Day2 決算説明会のオンライン化の成功事例

中安祐貴氏(以下、中安):みなさまこんにちは。「みんなの説明会×ログミーFinance」の共催ウェビナー「Day2」を始めます。私、株式会社みんせつの中安と申します。

最初に企画をご説明します。昨今の新型コロナウイルスの影響を受けて、多くの決算説明会が中止または延期になっています。投資家さまになかなか伝えられない状況が続いているかと思います。

その中でオンライン説明会に移行して、従来よりも多くの投資家にリーチできるようになり、ピンチをチャンスに変えた企業も存在します。さらに、オンラインが定着したアフターコロナの世界を見据えたアクションが求められているのではないでしょうか。

先週の「Day1」では、機関投資家AXA Investment Managersの齋藤さまをお招きし、「機関投資家やアナリストは決算説明会のオンライン化を求めているのか?」についてご説明いただきました。

本日はその続編として、実際にオンラインツールを活用した上場企業のIR担当者の方にご登壇いただきます。まず、前半は株式会社TSIホールディングスの山田さまをお招きしてお話をおうかがいし、後半は「Zoom」のQ&A機能を利用した質問を山田さまにお答えいただければと考えています。

まだまだ不慣れなところがあるかと思すが、今後みなさまがオンライン化していく上での反面教師にしていただければと思います。それでは、山田さま、秋元さま、よろしくお願いします。

秋元洋平氏(以下、秋元):よろしくお願いします。

山田耕平氏(以下、山田):よろしくお願いします。

秋元:今、参加者の方が260人を超えています。

山田:そんなにいらっしゃるのですね。

秋元:実際に会場を借りて開催すると、おそらく100万円を超えてくる規模になりますので、すごく便利な世の中になったなと感じます。

アジェンダ

秋元:今日の流れを簡単にご説明します。アジェンダとしてはスライドにあるような内容となっています。まず、「決算説明会のオンライン化の決定」ということで、どういう意思決定をされたのか、開催までにどういったことをされたのか、今後このようなことを続けていく中ではどうなのかをお聞きしたあとに、質疑応答に移れればと思っています。よろしくお願いします。では、山田さま、簡単に自己紹介をお願いいたします。

本日の登壇者のご紹介

TSIホールディングスが発足したのは2011年からですが、もとのサンエー・インターナショナルに2002年に入社して、広報・IRが中心で今に至るようなかたちです。

秋元:ではもう20年以上IR関係のお仕事をされているのですか?

山田:そうですね。

秋元:その中で、今回の新型コロナウイルスの変化は今までにない変化だと思いますので、そのあたりも後どお話を聞かせていただければなと思います。

私は今回ファシリテーターを務めます、ログミー株式会社でログミーFinanceの事業部長をさせていただいています秋元と申します。よろしくお願いいたします。

QAタイムの参加方法

秋元:今日は「Zoom」ウェビナーのQ&Aの機能を使って質疑応答とします。セッション中でも何かご質問などありましたら、Q&Aボタンからテキストを入力していただければと思います。後ほどまとめてご回答しますので、ぜひご記入お願いいたします。

【1.決算説明会のオンライン化】決定までのプロセス

秋元:まず「決算説明会のオンライン化の決定」ということですが、新型コロナウイルスがちょうど日本に入ってきて、一番騒いでいるときだったと思います。そのような状況の中でオンラインを決定するまでに、どんなことがあったのかをお聞きしたいと思います。

参考:2020/03 決算説明会の開催状況

秋元:みんせつさまから参考資料をいただいてるのですが、決算説明会が開催された3月頃は、実施ベースで中止が50パーセント以上、会場で実施が20パーセントに満たないくらいでした。ライブ配信は7パーセントの状況で、かなり勇気ある決断だったと思います。このあたりのお話をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

2.開催方法の選定

山田:当社は2月決算ですので、4月の半ばぐらいに決算説明会を開催します。1ヶ月前の3月ぐらいにご案内を出すのが通常のフローなのですが、3月ぐらいだと、人を集めるのがどうなのか、これから新型コロナウイルスがどうなるのかなど、非常に不透明な状況でした。当社も最初はリアルの会場で開催することを決め、「何かあった場合は変更するかもしれません」と案内を出して、みなさまに通知するのがよいのかなと思い、3月4日ぐらいに案内状を出すところからスタートしました。

秋元:実際にオンラインに切り替えられたのはいつ頃だったのですか。

山田:切り替えたのは、3月25日に都知事が感染爆発の重要局面というメッセージを出されて、社内でもグループ方針として会議やミーティングは極力避けるようにという通達が流れたときです。社内ですら集まることができませんので、お客さまをお呼びすることはできないということで、その週ぐらいに、リアル以外で開催する一番よいやり方を模索しはじめたかたちです。

秋元:オンライン化を決定される際に、社長や担当役員の方はどのような反応でしたか?

山田:やり方や細かいところはこれから調べないとわからないのですが、意外と任せてくれる会社ですので、「一応開催するという前提でよいですかね?」ということだけお話をして、「じゃあ、それでいこう」という雰囲気でした。

秋元:まずオンラインで開催するということを決めて、方法はそのあとにどんどん煮詰めていこうというかたちだったのでしょうか?

山田:そうですね。電話会議などもそこまで調べていなかったため、リアルで人が集まる以外の手段で発信しましょうというかたちでした。本決算の時期でもありましたので、一応開催することだけ決めたというのが正直なところです。

【2.開催方法の選定】Q.「Zoom」を選んだ理由

秋元:今回、開催方法で「Zoom」をご利用されていたと思うのですが、「Zoom」を選んだ理由はどういうところですか?

山田:社内でこのようなものに詳しい方が何人かいらっしゃったため、事前にリサーチしたところ、やはり「Zoom」が非常に多かったというのが一番最初でした。それまでは、私も「Zoom」を使ったことがないぐらいでした。

実際にいくつか試した中では、音が途中で切れてしまったり、場合によっては回線がシャットダウンされるようなものもあったのですが、「Zoom」は、最後まできちんと使えるというのが実体験としてありました。

また、その頃に会社としても「オンラインのシステムを入れなきゃいけないよね」という話になっており、結果的に当社は「Zoom」でやると決めましたので、他のツールをそこまで一生懸命調べる必要がなかったというのが一番大きいと思います。

【2.開催方法の選定】Q.比較検討したツール

秋元:次のご質問ともつながりますが、比較検討はそもそも必要なかったということでしょうか?

山田:そうですね。個人で使用したものがいくつかあるぐらいで、一生懸命比較はしなかったですね。そんなに時間がないというのもありました。

【2.開催方法の選定】Q.機関投資家への相談

秋元:「Zoom」で開催することに対して、機関投資家に相談などはしましたか?

山田:「Zoom」がどうかよりも、この時期に開催した方がよいか、開催しない方がよいかの判断が個人では難しかったのですが、機関投資家には直接取材禁止というような会社も外資などではありました。何人かにはお話をうかがったのですが、「基本的には開催した方がよい」「開催する場合は、最低限質疑応答がきちんとできればよい」という、2つのポイントがありました。

当社の決算説明会が初めてという方も多く、当時は「Zoom」がそこまでメジャーではなかったため、投資家の方も正直「Zoom」を使ったことがないくらいでした。

【3.事前準備】Q.開催までの出来事

秋元:「Zoom」で開催することが決まった後、開催までどのような準備をされたのかをお聞きしたいと思います。

事前に、山田さまから開催までにどういうことがあったかを書き出していただきました。先ほどと重複するところもあるかと思うのですが、ご説明していただいてもよろしいでしょうか?

山田:3月の最終週以降に、機関投資家のお話もうかがいながら、具体的に準備しなければいけないことを議論をして、基本的には質疑応答がきちんとできるようにはどうしたらよいかだけを決めて、「Zoom」でどうするかという最低限のイメージを持ったかたちでした。

4月ぐらいになると「Zoom」での社内会議なども増えてきて、実際に社内の会議で自分がユーザーとして参加しながら、「オペレーションする場合はこのようなことを気をつけたほうがいいかな」というのを体で覚えていくかたちでした。特別すごいことをしたかというとそうではなく、大したことはしていないですね。「本当に説明会ができるのかな」という心配の方が大きかったです。

【3.事前準備】Q.決算説明会のご案内

秋元:ちょうど同じ頃、先ほどのお話にもあったようなリリースをされていたのですよね。

山田:そうですね。スライドの左が最初のイメージです。「中止する場合もあります」ということだけをアナウンスしていたのですが、「開催できなくなったので、動画配信に変更します」というご案内に変えて、もともと登録していただいている投資家の方にご案内し、そのまま「みんせつ」に貼り付けることで対応しました。

秋元:これに関して、投資家さまからお問い合わせなどはありましたか?

山田:「『Zoom』って何?」というご質問がけっこうありました。初期でしたので、「そもそもこれどうやったら自分のパソコンで見られるの?」というご質問も多かった記憶があります。

秋元:使用方法などもご説明したことがけっこうあったということですよね。

山田:そうですね。

【3.事前準備】Q.準備に関わった人数や内容

秋元:では、次の質問に移ります。「Zoom」の開催の準備にあたって、具体的にどのようなメンバーが関わり、実際の業務としてどのようなことを準備されてきましたか?

山田:もともと当社は広報室が企業広報とIRの両方を扱うセクションなのですが、私も入れて3人でオペレーションしています。IRに関しては、事実上私ともう1人で務めているかたちですので、役割分担というよりは「できるほうがやる」という準備の方法でした。中身のコンテンツの準備などもありますし、「Zoom」だからということで、時間はあまりかけませんでした。

秋元:具体的に「Zoom」だから、オンラインだからといって、時間をかけない中でもこれだけは準備しておいたことはありますか?

山田:そのような意味では、質疑応答がいつもと違う方法ですので、一度に100人に質問をされても対応ができません。きちんと考えたのは、なるべく公平に、かつきちんと回答するためにはどうしたらよいか、という1点ぐらいです。

秋元:そこは具体的にどう準備したのですか?

山田:本日のウェビナーでも、Q&Aという機能が付いていると思うのですが、「Q&Aに質問を書いてください。質問が書かれた順番に回答していきます」という極めてシンプルな方法を用いました。

秋元:TSIでご利用されたのは「Zoom」のミーティングのツールですか?

山田:おっしゃるとおりです。有料なのですが、当時は有料の中にいくつか種類があることも知りませんでした。社内の方に聞いて「有料だったら大丈夫です」ということでしたので、「じゃあ有料でお願いします」と、その一択でした。

秋元:チャット機能を使用してQ&Aに対応したかたちでしょうか?

山田:そうですね。当日は、実際に回答を取り上げた場合には、その方の音声をオンにします。最初に質問を私が読み上げて、社長が答えなさそうな質問を先に答え、その他の質問を社長に振るという方法でオペレーションしていました。

秋元:かなりレベルの高いオペレーションをされていたかたちですね。

山田:いやいや。もともと私が司会をリアルで務めていたときも同じでしたし、その流れの方が、聞く方も意外と「今、どの質問か」というのがわかります。また、私が話していることで事実上つなぎの時間になりますので、待っている間に社長は答え方などを整理できるというメリットがありました。


秋元:社長もチャットをご覧になられていて、答える準備をする時間が確保できるということですね。

山田:そうですね。

【3.事前準備】Q.オンライン開催の懸念点と対策

秋元:オンライン開催の懸念点は、先ほどのQ&Aのところでしょうか?

山田:そうですね。また、「Zoom爆弾」というものがあり、「Zoomを使うとどうなんだ?」と、当時一部のマスコミに叩かれました。

秋元:セキュリティの問題でしょうか?

山田:おっしゃるとおりです。当社もこのような使い方をするのは初めてでしたので、リスク管理の観点で依存しすぎると、「もしこれがだめだった時にどうしよう」というレベルで考えていました。

秋元:では、何かリカバリーできる対策はされていたのですか?

山田:はい。当社の場合は社長のプレゼンを事前に撮っていたのですが、質疑応答だけライブで開催するという方式でした。収録したものは10時にホームページに開示して、見ていただいた後に「Zoom」で質疑応答を開催するというかたちでした。ですので、ホームページに問題がなければ、仮に「Zoom」が使えなくなって質疑応答ができなくても、説明会の社長の話自体はみなさまに聞いていただけるということで、2段階方式にしました。

秋元:事前収録は、ビデオカメラなどで撮影したのですか?

山田:はい。以前も動画で撮っていましたので、それと同じ方法で撮影したということです。

【3.事前準備】Q.機関投資家への案内

秋元:みなさまけっこう気になるところだと思うのですが、例えば大手のIR支援会社がもっているスペースで開催すると、集客もしてくれるというメリットがあると思います。オンラインではそれがなくなりますよね。機関投資家やアナリストに対しての案内で、いつもと違う部分などはありましたか?

山田:当社はもともとIR支援会社を使っていませんでしたし、主幹事証券に負荷がかかるお願いはあまりせず、基本は自前で開催するというスタイルでいました。今回のようなイレギュラーなときは、今までお話ししたような内容を事前に聞いたり、また「みんせつ」を使うこともそこまで特別なことではないと思います。

また当社の場合、機関投資家以外にマスコミの方もお呼びしています。それこそ緊急事態宣言が都内に出された直後ぐらいでしたので、マスコミの方がIRの説明会の文章を読む暇がないだろうと思い、そのような方には個別に連絡をしました。

秋元:後で聞く予定だったのですが、オフラインで開催したときとオンラインで開催したときの集客は変わりましたか?

山田:変わりましたね。説明会を開催しない会社が多かったため、今まで時間が重なっていて、興味があっても会っていただけなかった方にリーチできるチャンスがあったというのがすごく大きかったと思います。このあたりが、強行して決算説明会を開催したかった理由の1つでもあります。

秋元:数字で言うと何人ぐらい増えましたか?

山田:アクセス数に関しては、ホームページで掲載するという方法でしたので、その日の決算説明会のページのページビュー同士の比較で考えると、例年では700PVぐらいなのですが、1,600PVぐらいまで増えています。

秋元:倍以上ですね。

山田:はい。決算説明会の動画も例年ではページビューが140PVぐらいなのですが、今回は500PVまで増えました。

秋元:全然違いますね。

山田:こんなに増えるとは思わなかったです。

秋元:実際、Q&Aに参加された方の数はいかがでしたか?

山田:数自体は大きく変わってはいないのですが、一度に見られる方がけっこう多かったのかもしれません。

秋元:Q&Aに参加される方は、基本的に自ら発言されるか、その発言内容を聞きたい方ですよね?

山田:そうですね。

秋元:普段は決算説明会に参加されていない方も参加されていた可能性はあるということでしょうか?

山田:それはあると思います。

秋元:「Zoomミーティング」ですと、参加者管理はできなかったのですか?

山田:事前に出席管理はしていました。通常の名前の管理では、その方の名字と名前とメールアドレスぐらいしかもっていないのですが、「Zoom」に入ると「Zoom」固有のログインしか確認方法がないため、ログインの名前を自分の名前にしている方はわかっても、そうではない方が意外と多くて、確認がとても大変でした。

秋元:全部一致しましたか?

山田:いや、一致しないです。チャットの機能で「失礼ですが、どちらさまですか?」という案内を1人のメンバーが一生懸命アナウンスをして、特定につながった方は待合室から本番に入っていただくという方法でした。連絡がつかない方が2人か3人ぐらいはいらして、何か問題が起こると悪いため、結局その方は入室をお断りさせていただきました。

秋元:このあたりに関しては、私から後で「このようなやり方があるよ」というのをご説明させていただければと思います。

【4.決算説明会当日】Q.役割分担

秋元:誰が何の役割を担ったかというところなのですが、スピーカーは社長お一人ですか?

山田:社長と、質疑には当社の担当役員が加わるというスタイルで、私が司会を務めています。

秋元:山田さまが全体の取りまとめとQ&Aの捌きなどをすべて行なっているということですよね?

山田:そうですね。司会進行は私が行ない、それ以外の「Zoom」の操作や時間管理などはもう1人のメンバーに委ね、役割分担は極めて明確でした。

秋元:社長や担当の役員の方は、当日困ってしまったり、やり方がわからないということもなかったのですか?

山田:そうですね。「Zoom」を社内のインフラとして利用し始めて10日ぐらい経っていましたので、そのあたりはそこまでストレスはありませんでした。

【4.決算説明会当日】Q.Zoomで使用した機能

秋元:先ほどもお聞きしましたが、ジャンプ機能と画面共有ですよね。

山田:そうですね。とくに今日視聴していただいてる方で、実際に当日運営しなければいけない側の方もいらっしゃると思います。議事進行を整理するという意味では、チャット機能は相当使いました。

事前に質問がわかりますし、みなさまに見えるようにもしていました。電話会議などではいつ自分の質問が回答されるかわからないのですが、チャットでは自分の順番がわかります。また、他の質問と被らない質問をしていただけるため、そのような意味ではみなさまが自然に整理してくださります。そのようなところは非常に運営しやすかったですね。

秋元:先ほどの控室というのはどういった機能ですか?

山田:控室というのは、実際にパスコードを渡して「ここに入ってくださいね」といってログインしてもらう機能なのですが、そのあとにこちらから認証するかしないかというのを選べるのです。確認ができた人から入室していただくという、ワンステップを踏んでいます。

秋元:ほかに何か使われた機能はありますか?

山田:議事録という観点で考えると、チャット機能ですべてみなさまの質問が書いてありますので、説明会が終わる前にそれをコピペで残していたのな良かったと思います。

秋元:それは楽ですよね。

山田:はい。議事録作りが楽でした。

【4.決算説明会当日】Q.トラブル

秋元:具体的にトラブルなどはありましたか?

山田:さっきお話した、ハンドルネームとこちらが持っている参加者のリストの付け合わせができなかったというぐらいです。

【4.決算説明会当日】Q.良かったこと・悪かったこと

秋元:とてもざっくりした質問ですが、良かったことと悪かったことを教えてください。

山田:一番良かったことは費用がとにかく安いということです。

秋元:「Zoomミーティング」では2,000円ぐらいですよね?

山田:そうですね。一番安いもので月2,500円ぐらいで済みます。前回はそうでした。また、テレワークが始まってくると、実際にリアルな会場で開催しようとしても会場設営で人員が必要になってきます。当社はもともと3人しかいませんので、ほかの部門の方に協力いただきながら机を並べたりしていたのですが、テレワークになるとそもそも出社している社員が少ないため、そのようなストレスから解放されたというのは非常に大きいです。

秋元:お金の部分でも、人の部分でもだいぶセーブできたというところですね。

山田:そうですね。日程が集中する時期ですので、投資家の方の立場で見ても移動時間がないだけでもだいぶ良かった、ということはいろいろな方に言われました。

秋元:ちょうど1週間前に齋藤剛さまにお話しをうかがったときもまさしくそうおっしゃっており、リモートだからこそ同時に3会場にアクセスしたというお話しもありました。

山田:やはり仕事ができる方はそのような仕事のやり方なのだなと思いました。

秋元:でも、3会場にアクセスできるということは企業のチャンスも3倍に広がる可能性があるということですからね。

山田:本当にそうだと思います。

秋元:何か悪かったことはありますか?

山田:悪かったことは、先ほどの本人確認でトラブルがあったというのが反省点としては一番大きかったと思います。また、とくに国内の証券会社で、「Zoom」が会社支給のPCのために閲覧ができないという問題は当日に気が付きました。

秋元:ここも先週齋藤さまにおうかがいしたところなのですが、やはり日本のセルサイドはそこが一番厳しいというご意見でしたね。

山田:今はほとんどみなさまがスマホ持たれていますが、「Zoom」はスマホでも見られるのが非常に良いですよね。直接ご連絡いただいた方も、「Zoom」に誘導させていただいて対応した方が2人ぐらいいらっしゃいました。

秋元:では、結果的にご参加していただけたのですね。

山田:はい。入っていただいてます。

秋元:他には何かありますか?

山田:オペレーションの部分で、一斉に参加者の音を消すということに当日気が付いて、みなさまが当社の決算説明会を同時に見てないため、社長の声がいろいろなところから聞こえて何かおかしいなと思って気付きました。

秋元:マイクをオフにしてないからですね。

山田:みなさまのマイクを一斉にオフにする機能があるというのを説明会を実施しながら勉強しました。

【5.今後】Q.次回の開催形式

秋元:次に進みます。今後のお話をお聞きしたいと思います。次回以降も同じ形式で開催されますか?

山田:はい。次回もオンラインで開催します。

秋元:今後はもうマストとしてオンラインで開催していくかたちですか?

山田:先週斎藤さまもおっしゃってましたが、意外とオンラインの方がよいという声が多かったため、オンラインをやめるということは今のところ私の選択肢にはありません。ただ、リアルで会いたいという方がどこまでいらっしゃるかということと、こないだの斎藤さまのミーティングでも、年に1回、本決算ぐらいはリアルで開催したらどうかというご指摘もありましたので、そのような併用型も今後は検討していきたいなと思っています。

秋元:オンラインがマストになって、オフラインがオプションになるイメージですかね?

山田:そうですね。

秋元:まさしく新型コロナウイルスを機に逆転ですよね。

山田:本当そうですね。

秋元:逆にうまくスイッチできないと、投資家との接触機会を失ってしまう可能性があるということですよね。

山田:そうですね。一部の証券会社の方々は前回参加できませんでしたが、今回は「Zoom」がここまで増えたため、対応する方向で進めているなど、このあたりもだいぶ変わりつつあるようです。全体の流れがこのようになってくると、おそらくみなさまもオンラインを望まれるのだろうなと思います。

【5.今後】Q.改善点

秋元:次の質問に移ります。オンラインの中でも改善点はありますか、というところですね。

山田:先ほどの本人確認の問題がありましたので、そこをどうしたらよいか悩んでいたのですが、ちょうど先週ウェビナーというものがあることを知りました。ウェビナーを導入することでほぼ改善点をクリアできると思います。

登録フォームについて

秋元:ちょうど今日の事前の打ち合わせのときに、そのお話をおうかがいしており、私どもの方で「ウェビナーではこのようなやり方ができますよ」というのをご支援させていただいています。さっそくLPを作成していただきました。

山田:そうですね。スライドの左側はそのまま全体のものですね。もともとPDFでお送りしていたのですが、その説明会の案内と同じような登録フォームが本当に簡単につくれますので、アクセスも楽ですし、投資家の方も名前だけ入れれば基本的にはそれで登録終了です。

よくあるのは、どの「Zoom」の会議なのかがわからないという直前の対応でも、始まる前のリマインドメールが自動的に案内してくれる機能が付いてたりなど、直前にバタバタしていて我々ができないことがだいたいできますので、非常に良い機能だと思いました。

秋元:参加表明される方にはマストでお名前、所属、役職などを条件として付けることもできますよね。

山田:そうですね。私も部署名は記載することをお願いしています。

秋元:そこでエントリー名簿が作成できて、さらに参加したかしていないかの名簿も同時に作れるようになります。便利ですよね。

今後はもうウェビナーで開催するかたちですか?

山田:そうですね。

秋元:ありがとうございます。前半は以上になります。

質問:出席者の管理について

秋元:Q&Aをたくさんいただいていますので、このあと回答させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。30個もきてますね。

山田:すごいですね。

秋元:「出席者の管理は行ないましたか? 行なった場合どのように行なったのでしょうか?」というご質問が一番上にきています。そこは控室のようなパスコードを入れるかたちでしょうか?

山田:そうですね。

秋元:フローを挟んで管理ができない一部の方に関しては、お断りしたのでしょうか?

山田:そうですね。

質問:質疑応答への対応について

秋元:「リアル開催より質問が増加すると思いますが、すべての質問に回答されたのでしょうか?」

山田:すべての質問に回答しました。やはり質問は増えましたね。基本的にマスコミの方にいつもご質問いただくのですが、機関投資家の質問が増えたのは大きかったです。あとでお話をうかがったら、何十人の前で手を挙げてというのはやはり気恥ずかしい方が多いようで、今日もそうですが「Zoom」ではわりと気楽に質問が投げられますよね。そのような意味で、「Zoom」を導入すると質問は増えると思います。

秋元:想定していた時間をオーバーしてしまったということはありませんでしたか?

山田:それはなかったですね。質問に一問一答のようなかたちで答えると、それで大丈夫という方が多かったこともあり、予定どおりの時間で終了しました。

秋元:質疑応答に関して、もっと改善してほしいなど、投資家からのフィードバックはありましたか?

山田:むしろこっちのほうがよい、という方が多かったですね。直接これは良くない、ということはとくに聞いていません。

質問:イレギュラー管理について

秋元:次の質問にいきます。「通信環境によってオンラインの開催が困難であったり、音声が不明瞭になったりなど、イレギュラー対応について想定して事前に何か準備されたことはありますか?」

山田:やはり「Zoom」が使えなくなったらどうするか、というリスク管理は、先ほど少しお話しさせていただきましたが、当社のホームページをうまく利用するということですね。

実際には、そんなに大きなトラブルはありませんでした。通信の遮断については、みなさま「Zoom」を使われていて、Wi–Fiが切れやすいというようなことは今後も起こり得ますので、少なくともスピーカーは環境がきちんとしたところで話していただくぐらいですかね。

質問:海外からのリモートについて

秋元:次に私から質問させていただきます。今後の部分に関わるのですが、例えば社長が海外出張に行かれたときに、そこから決算説明会に参加されるなど、社長自体がリモートで参加されることは想定されていますか?

山田:全然できると思います。むしろ海外の責任者に登場してもらうなど、個人的にはそのようなことをしたいと思ってます。

秋元:それは面白いですね。

山田:今回は間に合いませんでしたが、今までだとなかなか難しいことができそうなので、次回以降チャレンジしていきたいなと思っています。

秋元:確かにオンラインだとなんでもできますよね。

質問:質問の方法

秋元:次の質問です。「質問の方法」ですね。

山田:特別なことはしていないのですが、名前を名乗らないで質問することは最低限なしにしようというのがあります。名乗る方はきちんと厳しい質問もお受けします。そのようなスタンスでいようかなと思っていますので、基本的には、事前に参加希望の方に「Zoom」の場所をお教えするという方法にしています。ただ、機関投資家の方は「みんせつ」にもきていますので、限定しているというほどではないです。

個人投資家も一緒にできないかなと思っていたのですが、機関投資家が嫌がると言われたのでそれはやめました。

秋元:そこはまた難しいですし、違う問題ですよね。

山田:そうなのですよね。

秋元:でも、オンラインだとやりやすいですよね。

質問:インターネット回線について

秋元:少しテクニカルな質問ですが、「インターネット回線を有線と無線のどちらを選んでいますか?」

山田:当社は無線です。

秋元:普段から安定してる場所であれば問題ないということですよね。

山田:そうですね。当社の場合は念のために私が出社しています。会社のほうが当然環境もよいですし、Wi–Fiが繋がりにくい場所はだいたい把握していますので、回線の環境が良いところで開催するようにしています。わりとアナログレベルですね。

また、Wi–Fiが混む時間が決まってるらしいのですよね。例えば、午前中だと11時半以降や、夕方だと5時以降は回線が途切れることが多いため、その時間を避けるというのは一つの方法としてあるかもしれません。

秋元:お昼の時間でちょうどみなさまがスマートフォンを触って、そこでWi–Fiの速度が落ちるというのをよく聞きますよね。17時頃に業務が終わって、そこで落ちると聞きます。

山田:私も回線の状況を調べたのですが、4月の段階で通常よりも1.4倍ぐらい増えているというデータを見た記憶があります。

質問:投資家NGについて

秋元:先ほどもお答えいただきましたが、「『Zoom』だと投資家NGがありますよね?」という対応については、個別にご対応されたということでした。おそらく投資家が変わっていきますよね?

山田:そうですね。当社はとくに来ていただいた方にNGはありません。そのあたりは、通常のコミュニケーションとあまり変わりませんでした。チャット形式で質問に1回答え、「追加質問はないですか?」というのは、質問をいただいた方だけ音声をオンにしています。全てチャットではありません。

秋元:テキストと音声を併用されたということですかね。

山田:そうですね。どちらかというと、オペレーションがスムーズにいくようにチャットを使っているだけで、基本はリアルと同様です。いちいち質問を書くのは面倒ですよね。追加の質問は、基本的には口頭で聞いていただくという方法です。

質問:質問をする方がいない場合について

秋元:では、次の質問にいきます。「リアル会場で開催されていたときから、質問する方はけっこういらっしゃいましたか? 弊社はいつも質問する方がほとんどおらず、動画配信を検討していても、Q&Aをオンラインでやる必要はないかもしれません」というご質問です。

山田:当社の場合、質問がないということは今までまったくありませんでした。他の会社の方にそのような相談をされたことがあり、そのときは「例えば、銀行の取引先の方や証券会社の方をお呼びして、最初にその方に質問をしていただいたらどうですか?」という話はしました。そうすると、1問、2問は質問していただけます。そのように、最初の質問だけは誰かにお願いをするというのがよいと思います。

秋元:一週間前のセミナーでもお話をしていた部分なのですが、例えばテキストでのQ&Aでは、言葉を選ばずに言うと仕込みができるのですよね。会社の関係者の方に参加していただいて、会社として聞いてほしいところ、深掘りしてほしいところをあらかじめ設定しておくということができます。これはオンラインだからこそできることだと思います。

山田:確かにそうですね。

秋元:それを投資家が聞いたところで、メリットしかありません。デメリットではありませんので。

山田:当社はあまり仕込みは行なわないのですが、Q&Aでもう少し答えがほしいなというときには、私は次の質問にいく前に「このような点についてこれ以外に何か補足できることありますか?」と社長に直接返します。

秋元:その質問をどんどん膨らませていくということですね。

山田:そうです。

秋元:それはファシリテートする方の能力が必要ですし、例えば、アナリスト協会での開催では、司会をアナリスト協会の方に務めていただくと、そこまでは求められないというのもありますよね。ただ、オンラインだとそのあたりはうまくできますよね。

山田:そうですね。

質問:照明とマイクについて

秋元:「照明とマイクは何を使われましたか?」という具体的なご質問があります。

山田:照明については、動画の撮影をするときにもともと持っている照明器具があります。ビデオカメラに内蔵されているものではなくて、傘が付いていて両面から照らすものを社長にスポットライトとして使っています。マイクはピンマイクを使っています。

映像は「Zoom」に頼らない方法でしていたので、基本的には質疑応答以外の部分はデジタルビデオとピンマイクですね。そのほうがクオリティーは「Zoom」と比べてはるかによいです。

秋元:そこで1回投資をすれば、あとは費用はかかりませんよね。

山田:かからないです。

秋元:他のことにもいろいろ使えますよね。

山田:そうですね。広報も行なっていますので、そこで使うことのほうが多いですが。

質問:Q&Aで回答しなかった場合のケアについて

秋元:Q&Aは全て対応されましたか?

山田:Q&Aは全て対応しています。

秋元:「Q&Aを採用されなかった方のケアはどうしましたか?」というご質問があったのですが。

山田:例えば、打ち切りになったりとかですかね?

秋元:そうですね。全部ご対応されたということですよね。

山田:そうですね。今回ではないのですが、その場で答えられないような細かい質問で手元に資料がない、というような質問は出ることがあります。基本はその場で納得していただくような補足説明をしています。「数字はありませんが、だいたいこのようなような感じで推移しています」「詳細は次回の説明会までにはご準備できると思います」など、その場で納得していただくことを大切にしています。

質問:待合室について

秋元:待合室について、「『Zoomウェビナー』ではなく、ミーティングだと用意できるということでしょうか?」というご質問なのですが、これは認証するまでの待機場所ということでしょうか?

山田:おっしゃるとおりです。

秋元:私が回答させていただくと、まず「Zoomウェビナー」の場合、参加表明された方に対して「参加OKですよ」ということでお伝えするURLは、その人専用のものになります。参加OKというジャッジをされた段階で認証済みということになりますので、ウェビナーの場合、待合室は必要なくなると思います。それでも作りたいということであれば、ミーティングを利用するかたちになります。

「Zoomウェビナー」の場合、参加エントリー者に対して事前に全てジャッジがかかりますので、受け付けた方にだけ、その方専用のチケットを発行できるイメージです。

質問:名刺交換について

秋元:「オンラインでは参加者の方と名刺交換ができないと思うのですが、どうされましたか?」というご質問です。

山田:名刺交換はできませんよね。ただ、今回のようにウェビナーを採用すると、メールアドレスの入力はお願いができます。

秋元:必須でできますね。

山田:はい。まったく知らない方でない限り、後日こちらからアプローチする方法がありますので、メールや電話番号で「どうでしたか?」というご挨拶と一緒に食い込んでいくことができればよいかなと思います。

秋元:名刺に書いてある情報を、参加者のエントリーする際の必須項目にすればよいですよね。

山田:そうですね。それが一番早いと思います。

秋元:そろそろお時間になるのですが、まだたくさんのご質問をいただいています。セミナーの内容は、後ほどログミーFinanceで全て書き起こし記事としてみなさまにご提供しますので、Q&Aでお答えできなかった部分も掲載します。山田さま、どうもありがとうございました。

山田:ありがとうございました。

「Zoomウェビナー」のポイント

秋元:今日のお話でみなさまも「Zoomウェビナー」にご興味を持っていただけたかなと思います。大きくまとめて3つある、「Zoomウェビナー」のポイントをご紹介します。

1つ目、集客用のページが「Zoom」上で作成でき、参加者の管理が容易になります。2つ目、ホスト、パネリスト、視聴者という3つの役割を設定し、それぞれの権限に制限を持たせることができます。今日は私がホスト、山田さまがパネリスト、みなさまが視聴者というかたちです。3つ目、100名までの箱で月額5,000円、500名までの箱では月額2万円程度で開催できます。非常にローコストで開催が可能ということです。

ログミーFinanceの無料支援内容

ただ、けっこうノウハウが必要で難しいと思います。今回、私どもはぜひみなさまにオンライン化を勧めていきたいと思っており、「Zoom」の導入支援を無料でご提供させていただいています。具体的な内容としては、先ほどお見せしたLPの作成方法のレクチャーや、当日の運用に際しての台本のドラフト作成、リハーサルに参加させていただいてフィードバックをさせていただくことなどになります。また、「Zoom」はすべて動画で残せますので、その動画に簡単な編集を行なって「YouTube」上にアップする、つまり決算説明の動画の作成も無料で行なっています。

もしご興味がございましたら、アンケートに無料支援をご希望するというかたちでチェックいただければ、ご連絡しますのでよろしくお願いいたします。

Day1・Day2を終えて

最後に、この2週にわたったセミナーの総括として、中安さまにおまとめいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

中安:今までは、決算説明会も1on1もスモールミーティングもリアルで行なうということが普通で、なかなかオンライン化が進まなかったのですが、この新型コロナウイルスもあり、けっこうオンライン化が進むなと、2週間にわたってみなさまのお話をおうかがいして思いました。

先ほどのお話でもありましたが、オンライン化によって投資家層が増え、おそらく海外の投資家も入ってくると思います。海外にいる日本人で、日本株に投資している投資家もけっこういらっしゃるので、そのような方たちも入ってくると思われます。ですので、メリットしかないのかなと感じます。

また、もちろんインフラのところでログミーさまのサポートや書き起こしは必要だと思いますので、書き起こしなども含めて積極的にオンライン化していくとよいと思います。

タッチポイントがリアルからオンラインに変わっていくな、というのはけっこう見てとれます。もともと「みんせつ」はタッチポイントしかつくっていなかったのですが、今週からファクトセット等を組み、「みんせつ」もタッチポイントのオンライン化を進めています。「怪しい機関投資家が入ってくるのではないか」というみなさまの疑問もあったのですが、ファクトセットの機能をうまく使い、「この投資家ならOK」「この投資家はNG」という意思決定もできるようなサービスを弊社でご用意しています。

日本株3,800社ぐらいありますが、海外と比べるとまだまだ海外の投資家に投資されていない状況が目に見えて起こっています。とくに2,000社ぐらいはアナリストカバレッジもついていないため、そのような会社を世界中の機関投資家、個人投資家に届けていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。本日はみなさま本当にありがとうございました。また引き続きよろしくお願いいたします。

配信中に紹介できなかった質問と回答

みなさまから寄せられた質問について、当日は時間の関係で取り上げることができなかったものを、配信終了後に山田さまにご回答いただきました。

<「Zoom」のオペレーションについて>

秋元:「ウェブ開催を決めたのは、説明会当日まであまり時間がなかったように思いますが、比較的『Zoom』のオペレーションは簡単だったのでしょうか?」というご質問です。

山田:オペレーション自体は最初の認証部分は少し面倒ですよね。ただ、入っていただいた方に対してその後何をするかというと、質問をした方のマイクをONにする作業だけですのでとても簡単です。

秋元:ファシリテーターの方の能力はけっこう影響しますか?

山田:事務処理能力のようなものは、おそらくそこまで特殊なことはないと思います。司会のほうが、いろいろなものを見ていないといけませんし、今までのアナログの捌きや「Zoom」の捌きもしなければいけませんので大変かもしれません。社長の話が話半分になってしまうことはあるのですが、社長が質問に答えているときにこちらも準備できますのでなんとかなりました。

秋元:1回目はやや不安ですが、2回目からはおそらく慣れてくると思います。

山田:これに限らず、初めてやる時は覚悟を決めるということですよね。失敗しても当たり前ですので、失敗したら「ごめんなさい」とその場で言うことだけ気を付ければ、みなさま許してくださると思います。

<Q&Aにおける想定問答集について>

秋元:次は「Q&Aにおいて、ある程度想定問答集は用意されていたのでしょうか? 」というご質問です。

山田:一応Q&Aは作っていますが、Q&Aというよりどちらかというと「これは答えなきゃダメだろう」という最低限のことを書いています。

秋元:これはオンラインでもオフラインでも変わらないですよね。

山田:一緒だと思います。

<通信環境の事前アナウンスについて>

秋元:次は「通信環境について事前にどうアナウンスされたのでしょうか?」というご質問です。

山田:想定がまったくできませんでしたので、アナウンスを流していません。先ほどもお話ししましたが、それよりも全体の通信がすごく危ない状況でした。10時、11時の時間帯は回線が混雑しにくいのですよ。ですので、そこの部分だけ守れば、あとはそこまで心配しませんでした。

<匿名の参加者について>

秋元:次は「参加者の方には名前を記入してもらいましたか? 匿名でもURLを知っていれば参加を認める形式ですか?」というご質問です。

山田:基本は名前を名乗っていただきます。ですので、そもそも知らない人が入れるようにはなっていません。手動でオペレーションしていました。

<次回の開催方式について>

秋元:「今回、プレゼンが動画収録で質疑応答が『Zoom』という二段階ということでしたが、次回はどうされるご予定ですか?」

山田:ここはこだわりたいと思っています。なぜかというと、一番は個人投資家と機関投資家の壁をなくしたいという思いがとてもあるからです。今はフェア・ディスクローズと言われていますので、機関投資家にあそこまで反発を受けると思わず諦めたのですが、少なくともプレゼンテーションの部分に関しては、同時に見ることができるはずです。「ネットにきちんと上げますので、見たい人は個人投資家も同じ時間帯で見てください」というのは、会社のメッセージとして思っていますので、次回もそうしようかなと思っています。

<オフラインとオンラインのコストについて>

秋元:「オンライン開催するにあたり、リアル開催と比べて事前準備を含めたコストはどうでしたか?」

山田:当社の場合は自社会議室ですので、会議利用は基本的にはかかりません。印刷代やお茶代がかからないなどのお話ですかね。

秋元:資料などもチャットにダウンロードのURLを貼っておけばよいですよね。

山田:そうです。当社は基本、決算説明会のホームページからアクセスして、パワーポイントだけでよい人はパワーポイントを見て、動画を見たい人は動画を見て……という方法にしています。お金より印刷の手間などがなくて楽ですよね。

中安:短信や説明会資料は、みなさんその場に置いて帰りたいのですよね。ですので、とくにカラーで印刷していただくと、けっこう辛いのですよね。

山田:その後のone to oneでも印刷したものを持ってこられる方は20パーセントぐらいですよ。

秋元:時間的な部分でもコストは短縮されたということですか?

山田:運営の事務的なコストということですか?

秋元:そうです。

山田:そうですね。やはり人の時間を奪わないというのはけっこう大きいと思います。

<高機能カメラとネット環境について>

秋元:「PCのカメラを使用した動画を配信しましたか? 高機能なカメラを別途つなげて配信しましたか?」

山田:当社は高機能カメラですね。

中安:ユーザー側のWi–Fiのキャパシティを考えると、画質は粗い方がよいのではないかと思います。

山田:個人になるとあり得ますが、機関投資家の方はおそらく在宅であったり、「One to One」の取材はネットで行なうかたちですので、そのあたりの環境は整っていると思います。

中安:機関投資家も自宅はアナログだったりしますからね。

山田:確かにそうですね。

中安:アナリスト側からの私の意見ですが、画質は粗くてもきちんと聞こえればよいと思います。

山田:そうですよね。ですからやはり音はとても気を使いましたね。

中安:そうですね。十分だと思います。

<用意するPCの台数について>

秋元:「役員一人に1台PCを準備して、それを繋いで見ながら説明会を進めたのでしょうか?」

山田:そうです。

中安:ミュートにした方がよいということですよね。

山田:そうですね。ハウリングしますので。今そのようなマイクも売っています。会議室などで10人ぐらいのとき、全員の声が1つの会議室で聞こえますので全員ミュートにして大丈夫です。

<質疑応答の数と時間>

秋元:「チャットでの質疑応答はどのくらいの数がきましたか? またどれくらいの時間がかかったか教えてください」

山田:12件だったと思います。

秋元:時間はどれくらいかかりましたか?

山田:おそらく30分だと思います。

<入室可能になる時間について>

秋元:「入室は何分前から可能にしましたか?」

山田:10時から開催で、おそらく10分前ぐらいだったと思います。

秋元:みなさま時間どおりにきましたか?

山田:こないですね。最初会社のホームページで動画を見て、終わった方からログインする方が多かったため、実際は10分ぐらい経ってから始めたのですが、結果的には遅れて入られる方が多かったです。

<IR支援会社による集客について>

秋元:「集客をIR支援会社に任せている場合、『Zoom』での自社開発への切替が難しい印象です。どのような代替手段が考えられるでしょうか?」というご質問です。

山田:当社は支援会社に任せていません。基本は自力で集客することが必要ですが、そのようなことは言えませんよね。

秋元:よく聞くのですが、結局来る人は同じで、来る人のリストも持ってるから必要ないですよね。

<会社支給のPCで『Zoom』が閲覧できないことについて>

秋元:次の質問です。「悪かった点について、国内証券会社の方は会社支給のPCのため『Zoom』で閲覧できない方がいらっしゃったとのことですが、それはどういうことでしょうか?」

山田:証券会社のサーバーのルールの問題だと思うのですが、サーバーを経由して「Zoom」に繋ぐことをシステムが制御しているため、その会社のPC経由だとできないというぐらいしかわかりません。

中安:「Zoom」はアプリをインストールしないといけないので、もちろんSNSとかでも見られないのですよ。

山田:そもそもインストールもできないのですね。

中安:一切できないですね。ですから、会社のデスクトップでは「Zoom」は無理ですね。そのような意味では、最近アプリをインストールできるようになったのかもしれないのですが。

<電話参加の方のアンケートについて>

秋元:「『Zoom』のWebinar機能でPC/電話両方参加の開催方法をとります。セルサイドの方はセキュリティ上、PCではなく個人の電話から参加される方も多くみられました。閉会後のアンケートはPC参加の方にはそのまま『Zoom』上でおうかがいできますが、電話参加の方には後日別途アンケートのお願いメールなどを配信するしか手立てはないのでしょうか?」。さっきの電話参加についてのご質問ですね。電話参加の方にはおそらく後日アンケートになると思います。

<個人投資家向け説明会のオンライン化について>

秋元:「今後、個人投資家向け説明会の実施方法を検討されているようであれば教えてください」というご質問ですが、これはログミーに対してですね。当社はオンライン化しており、「Zoom」で開催しています。

<スモールミーティングや事業説明会のオンライン化について>

秋元:「決算説明会だけでなく、スモールミーティングや事業説明会などの開催もオンラインでの開催を検討されていますか?」というご質問です。

山田:リーチは個人だと私が知っている方しか来ていただけませんので、証券会社にうかがっているところです。「『Zoom』の新しい方法で、機関投資家もたくさんいらっしゃるところで他と一緒に開催してもよいので、1時から2時が当社で、2時から3時が同じセクターや近いセクターの方というようなかたちでできませんか」というお願いをしています。「面白そうだから検討します」とは言っていただいています。

秋元:これは、みんせつさんでもできそうですよね。

中安:おそらくきますね。来年ぐらいにチャレンジしてみようと思っています。

山田:絶対お金取れると思います。

中安:ツールも今回のウェビナーでよいわけですよね。

山田:そうです。十分ですよ。

中安:そこまで難しくないと思います。

<想定ニーズについて>

秋元:次の質問にいきます。「ウェビナーは想定ニーズに対してどれくらい余裕をもって契約されましたか? プランは100名、500名、1000名、3000名、5000名、10000名〜とありますが、『Zoom』にすることによってどれくらい増えるか想定しにくく、アドバイスいただければ幸いです」

山田:アドバイスとしては、もともと100人超えている会社もあれば、そうでない会社もあると思いますので、自分たちのキャパシティがどれくらいかです。

秋元:オフラインでやった時の集客人数をベースに考えているということでしょうか?

山田:そうですね。細かい契約を覚えておらず、何人までかわからないですが、現状のキャパシティでは6倍から7倍ぐらいに増えても大丈夫です。

秋元:増やしたところでその分コストが思いきりかかってくるというわけではないですよね。もともと安いですからね。

山田:500あれば「先着順で申し込んで遅れた人は諦めてください」というのもそこまで失礼でないと思います。

<個人投資家が参加NGの場合の説明会の案内について>

秋元:「個人投資家が参加NGの場合、どのように説明会の案内状を関係者に周知したのでしょうか? 『みんせつ』だけですか?」

山田:結果的には機関投資家対象の質疑応答にしました。

秋元:ですので、今まで関係性があったところにメールを送ったことと、「みんせつ」での開示だけですよね。

山田:そうですね。

<Q&Aのサイトに掲載について>

秋元:「Q&Aの内容はサイトに掲載されましたか?」

山田:書き起こしだけ開示しています。

中安:これ、Q&Aはなぜ開示されないのですか?

山田:もともと録画をしていたので、質疑応答の部分だけ単独でつなぐこともしていたのですが、当社のエラーで、ログイン権限を当社の若手から私に変えたら、その前の動画がすべて消えるということがありました。それでできませんでした。

中安:そうなのですね。抵抗感があるというわけではないのですか?

山田:別に書き起こししても回収している話ですので、抵抗はまったくないですね。

<URLの自動配信について>

秋元:次の質問にいきます。「『Zoomウェビナー』で案内する個別のURLは自動配信でしょうか?」。自動配信ですね。ですが、配信する、しないのジャッジもできます。「この人は参加表明したけど参加させたくない」という方はブロックできます。

山田:私は自動配信にしていないです。

中安:一人ひとり審査しているということですか?

山田:そうですね。よほど怪しいアカウントでない限りはブロックしません。「みんせつ」でどこまでの方が見ているかわかりませんが。

中安:僕らも「Gmail」などのフリーアドレスはまったく入れていません。もう機関投資家のみです。

山田:そうですか。投資家はよいのですが担当者側に来られても困りますので、一応そこの管理はしています。

<匿名での送信NGについて>

秋元:「『Zoomウェビナー』の機能について、匿名で送信NGにすることは可能でしょうか?」というご質問ですが、可能ですね。

<URLの転送について>

秋元:「『ウェビナー』の認証について、URLを他の方に転送した場合、申込みの認証が意味をなさないと思いますがその点はどうお考えですか?」というご質問ですが、1つのURLでは1つのデバイスからしか参加できないのですよね。これが回答になるかどうかは難しいところですが、一応そのような機能はあります。

中安:ただ、転送してその方が入ってしまうと本人も入れなくなりますよね。

秋元:そうですね。代わりに「URLを取れ」というのができてしまうということですね。

<「YouTube」からQ&Aに移るタイミングについて>

秋元:「『YouTube』からQ&Aに移るタイミングはどのように設定したのでしょうか? 動画時間が終わったらすぐQ&Aを開始したのでしょうか?」

山田:10分ぐらい予備タイムを空け、終わった時間プラス10分後というかたちで始めました。

秋元:次回以降は「Zoomウェビナー」上で「YouTube」を再生しようという話でしたよね。

山田:はい。秋元さまのアドバイスどおりですね。そのほうが絶対によいです。

秋元:そうですよね。そうすればスムーズにQ&Aに移れますものね。

<匿名の質問について>

秋元:「質問は匿名で受け付けておられましたか?」

山田:名前が出ている状態ですので、前回はそのような機能はありませんでした。

<機関投資家へのアプローチ手段について>

秋元:「『Zoomウェビナー』で機関投資家に集客を図る場合、どのようなアプローチ手段があるのでしょうか?」という質問ですが、接触のあるところへのメール送信と「みんせつ」への登録でしょうか?

山田:はい。当社はそれだけです。

中安:IRぐらいですよね。僕らもほとんど同じですので。もう差はないのですよ。機関投資家がバンバン増えているマーケットではないですから。

山田:そうですよね。全体が決まっていますからね。

秋元:では、無料の「みんせつ」に載せておけばよいと。

山田:でも、「みんせつ」は他のビジネスモデルが作れるというお話ですよね。

中安:僕らは、どちらかというとつなぐところまではフリーで、つないだ後の世界を作っていかないといけません。

山田:確かにそうですね。

秋元:お互いに会いたいと言っている同士は会えばよいというお話ですよね。

<電話機能について>

秋元:電話機能について、「『Zoom』の電話機能を使えばWeb経由では参加できなくても、電話会議システムの使用や参加は可能ですよね?」「『ウェビナー』で電話機能から参加の方はQ&Aセッションにどう参加できますでしょうか?」といった2つの質問をいただきました。

こちらについては、Zoom公式ページのヘルプセンターに詳細が記載されていますので、そちらを参照いただければと思います。