業績概要
岩村康次氏:イオンモール株式会社の岩村でございます。本日はお忙しい中、弊社決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。
昨年4月開催の2020年2月期決算発表より、カンファレンスコールで説明会を実施してまいりましたが、今回より、オンライン説明会とさせていただきます。なお、説明会には海外の方々にもご参加いただいております。
今後の新型コロナウイルス感染状況にもよりますが、みなさまに広く当社の経営状況をご理解いただけるよう、今後は会場での説明会とオンラインのハイブリッド型説明会を検討してまいります。さっそくではございますが、2020年度第3四半期の決算概要について、ご説明させていただきます。
それでは、3ページをご覧ください。当第3四半期累計期間9ヶ月の業績は、営業収益、各利益とも計画を超過して推移いたしました。
特に営業費用は、第2四半期に引き続き、全面リニューアルしたイオンモールアプリのユーザビリティの向上によるモールごとの販売促進活動の強化と効率化、およびモールオペレーションや本社事業部門スタッフのWeb会議対応やテレワークの促進、経営のデジタル化の取り組みにより、全体的なコスト削減につながりました。
なお、通期業績予想につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大、および一部地域において緊急事態宣言の発令がなされており、今後の業績への影響が不透明であることから、据え置きとさせていただきます。
セグメント別営業利益(四半期別)
次のページをご覧ください。ご覧いただいておりますのは、四半期ごとのセグメント別営業利益の推移でございます。国内は、営業再開後の専門店売上の回復に伴い、第2四半期、第3四半期と営業利益の改善幅が拡大いたしました。
第1四半期は営業赤字であった中国事業も、専門店売上が回復基調にあることから、第2四半期、第3四半期と営業利益も改善が進んでおり、第3四半期の3ヶ月で増益達成となりました。
アセアン事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により第2四半期から影響を受けておりますが、ウイルス封じ込め対策が厳格なベトナムでは、足元の専門店売上は前年を上回るトレンドで推移しております。
セグメント別営業概況(中国)
セグメント別の営業概況について、ご説明いたします。海外事業は12月決算のため、第3四半期累計期間は1月から9月が該当しますが、足元の状況をご理解いただくために、第3四半期を中心に第4四半期にあたる10月から12月の営業状況も含めて、ご説明させていただきます。
中国におけるモールの営業状況推移は資料に記載のとおりでございます。中国では、いったん経済を止めて、徹底的に新型コロナウイルス感染症を封じ込めて経済活動再開に入ったことから、対策後は感染が発生しても小規模なものとなり、大きな感染拡大には至っておりません。
当社では4月1日に全21モールの専門店を営業再開し、安全・安心を第一に、当社モール主導でライブコマースのプラットフォームを立ち上げ、専門店におけるライブコマースの実施や、飲食専門店に対するデリバリーキャンペーンの実施、大型平面駐車場を活用した夜市開催等、消費行動の変容や政府による景気刺激施策に沿った営業を推し進めております。
政府指導により休業していたシネマも、7月20日より順次営業を再開し、8月初旬には全モールで営業を再開いたしました。これらの結果、第3四半期、7月から9月の3ヶ月の既存19モールの専門店売上は前期比94パーセントとなりました。
また、第4四半期におきましても、11月11日に開催される中国最大の電子商取引イベント、W11(ダブルイレブン)キャンペーンを皮切りに、年末年始に向けた特別キャンペーンや、中国で人気の専門店約30店舗によるライブコマース開催など、最新デジタルプロモーションを展開し、足元の売上は前年を超えるトレンドで回復しています。
セグメント別営業概況(アセアン)
続いて、アセアンの営業状況について、ご説明いたします。ベトナムでは7月下旬に新型コロナウイルス感染症が拡大したことから、一時的に各モールの来店客数・売上が落ち込み、第3四半期7月から9月の既存4モールの専門店売上は前期比86.7パーセントになりました。
しかしながら、政府の厳格なウイルス封じ込め対策により客足の戻りが早く、第4四半期は前年を超えるトレンドで推移いたしました。
12月の伸び率が鈍化している要因は、感染症で陽性となった海外からのお客さまが当社モールをご利用されたことで一時的に売上が落ち込んだことによるものですが、足元では回復基調にあります。
カンボジアでは、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微ですが、同国内に居住する外国人が帰国した影響があり、当第3四半期の3ヶ月における既存2モールの専門店売上は前期比85.4パーセント。
インドネシアにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う大規模社会制限が継続されていることから、既存2モールの来店客数は前年比で半減という厳しい状況が続いております。
セグメント別営業概況(国内)
次に、日本国内の営業状況について、ご説明いたします。ご覧の資料には、イオンリテールからのPM受託物件を除く直営の既存83モールの営業状況を記載しております。
国内では、5月28日に全モールの営業を再開し、新しい生活様式に合致したエンターテインメントとしてドライブインシアターやドライブインパブリックビューイング等を実施しました。
その他、6月に全面リニューアルしたイオンモールアプリを活用して、来店時間のピーク分散やアイドルタイムでの飲食利用など、お客さまの行動変容に合わせたサービス提供を行い、専門店事業をサポートしております。
月度別に見ますと、当第3四半期は9月度が昨年の消費税増税前の駆け込み需要の反動で前期比79.7パーセントとなりましたが、10月度は消費増税の反動で前期比103.3パーセント、11月度は中旬以降の新型コロナウイルス感染症第3波の影響もあり、前期比93.7パーセント となりました。
後ほどご説明いたしますが、ニューノーマルに対応した新たな営業施策に加え、シネマのヒット作品による集客効果や、8モールのリニューアルと2モールの増床リニューアル実施により、効果が出ていると考えております。
年末年始は12月度で感染拡大の影響を受けておりますが、年間見込みは足元の売上トレンドを折り込んでおります。
国内既存83モール 専門店売上前期比(業界比較・業種別)
ご覧の資料は、既存83モールの専門店売上の業界比較と、業種別売上の前期比推移でございます。業界比較は、SC業界・百貨店業界との比較ですが、9月度以降、当社の既存83の専門店売上はSC業界・百貨店業界を上回って推移しております。
業種別に見ますと、営業再開後は、大型専門店では家電や家具・インテリア、中小専門店では雑貨、ホビー、食品、アミューズメント、そしてシネマが好調に推移いたしました。
環境変化(ニューノーマル)への対応と経営方針
14ページをご覧ください。第2四半期決算説明会でもご説明申し上げましたが、当初は、「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」の運用において、モールごとに差異が見られました。
このため、私を含め役員全員が、お客さまのみならず、モールの管理運営に関わるスタッフのみなさまの安全・安心への対策徹底とともに、短期的・中長期的に対応すべき課題を把握するために、現地視察や従業員のみなさんの意見を聞き、スピード感をもって対策立案・実行に移すことで、ニューノーマルに迅速に適応すべく取り組みを続けてまいりました。
現場の状況をしっかり確認し、2018年4月に公表した2025年にめざす姿と、当期を初年とする中期3ヶ年計画での行動検証を行い、今後の取り組み方針と考え方についてまとめたものが、ご覧いただいております資料となります。
資料の左中段には消費者・お客さまの行動変容について、資料下段には「イオンモールは、地域とともに『暮らしの未来』をつくるLife Design Developerです。」との、当社の経営理念を記載しております。
新型コロナウイルスの世界的な流行により、生活様式・コミュニケーション方法・仕事・購買行動が大きく変わる中で、経営理念の具現化に向け、ローカライゼーションの視点とデジタルトランスフォーメーションの推進により、新型コロナウイルス感染症による環境変化に対応した、エリアごとに個性あるモールづくりを国内外で推し進めます。
ニューノーマルにおける施設環境づくり
それでは、取り組み状況について、ご説明させていただきます。次のページをご覧ください。イオングループでは、防疫が生活の一部となる社会の実現を目指して、多くの専門家の意見を聞き、監修を受けて、2020年6月に「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」を制定し、11月には飛沫感染防止対策を強化するなど、改定を行いました。
当社では、出入口へのAIによる検温機設置や、館内換気強化等とともに、換気量および来店客管理システムのデータに基づく入館制限基準を策定しておりますが、防疫対策の向上を目的として、従来のモール設計の見直しや新たな設備機器の導入を図り、お客さまへの安心・安全、そしてその先にある価値提供の実現に取り組んでいます。
当初は、イオングループおよび当社の厳格な基準に基づくモール専門店従業員の感染についての公表が、そのモールの業績に大きく影響しておりましたが、これらの取り組みに関して、今では地域のみなさまに当社の安全・安心の提供を徹底するという運営姿勢にご評価をいただくようになりました。
ニューノーマルにおけるモールづくり
ニューノーマルにおける消費行動の変容に対応したモールの管理・運営に取り組むとともに、感染防止対策を前提としたモール館内の環境改善やモールオペレーションの構築を推し進め、12月には埼玉県上尾市にコロナ禍での開業1号店となる「イオンモール上尾」をオープンいたしました。
「イオンモール上尾」は、当社の最新の防疫対策を高く評価いただき、世界的な新型コロナウイルス対策への評価である「WELL Health-Safety Rating」を国内商業施設として初めて取得いたしました。
当社では、防疫の取り組みの一環として、モール施設内での換気強化を図っており、当社の換気システムは効率的に換気を行い、常に新鮮な外気を館内に導入し、空気の循環を維持しています。
「イオンモール上尾」では、さらに館内すべての吹き抜けにサーキュレーターを設置しました。また、吹き抜け上部にはハイサイドライト窓を開放し、空気循環の強化を図っております。さらに、市との地域連携協定締結など地域密着に注力するとともに、随所にデジタル化の取り組みを行うなど、ニューノーマルにおけるモールづくりに取り組んでいます。
資料にも記載しておりますが、デジタル化の事例を紹介いたしますと、フロアガイドを配布する案内ロボットを導入しました。今後、館内の混雑状況を見ながら、休憩スペースへのドリンクなどの配送連携も計画中です。これは、カスタマーエクスペリエンス強化とコロナ感染リスクを減らすという観点から導入したものでございます。
また、紙ベースで展開していた「お客さまの声」の掲示板を、初めてデジタルサイネージに切り替えました。お客さまには、紙ではなく、備え付けのタブレットにご意見やご要望を書き込んでいただきます。
これまでは紙媒体であったため、一部での情報共有に留まっていたケースがございましたが、「お客さまの声」をデジタル化することにより、データとして全社で一元管理できるようになります。このデータを分析し、よりきめ細やかにモールの管理・運営に生かしていきたいと考えております。
また、施設の外壁に320インチの大型サイネージを導入し、さまざまな情報発信や季節に合わせた映像を流し、来店したお客さまに楽しんでいただけるよう、コンテンツも充実させています。この他、GMSでもデジタル化を進めております。
まだまだ満足できる状況ではございませんけれども、これらの取り組みから学び、改善を続け、さらに進化させ、今年開業する国内での新規4モールと、既存2モールの増床リニューアルにおいても展開してまいります。
また、ニューノーマルにおける新たなモールデザインコンセプトやサービス機能の高品質化にも取り組み、規模のみならず、運営レベルにおいても地域ナンバーワンモール戦略をさらに進めてまいります。
ニューノーマルにおける営業施策
ニューノーマルにおける営業施策の取り組みについて、ご説明いたします。新型コロナウイルス感染拡大によって余儀なくされた休校や在宅勤務、デバイスの通信環境の進化・向上もあいまって、ニューノーマルにおいては生活の大部分がオンラインとつながった状態となっております。
一方で、これまでは日常であったリアルの生活が非日常となったことで、これまでとは異なるリアル価値が見直されております。このような状況下においては、お客さまにいかにカスタマーエクスペリエンスを提供できるかということが、大きなビジネスチャンスを生み出します。
当社では、リアルとデジタルを組み合わせた施策を実施しており、足元の具体的な取り組みを資料に記載しておりますが、私は、デジタルによって利便性が向上するからこそ、人の個性が注目され、魅力的な人が働く拠点の重要性が増してくると考えております。
足元で、実証実験として取り組んでいるライブコマースにおいては、SNS上で影響力の大きいインフルエンサーを活用するのではなく、店で働いている専門店の店長や従業員の方々が出演しています。
お客さまに専門店スタッフのキャラクターを知っていただき、店舗に足を運んでいただく。そうして、接客を通じて顧客となっていただくきっかけをつくるチャネルとして位置付けております。当社は、これからもリアルとネットの融合による新たなチャネル拡大に取り組んでまいります。
そして、デジタルトランスフォーメーションにカスタマーエクスペリエンスという顧客体験のみならず、従業員のモチベーション向上に貢献する、エンプロイーエクスぺリエンスにも考慮し、取り組んでまいります。リアルの拠点の新たな価値創造を推進してまいりますので、注目をしてください。
地域No.1モール戦略の推進①
以上、ご説明しました施策に加えて、海外においても引き続き、地域No.1戦略を推進してまいります。地域のお客さまのニーズに合致した価値の提供が、モールの持続的な存続を可能とし、結果として、当社のサステナブルな経営が可能となります。
当社施設は、ショッピングモールという枠組みを超えて、モールに多機能複合を装備することで、地域にワンストップソリューションを提供できる施設づくりに取り組んでまいります。
機能強化の一例ですが、昨年12月7日に「イオンモール宇城」にて、宇城市役所の支所がまるごとモール内に移転し、開所いたしました。行政サービスセンターが当社モールに出店している事例はこれまでもありますが、支所のモールへの移転は全国初となります。
インドネシアにおきましては、11月17日、「イオンモール ジャカルタガーデンシティ」にジャカルタ特別州の行政機能であるワンストップ統合行政システムを誘致いたしました。今後、運転免許更新センターのオープンも予定しており、地域のお客さまの利便性向上に向けた機能拡充を図ってまいります。
地域と連携した営業の事例としては、「イオンモール松本」の取り組みを資料に記載しております。当社は、各モールがより地域に根ざした施設となるよう、今後もさまざまな施策を実施してまいります。
地域No.1モール戦略の推進②
当第3四半期累計期間におきまして、国内では8モールのリニューアルに加え、「イオンモール高崎」「イオンモール高知」の増床リニューアル、中国では6月に「イオンモール武漢金橋」のリニューアル、7月には「イオンモール武漢金銀潭」の増床リニューアルを実施いたしました。
これらの施設では、ニューノーマルに対応した施設機能、マーチャンダイジング構築に取り組むとともに、お客さま同士、専門店とお客さま、多世代交流を促すコミュニケーション創出機能も導入し、新たなモールづくりを進め、地域に新しい価値提供に取り組みました。
成⻑エリアへの新たなモール出店
次のページをご覧ください。海外では、10月にインドネシア3号店となる「イオンモール セントゥールシティ」が一部先行オープンし、12月にベトナム・ハイフォン市に、ベトナム6号店となる「イオンモール ハイフォンレチャン」をオープンいたしました。
本日は、イオンモール ハイフォンレチャンをご紹介させていただきます。「イオンモール ハイフォンレチャン」が位置するハイフォン市は、ハノイ市から東へ約100キロに位置し、ハノイ市、ホーチミン市に次ぐ人口を有するベトナム第3の中央直轄市です。大規模インフラ整備が進み、経済成長を実現してきましたが、これからはサービス産業の発展によりさらなる経済成長発展が期待されるエリアでございます。
「イオンモール ハイフォンレチャン」は、ハイフォン市最大かつ市街地に立地するモールで、専門店190のうち15店がベトナム初、90店がハイフォン初出店となります。ショッピング、食事、エンターテインメントなど、地域ニーズに対応したマーチャンダイジングに取り組み、特にフードコートは面積1,400平方メートルで、約1,300席の規模で展開しております。
また、キッズルーム、ベビーカー・車椅子の貸し出しなどのサービス、無線Wi-Fi、携帯電話と電動車両の充電ステーションなど、日本モールならではの設備を併設しております。年間来店客数は1,300万人を見込んでおりますが、開業1週間で54万人のお客さまに来店いただき、好調なスタートを切ることができました。
デジタルの取り組みとしましては、外壁に12.7メートル×7メートル、ライトハウスコートには9メートル×5メートルのデジタルスクリーンを設置したほか、タッチパネル方式の情報検索用サイネージ、100台以上のデジタルサイネージを導入し、館内マップ検索などのモールご利用に関する情報提供や、新型コロナウイルス感染症防疫にも活用しています。
また、実験段階ではございますが、AIカメラ等を設置し、来店客の性別・年代・車のナンバーなどのデータ分析にも取り組んでおります。
オープニングセレモニーには、駐ベトナム日本大使もご出席いただき、同店の開業にあたってハイフォン市の協力に感謝を述べていただきました。イオンモール ハイフォンレチャンの開発は、ハイフォン市とベトナム国政府との協力体制のもと、大変スムーズに進めることができました。
2017年3月にイオンモール ベトナムとハイフォン市とのはじめての会議を開催してから、同年9月に投資建設に関する覚書調印、2018年5月には起工式を実施し、昨年12月のオープンと、他の海外物件と比較して短期間で実現した物件となります。海外における出店促進に向けた取り組みとしては、政府との連携強化が重要なファクターとなります。
昨年10月には、ホーチミン市政府との間で、「ホーチミン市におけるショッピングモール開発に関する投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結いたしました。この包括覚書の概要は、ホーチミン市とイオンモールが相互協力を強化し、ショッピングモールの開発を推進し、市民に提供する商品・サービスの質の向上に貢献するものでございます。
同様に、2017年6月に「ハノイ市における投資及び事業推進に関する包括的覚書」を締結しており、2019年12月にオープンした「イオンモール ハドン」は相互協力にもとづき開発したものでございます。ホーチミン市、ハノイ市においても、さらなる出店に向けた相互協力体制を強化し、地域の活性化やお客さまへの新たなサービス創出に取り組んでまいります。
インドネシアでは、「イオンモール セントゥールシティ」において、所在するボゴール県との間で「地域活性化に関する連携協定書」を締結いたしました。本協定は、ボゴール県にお住まいの地域の方々の利便性向上や、地域の情報発信、コミュニティーの拠点となることを目的としたもので、双方の資源を有効に活用・連携することで、地域の活性化を推進していきます。
アセアンでは引き続き、ベトナムを最重要エリアとして出店を加速していきます。国際通貨基金(IMF)の予測では、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年の世界経済は4.4パーセントのマイナス成長に陥るとしています。
ですが、世界銀行が12月21日に発表したベトナムの経済状況に関する最新レポートでは、ベトナムの2020年のGDP成長率はプラス2.8パーセントとなり、中国とミャンマーと並んで、プラス成長を維持する東アジア3ヶ国の1つの国になると予測しています。さらに、2021年の成長率はプラス6.8パーセントへと大幅に改善すると予想しております。
このように、新型コロナの効果的な封じ込めのみならず、戦略的通商政策や経済振興策によりプラス成長を維持するベトナムは、ポジティブな評価を受けております。
当社では、2025年度にアセアン35モール体制を計画しておりますが、うち20モールをベトナムで計画しております。この実現に向けて、地域連携、地域事業パートナーの構築促進を進めてきましたが、現在はさらに、地域から出店を誘致される状況となり、着実に物件開発は進んでいます。
また、中国におきましても、当社のコロナ禍での運営姿勢が高く評価されておりますので、新規物件の探索・確保が進んでおります。
ESGの取り組み
第3四半期における環境保全、社会貢献活動の取り組みを記載しております。当社のESGへの取り組みは、これまで外部機関から高い評価をいただいております。
国際的な環境調査と情報開示を行う非営利団体のCDPにおいて、気候変動への戦略と対応が評価され、前回よりも高い評価を取得しました。また、GRESBリアルエステイト評価において、最高位となる「5スター」を獲得いたしました。
GRESBは欧州の年金基金を中心に2009年に創設され、日本を含む世界各国の機関投資家が参画しており、リアルエステイトの評価は不動産セクターの会社・ファンドのESGの取り組みに関するベンチマークとなります。
今後も、成長戦略とESGを結びつける取り組みを通じて、当社が創出する経済価値と社会的価値を最大化してまいります。
都市型ショッピングセンターの事業構造改革
2020年12月にリリースしましたとおり、都市型ショッピングセンター事業につきましては、当社グループにおける新たな事業体制にて、立地特性に応じて取り組みを推進し、施設の収益向上・効率化を図ってまいります。
具体的には、3月1日を効力発生日として、新OPAを設立いたします。新OPAは、ターミナル立地中心の都市型施設の管理・運営に特化し、経営リソースを集中することにより、新たな価値創造を図っていきます。
現OPAが保有するコミュニティー型施設、およびイオンモールの地域営業戦略を強化・効率化すべき都市型施設の一部は当社が吸収し、地域に展開するイオンモール施設との特性を考慮し、マーケットニーズ全体で応えるマーチャンダイジングの変革等を図り、物件によっては再開発実施により資産価値の最大化に取り組んでいきます。以上でご説明を終了させていただきます。ご清聴、ありがとうございました。