2020年4月期第1四半期決算説明会

田中伸明氏:フリービット株式会社の田中でございます。本日、2020年4月期第1四半期の決算発表をさせていただきます。みなさま、よろしくお願いいたします。

2020年4月期 第1四半期 連結業績

まず、第1四半期の連結業績からご報告させていただきます。売上高が133億8,600万円。EBITDAが8億300万円。営業利益が3億3,300万円。経常利益が2億8,600万円。当期純利益がマイナス1億8,000万円という結果になっております。

前年同期比で申し上げますと、売上は28パーセントの増加で、大幅な増収傾向は当期においても継続しております。また営業利益は前年同期と比べますと、17パーセントほど減少しております。

後ほど詳しく申し上げますけれども、昨年度の第3四半期から開始しましたエドテック事業につきましては、第1四半期は赤字になり、第4四半期に黒字で取り戻す事業構造になっている関係から、当期は減益になっております。

計画どおりの進捗でありますため、現時点ではみなさんにご心配をおかけするような状況にはなっておりませんことをご報告申し上げたいと思います。

経常利益は2億8,600万円となりまして、前年同期と比べまして66パーセントの増益となっておりますが、持分法投資損失が減少いたしましたので、その結果、大幅な増益になっている状況でございます。

当期純利益につきましては、昨年度同様、第1四半期は赤字でスタートしております。前期に比べて営業利益が若干少なかった影響で、当期純利益も赤字幅は広がっております。四半期を重ねるごとに営業利益が積み上がっておりますので、その過程におきまして黒字化し、当期目標に徐々に近づいていく流れになると思っております。

この第1四半期のマイナス1億8,000万円も計画どおりでございまして、ご心配いただくような状況にはなっておりませんので、ご理解いただけたらと思っております。

2020年4月期 第1四半通期連結業績トピックス

トピックスでございます。繰り返しになりますけれども、売上は前年同期比で28パーセント増加という結果になっております。

要因としましては、昨年度に始めましたエドテック事業が株式会社アドテクを買収して開始しておりますので、その事業売上が純粋に足されていることで大きく伸長している部分と、不動産テック事業が大幅に拡大している傾向にありまして、その2つが主な要因となり、28パーセント増加しております。

営業利益につきましては、先ほど申し上げましたエドテック事業がこの第1四半期では赤字ですので、その影響が大きいことから前年同期比17パーセント減少いたしました。ただし、これは計画どおりの推移でございます。

それでは、それぞれのセグメントのトピックを申し上げます。

不動産テック事業につきましては、マンションインターネットが昨年度と同様で大幅に増収となっております。そのセグメントだけで申し上げますと、前年同期比で57パーセント増加と、引き続き当社のセグメントのなかでは非常に大きな成長を続けております。

ヘルステック事業につきましても、引き続き順調に推移しております。子会社の株式会社フリービットEPARKヘルスケアにつきましては、売上が前年同期比で14.9パーセント増加している状況になっております。

セグメント損益につきまして、フリービット株式会社本体でもヘルステック事業として介護施設向けシステムの提供を開始しております。こちらも、今後の成長を見込んで体制を強化していることもございまして、損益的には費用が増加しており、前年同期比で2,400万円ほど損失が増えていることから、トータルで株式会社フリービットEPARKヘルスケアの成長を消し込んでいる部分がございます。

エドテック事業につきましては、純粋な売上が前年同期比で加算されておりますので、連結業績の拡大に寄与しております。繰り返しになりますが、第1四半期の利益は赤字ですので、連結に対してはマイナス要因になっております。

ただし、教育事業ということもありまして、第4四半期の3月、4月に大きく売上が上がるモデルですので、当期中に回収かつ連結業績にも利益として寄与する予定で進んでおります。

四半期実績推移

四半期の実績推移でご覧いただきますと、第1四半期が減益だったこともあり、みなさまは心配されるかもしれませんが、スライドのグラフのとおり、昨年度の第4四半期は営業利益で13億5,200万円を計上しております。

その前四半期から比べますと、最終四半期で倍以上の利益を計上した結果がございます。当事業年度におきましても、第4四半期がもっとも利益が上がるような計画になっております。

現時点におきましては、投資家のみなさまにも若干ご心配をいただくかもしれませんが、過去の推移をご覧いただきますと、今後はきちんと利益を積み増せることが実績としてもおわかりいただけるかと思いますので、グラフにつきましてもご注目いただけたらと思っております。

決算概要 売上構成比

売上構成比につきましては、この数年で構成が変わってきております。直近で売上が一番大きく伸長しておりますのは不動産テック事業で、前年対比で57パーセント増えております。

それにともないまして、(不動産テック事業の)利益も貢献度が非常に大きくなっているのが(スライドから)見て取れるかと思います。

また、ヘルステック事業、エドテック事業という比較的新しい事業も加算されてきておりますので、全体としては第1四半期で130億円を超えるような規模になっております。

前年同期比差異分析 売上高

前年同期と比べての要因分析でございます。純粋に、エドテック事業が新しく追加されましたので13億円増えております。不動産テック事業は、継続して事業が拡大している部分でありまして、11億円増えております。

アドテク事業につきましても、過去に比べると成長率は下がっておりますけれども、それでも3億4,000万円の増収という状況になっております。

その他、それぞれの事業もプラスで推移しておりますので、(売上高は)全体で104億円から130億円を超えるレベルまで成長しております。

前年同期比差異分析 営業利益

営業利益は、前年同期が4億100万円でしたけれども、不動産テック事業の事業利益が2億9,000万円追加されております。

ここが非常に大きな増益要因になっているのですが、一方で前年同期と比べますと、インフラテック事業が約1億円減益しているところと、アドテク事業につきましても、売上は伸びていましたけれども体制強化等の変動がいろいろありましたので、営業利益としてはマイナス7,000万円になっております。

ヘルステック事業につきましても、フリービット株式会社本体で体制を強化している関係から2,400万円減少しており、それを相殺して、この段階では4億8,900万円という営業利益になっております。

要するに、既存事業で言いますと4億100万円から4億8,900万円ということで増益になっております。この増益に対しまして、エドテック事業の第1四半期の季節要因であるマイナスが1億5,000万円強ありましたので、その結果、営業利益が3億3,300万円になったという構造でございます。

したがいまして、既存事業は伸びている事業、伸びてない事業とありますけれども、全体としては増えていきます。エドテック事業が第4四半期できちんと黒字を出す事業モデルですので、そこで黒字になれば両方が加算される事業構造でございます。

連結業績サマリ 収益構造推移

収益構造は、スライドのグラフのとおり、第1四半期は前年同期に比べますと事業規模が大きく拡大しているのがご理解いただけると思います。前々期、前期と比べますと成長率はそこまで高くなかったのですが、今年度におきましては非常に大きく成長しております。

販売管理費推移

販管費につきましては、エドテック事業が開始されましたが、会社を買収しておりますので、人員が増えて人件費が増加しております。その分の費用が販管費として伸びており、また買収に伴うのれんも一定額増えておりますので、前年同期比でその償却額も増え、両方をトータルしますと前年同期比で41パーセント増えたというところであります。

従業員数推移

従業員数は既存事業でも若干伸びておりますけれども、当期におきましては、エドテック事業で買収した会社の分が、前年同期比で増えたその増加要因になっております。

前年同期比差異分析 経常利益

経常利益になりますけれども、前年同期が1億7,200万円でした。そこに、営業利益が増加した分などがありまして8,800万円追加され、冒頭に申し上げましたが、さらに持分法投資損失が減少したことから1億9,100万円の増加でございます。それにより、4億4,200万円の経常利益を計上するかたちで、ここまでですとかなり大幅な増益となります。

一方で、何度も申し上げていますエドテック事業のマイナスを引きまして、2億8,600万円になったところであります。

全体として経常利益は大幅な増益になっておりますので、引き続き既存事業の利益拡大を重ねることで、すべての指標で増益にしようということで進めているところでございます。

前年同期比差異分析 親会社株主に帰属する四半期純利益

最終利益はマイナス1億4,700万円からマイナス1億8,000万円になりました。多少でこぼこしていますけれども、ここは完全に利益は増えております。しかし、エドテック事業のマイナスでほぼ消されたとご理解いただけたらと思っております。

連結業績サマリ BS比較

バランスシートにつきましては、四半期での比較ですので、前期末から比べますとそれほど大きな変動は起きておりません。

インフラテック事業進捗①

ここからは、それぞれのセグメントの事業進捗についてご報告させていただきます。

インフラテック事業ですけれども、売上が若干増で、セグメント損益が45.1パーセント減少しております。ここは、固定網での引き続きのトラフィック増加等もありまして、費用が増えているところがございます。

現状では費用は増えているものの、一定期間ごとに通信キャリアとの契約変更でしたり、ネットワーク構成の変更が今後も予定されておりますので、このままセグメント損益が減少していくということではございません。

一定期間ごとに事業構造は修正されていきますので、当面の間、売上はそこまで大きく増えていきませんけれども、今後につきましては、利益構造は少しずつ改善する見込みがあるとご理解いただけたらと思います。

インフラテック事業進捗②

インフラテック事業におけるトピックスとしましては、7月にアルプスアルパイン株式会社との業務提携がございました。こちらはモビリティ系サービスになりまして、現状はコンセプトベースの包括提携になりますけれども、これから大きな事業になるべく、アルプスアルパイン株式会社と時間をかけて技術開発・ビジネス開発を進めていくところでございます。

不動産テック事業進捗

不動産テック事業になりますけれども、こちらは前年同期比で売上が57.1パーセント増ということで、非常に大きな成長を続けており、それに伴いセグメント利益も増加しております。

また第1四半期につきましては、例年、第4四半期に非常に大きな受注が積み重なることもありまして、その反動であまり利益が出なかったのですが、今期においては事業規模が拡大してきたこともあり、第1四半期からきちんと利益を計上できております。

さらに今後の見通しとしましては、昨年度と同様、第2四半期・第3四半期・第4四半期と利益が積み上がっていくことになりますので、当社連結グループにおけるセグメントとしましては、現状ではこの不動産テック事業が成長頭という傾向で推移していくことになると思われます。

不動産テック事業進捗 マンションインターネット導入実績

この不動産テック事業における導入戸数につきまして、ハウスメーカーさま等に提供している戸数ベースが増えていくことで事業が拡大していくのですが、当期の目標としましては、累計で59万戸を超える数になることでございます。

集合住宅向けのインターネットサービスということで、業界においては当社のブランドではないOEMも含めますと業界2位ぐらいの水準まで来ておりまして、今後は業界1位を目指して進めていくということで、営業的な足場はだいぶ整ってきた状況でございます。

アドテク事業進捗①

アドテク事業となりますけれども、こちらは前年同期比で売上が8.3パーセント増加しておりますが、セグメント損益は27.9パーセント減少しております。

業界としましては、インターネット広告市場はマス媒体に比べて成長がどんどん続いているところは変わっておりません。一方で、市場全体が伸びていることから競争環境は以前よりも厳しくなっております。

また、GoogleやFacebookといった大きなプラットフォームの支配力が高まっていることもありまして、成長はしつつも利益を出すためには、もっともっと付加価値の高いサービスを考案して販売していくことが求められております。

今後もサービス開発に努めて、顧客の方々の利益に貢献するところで事業を拡大してまいりたいと捉えております。現状は、それに向けた体制強化等の費用が若干先行している時期であると捉えております。したがいまして、中期的にはこの利益率も改善できることを目指しているとご理解いただけたらと思っております。

アドテク事業進捗②

事業進捗につきましては、いろいろなテーマがたくさんございます。当社グループにおきましては、日本のマーケットだけでなく、徐々にASEANエリア等の事業も数字としては目立った状況になってきております。日本のなかだけではなく、そのような市場も捉えて成長を目指したいということでございます。

アドテク事業進捗③

こちらのページにありますとおり、ASEAN系のさまざまなエリアでサービスを展開しております。今までどおりのパフォーマンス系のマーケティングサービスに加えて、インバウンドのマーケティングやオフショアの開発、もしくはヘルスケア系のグループで行っているものの展開を目指して進んでいるところでございます。

ヘルステック事業進捗①

ヘルステック事業につきましては、株式会社フリービットEPARKヘルスケアという子会社が引き続き成長しておりまして、こちらが要因で前年同期比で14.9パーセントの増収となっております。ただし、セグメント損益は2,400万円減少しております。

その大きな要因につきましては、フリービット本体で行っているヘルステック事業が、今は収益獲得よりも体制強化の時期ということがありまして、前年同期との対比で見ますと、そのコストの増加が減益の要因になっております。

ただし、フリービット株式会社本体で取り組んでおりますヘルステック事業も、業界の最大手の会社さまへのサービス提供がベースになっておりますので、こちらを引き続き伸ばしてまいります。

すでに提供しているものを伸ばしていくことに加えまして、その実績をもとに、業界のなかで横展開していくことも含めますと、中期的にはフリービット株式会社本体の事業もかなりの成長領域になるであろうということで進めております。

当面は、売上拡大に伴い利益がいつも連動するというよりも、多少でこぼこする時期が続く可能性があるということを申し上げておこうと思います。ただし、成長はかなり大きくしていくだろうと見込んでおります。

ヘルステック事業進捗②

トピックスとしましては、株式会社フリービットEPARKヘルスケアにおける薬局との提携者数も増えていますし、そこに対する予約も非常に大きく増えております。

ヘルステック事業進捗③

電子お薬手帳の累計ダウンロード数は75万件を突破いたしました。電子お薬手帳という領域では、認知度も非常に高まっているということで、引き続きここも伸ばしてまいりたいと考えております。

エドテック事業進捗

エドテック事業でございますが、現状は、買収しました株式会社アルクの事業が中心でございます。何度か申し上げましたとおり、第4四半期、要するに3月と4月に利益が集中している関係で赤字になっておりますけれども、事業の進捗としましては非常に順調に推移していますし、計画どおりに進んでおりますので、第4四半期に向けてもとくに問題なく推移するであろうと見ております。

昨年度の第4四半期の営業利益は2億3,000万円でございました。当事業年度についても同規模レベルの利益を計上しつつ、中期的には当社グループに入ったことで、テクノロジーを強みにした教育サービスをただ今準備中でございます。いろいろなサービスをリリースできるのではないかということで進めておりますので、今後についてはご期待いただけたらと思っております。

ここまでが、連結のセグメントの個別の状況でございました。

各事業セグメントの注力施策の進捗

ここからは、当事業年度の注力施策ということでご説明をさせていただきます。

インフラテック事業は、アルプスアルパイン株式会社との協業をきちんと進めていこうというところが大きなテーマになっております。

不動産テック事業は、すでに非常に大きな会社さまとの提携によって事業が拡大しておりますので、これをさらに、きちんとトラブルなく拡大していけるようにオペレーションしていくところがテーマとなっております。

アドテク事業は、先ほど「付加価値の高いサービスを提供することが必要である」と申し上げましたが、そこを愚直に進めていくところに尽きますので、きちんと売上を計上しつつも、利益率の高いサービスを投入していきたいということでございます。

ヘルステック事業は、「EPARKお薬手帳」のダウンロードですとか、提携薬局数の拡大、または予約数の拡大は、右肩上がりで現状も推移していますので、ここを引き続き続けていくところと、フリービット本体でやっている、介護事業者向けのシェアの拡大がテーマとなって、事業を拡大していくことになっています。

エドテック事業は、(株式会社アルクが)昨年度の第3四半期から当社にグループ入りしておりますので、現時点では、テクノロジーサービスの追加というところではまだ準備中の段階にあります。ただし、それを実現させるための技術リソースであったり、種となるもの……例えば、オンライン英会話のアプリの買収などの準備を進めております。

ここにつきましては、そこまで遠くない未来で新事業の発表をさせていただき、「当社の中核となる事業に育てていこう」というところで、最初の基礎固めを進めているところでございます。

連結業績進捗

注力施策の進捗でございますが、当事業年度の第1四半期の数字で言いますと、進捗率はこの表のとおりでございます。売上は23.5パーセントですので、ほぼ4分の1でございます。

利益につきましては、(営業利益、経常利益がそれぞれ)8.3パーセント、7.5パーセントということで、4で割ると非常に低めの進捗でございまして、株主・投資家のみなさまのなかでも心配される方もいらっしゃるかと思います。

前半でご説明しましたとおり、当社の事業は第4四半期に大きく利益を上げる事業が多くありますので、現時点においては、当社としては計画を上回っている状況であるということで、ご安心いただけたらと思っております。

今後、第2四半期・第3四半期・第4四半期で計画から外れないよう、日々、社員一丸となって業務を進めていくということでがんばっておりますので、今後も引き続き、応援をよろしくお願いいたします。

以上が、2020年4月期第1四半期の業績のご報告となります。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。