので、来期もそのような傾向になるのではないかと考えています。
質疑応答:仕入で心がけていることについて
司会者:「物件の仕入に際して心がけていることはありますか? 当然利益が上がるかという部分も検討していると思いますが、どのようなことからその観点を見ているのでしょうか?」といただいています。
長嶋:東京23区の駅から徒歩10分以内が1つのポイントになります。なぜ徒歩10分圏内かと言いますと、我々はすべての商品を投資物件として販売していますので、まずは賃貸に必ず入居がつくかどうかがポイントになります。
東京23区の駅から徒歩10分圏内を中心とした仕入の実績は、2021年10月期第2四半期までで合計101棟になります。
この供給実績をご覧いただいた上で入居率をご覧ください。
司会者:99パーセントと高かったですよね。
長嶋:コロナ禍においても99パーセント台をキープしていますので、高い入居率が継続できています。リテールセールスの個人の投資家やホールセールの法人の投資家にとっても、入居率が高くなければ運用できません。
司会者:そうですね。
長嶋:ですから、まずこれがポイントになってきます。
司会者:99パーセントの入居率を維持するためには、まず徒歩10分というところが第一条件になるのですね。
質疑応答:リテールセールスの完売までの期間ついて
司会者:「リテールセールスにおける販売開始から完売までの期間はどれくらいでしょうか?」といただいています。
長嶋:基本的には半年くらいというイメージです。ただし、当社は売切を行いません。残り5部屋や3部屋になるとディスカウントするということは一切やらないのです。
当社としてはラインナップを増やしたいということが重点にあります。一般的な不動産会社は完売したら次の物件を売り出していくイメージですが、当社は例えば5部屋残っても1部屋残ってもダンピングは行いません。
その代わりにラインナップを揃えていますので、並行して5物件くらい用意している状態です。その中から、購入を検討しているお客さまのご要望あるいは資産の内容、投資状況に応じて「このような物件はいかがでしょうか?」とご紹介しています。
司会者:残るのはあまりよろしくないかもしれないですが、残ったことによっていろいろな場所や間取りを選べることがメリットということですね。
長嶋:そのとおりです。当社においては、建物ができあがったらすぐに販売開始ではありません。基本的には建物ができあがったらまずは賃貸付けということで入居者を入居させて、そこから販売を開始します。当社の場合、例えば5部屋が販売用不動産として残っていても、こちらはあくまでも売れ残りではありません。
東京23区は仕入がなかなか厳しいですから、同じ場所が仕入れられるかと考えると難しいため、当社としては貴重な商品として販売用不動産をとっておきたいというところです。その上で購入を希望するお客さまには一番よい条件で販売したいと考えています。
司会者:みなさま、たくさんのご質問をお寄せいただきましてありがとうございました。それでは最後に長嶋さま、みなさまに一言お願いします。
長嶋:2021年10月期は通期の予想かつ計画値を上方修正させていただきましたが、この予想についても確実に予算を達成していきたいと考えていますので、何卒今後とも株主のみなさまにご支援をいただきたいと思っています。本日はどうもありがとうございました。