2020年 第1四半期ハイライト

森雅彦氏:みなさまこんにちは。DMG森精機株式会社の森雅彦でございます。本来であれば5月上旬に発表する予定でしたが、新型コロナウイルス関連の影響により大変遅くなりました。営業の状況等を見極めた上で、とくに予測に関して確実な数字の発表を行ないたいと思い、本日発表させていただくことになりました。

まず第1四半期の決算概要をご説明します。全社受注は783億円となりました。前年同月⽐マイナス34.3パーセントとなっています。すでに工作機械はピーク時から約20ヶ月減少してきていますので、この34.3パーセントはピーク時と比べても相当な減少になっています。確実に言えるのは、今が「底」であるということです。

一方、今回の需要減に関して、1つ強く決めていることがあります。それは1台の粗利益をきちんと確保していくことです。このような時期だからこそ、決して安売りには走りません。したがって、1台当たりの受注⾦額は前年度⽐8パーセント増になっています。当然、単なる値引きを止めただけではこの数字を達成できませんので、5軸化、複合化、自動化をお客さまに提案し、それをしっかりと受け止めていただくことで1台当たりの受注⾦額の増加になっています。

あとでまたお話ししますが、今期の売上は、とくに第2四半期等は大変厳しい状況になりますので、損益分岐点を引き下げています。当初、昨年ベースで3,500億円ぐらいで考えていたものを、3,100億円から3,200億円程度への低下にチャレンジしています。

当然、私自身の給与カットをはじめ、社員一同で耐えしのぎます。賃金を平均10パーセント程度下げることによって、連結ベースで百数十億円のコストカットを行ないます。見本市等がなくなりましたので、それによるマーケティングのコストカットも数十億円になりますし、さまざまな固定費変動費の削減を行なっているところです。 また、クレジットラインを拡充し、銀行の協力も得て、今の時点で3,404億円程度となっています。

在宅の追い風もあり、デジタル化が全世界で進んでいます。お客さま向けのオンラインセミナーを拡充し、社員向けの教育指南も徹底的に対応しています。また、来月初めにオープンします、4K画像による完璧なデジタルショールームを準備中です。みなさまにアナウンスしますので、ぜひデジタルショールームにご訪問ください。東京および伊賀のショールームのソリューションセンターの展示機60数台を、完璧なデジタルツインでみなさまにお見せすることができます。

また、私どもが今悩んでいるのは、出荷した複数台の自動化のラインに関して、最後に熟練のエンジニアが現地を訪問してファインチューニングをするのですが、海外の渡航制限により、その立ち会いができていないことです。そのあたりが第2四半期の売上減にもつながっており、最後の立ち会い時の研修時金がいただけませんので、クレジットラインの拡充にもなっているわけです。

今まで工場出荷前の立ち会いで海外から日本にお客さまが来られていたのを、マイクロソフトのTeams等をうまく利用し、双方向の画像交換で立ち会うことで、日本のお客さま向け、米国のお客さま向け、ドイツの機械を日本のお客さまに持ってくるパターン、日本の機械をイギリスのお客さまに持っていくパターンなど十数件行ない、非常にうまく開始することができています。

決算概要

決算概要です。まず第1四半期の受注は先ほどお伝えしたとおりです。売上873億円、営業利益33億円、営業利益率3.8パーセントとなっています。税引前利益は13億円です。

通期の予想ですが、もともと受注で4,200億円、売上で4,000億円、営業利益で200億円としていましたが、5月28日時点では、売上で3,200億円から3,400億円と幅を持たせています。当然、3,200億円から3,400億円より上を目指して努力しています。営業利益は50億円から100億円としたいと思います。

現時点ではとくにEU、米州、中国、東南アジアなどの当社の主要事業地域においてビジネス上の渡航制限が行なわれていますが、ドイツでは、6月15日ぐらいから入国を解禁することが報告されています。ですが、仮にドイツに行ったとしても、日本に帰ってきて入国できるのかどうかという心配があります。早く日本政府のガイドラインを出していただきたいと思います。

それを前提に、最低限先ほどの数字は出して上積みしていきたいと考えています。設備投資等はやや減らしますが、150億円レベルは保ちます。償却費等も230億円ありますので、キャッシュフローに関してはポジティブにキープしていきたいと思っています。

四半期業績推移

業績の推移のグラフです。受注残もあり、第1四半期まではご覧のとおりですが、第2四半期は700数十億円になり、営業利益はトントンか、ややプラスになっています。第2四半期、第3四半期の受注で12月末までの売上に注力して対応していきたいと考えています。

営業利益増減分析 –2019年度Q1 vs 2020年度Q1

増減分析です。昨年の第1四半期は104億円でしたが、2020年度第1四半期は、粗利益の改善でプラス9億円、人件費削減でプラス29億円となりました。また、先ほど言いましたデジタル立ち会いや会社の部品表の制度化、デジタルツインなどで、デジタルイノベーションはプラス5億円となりました。数量減がマイナス109億円、減価償却で昨年の分が増えてマイナス5億円となっています。

キャッシュフロー

キャッシュフローに関しては、去年のフリーキャッシュフローは201億円プラスでしたが、第1四半期はマイナス6億円です。営業キャッシュフローはプラス25億円ですが、投資キャッシュフローにおいて、昨年購入したものへの投資等でマイナス31億円となっています。

貸借対照表サマリー

貸借対照表サマリーです。全体としてはスリムなバランスシートを目指して5,053億円となっており、健全化に向かっています。このコロナ禍でヘッジファンドが売り出しましたAG株の買い入れ等もあります。そのあたりの債務等はこの期では出ていませんが、第2四半期も含め、あらかじめAG側で決算発表も行なわれています。いずれにしても、5,000億円レベルでの総資産をキープし、しっかりと株主資本比率を上げて健全な方向に持っていきたいと考えています。

地域別受注構成(連結受注)

地域別受注構成です。2018年の第1四半期をピークに下がってきています。新型コロナウイルスがなければ、申し上げたとおり第1四半期で反転する予定でしたが、先が見えなくなっているところです。

例えば、第2四半期に中国で受注が急速に回復していますが、工作機械は全世界のGDPの0.1パーセントぐらいでしかありません。全世界のGDPは5,000兆円から6,000兆円ですが、そのうちのせいぜい5兆円から6兆円ぐらいが工作機械の投資であり、周辺機器等を含めても工場設備は10兆円から20兆円です。その中で売上高4,000億円から5,000億円の当社にとっては、まだまだ活躍する場所であり、池の大きさは十分大きいです。

また、今後ますます工場を動かし続けるためには、社会活動全体の基礎代謝が必要です。5,000兆円から6,000兆円のうちの約半分ぐらいは人類が何もしなくても必要とされる部分です。その中に、必要な物資を作るための生産設備、少しラグジュアリーな投資や消費を除いた全体のGDPもあると思われますので、そこでの設備投資等が必要になってきます。

今回はおそらく世界全体の回復とは違う動きで工作機械の投資が行なわれると思います。コロナ禍で3密を避けた生産の中で、自動化とデジタル化がかなり進みます。旧来の、ハンドリングを人に頼った生産が成り立たなくなってきますので、そのような投資が夏以降に出てくると考えています。

DMG MORI 四半期連結機械受注

半期ごとの数字ではご覧のとおりであり、確実に言えるのは3月、4月、5月がボトムであったということです。ボトムであっても「0」になることはありません。そのような中でも毎月300台前後の機械をお客さまが世界中で買ってくださっており、基礎代謝の部分が確認できました。

1台あたりの機械受注単価推移

1台あたりの単価の受注ですが、ユーロドルで見ても円建てで見ても上がってきています。何度もお伝えしていますが、大きな変革が起こっており、5軸化、複合化し、旋盤とマシニングセンタ、研削盤が一緒になります。また、計測も一緒になります。削って加工して計測する過程、そして自動化が一挙に進んできています。

デジタル化はそのバックボーンになっており、デジタルツインで精密に計画した機械および設備が実際に使われています。専用機や複数台の機械が、同時5軸もしくは複合化された機械に大きく変わっていきます。

受注構成

業種別では自動車・二輪の割合がずいぶん減り、いわゆる一般的な機械が増加しています。マスク1つ作るにしても不織布の機械、繊維機械、縫製の機械、パッキング機械等が必要であり、それに部品を供給しているSMEsは中小企業のものが大変多いです。

半導体はますます忙しくなってきており、私どものマグネスケールは今年は過去最高利益を出すということで、とくに半導体の上流工程で活発な投資が行なわれています。

航空・宇宙は、とくに宇宙関係で非常に忙しいです。やはり3月、4月、5月以降で急速に航空の世界の風景が変わりましたので、4月、5月の決算発表ではもう少し航空・宇宙の分が減ってくると考えています。一方で、今ある機械のエンジンを動かし続ける意味においては、部品のリプレイスメントの需要に対する保守・メンテナンス用等の引き合いはまだ活発に続いています。

規模はご覧のようになっています。私どものお客さまの多くが500名以下の事業所であり、100名以下の事業所も66パーセントとなっています。このようなお客さまへのサービス、全世界へのダイレクトな販売とサービス、改善改良のアプリケーション加工技術の提供が一番重要なミッションです。

先ほどからお伝えしていますが、機種においてシンプルな機械はほとんどなくなり、5軸、複合機の世界になってきています。この分野でのコンペティターは、全世界で大変少ない分野であり、これに自動化を合わせることで無駄な価格競争を避け、きちんとお客さまと対話をしながら売っていくことが明確になってくると思います。

需要概況 (地域別、業種別)

需要概況についてです。当社の数字に基づいた私の主観的なものではありますが、地域的に日本は非常に悪いわけではありません。日本や欧州、アジアは弱く、米州と中国はそこそこというかたちです。

業種に関して、機械関係は、医療や綺麗な水、綺麗な空気、繊維関係、新しい作り方等でそこそこですが、自動車は非常に悪いです。そのような新しい分野に取り組んでいる中小企業はそこそよいと思います。航空機はダウンしてきており、さらにもう一段階ダウンするかもしれません。

金型は電気関係や小さなプラスチック、新しいモビリティなどで非常に忙しくなってきています。エレクトロニクスも需要が非常に高まっています。エネルギーは、航空機と自動車のモビリティが減っているということで、新型コロナウイルスとは関係なく価格が下がっています。医療は大変忙しくなっており、建機はそこそこです。

損益分岐点引き下げ

我々の行なっている経営施策をご説明します。まず損益分岐点の引き下げです。粗利益改善で30億円、人件費で130億円、デジタルイノベーションで30億円、その他で10億円の合計約200億円で損益分岐点を下げようと考えています。

豊富な資⾦⼿当て

必要な資⾦の⼿当てです。現⾦残高は4月末で193億円です。クレジットラインは3,404億円、借入実⾏額は822億円ですので、現在2,775億円の余⼒があります。引き下げた人件費は年間1,200億円ですので、何もなければ1,200億円のプラスアルファであり、十分な金額であると考えています。

新型コロナウイルス(COVID–19)感染拡大にともなう勤務状況–販売・エンジニア・サービス

新型コロナウイルス感染拡大にともなう勤務状況です。まず販売・エンジニアリング・サービス部門についてご説明します。お客さま目線で一番重要な稼働率は、ドイツでは在宅がだいぶ減り、実際に出勤している方が56パーセントとなっています。有給などは積極的に取ってもらい、32パーセントぐらいになります。

東京に関しては、現時点で74パーセントが出勤しており、在宅が25パーセント、有給が1パーセントとなっています。4月上旬はみなさまに有給を取ってもらって「ステイホーム」しており、出勤は44パーセントに減っていました。

アジアに関しては、現在、出勤が68パーセント、在宅が28パーセント、有給が9パーセントです。ヨーロッパ・アフリカ・中近東等は、現在60数パーセントの社員が出勤しています。中国は一番回復が早く、95パーセントが出勤しています。アメリカはまだ在宅が多く、実際に訪問できているのは29パーセントです。

新型コロナウイルス(COVID–19)感染拡大にともなう勤務状況–生産拠点

生産拠点に関しては、ドイツにおいて82パーセントが回復して出勤しています。日本は現時点で100パーセントです。イタリア、ポーランド、ロシアの工場に関しては、70パーセント弱の出勤になっています。天津工場は92パーセント、アメリカのカリフォルニアのデービス工場は73パーセントの出勤となっています。

在宅勤務・テレビ会議システムの活⽤

在宅勤務・テレビ会議システムの活用についてです。私どもはもともとハンコレスであり、20年にわたってほとんどの書類のデジタル化を行なっています。私自身も含めてテレビ会議の方が多いわけですが、それをさらに家庭用に拡充しています。

また、公共交通機関での出社は禁止しています。地方出身者は社宅に入っていますし、遠くに住んでいる社員も車での通勤を可能としています。6月からは歩いて出勤する社員や自転車で出勤する社員に、カーボンフットプリント削減のインセンティブで、月に数千円の通勤手当を出し、モチベーションをさらに高めていきたいと考えています。

社員向けの動画をたくさん作っています。お客さまのオペレーションの教育向けにもなりますので、今後も専門の部署を作ってデジタルツインの技術でユニークなものを作っていきたいと考えています。

デジタルツイン

例えば、デジタルツインでご覧のような画像を作っています。すべてソリッドモデルの3Dで設計していますので、ここでご覧の画像はすべてアニメーションです。実写ではありません。このレベルのものはすでに作れますので、こちらと実物とマニュアルの技術を組み合わせ、臨場感のあるものを作っていこうと考えています。

今開発部門の中でここに配属する方を10人単位で編成し直しています。当然、最終的には現場現物になるわけですが、お客さまとのディスカッションや社員教育等もデジタルツイン技術を使って推進していきたいと考えています。

NTTコミュニケーションズとの5G連携

5Gに関しては、まずはNTTコミュニケーションズとローカル5Gを連携し、工場内の自動運転を行ないます。世間にはたくさんのAGVがあるのですが、工場の床が相当きれいではないと動かないAGVになっています。しかし、実際の工場の現場はさまざまな鉄板が敷かれていたり、線があったりするため、そこを乗り越えていけるロバストなAGVを社内で作りました。途中、前で人が動くと止まるようになっていますが、これはMITのスタートアップを買収し、レーザーで周辺の状況を認識しながら人工知能を用いて動く仕組みです。

また、ローカル5GはWi–Fiに代わる素晴らしい高密度な仕組みであると考え、工場内での通信をすべて置き換えていきたいと考えているところです。

KDDIとの5G連携

KDDIとは今後パブリック5Gを使っていきます。切屑を自動で認識して、可動式の噴霧装置を使い、人がいなくても自動で切屑を排除できる仕組みです。これにはたくさんのデータを集めなければなりません。ローカルで解決してても機械ごとに作業してても、データが集まるスピードには限りがありますので、KDDIのパブリック5Gを使ってマイクロソフトのアジュールにいき、我々が作っているAIのエンジンに場数を踏ませてさらに賢くさせ、それに基づいてさらに返していきます。お互いに機械がいろいろな経験を共有し合うことで、さらに賢い解決を行なうという実験をしています。

TULIPによるデジタル化トレーニング

TULIPというMITのスタートアップに出資し、現場のさまざまなプラットフォーム、デジタルトレーニングということで、屋台や看板を使いやすいかたちで現場に実装することができる仕組みをプロモーションしています。

my DMG MORI

「my DMG MORI」ポータルという、いわゆるお客さまの過去の機械のマニュアルや部品表において、銀行の口座や証券の口座と同じように、我々の機械の口座を作り、それを通じて、もれや遅滞なくお客さまとデジタルに、ロバストにつながる仕組みを作り上げました。

現在、欧州で約1万件、日本で約6,000件入っており、すべてのお客さまに繋ごうとしています。過去に買っていただいた機械のすべてのマニュアルが「my DMG MORI」に入っています。昔買った機械のデータもすべて入っていますし、修理履歴もすべて入ってます。かかったお金もすべてお見せしています。

また、サービスセンターへの24時間365日のコミュニケーションも、今は電話で対応していますが、すべてデジタル化することももれなく進んでいます。さらにオペレーターへの教育、動画の配信、お得感として日刊工業新聞の電子版や月間生産財マーケティングの電子版を無料で購読いただくことも行なっています。今後もこのような「dマガジン」的なものをお客さまとの窓口にしていきたいと考えています。

テクノロジーフライデー (6月〜12月)

今まで年に1回から2回、お客さまを1万人単位でお呼びし、大規模に工場のオープンハウスを開催していましたが、3密を避けつつ、お客さまにしっかりとフォーカスした展示会を行ないたいと思い、展示会や展示の規模はそのままキープしています。

主に毎週金曜日ですが、各回30人以内で週に数回展示会を開催し、我々のリムジンバスで名古屋駅や大阪駅、京都駅、東京駅にお迎えし、5軸・複合化、⾃動化、デジタル化に関するプレゼンテーションをしっかりと行なっていきたいと考えています。

工作機械のデジタル⽴ち会い

デジタル⽴ち会いについてです。立ち会いのイメージとしてはご覧のようになります。今まで海外のお客さまはせいぜい3名から4名しか来られませんでしたが、今回のイギリスのお客さまとの案件では、イギリスのお客さま十数名が、関係する部署がある自宅から立ち会われ、2日間ですべての課題をほぼ網羅し、残りは出荷して据え付けるだけとなっています。

すべてのお客さまの加工も保全も、経営者全員が立ち会うことができました。従来の立ち会いよりも良くなったのではないかと思います。実物に触れられないという難点もありますが、今までは時間がなくてすべて参加できなかったのが、みなさまが参加できるようになったということで、お客さまにおいても「このような設備が入ってきます」という共有が非常に進んだと思います。デジタルならではの利点を生かして、今後お客さまへの満足度を高め、納入後の細かい微調整を減らし、効率化を図っていきたいと考えています。

デジタルショールーム

デジタルショールームです。最後のファインチューニングを行なっていますので、これは別途大々的にみなさまへご紹介したいと思います。

DMG森精機 デジタルアカデミー

デジタルアカデミーです。大学等もかなりデジタル教育に触れてきていますが、DMG森は、すべての素材をもともとデジタルで設計していましたので、お客さまや学生にわかりやすいかたちで続けていきたいと考えています。

さまざまな教材を作っていますが、社員向けの教育教材はほとんどすべてオペレーターへの教材にも使えます。1つの教材を作れば一挙両得ですので、猛烈に推進しているところです。

デジタルアカデミーの画面イメージ

ログインから受講開始までわずか2クリックです。ナビゲーターが出てきて、機種を選びます。当然クイズ形式のものやテスト形式のものも行なっています。

オンラインセミナー<Webinars>

オンラインセミナーについてです。今まではインドネシアのお客さまも英語バージョンで行なってましたが、現在はインドネシアのオペレーター向けに、現地のインドネシア語で、さまざまなセミナーを開催しています。全世界に社員がいますので、インドネシア語でもポルトガル語でもルーマニア語でも全部できるように、直販直エンジニアリングの利点を生かし、40数ヶ国の言語をもって対応していきたいと考えています。

Additive Manufacturing 自社の⾼精度機械部品へ展開

Additive Manufacturingです。いくつか、新型コロナウイルスによって医療関係で使われています。まずお見せできるものとしては、自社のAdditive機で作れなかったかたちの、私どもの機械に組み込むノズルが多いです。流体が非常に滑らかなものを作るにはAdditive Manufacturingが大変有効であり、空気や液体をハンドリングする世界で大変重用されています。

ULTRASONIC 半導体業界向け需要増

半導体関係も大変忙しいです。ULTRASONICの超音波加工によって、新素材の高効率加工ができています。ガラスやセラミックなどの素材が増えてきており、モノでモノを削っていきますので、表面に材料がくっついてくるわけですが、それを超音波で振らすことによって除去しながら加工していくため、加工されて仕上がった表面が大変綺麗になります。

ニコンとのアライアンスを当社計測技術に活⽤

次にニコンとのアライアンスです。私どもでニコンのレーザー金属3Dプリンター「Lasermeister」を販売します。ニコンは非接触のレーザースキャナーやレーザーで見たり実際の可視光線で見たりする「計測の目」をたくさん持っています。これを私どもの機械に実装していきます。

お客さまは、今まで専用の計測機を何千万円、何億円とかけていたのが、ハードウェアで500万円、ソフトウェアで500万円から1,000万円ぐらいの投資で同等以上の計測ができますので、お客さまにとっても我々にとってもよいものになります。そのような環境をニコンと作っていきたいと思います。

また、ニコン製のレーザー金属3Dプリンターは我々の作っている機械より一回り小さくて精密ですので、部品の棲み分けができます。

兵庫県と連携協⼒協定締結

学校や自治体と協力関係を構築しています。三重県、奈良県とはすでに緊密な関係を作っていますが、兵庫県とも連携協定を締結しました。兵庫県は「ものづくり大学校」に非常に熱心です。そこに我々の定番の機械を2台お貸しし、ニッチでも非常に進んだ地元の会社や先生方と、5軸加工や最先端のデジタル化に一緒に取り組み、裾野を広げていきたいと考えています。

以上で、第1四半期決算の発表と第2四半期の状況のご説明を終わります。今日お伝えした数字は最大限の目標として、できるだけ早期に回復し、お客さまと一緒にさらに新しいものづくりの世界を作っていきたいと思います。みなさまも健康に気を付けられて、また3ヶ月後にお会いできることを楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。