1. 決算概要: 損益計算書(四半期)

椎葉忠志氏:それでは、2019年12月期第2四半期の決算説明会を行います。まずはじめに、2019年12月期第2四半期単体の数字についてご説明します。

売上高が13億6,300万円、営業損失が4億3,400万円、経常損失は4億3,900万円、四半期純損失が5億1,700万円となっております。前四半期の2019年第1四半期と比較しても、売上が減少しております。赤字幅ですが、2018年12月期第2四半期が少しながらも赤字ではなく黒字になっていたのに対して、今回の決算では、営業損失・経常損失・当期純損失が発生しております。

売上高の減少に加えて、2019年12月期第1四半期では共同事業の相手先から未払いといいますか、精算が遅れていたコストがあり、それを前四半期に計上しておりましたが、その共同事業の相手先負担分による売上原価の減額がなくなっておりますので、通常のコスト構造に戻ったというところもございます。

もう1つ、2019年5月7日に公表した早期退職優遇制度の実施に伴う特別損失を計上した結果、四半期純利益では赤字となっております。

1. 決算概要: 貸借対照表(四半期)

続いて、貸借対照表についてご説明します。

借入金のうち、継続するメリットがないものを返済したため、「現金及び預金」「固定負債」が減少しました。2019年3月末の時点で「現金及び預金」は32億5,300万円ございました。

有価証券報告書に記載がございましたが、一部金融機関との取り決めにより、財務維持のための条項に抵触した結果、12億円ほど担保差入を行っている部分がございました。担保差入を行っている12億円については、すぐに使えるお金はございませんが、金利負担がありますので、コスト削減の一環として、この12億円について返済を行いました。「現金及び預金」の32億円のうち、現金の減少分については、その12億円が多く含まれていることになります。

1. 決算概要: 売上高分析(四半期)

次に、売上高の分析についてご説明します。

(当社の売上高のなかで)一番大きいところは「共同」でございまして、『ログレス』と、SQUARE ENIXと(共同で)行なっている『ゲシュタルト・オーディン』のふたつについては、売上が低調に推移した結果、この四半期で2億1,400万円の減収となっております。

「自社開発」のところは、『CARAVAN STORIES』となります。『CARAVAN STORIES』自体に少しトラブルがありましたが、2019年4月の終わりから5月にかけてサービスを開始した『CARAVAN STORIES』のPS4版が、私たちの想定よりも売上が好調であった結果、前四半期と比べても増収になりました。

「受託」のところが減少しているのは、一部の受託案件が前四半期で終了したためです。

1. 決算概要: コスト分析(四半期)

続いて、コスト分析についてご説明します。売上原価のところになります。

先ほど申し上げたように、まだ生産が行われていなかった一部の開発費について、前四半期に一時的に控除した共同事業の相手先負担分がなくなった分が、今回の四半期決算で通常の原価に戻りました。

もう1つは「その他」のところに書かれているように、一部タイトルのコンテンツ資産の評価を見直しました。2タイトルについて、コンテンツの評価損を売上原価に入れたことにより、売上原価が増加しております。

販売管理費にそれほど大きな変化はありません。今まで受託のようなかたちで進めていたタイトル『戦国大河』ですが、こちらを自社配信にしたことにより、売上原価から販売管理費への人件費の振り替えが生じた結果、「人件費」は増加しました。「広告宣伝費」についても、『戦国大河』を私たちの自社タイトルとして移管したことにより、プロモーションを実施した分、増加しております。

1. 決算概要: 費用推移(四半期)

続いて、費用推移についてご説明します。

スライドのグラフを見ると、2018年12月期第1四半期から全体の費用が減少しております。2018年12月期第3四半期で全体の費用が大きく減少しておりますが、こちらはマーベラス社との共同事業が始まったことで、それまで私たちがオリジナルとして作っていた部分について、一部が共同事業化されたことにより、原価が返ってきたような効果があったところです。

その次の期にあたる2018年12月期第4四半期では多額の広告宣伝費を費やしました。これは(新規)タイトルのリリースもございましたし、『ログレス』は5周年、『CARAVAN STORIES』は1周年となりますので、広告費が多くなった結果、費用が伸長しております。

2018年12月期第1四半期から見ていくと、全体の費用は右肩下がりで減少しているのが基本となります。そのなかで、2018年12月期第4四半期のみ広告宣伝費により費用が増加しました。2019年12月期で第1四半期と第2四半期を比較した場合、第2四半期のほうが多くなっているのは、先ほど申し上げたように第1四半期において共同事業の清算を行った分を売上原価として減額した部分が大きいからです。

また、当社の仕分けの仕方として、開発中のタイトルの「人件費」は売上原価となり、サービス中のタイトルについては「販売管理費」に含まれることになりますので、先ほど申し上げたように『戦国大河』が自社のタイトルとなったことによって、2019年12月期第2四半期においては「人件費」「販売管理費」の部分が増えております。

1. 決算概要: 従業員数の推移(四半期)

もう1つですが、早期退職については、2019年6月末付で完了しておりますので、次の四半期からは人件費の減少も効果として現れます。

スライドのグラフは従業員数の推移です。2018年の年末にフィリピンにあるAiming Global Service, Inc.という会社の解散決議を行い、現在は清算手続き中になりますが、実際はほぼ完了しております。そのほかに今回の早期退職で、2019年12月期第3四半期には従業員数が大幅に減少することになります。

早期退職への応募者は51名となり、それにプラスして、台湾スタジオでも一部人員の適正化をしておりますので、その分も含めると、2019年第3四半期は大幅な社員数の減少となります。

1. 決算概要: 業績予想との比較(四半期)

次に業績予想との比較についてご説明します。

業績予想値については、2019年6月7日に修正を出しておりますので、それとの比較になりますが、先ほど申し上げましたように、一部タイトルについてコンテンツ資産の評価を見直したことにより、売上原価が超過したことが一番大きいところです。

2. 2Qの進捗と今後の施策: 主要タイトルの状況

次に、施策等についてご説明します。

『剣と魔法のログレス いにしえの女神』……スマホ版の『ログレス』ですが、徐々にアクティブユーザーが減ってきている状況にあります。どの年も6月にアクティブユーザー数が一番減少するという数字が出ていますが、2019年も同じように6月に向けて(日にちが経過して)いくうちにアクティブユーザー数は減少していきます。このゲームは12月にサービスを開始しており、毎年12月には周年等で力を入れているということから、毎年の傾向として、その反対側にある6月に向かっていくうちにアクティブユーザー数が減少していきます。

もちろん、2018年と比べてアクティブユーザーの数は減少しておりますが、数字としてはまだまだ上げられるところがありますので、よりよいサービスとして力を入れてまいります。

『CARAVAN STORIES』ですが、スマホ版のアプリが少し停止するというトラブルがありまして、アクティブユーザー数や課金額の低下がありましたが、それをPS4版の売上がカバーしたというところです。

PS4版については、私たちもそうですが、一緒に取り組んでいただいているソニー・インタラクティブエンタテインメントでもこれほどまでに伸びるとは思っていませんでした。PlayStationプラットフォームで基本無料のゲームとして、とくに顧客単価面で想定以上の売上の数字が出たというところは意外な結果となり、私たちとしてはポジティブなサプライズとなりました。

2. 2Qの進捗と今後の施策: 2019年の方針に対する取り組み

次に、自社開発についてご説明します。

現在、(当社には)『CARAVAN STORIES』がありますが、このあと『CARAVAN STORIES』はPS4で英語によるグローバルバージョンも出します。そこまででまず1つになりますが、それ以降も『CARAVAN STORIES』自体で出せるプラットフォームがあるのであれば、積極的に出していきたいと考えています。

PS4版で私たちが想定したよりもよい結果を挙げましたが、スマートフォン向けのスペックで作っているゲームでも、ある程度見映えがするものは、大きな画面で映してもお客さんに満足していただけるというところがあり、私たちが得意とするハードコア……リッチなゲームを作る私たちとしては、今後も展開するプラットフォームが増えるという意味でも、私たちの特性を活かす方向としても、いい話だと思っています。

今後、クラウドゲーム等がどのように飛躍し、成長していくかというところは、難しい面が見えてきているところもありますが、やはりそのような新しいプラットフォームがあったとしても、当社のコンテンツであればさまざまなプラットフォームでも展開し、売上を増やしていくということが可能なため、今後もそのような取り組みを行っていきたいと考えております。

また、受託開発ですが、プロジェクト全体・案件全体を引き受けているものもありますし、グラフィックの部分だけ受託しているものもありますが、数自体はいくつか増えてきております。

一方、コスト削減の取り組みですが、先ほど申し上げたように早期退職は51名の応募があり、費用としては8,000万円を計上しておりますが、2019年12月期期中において1億2,000万円のコスト削減効果を見込んでおります。

もう1つご説明しますが、2019年7月25日に発表したように、『ゲシュタルト・オーディン』については、サービス終了という判断をしております。こちらについては、(このゲームに関わった)人員を別の案件に回すことや、そのほかにもかかったコストを減らしておりますので、全体的なコスト削減効果が発生することになります。

2. 2Qの進捗と今後の施策: パイプライン

続いて、パイプラインについてご説明します。

スライドの表において、「オリジナル」のところに1つありますが、こちらはすでに発表されている『ログレス物語(ストーリーズ)』で、マーベラスとの共同案件になります。一般ユーザー向けのクローズドβテストを行っており、その数値としては悪くないものが出ておりますので、改善できるところを改善して、サービスに向けて準備をしております。

ゲーム系の「IP」という項目にもう1つあるものは現在開発中(のゲーム)で、時間はかかっておりますが、(開発は)かなり進んだと思っています。

スライドの表の「未定」のところについてご説明します。『Project:R』は上海のShanghai Giant Network Technologyと共同開発しているもので、もう1つが2019年2月に増資を行った際に発表したディライトワークスとの案件です。この2つが今後のタイトルとしてラインナップされています。

2. 2Qの進捗と今後の施策: 『ログレス物語(ストーリーズ)』

次に、『ログレス物語(ストーリーズ)』についてご説明します。

こちらはクローズドβテストを行っておりますが、ゲームとしては『ログレス』の初期の遊びをよりリファインしたもので、見た目も含めてよりよくしたものになります。まずは過去に『ログレス』をプレイしていただいたお客さまに手に取っていただけるものとしており、その先については、そのような(先行)ユーザーが盛り上がっているところ、よい評価をいただいているところに、別の新規ユーザーも積極的に獲得していくという考えであります。

3. 業績予想: 2019年12月期 第3四半期業績予想

現在の四半期に該当する、2019年12月期第3四半期の業績予想についてご説明します。

第2四半期と比較して、売上高は少し減少しております。それと比較すると、第2四半期については、『戦国大河』の自社配信化、『CARAVAN STORIES』のPS4版のサービス、新作の発売もありましたので、それに費やした宣伝広告費が若干増えている面がありますが、今までと変わらない額の販売管理費、広告費を費やしております。

スライドの黒枠部分にありますように、新作の事前プロモーションによる広告宣伝費が増加しております。『CARAVAN STORIES』の英語によるグローバルバージョン、クローズドβテストを行った『ログレス物語(ストーリーズ)』の2つについても、広告費が発生する段階になっておりますので、そのようなタイミングだとお考えください。

売上高が12億8,600万円、営業赤字が4億3,900万円、経常赤字が4億4,000万円、四半期の純損失が4億4,300万円という数字になっております。先ほど申し上げたように、こちらは広告宣伝費がかかることもございますし、共同で行っている2タイトルについても、共同開発者である私たちの負担分が、まだ少し重いコストとしてかかることになりますので、これらのタイトルがサービスされることによって、赤字幅は減少していくものになります。

以上で、今回の決算説明会を終わらせていただきます。ありがとうございました。