2021年3月期第2四半期決算説明会

清水洋史氏:本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。リアルで開催させていただきます。時間が限られておりますので、なるべく私の話は簡潔にさせていただきたいと思います。

去る11月6日、決算発表を行いまして、昨日の終値が345円のダウンということで、私はじめ経営者一同、責任を感じているところでございます。この本件についてのいろんな説明につきまして、私の説明のあとエンゲージメントを行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。ということで、私の説明は原稿を作ってきましたので、原稿を読むかたちでなるべく簡潔に行いたいと思います。

2020年度 上期実績

売上高は1,726億円で、前年同期比では159億円の減収でございました。営業利益は73億円で20億円の減益、当期純利益は43億円で17億円の減益でございました。

コロナウイルスの拡大を受けまして、上期は営業利益で39億円の減益を織り込んで、55億円の見込みで計画をしておりましたけれども、計画比では18億円の上昇で営業利益は73億円となりました。

計画では、ブラマーの先物評価益は0と考えておりましたけれども、この上期ではプラス13億円の影響がございました。また上期は、ブラジルのハラルドは赤字でございましたけれども、レアル安が急速に進みましたので、通貨安で取込み損失が減少したことによりまして、プラス4億円でございました。従いまして、この2つの特別要因を除きますと、コロナの影響額はほぼ39億円ということになり、見込みどおりでございました。

地域別の営業利益につきましては、日本では前年同期比で80パーセントぐらいの水準でございましたけれども、海外ではブラマーの先物の影響が前年同期比でプラス30億円ありましたものですから、この30億円を除きますと、中国以外の各地、欧州、ブラジル、米国で、相当コロナウイルスの影響が大きかったと考えております。

2020年度 通期業績予想

では、5ページ目お願いします。期初公表時には、第1四半期はコロナウイルスの感染拡大の影響も大きく、第2四半期でそれが半減するだろうということで考えておりました。下期については「見通せないよ」ということがございまして、「コロナの影響を下期は見ないで考えよう」ということを当初の計画といたしておりました。

しかしながら世界の状況を見ますと、米国の拡大が止まらず、欧州では第2波によるロックダウンも出てきておりますし、日本も予断を許さないような状況になりつつあります。

このような状況下では、今年度末までコロナの影響が続くだろうということを鑑みまして、営業利益では193億円から28億円減の165億円、当期利益では115億円から15億円減の100億円と修正をさせていただきました。

中間配当・期末配当予想の修正

6ページをお願いします。同時に、配当につきましても、中間・期末合わせて58円の配当から52円へと、6円の減配をさせていただきたいと考えております。

昨日もPfizerがいいワクチンを作ったということがございましたけれども、コロナウイルスの影響は一過性だと考えております。利益水準は落ち込みますけれども、収束後には速やかに成長の復帰を考えていることから、中計でお約束をしておりました30パーセントから40パーセントの配当性向を、若干ですが上回るような配当を継続させていただきたいと考えております。

中計の最終年度でございますので、ステークホルダーのみなさまへのコミットメントが、達成できないということにつきましては、私はじめ経営陣一同が深い危機感を抱いておりまして、原因を明確にし、パンデミックによる危機を他社に先駆けてチャンスに変えるということで、不二製油のさらなる成長につなげていきたいと考えております。

2020年度 下期業績予想

次をお願いします。これまでご説明いたしましたとおり、上期は一過性の要因により計画を上回りましたけれども、コロナの影響はほぼ予定どおりで、下期はコロナの影響が継続するということを見通して計画を作っております。

下期につきまして、もう少し細かく説明をさせていただきます。東南アジアとか中国につきましては、下期のコロナの影響はないところまで回復するだろうということで、前年同期並みの営業利益となる見込みでございます。もちろんこの地域は、当初的にはもっと増やそうと考えたとこなんですが、これを前年同期並みにしております。

日本と米国、ブラジル、欧州につきましては、下期にコロナの影響を大きく見込んでいるところでございます。日本は前年同期の8割の利益水準となる見込みでございまして、12億円の減益となります。海外での影響額は11億円を見込んでおりまして、内訳は米国ではブラマーの2億円とフジベジタブルオイルの2億円で4億円、欧州の4億円、ブラジルの3億円となっております。

海外ではそれ以外に、先ほど言いましたけど、中国と東南アジアでは計画上、拡販を織り込んでおりましたので、これを断念した数字が12億円のマイナス、米国のブラマーでは新型コロナウイルスによる生産面での制約……これは人が出てこられないとか、消毒に時間がかかったなどにより生産コストの上昇がございまして6億円のマイナス、レアル安の影響でブラジルは3億円のマイナスというようなことでございます。

海外の下期の計画は、トータルで34億円のマイナスということでございます。下期の計画比は、日本と海外を合わせまして46億円のマイナスということになります。

コロナの影響は上期は39億円のマイナスと、下期は23億円のマイナスで合計62億円のマイナスを見込んでおります。

通期業績予想の165億円の営業利益は、コロナの影響で通常の7割というかたちになっておりますが、日本だけで見ると8割ということになっておりますので、これ以外の国、特に米国、欧州、ブラジルで大きく影響を受けていると考えております。

上期概況・下期計画

上期はパンデミックの影響が出ておりますけれども、不二グループでは全員一丸となって感染防止に取り組んでおりまして、各工場でクラスターが発生することなく過ごしました。ここの部分については、従業員のみなさまにもずいぶん感謝をしているところでございます。

また各社では、コロナに対して柔軟にビジネスへつなげている側面もございます。例えば中国のソフトウエアの開発をテレワークでやって、お客さまとつながっていって実績を上げているなどです。 経済の低迷で余儀なくされておりますが、人件費の抑制をはじめとして、上期では25億円の経費を削減をいたしました。下期には続けて15億円の削減を見込んでおります。

国内は外食産業と観光産業の不振を受けまして、売上減少が継続しております。やや回復しているという話もございますけれども、ここで北海道に第2波の影響が出ておりますので予断を許さないところでございます。

売上高は回復基調でございますけれども、昨年度は第4四半期に巣ごもり需要がございまして、これがマイナス要因になります。

一方で、健康・栄養への関心の高まりから、ソイプロテイン、プロテインがブームとなり、大豆たん白製品での需要が大きく伸びております。上期より千葉に新工場が稼働しておりまして、このトレンドをうまく捉えて拡販につなげていきたいと考えております。

海外は、米国、欧州、ブラジルで大きく落ち込んでおります。数量ベースでは回復傾向にございますけれども、欧米の感染者数の増加に歯止めがかからない上にロックダウンが出てきていることを考えますと、依然として厳しい状況が続いております。

その中でも、ブラジルでは油脂の技術を使いましたチョコレートフィリングが伸びておりまして、中長期的な事業拡大に向けた第2工場についても考えているところでございます。欧州では、中小メーカー向けのチョコレートが堅実に実績を伸ばしております。

米国でもブラマーのシュガーフリーチョコレートという機能性のチョコレートが着実に売上を伸ばしておりまして、好調に推移をしているところでございます。ただしブラマーでは、生産効率改善のために在庫を圧縮することを考えておりまして、一過性の在庫費用の費用化を織り込んでいるところでございます。

筋肉質な経営体制への変革

次、9ページをお願いします。ここからちょっと原稿ではなく私の話として聞いていただきたいと思うんですけれども、私は歴史観というのを大事にしてきました。私が社長をやる前の中計から、「日本の市場は限界があるよね」「特にBtoBという業態については、人口が増えていて経済が活性化していないと、なかなか利益が取れないよね」ということの中で「グローバル化をしよう」ということで、グローバル化を進めてまいりました。

グローバル化をしてきたんだけれども、「そのグローバル化のやり方が選択と集中ではないよね」ということで、「選択と集中」というのを今期の「Towards a Further Leap」でやりました。

「Towards a Further Leap」で、例えば「チョコレート用油脂とチョコレートに特化をしていこうね」ということをやったんですが、この動きが少し、私たちが考えている以上になかなか難しいということになっていたわけですけれども、そこでコロナが来ているわけですね。

手は打っておりまして、おそらくまず間違いなく回復をしていくと思っております。コロナによっていろんなことが起こっておりますけれども、その起こっていることを逆にチャンスにしてやっていくというふうな考え方でおります。

ここに書いてある内容と少し違うんですけれども、全体のトレンドとしては数年前から申し上げていますように、ESGの経営をやりますよということについて言いますと、「人のために働く」という当社のグループ憲法を持っておりますが、そういうかたちになってきております。

そのところをずっと具体的な利益として持っていくためには、プラントベースフードというものをしっかりと金にしていくということを考えております。

具体的にどういう計画でというところは今日はお話しする予定はございませんけれども、そういううちの本質みたいなところで勝負していくんだということを最後に申し上げまして、私からの説明は以上にさせていただきたいと思います。