上期連結業績ハイライト

髙橋誠氏:よろしくお願いします。本日はお忙しいなか、KDDIの決算説明会にお集りいただきまして誠にありがとうございます。

冒頭ではありますが、台風15号・台風19号におき被災されたみなさまには、またそのご家族の方々には心よりお見舞い申し上げます。我々KDDIグループとしては、被災地の復興に向けて全力で取り組んでまいりますので、よろしくお願いします。

それでは、2020年3月期第2四半期決算についてご説明します。

上期の業績ハイライトでございます。まずは、上期連結業績ハイライトからお願いします。

左側でございますが、第2四半期の連結売上高は1兆3,184億円となります。上期では2兆5,645億円です。通期目標に対する進捗率は49.3パーセントとなりました。

右側でございますが、第2四半期の営業利益につきましては2,976億円、上期では5,534億円、進捗率は54.3パーセントとなりました。第1四半期の単独では減益決算となりましたが、第2四半期単独で増益に転換して、通期目標に向けて順調な進捗となりました。

上期連結営業利益 増減要因

次に、上期連結営業利益の増減要因についてご説明します。

成長領域であるライフデザイン領域と、ビジネスセグメントの増益が大きく貢献しました。第1四半期と第2四半期の比較におきましては、増益幅も拡大しています。

一方で、上期につきましては、競争環境の激化に加え、3Gユーザーの4Gへの移行推進を強化したこともあり、端末販売コストが大きく増加しています。加えて、一時的要因として、前期のミャンマー事業の会計期間変更影響、あるいは3Gの設備の加速償却等があります。その他、au通信ARPA収入の増収などもあり、上期しては78億円の減益となっています。

ライフデザイン領域 売上高/営業利益

ライフデザイン領域についてご説明します。

左側につきましては、売上高でが前年同期比で38.4パーセント増の5,840億円となりました。右側で、営業利益は前年同期比で27.9パーセント増の870億円となっています。

「auでんき」契約者の拡大、あるいは「auスマートパスプレミアム」の比率の上昇などが貢献しました。また、エナリス社、あるいはじぶん銀行などの新規連結効果を除いても、売上高・営業利益ともに2桁成長となっています。

ビジネスセグメント 売上高/営業利益

次に、ビジネスセグメントの売上高/営業利益です。

左側、売上高は前年同期比で4.3パーセント増の4,510億円です。右側の営業利益につきましては、前年同期比で29.5パーセント増の826億円となりました。

モバイル、固定といった既存事業に加え、IoTなどの成長領域が拡大しています。さらに、オペレーションコストの抑制に加え、国内グループ会社の増益もあり大幅増益となっています。

ライフタイムバリューの最大化

続きまして、「ID×ARPA×エンゲージメント」についてご説明します。

これにつきましては、ライフタイムバリューの最大化ということで定義しています。

我々のビジネスの基本は「ID×ARPA」ですが、これに加え、ライフデザイン商材に合わせてお使いいただくことで、サービスの継続率、すなわちエンゲージメントが高まってくると思っています。

この「ID×ARPA×エンゲージメント」を最大化させることで、安定的な総合ARPA収入の拡大を図り、ライフタイムバリュー最大化を目指したいと思っています。

グループ戦略によるID拡大

グループ戦略におけるIDの拡大についてです。競争環境の激化もあり、auの解約率は第2四半期で0.77パーセントと、前年同期比で0.13ポイント増加していますが、UQモバイルをはじめとしたグループMVNOは堅調に増加しています。その結果、au契約者数とグループMVNO契約数を足し合わせたモバイルID数は9月末で2,709万IDと着実に成長しています。

店頭・訪問販売・Webなど、多様な販売チャネルとお客さま層を持つグループMVNOで、低価格志向のお客さまのニーズにお応えするとともに、大容量をストレスなく利用したいお客さまにはアンリミテッドな料金プランなど、auが提案する多彩な料金プランを提案することで、グループ全体でIDの拡大を進めてまいりたいと思っています。

総合ARPA/総合ARPA収入

次に、総合ARPAと総合ARPA収入です。

左側に示したとおり、第2四半期の総合ARPAは7,770円となっています。前年同期比でプラス4.3パーセントになりました。総合ARPAを構成するauの通信ARPA・付加価値のARPA・補償ARPA・auでんきARPAのすべてが前年同期比でプラスになっています。

右側の第2四半期の総合ARPA収入につきましては5,694億円で、前年同期比でプラス3.6パーセントと着実に伸長しています。

金融事業の拡大

成長領域について、まずは金融事業の拡大です。

「au PAY」は開始わずか半年で600万人を超えるお客さまにご登録いただきました。これにクレジットカード・プリペイドカード会員を加えますと、当社の決済基盤につきましては3,300万人を突破しています。

また、お客さまのお持ちになっているポイント残高、あるいはチャージの残高の合計は1,000億円を超える規模となっています。

このように通信をコアにして築き上げた決済基盤と、ポイント残高に加え、スマホをタッチポイントとして活用し、当社のサービスをご利用いただいて、溜まったポイントを投資、あるいはローン・貯蓄など、お客さまのライフステージに応じて金融商品に活用いただくということで、ポイントの循環を加速させ、金融事業を新たな利益創出の柱へと育てていきます。

auスマートパスプレミアム

次に、「auスマートパスプレミアム」についてです。

左側です。「auスマートパス」では、上位サービスの「auスマートパスプレミアム」の浸透率の上昇に注力し、会員数は9月末で851万人となりました。浸透率は55パーセントに達し、前年比でプラス18ポイントとなりました。

右側です。サービスの魅力度向上にも取り組んでいます。開始当初からアプリ取り放題に加え、今回は「au Wowma!」の送料無料化、また「auスマートパスプレミアム」の中にライブ・エンターテイメントというものをバンドルして、サービスの拡充を進めるとともに、この比率を高めたいと思っています。

さらに、2020年3月に5Gがスタートすることに合わせまして、xRや4K映像、スマートデバイスを活用した、より臨場感が味わえるデジタルコンテンツの提供を「auスマートパスプレミアム」の中で予定しています。

このように魅力のあるサービスによって、さらなる会員数の拡大と総合ARPAの成長を目指します。

IoT市場における総合力

次に、IoT市場における総合力です。

左側のグラフは国内のIoT市場のカテゴリー別の規模予測でございます。IoT市場は、当社の本業である通信やデバイスに加えまして、クラウドあるいはデータ活用の伸長により、2019年から2025年までの6年間で1.8倍と大きな成長が見込まれる市場です。

当社グループは、データの収集から活用まで、お客さまにIoTをワンストップでご提供できる多くのケイパビリティを有していますので、これらグループの総合力で市場を上回る成長を目指してまいります。

KDDI DIGITAL GATE

そして、「KDDI DIGITAL GATE」です。

これは5G・IoT時代のビジネスの開発拠点ですが、2018年9月の開設以降、のべ250社超のお客さまにご利用いただいています。さらに拡大するニーズを背景に、2019年9月には新たな活動拠点として大阪・沖縄にも開設しました。

この「KDDI DIGITAL GATE」を活用し、さまざまな業種・業態のお客さまのデジタルトランスフォーメーション実現に向けたコラボレーションを加速していきます。

au 5G

次に5Gです。

auの5Gについてですが、左側の図はネットワークの全体のロードマップになっていまして、当社は来年の春に、長年かけて磨き上げてきたピカピカの4Gにスペシャルな5Gを積み重ね、ノンスタンドアローンというかたちで、ハイブリッドなネットワークでサービスを開始する予定です。

右側はau 5Gの基地局開設計画で、当社は2024年3月末までに国内最大となる5万局超の構築を計画しています。また、ソフトバンクさんとのインフラシェアリングに向けて実証実験も進めつつ、効率的かつ早期に基地局を整備して、強靭なネットワークの構築を目指してまいります。

5Gで目指すお客さま体験価値

5Gを目指すお客さまの体験価値についてです。コンシューマー向けにおいては、5Gが実現する「おもしろいほうの未来」に向けて、まず最初に「au UNLIMITED WORLD」を定義しました。

日本初のデータ無制限プランをいち早く提供し、その上で5Gの技術でお客さまの体験を拡張、「AUGMENT」することによって、スポーツ・町・エンターテイメントといった幅広い分野で、これまでにない体験をお届けしていきたいと思っています。

ビジネスユースにおきましては、5Gと高精細動画像・AIなどを組み合わせた法人向けの5G対応ソリューションを11月よりトライアル提供します。

あらゆるものに通信が溶け込んでいく5G時代に向けて、新たな体験価値を提供していきます。

災害時の取り組み

次に、災害時の取り組みです。

当社は、台風や大雨発生時の通信復旧に向け、船舶型の基地局「KDDIオーシャンリンク」や、車載型の基地局などさまざまな機材を駆使して対応を行いました。自然災害の発生が予見される場合、全国の機材を早めに被災予想地付近へ集結させるなど、先手の活動を意識して復旧作業を構築しています。

また、充電サービスや復旧支援物品の貸出しなど、被害を受けられたみなさまへの支援と、通信環境の整備に全力で取り組んでいます。

J.D. パワー顧客満足度 No.1受賞

続きまして、J.D.パワーの顧客満足度調査です。

当社は個人・法人のお客さま向けの携帯電話サービスにおいて、4年連続でお客さま満足度1位を受賞することができました。また、法人向けIP電話・直収サービスにおいても7年連続1位、法人向けネットワークサービスでも1位を受賞しました。

今回の受賞につきまして、日頃ご愛顧いただいているお客さまに深く感謝申し上げたいと思います。

また、今後もあらゆるお客さまとの接点において、お客さまの期待を超える体験価値の提供を目指します。

サマリー

最後にサマリーです。

上期の業績につきましては、第2四半期単独で増益転換をし、通期目標に向けて順調な進捗と考えています。

ライフデザイン領域・ビジネスセグメントともに2桁の利益成長をしています。成長領域につきましては「ID×ARPA×エンゲージメント」によってライフタイムバリューを拡大します。

ライフデザイン領域は通信をコアとして、金融・決済、「auスマートパスプレミアム」を梃子に事業拡大を目指していきます。

そして、ビジネスセグメントではIoTなど成長領域の取り組みを推進していきます。

来たる5G時代を見据え、お客さまに新たな体験価値を提供していきたいと思っています。

以上で説明を終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。