2020年度 第3四半期実績
多賀敬治氏:みなさんこんにちは、多賀でございます。本日はお忙しいところ、当社のカンファレンスコールにご参加いただきありがとうございます。昨年より決算説明会にカンパニー長が順番に参加することとさせていただいており、本日のカンファレンスには機能材料カンパニー長の髙井が出席しております。
それでは、2020年度第3四半期の決算を始めさせていただきます。2ページ目をご覧ください。2020年度第3四半期の業績は、当社の主力用途である自動車・電子デバイス・ディスプレイなどで需要回復が見られたものの、期累計では新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が低調となり、スライドでお示ししてあるとおり前年同期比で減収減益となりました。為替および原燃料の前提は資料の下部にお示ししてあるとおりです。
ビニルアセテートセグメントの概要
3ページ目をご覧ください。ここからはセグメント別に事業の状況を説明いたします。はじめはビニルアセテートセグメントです。ポバール樹脂は世界的な需要低迷により販売が減少しました。またそれに伴い生産調整を実施しました。
光学用ポバールフィルムは大型ディスプレイ向けを中心に需要が回復し、販売は堅調に推移しました。水溶性ポバールフィルムは引き続き個包装洗剤向けの販売が拡大しました。PVBフィルムは建築、自動車向けともに需要低迷が影響しました。
「エバール」は自動車生産台数減少の影響を受け、ガソリンタンク用途の販売量が減少しましたが、食品包材用途は巣ごもり消費の拡大などにより販売量が増加しました。以上により、第3四半期は前年同期比で減収減益となりました。なお、下期計画との比較では、第3四半期の売上・利益はともに上振れしております。
イソプレンセグメントの概要
次に4ページ目をお願いします。イソプレンセグメントですが、第3四半期は前年同期比で減収減益となりました。イソプレンではファインケミカル、「セプトン」ともに中国やアジアにおける需要低迷の影響を受けました。
「ジェネスタ」は、自動車用途では生産台数減少が影響しましたが、電気・電子デバイス用途向けの販売は堅調に推移しました。当セグメントの第3四半期は、売上は概ね計画どおりとなったものの、利益は鹿島事業所の定修期間が伸びたことで低操業となったため、計画対比で下振れしております。
機能材料セグメントの概要
5ページ目をご覧ください。機能材料セグメントの第3四半期実績は前年同期比で減収減益となりました。メタクリルは飛沫飛散防止用仕切板やディスプレイ向けの販売が増えましたが、事業全体では原料高と市況悪化の影響を受けて低調となりました。
メディカルは歯科材料で感染蔓延により休業する歯科医が増えた結果、当初は欧米において苦戦しましたが、その後歯科医の診療再開により需要は回復基調にあります。
カルゴン・カーボンはコロナ禍においても生活を支える製品として堅調に推移しました。炭素材料も水処理用途の需要が増え、販売が拡大しました。なお、カルゴン・カーボン米国工場での高機能活性炭設備、ベルギー工場での再生炭設備の増強を決定いたしました。当セグメントの第3四半期の業績は下期計画に対して上振れしております。
繊維セグメントの概要
次に6ページ目をご覧ください。繊維セグメントですが、第3四半期は前年同期比で減収減益となりました。「クラリーノ」はアジア及び欧州での需要減退に伴い、販売量が減少しました。ビニロンは需要の低迷でセメント補強向け、ゴム資材向けともに販売量が減少しました。
生活資材はマスク用途の販売は増えたものの、コスメティックス用途や自動車用途の需要が低迷しました。当セグメントにおける第3四半期の実績は、売上は計画対比で下振れしております。利益はすでに下期計画を上回っておりますが、第4四半期に予定している岡山事業所の定修の影響を考慮すれば、概ね計画どおりの推移となっております。
セグメント別売上高・営業利益
7ページ目をご覧ください。このスライドは各セグメントの第3四半期の実績を前年同期と比較したものです。参考までにご覧ください。
20年度3Q営業利益増減分析
次に8ページ目をお願いします。このスライドは2020年第3四半期と2019年第4四半期の営業利益の差、98億円の減少要因を示したものです。数量・操業度は水溶性ポバールフィルム・ジェネスタなどの販売が堅調に推移した一方、ポバール樹脂、PVB、エラストマー、ビニロンなどの販売量減少とそれに伴う生産調整により125億円の減益要因となりました。
交易条件は為替で円がドル・ユーロに対し円高に進んだため減益に働きましたが、原燃料コスト安のメリットを受け、トータルでは15億円の増益となりました。経費・その他は減価償却費が増加したのに対し、経費が減ったため12億円の増益要因となりました。以上によりトータルで98億円の減益となりました。
貸借対照表①(資産の部)
次に9ページ目をご覧ください。このスライドでは貸借対照表の資産の部を2019年12月末と比較してお示ししております。流動資産は904億円の増加となりました。これは棚卸資産が減少したものの、手元資金を厚くするために長期借入金を増やしたことやコマーシャルペーパー、社債を発行したことなどにより、現金及び預金が約1,300億円増加したためです。固定資産は65億円の減少となりました。以上により資産合計は839億円増加しました。
貸借対照表②(負債・純資産の部)
次に10ページ目をご覧ください。このスライドは貸借対照表の負債・純資産の部を示しております。流動資産はコマーシャルペーパー発行などによる増加に対して、未払費用などが減少し35億円の減少となりました。
固定負債が979億円増加したのは、主として資産の部で説明しましたとおり、長期借入の増加と社債の発行によるものです。純資産は主に為替換算調整勘定の減少により105億円の減少となりました。以上により、2020年第3四半期の自己資本比率は、第2四半期末と同じく47.7パーセントとなり、2019年度と比較しますと5.3パーセントの減少となります。
2020年度 通期業績予想
次に11ページ目をご覧ください。こちらでは2020年度通期の業績予想についてご説明します。第3四半期に入って一部の主力用途で需要の回復が見られ、ビニルアセテートと機能材料セグメントにおいて前回の業績予想を上回る進捗となっていることなどを踏まえて、スライドにお示ししたとおり通期業績の修正をいたします。
前回の予想と比較しますと、売上高は100億円増の5,200億円、営業利益は70億円増の400億円、経常利益は60億円増の350億円、当期純利益は20億円増の150億円となります。なお通期の為替、原燃料価格の想定はお示ししているとおりでございます。
【ご参考】セグメント別売上高・営業利益の前回予想比較
12ページ目をお願いします。今回予想のセグメント別の売上高と営業利益を前回予想と比較しております。
【ご参考】セグメント別売上高・営業利益の前年実績比較
次に13ページ目をお願いします。今回予想のセグメント別の売上高と営業利益を前年同期と比較しております。
【ご参考】セグメント別売上高予想の前年比較
次に14ページ目をご覧ください。2020年度第3四半期の売上高および今回予想の通期の売上高をセグメント別に前年度実績と比較しております。
【ご参考】セグメント別営業利益予想の前年比較
最後に15ページ目をご覧ください。2020年度第3四半期の営業利益および今回予想の通期の営業利益をセグメント別に前年度実績と比較しております。以上で説明を終わります。ありがとうございました。